Solaris 10 IBM BladeCenter サーバーインストールガイド

rules ファイルの作成

rules ファイルは、Solaris OS のインストール先システムの各グループのルールが含まれるテキストファイルです。各ルールは 1 つ以上のシステム属性にもとづいてシステムグループを識別し、各グループをプロファイルにリンクします。プロファイルは、グループ内の各システムに Solaris ソフトウェアがどのようにインストールされるかを定義するテキストファイルです。たとえば、次のルールは JumpStart プログラムが basic_prof プロファイル内の情報を使用し、sun4u プラットフォームグループを持つすべてのシステムに対してインストールを実行することを示します。

karch sun4u - basic_prof -

rules ファイルを使用して、カスタム JumpStart インストールに必要な rules.ok ファイルを作成します。


注 –

「ネットワーク上のシステム用のプロファイルサーバーの作成」の手順に従って JumpStart ディレクトリを設定する場合、サンプルの rules ファイルはすでに JumpStart ディレクトリにあります。rules ファイルのサンプルには、説明といくつかのサンプルのルールがあります。サンプルの rules ファイルを利用する場合は、使用しないサンプルのルールは必ずコメントにしておいてください。


rules ファイルの構文

rules ファイルに必要な属性は、次のとおりです。

rules ファイルには、次の要素を任意に含めることができます。

rules ファイル内のルールは、次の構文に従う必要があります。

!rule-keyword rule-value && !rule-keyword rule-value ... begin  profile  finish
!

否定を示すためにキーワードの前で使用される記号。

rule-keyword

ホスト名 (hostname) やメモリーサイズ (memsize) などの一般的なシステム属性を記述する、事前定義された字句単位または語。rule-keyword は、同じ属性を持つシステムを 1 つのプロファイルに対応させるためにルール値とともに使用されます。

rule-value

対応する rule-keyword に固有のシステム属性を指定します。ルール値については、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』「ルールキーワードと値の説明」を参照してください。

&&

同じルール内で rule-keywordrule-value のペアを複数組み合わせる際に使用する必要のある記号 (論理 AND)。カスタム JumpStart インストール時に、システムがルール内のすべてのペアに一致しなければ、ルールの一致は成立しません。

begin

インストール開始前に実行される Bourne シェルスクリプト名。開始スクリプトがない場合、このフィールドにマイナス記号 (-) を指定する必要があります。開始スクリプトはすべて、JumpStart ディレクトリになければなりません。

開始スクリプトの作成方法の詳細は、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』「開始スクリプトの作成」を参照してください。

profile

テキストファイル名。システムがルールに一致したとき Solaris ソフトウェアがシステムにどのようにインストールされるかを定義しています。プロファイル内の情報は、プロファイルキーワードと、それらに対応するプロファイル値から構成されます。すべてのプロファイルは JumpStart ディレクトリになければなりません。

finish

インストール終了後に実行される Bourne シェルスクリプト名。終了スクリプトがない場合、このフィールドにマイナス記号 (-) を指定する必要があります。終了スクリプトはすべて、JumpStart ディレクトリになければなりません。

終了スクリプトの作成方法の詳細は、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』「終了スクリプトの作成」を参照してください。

各ルールには、少なくとも次の要素を含める必要があります。

Procedurerules ファイルの作成方法

  1. テキストエディタを使って、rules という名前のテキストファイルを作成します。または、作成済みの JumpStart ディレクトリからサンプル rules ファイルを開きます。

  2. rules ファイル内で、Solaris ソフトウェアをインストールするシステムのグループごとにルールを追加します。

    rules ファイルのキーワードと値の例については、rules ファイルの例」を参照してください。rules ファイルのキーワードと値の一覧については、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』「ルールキーワードと値の説明」を参照してください。

  3. rules ファイルを JumpStart ディレクトリに保存します。

  4. rootrules ファイルを所有していて、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認します。

rules ファイルの例

rules ファイルのルール例は、次のとおりです。各行には、ルールキーワードとそのキーワードに有効な値があります。

JumpStart プログラムは、rules ファイルを上から下へ走査します。JumpStart プログラムでルールのキーワードと値を既知のシステムと照合すると、profile フィールドにリストされたプロファイルで指定されている Solaris ソフトウェアがインストールされます。


例 1–11 一般的な rules ファイル

 # rule keywords and rule values       begin script       profile       finish script
 # -----------------------------       ------------       --------      -------------
  hostname eng-1                       -                  basic_prof    -
  network 192.168.255.255 && !model \
 'SUNW,Sun-Blade-100'                  -                  net_prof      -
  model SUNW,SPARCstation-LX           -                  lx_prof       complete
  network 192.168.2.0 && karch i86pc  setup               x86_prof      done
  memsize 64-128 && arch i386          -                  prog_prof     -
  any   -                              -                  generic_prof  -

次に、この例で使用されている一部のキーワードと値について説明します。

hostname

このルールは、システムのホスト名が eng-1 の場合に一致します。basic_prof プロファイルは、ルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。

network

このルールは、システムがサブネット 192.168.255.255 上にあり、Sun BladeTM 100 (SUNW,Sun-Blade-100) でない場合に一致します。net_prof プロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。

model

このルールは、システムが SPARCstation® LX である場合に一致します。lx_prof プロファイルと complete 終了スクリプトは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。

network

このルールは、システムがサブネット 192.168.2.0 上にあって、x86 ベースの sun4u システムである場合に一致します。setup 開始スクリプト、x864u_prof プロファイル、および done 終了スクリプトは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。

memsize

このルールは、システムが 64 〜 128M バイトのメモリーを持つ x86 システムである場合に一致します。prog_profプロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。

any

このルールは、上記のルールに一致しなかったすべてのシステムに一致します。generic_prof プロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。any を使用する場合は、この値を常に rules ファイルの最後のファイルとして使用する必要があります。