Solaris 10 OS の共通デスクトップ環境 (CDE) に関するバグ情報について説明します。
x64 システムが Solaris Trusted Extensions 用に構成されている場合、root 以外の管理役割を持つユーザーは、コンソールで X ウィンドウサーバーに接続できません。アプリケーションの起動は失敗します。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: ローカルホストから着信する TCP 接続を許可します。TCP 接続を許可するには、/etc/X0.hosts ファイルを作成し、大域ゾーンのホスト名を指定する 1 行を追加します。
トラステッド CDE デスクトップでは、画面ロックは正しく開始しますが、画面のロックを解除すると間違ったメッセージが表示され、ユーザーがログアウトされます。この問題は LDAP ネームサービスでは発生せず、ほかのネームサービスでのみ発生します。
次のエラーメッセージが表示されます。
Your account has expired, you will be logged out in 10 seconds, or click OK to logout immediately |
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: 大域ゾーンで /etc/nsswitch.conf ファイルを編集して、passwd 行の末尾に xxxx を追加します。次の例のいずれかを選択してください。
passwd: files xxxx |
passwd: files ldap xxxx |
回避方法 2: SMF を介してネームサービスキャッシュデーモン (nscd) サービスを再起動します。
# svcadm restart name-service-cache |
Trusted Java DS デスクトップのマルチラベルセッションでは、別の役割への切り替えを選択すると、間違ったメッセージが表示されます。また、役割を切り替えることもできません。このバグは LDAP ネームサービスには影響しませんが、ほかのすべてのネームサービスに影響します。
次のエラーメッセージが表示されます。
Couldn't set account management for root. |
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: 大域ゾーンで /etc/nsswitch.conf ファイルを編集して、passwd 行の末尾に xxxx を追加します。次の例のいずれかを選択してください。
passwd: files xxxx |
passwd: files ldap xxxx |
回避方法 2: SMF を介して nscd サービスを再起動します。
# svcadm restart name-service-cache |
dtfile アイコンをドラッグするときに、アイコンとマウスポインタが表示されないことがあります。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: /usr/dt/config/<locale>/sys.resources ファイルの #if EXT_SUN_TS OL の下に、次の行を追加します。
!! DragNDrop protocol. Other styles cause policy violation. *DragInitiatorProtocolStyle: DRAG_DYNAMIC *DragReceiverProtocolStyle: DRAG_DYNAMIC |
SMC を使用してネットワークセキュリティーテンプレートを管理すると、/etc/security/tsol/tnrhdb ファイルは更新されますが、tndb キャッシュは更新されません。ネットワークセキュリティーの定義が有効になりません。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: SMC でネットワークエントリを変更したあと、次のいずれかのコマンドで tndb キャッシュを手動で更新します。
ファイルスコープのエントリを変更します。
# /usr/sbin/tnctl -H /etc/security/tsol/tnrhdb |
LDAP スコープのエントリを変更します。
# /usr/sbin/tnctl -H <hostname> |
/usr/X11/bin/xrander -s コマンドを入力して画面解像度を小さくすると、トラステッドストライプが表示されなくなります。これはトラステッド CDE デスクトップに影響しますが、トラステッド Java DS デスクトップには影響しません。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: 解像度を変更したあと、ワークスペース・マネージャを再起動します。CDE ワークスペースメニューから「ウィンドウ」->「ワークスペース・マネージャの再起動」の順に選択し、「OK」をクリックします。
リモートログインして gnome-at-properties のアクセシビリティーを有効にすると、GNOME アプリケーションは起動しません。GNOME アプリケーションを起動しようとすると、次のエラーメッセージが表示されます。
** ERROR **: Accessibility app error: exception during registry activation from id: IDL:Bonobo/GeneralError:1.0 aborting... |
回避方法: ありません。dtremote を使用してログインするときには、アクセシビリティーを有効にしないでください。
アクセシビリティーが無効になっているデフォルトのデスクトップ設定に戻すには、GNOME セッションを閉じます。次のコマンドを実行します。
% gnome-cleanup |
JumpStart インストール方式を使用する場合は、プロセスによってシステム識別情報の構成 (sysidcfg) ファイルが使用されることがあります。このファイルを使用して、システム用の固有の Xsun 構成ファイルが生成されます。sysidcfg ファイルの Xsun 構成部分は、コマンド kdmconfig -dfilename で作成します。ただし、デフォルトの Xorg サーバーを使用するシステムでは、このコマンドで Xorg 構成情報を含むファイルを作成できません。このため、準備手順を追加しないと、これらのシステムで JumpStart 方式を使用できません。
回避方法: Xorg サーバーを使用するシステムで JumpStart インストール方式を使用する前に、次の手順を実行します。
システムで使用する固有の xorg.conf ファイルを準備します。このファイルを JumpStart サーバーの JumpStart ディレクトリに格納します。
次のどちらかのコマンドを使用して xorg.conf ファイルを作成します。
/usr/X11/bin/Xorg -configure
/usr/X11/bin/xorgconfig
/usr/X11/bin/xorgcfg
xorg.conf ファイルをシステム内のインストール先の /etc/X11 ディレクトリにコピーする finish スクリプトを作成します。たとえば、次の行をこのスクリプトに追加します。
cp ${SI_CONFIG_DIR}/xorg.conf /etc/X11/Xorg.conf |
カスタム JumpStart の rules ファイルで、インストールするタイプのシステム用の rules エントリに finish スクリプトを追加します。
カスタム JumpStart インストールを実行します。
カスタム JumpStart インストールを実行する手順については、『Solaris 10 8/07 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』を参照してください。第 4 章には JumpStart の rules ファイルに関する情報が記載され、第 5 章には finish スクリプトに関する情報が記載されています。
CDE デスクトップ環境のリムーバブルメディア自動実行機能は、Solaris 10 ソフトウェアから一時的に削除されています。
回避方法: CD-ROM などのリムーバブルメディアの自動実行機能を使用するには、次のいずれかを実行する必要があります。
リムーバブルメディアのファイルシステムに移動し、最上位のディレクトリで volstart プログラムを実行します。
CD に記載されている指示に従って、CDE 以外の環境からリムーバブルメディアにアクセスします。
デスクトップから最後のエントリを削除したあとに、PDA デバイスに対して同期処理を実行すると、最後のエントリが PDA デバイスからデスクトップに復元されてしまいます。たとえば、カレンダの最後のアポイントメントやアドレス帳の最後のアドレスが、削除したあとに復元されてしまいます。
回避方法: 同期処理を実行する前に、PDA デバイスから最後のエントリを手動で削除してください。