Solaris Trusted Extensions 開発ガイド

トラステッド X ウィンドウシステムの環境

Solaris Trusted Extensions が構成されているシステム は、共通デスクトップ環境 (Common Desktop Environment、CDE) の拡張バージョンである Solaris Trusted Extensions CDE を使用します。Solaris Trusted Extensions CDE は、Trusted Extensions X ウィンドウシステムを使用します。Trusted Extensions X ウィンドウシステムには、必須アクセス制御 (MAC)、任意アクセス制御 (DAC)、および特権の使用をサポートするためのプロトコル拡張が含まれます。

データ転送セッションは「多インスタンス化」されます。すなわち、異なる機密ラベルおよびユーザー ID でセッションがインスタンス化されます。多インスタンス化は、1 つの機密ラベルまたはユーザー ID の非特権クライアントのデータが、別の機密ラベルまたはユーザー ID の別のクライアントに転送されないようにします。このような転送は、トラステッド X ウィンドウシステムの DAC ポリシー、および 等位書き込みと下位読み取りの MAC ポリシーに違反する可能性があります。

Trusted Extensions X ウィンドウシステム API によって、セキュリティー関連属性情報を取得したり設定したりできます。さらに、この API によって、テキスト文字列出力にスタイルを適用するフォントリストおよびピクセル幅を使用してラベルを文字列に変換できます。たとえば、14 ポイント、ボールドの Helvetica フォントなどです。このようなインタフェースは、通常、Motif ウィジェット、Xt イントリンシクス、Xlib、および CDE インタフェースとともに作成される管理アプリケーションによって呼び出されます。

これらのルーチンの宣言については、「Trusted Extensions X ウィンドウシステム API」を参照してください。