Solaris Trusted Extensions 開発ガイド

トラステッドネットワークの構成

restricted および webservice ゾーンには、すでに共有している IP アドレスのほかに、プライベート IP アドレスを割り当てます。各プライベート IP アドレスはマルチレベルポートを構成し、制限されたラベルセットに関連付けられます。

次の表は、それぞれのラベル付けされたゾーンのネットワーク構成を示します。

ゾーン名 

ゾーンラベル 

ローカル IP アドレス 

ホスト名 

マルチレベルポート 

セキュリティーラベルセット 

restricted

CONFIDENTIAL :RESTRICTED

10.4.5.6

proxy

8080/tcp

PUBLIC

webservice

WEB GUARD SERVICE

10.1.2.3

webservice

80/tcp

CONFIDENTIAL :RESTRICTED

webcontent

WEB GUARD CONTENT

なし 

 

 

 

最初に、新しいゾーンを作成します。public ゾーンなどの既存のゾーンを複製できます。これらのゾーンを作成したら、zonecfg コマンドを使用して、表に示したアドレスのネットワークおよびローカルインタフェース名を追加します。

たとえば、次のコマンドは、10.4.5.6 の IP アドレスおよび bge0 インタフェースを restricted ゾーンに関連付けます。


# zonecfg -z restricted
add net
set address=10.4.5.6
set physical=bge0
end
exit

それぞれのラベル付けされたゾーンに IP アドレスおよびネットワークインタフェースを指定したら、Solaris 管理コンソールを使用して表の残りの値を設定します。このツールを使用する場合、必ず Scope=Files および Policy=TSOL のツールボックスを選択してください。

    次の手順に従ってゾーン構成を終了します。

  1. スーパーユーザーとして Solaris 管理コンソールを起動します。


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  2. 「ナビゲーション」パネルから「このコンピュータ」を選択し、「システム構成」をクリックします。

  3. 「コンピュータおよびネットワーク」アイコンをクリックします。

  4. 「コンピュータ」アイコンをクリックし、「アクションからコンピュータを追加」メニューを選択します。

  5. proxy ホストおよび webservice ホストのホスト名および IP アドレスを追加します。

  6. 「ナビゲーション」パネルから「信頼できるネットワークゾーン」を選択します。

    列を拡張する必要のある場合があります。ゾーン名がリストに表示されない場合、「アクション」メニューから「ゾーン構成を追加」を選択します。

  7. 各ゾーンにラベルを割り当て、「ローカル IP アドレスの MLP 構成」フィールドに適切なポートおよびプロトコルを指定します。

  8. 「ナビゲーション」パネルから「セキュリティーファミリ」アイコンをクリックし、「アクション」メニューから「テンプレートを追加」を選択します。

    表の情報に基づいて proxy ホスト名および webservices ホスト名のテンプレートを追加します。

    1. テンプレート名の該当するホスト名を指定します。

    2. 「ホストタイプ」フィールドで CIPSO を指定します。

    3. 「最下位ラベル」および「最上位ラベル」フィールドで該当するゾーンラベルを指定します。

    4. 「セキュリティーラベルセット」フィールドで該当するセキュリティーラベルを指定します。

    5. 「明示的に割り当てられたホスト」タブをクリックします。

    6. 「エントリを追加」セクションで、 該当するローカル IP アドレスを各テンプレートに追加します。

  9. Solaris 管理コンソールを終了します。

Solaris 管理コンソールを終了したら、影響があるゾーンを起動または再起動します。大域ゾーンで、新しいアドレスのルートを追加します。shared-IP-addr は共有 IP アドレスです。


# route add proxy shared-IP-addr
# route add webservice shared-IP-addr