Solaris Trusted Extensions 開発ガイド

ラベル範囲オブジェクトの取得

getLabelRange static ファクトリで、ラベル範囲オブジェクトを作成します。getUserRange および getDeviceRange static ファクトリでは、ユーザーおよびデバイスのラベル範囲オブジェクトをそれぞれ取得します。getUpper および getLower メソッドを使用して、範囲の上位ラベルおよび下位ラベルをそれぞれ取得します。 さらに、inRangeメソッドを使用して、指定したラベルが範囲内にあるかどうかを判別します。inRange の詳細は、「ラベルオブジェクトの比較」 を参照してください。

getUserRange および getDeviceRange static ファクトリは、 getuserrange() および getdevicerange() ルーチンに対応します。詳細は、「ラベル範囲の取得」および getdevicerange(3TSOL) のマニュアルページを参照してください。

次のコンストラクタおよびメソッドの記述には、各コンストラクタのプロトタイプ宣言が含まれています。

public static Range getDeviceRange(java.lang.String device)

getDeviceRange static ファクトリでは、ユーザーが割り当て可能なデバイスのラベル範囲を取得します。デバイスにラベル範囲を指定しない場合のデフォルト範囲は、上限が ADMIN_HIGH、下限が ADMIN_LOW です。

list_devices コマンドを使用して、デバイスのラベル範囲を表示できます。list_devices(1) および getdevicerange(3TSOL) のマニュアルページを参照してください。

public static <L extends SolarisLabel,U extends SolarisLabel> Range getLabelRange(L lower, U upper)

getLabelRange static ファクトリでラベル範囲を作成します。static ファクトリでは、パラメータとして範囲の下限値および上限、すなわち認可上限 を利用します。upperlower より優位でない場合は、例外がスローされます。

public L getLower()

getLower メソッドは範囲内の下位の部分を返します。

public U getUpper()

getUpperメソッドは範囲内の上位の部分を返します。

public static Range getUserRange(java.lang.String user)

getUserRange static ファクトリは、指定したユーザーのラベル範囲を取得します。ユーザーがマルチレベルデスクトップにログインするときに、範囲の下限がラベルとして使用されます。範囲の上限、すなわち認可上限は、ラベル付けされたワークスペースにユーザーが割り当てることができる使用可能なラベルに対する上限として使用されます。

ユーザーのラベル範囲のデフォルト値は label_encodings ファイルで指定します。その値は user_attr ファイルによって上書きできます。

詳細は、getuserrange(3TSOL) のマニュアルページを参照してください。