ZFS ルートのインストールでは、スワップデバイスとダンプデバイスのサイズの決定方法が異なるため、インストール前、インストール中、またはインストール後にスワップデバイスとダンプデバイスのサイズの調整が必要になることがあります。
スワップボリュームとダンプボリュームのサイズは、初期インストール時に調整することができます。詳細は、例 5–1 を参照してください。
Oracle Solaris Live Upgrade 操作を実行する前に、スワップボリュームとダンプボリュームを作成し、それらのサイズを設定することができます。次に例を示します。
ストレージプールを作成します。
# zpool create rpool mirror c0t0d0s0 c0t1d0s0 |
ダンプデバイスを作成します。
# zfs create -V 2G rpool/dump |
ダンプデバイスを有効にします。
# dumpadm -d /dev/zvol/dsk/rpool/dump Dump content: kernel pages Dump device: /dev/zvol/dsk/rpool/dump (dedicated) Savecore directory: /var/crash/t2000 Savecore enabled: yes Save compressed: on |
次のいずれかを選択してスワップ領域を作成します。
SPARC: スワップ領域を作成します。ブロックサイズを 8K バイトに設定します。
# zfs create -V 2G -b 8k rpool/swap |
x86: スワップ領域を作成します。ブロックサイズを 4K バイトに設定します。
# zfs create -V 2G -b 4k rpool/swap |
新しいスワップデバイスを追加または変更したときは、スワップボリュームを有効にしてください。
スワップボリュームのエントリを /etc/vfstab ファイルに追加します。
Oracle Solaris Live Upgrade では、既存のスワップボリュームとダンプボリュームのサイズは変更されません。
ダンプデバイスの volsize プロパティーは、システムのインストール後に再設定することができます。次に例を示します。
# zfs set volsize=2G rpool/dump # zfs get volsize rpool/dump NAME PROPERTY VALUE SOURCE rpool/dump volsize 2G - |
スワップボリュームのサイズを変更することはできますが、CR 6765386 を組み込むまでは、まずスワップデバイスを削除することをお勧めします。そのあとで再作成してください。次に例を示します。
# swap -d /dev/zvol/dsk/rpool/swap # zfs volsize=2G rpool/swap # swap -a /dev/zvol/dsk/rpool/swap |
アクティブなシステムからスワップデバイスを削除する方法については、次のサイトを参照してください。
http://www.solarisinternals.com/wiki/index.php/ZFS_Troubleshooting_Guide
JumpStart プロファイルのスワップボリュームとダンプボリュームのサイズは、次のようなプロファイル構文を使用して調整することができます。
install_type initial_install cluster SUNWCXall pool rpool 16g 2g 2g c0t0d0s0 |
このプロファイルでは、2 つの 2g エントリによって、スワップボリュームとダンプボリュームのサイズがそれぞれ 2G バイトに設定されます。
インストール済みのシステムのスワップ領域を増やす必要がある場合は、スワップボリュームを追加するだけです。次に例を示します。
# zfs create -V 2G rpool/swap2 |
その後、新しいスワップボリュームをアクティブにします。次に例を示します。
# swap -a /dev/zvol/dsk/rpool/swap2 # swap -l swapfile dev swaplo blocks free /dev/zvol/dsk/rpool/swap 256,1 16 1058800 1058800 /dev/zvol/dsk/rpool/swap2 256,3 16 4194288 4194288 |
最後に、2 つ目のスワップボリュームのエントリを /etc/vfstab ファイルに追加します。