Solaris 10 IBM BladeCenter サーバーインストールガイド

Solaris 10 11/06 のバグと問題

IBM BladeCenter サーバーに Solaris 10 11/06 OS をインストールして使用する際に注意すべきバグと問題の一覧を、次に示します。

BladeCenter LS21、LS41、HS21 サーバーなど、Broadcom NetXtreme II ネットワークインタフェースカード (NIC) を搭載したシステムには、次のバグが該当します。

BladeCenter LS21、LS41、HS21 サーバーなど、PCI Express に対応したサーバーには、次のバグおよび問題が該当します。

BladeCenter LS21、LS41、HS21 サーバーなど、ATI ES1000 515E チップセットを使用するシステムには、次のバグが該当します。

次のバグは、マルチプロセッサ拡張ユニット (MPE) を備えた BladeCenter LS41 のように、4 つ以上の NetXtreme II ギガビット Ethernet インタフェースが搭載されたシステムに該当します。


注 –

これらのバグの中には、カスタムインストールイメージの作成が必要になるものがあります。この回避方法についてのより詳しい情報は、以降に示すバグの個別の説明と、第 3 章「IBM BladeCenter サーバーにおけるインストールの問題のトラブルシューティング (作業)」に記載されています。


6377378: Broadcom NetXtreme II BCM 5708S チップセットには追加サポートが必要

説明: このバグは、IBM BladeCenter LS21、LS41、HS21 サーバーなどの、Broadcom NetXtreme II NIC を利用するシステムに該当します。このドライバのサポートは、Broadcom から直接入手できます。

回避方法: Solaris OS 用 Broadcom bnx ドライバの最新版をダウンロードしてインストールします。

Broadcom bnx ドライバのダウンロード方法については、Broadcom Web サイト (http://ja.broadcom.com/support/ethernet_nic/downloaddrivers.php) を参照してください。

6474277: 一部の IBM BladeCenter サーバーで、キーボード入力の障害のために Solaris OS のインストールを完了できない

説明: IBM BladeCenter LS21、LS41、HS21 サーバーなどの、PCI Express 機能を備えたシステムがこのバグの影響を受けます。Solaris の PCI サポートに問題があるため、USB 割り込みが正しく処理されません。特に、これらのシステムの USB ホストコントローラは、デフォルトではメモリーマップ PCI 構成空間 (MCFG) アクセスをサポートしません。この結果、インストールの段階でキーボード入力が機能を停止して、インストールが失敗します。

回避方法: Solaris 10 11/06 リリースをインストールする前に、新しいインストールイメージを作成する必要があります。このインストールイメージにはパッチ 125034 を含める必要があり、このパッチはさらに 123840-04 と 118855-36 の 2 つのパッチのインストールを必要とします。手順については、「IBM BladeCenter LS21、LS41、および HS21 サーバーへの Solaris 10 11/06 のインストールのトラブルシューティング」を参照してください。

あるいは、Solaris 10 8/07 OS 以降をインストールします。

6477887: 一部の IBM BladeCenter サーバーで、不当な NMI エラーのために Solaris OS のインストールが失敗する


注 –

この問題は、6474277 で説明した問題と関連があります。


説明: Xsun -probe コマンドは、Solaris OS のインストール中に PCI バスを列挙するとき、使用できる可能性のあるすべての PCI デバイスと機能の PCI 構成空間を読み取ります。一部の BladeCenter ハードウェアは、機能 0 と 2 だけをサポートします。機能 1 へのアクセスが行われると、マスク不可割り込み (NMI) が発生し、管理プロセッサにより BladeCenter サーバーのリブートが実行されます。

この問題は、BladeCenter LS21、LS41、HS21 サーバーなどの PCI Express 対応のハードウェアで発生します。

回避方法: Solaris 10 11/06 リリースをインストールする前に、新しいインストールイメージを作成する必要があります。このインストールイメージにはパッチ 125034 を含める必要があり、このパッチはさらに 123840-04 と 118855-36 の 2 つのパッチのインストールを必要とします。手順については、「IBM BladeCenter LS21、LS41、および HS21 サーバーへの Solaris 10 11/06 のインストールのトラブルシューティング」を参照してください。

あるいは、Solaris 10 8/07 OS 以降をインストールします。

6494769: ATI ES1000 ビデオコントローラを備える IBM BladeCenter サーバーにおいて、遠隔制御で Xorg が動作しない

説明: これは、ATI ES1000 ビデオコントローラを使用するシステムに固有の問題です。サーバーのコンソールにはグラフィカルログイン画面が表示されますが、管理モジュール (MM) の遠隔制御機能を使用してサーバーへのアクセスを試みると、グラフィカルログイン画面が表示されません。

次のメッセージが表示されます。

No video available

回避方法: パッチ 125720 の最新バージョンをダウンロードしてインストールするか、Solaris 10 8/07 OS 以降をインストールします。

6495236: IBM BladeCenter LS41 サーバー上で Broadcom bnx ドライバが Solaris bge ドライバと競合する

説明: Broadcom bnx ドライバの Version 3.0.0 は、Solaris bge ドライバと競合します。この競合は、Version 3.0.0 より前のドライババージョンでも発生します。

bnx ドライバが Broadcom NetXtreme II ギガビット Ethernet インタフェースのサポートを提供するのに対し、bge ドライバは Broadcom NetXtreme I ギガビット Ethernet インタフェースのサポートを提供します。存在する NetXtreme II インタフェースが 2 つだけである場合には、bnx ドライバで何の問題も発生しません。ところが、マルチプロセッサ拡張ユニット (MPE) が接続された BladeCenter LS41 サーバーのように、1 つのシステム上に 4 つ以上のインタフェースが存在していると、システムパニックのかたちで障害が発生します。

回避方法: Solaris OS 用 Broadcom bnx ドライバの最新版をダウンロードしてインストールします。

詳細手順については、「IBM BladeCenter LS21、LS41、および HS21 サーバーへの Solaris 10 11/06 のインストールのトラブルシューティング」を参照してください。

6505757: 一部の新しい PCI Express ハードウェアでは、デフォルトで PCI Express ソフトウェアサポートが有効ではない

説明: BladeCenter LS21、LS41、HS21 サーバーなどの一部の IBM BladeCenter サーバーは、デフォルトではメモリーマップ PCI 構成空間 (MCFG) をサポートしていません。これらのシステムでは、何らかの回避方法を実行しない限り Solaris PCI Express ソフトウェアは動作しません。

回避方法: Solaris 10 11/06 OS 以降のリリースをインストールするには、まずシステム BIOS を更新する必要があります。

    システム BIOS を更新するには、次の手順に従います。

  1. システムをリブートします。

  2. システムのリブート時に F1 を押して、システム BIOS にアクセスします。

  3. MCFG を有効にするには、「Advanced Setup」->「PCI Bus Control」->「PCI Enhanced Configuration Access」の順に選択します。

  4. 右矢印キーまたは左矢印キーを使って、「PCI Enhanced Configuration Access」を「Enabled」に設定します。