この章では、DVD メディアまたは CD メディアを使用して、ネットワーク経由で Solaris OS をインストールする方法の例を紹介します。
この章の例はすべて、次の条件に基づいています。
インストールサーバーが次の要件を満たすこと。
ネットワークインストールイメージである。
Solaris 最新リリースが稼動している。
そのサイトのネットワークおよびネームサービスにすでに組み込まれている。
インストールに必要な情報はすでに収集し、事前構成を行なってある。詳細は、『Solaris 10 8/07 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の第 5 章「インストールやアップグレードの前に収集すべき情報 (計画)」を参照してください。
次の追加のオプションのいずれかの例を選択してください。
インストールクライアントはインストールサーバーと同じサブネット上にある。そのため、ブートサーバーを作成する必要がありません。
ネットワークインストールでは、デスクトップセッションでグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使用する。
異なるサブネット上でのネットワークインストール (例は今後決定予定)
インストールクライアントはインストールサーバーと異なるサブネット上にある。そのため、ブートサーバーを作成する必要があります。
ネットワークインストールでは、デスクトップセッションでテキストインストーラを使用する。
この節では、次の例について説明します。
例 7–1: SPARC: 同じサブネット上でのインストール (DVD メディアを使用)
例 7–2: SPARC: 同じサブネット上でのインストール (CD メディアを使用)
例 7–3: x86: 同じサブネット上でのインストール (DVD メディアを使用)
例 7–4: x86: 同じサブネット上でのインストール (CD メディアを使用)
この例では、SPARC DVD メディアを使用して SPARC インストールサーバーを作成します。
この例は次の条件に基づいています。
インストールクライアントはインストールサーバーと同じサブネット上にある。
ネットワークインストールでは、デスクトップセッションでグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使用する。
この例の全般的な条件は、第 7 章「ネットワーク経由のインストール (例)」の冒頭に示してあります。
SPARC インストールサーバーを作成して設定します。
この例では、Solaris DVD をインストールサーバーの /export/home/dvdsparc ディレクトリにコピーする方法で、インストールサーバーを作成します。
SPARC システムのドライブに Solaris DVD を挿入します。
次のコマンドを使って DVD イメージを格納するディレクトリを作成します。次に、マウントしたディスクの Tools ディレクトリに移動します。そのあと、そのドライブ内の DVD イメージをインストールサーバーのハードディスクにコピーします。
# mkdir -p /export/home/dvdsparc # cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_10/Tools # ./setup_install_server /export/home/dvdsparc |
ネットワークインストールイメージを使用してシステムをインストールします。
この例では、Solaris の対話式インストール GUI を使ってインストールします。
ネットワークからシステムをブートします。
Solaris の対話式インストール GUI を使用してインストールを行うには、次のコマンドを入力します。
ok bootnet - install |
システムはネットワークからインストールされます。
システム構成の質問に答えます。すべてのシステム情報が事前設定されている場合は、構成情報の入力は求められません。
システム構成情報の確認が終わると、「ようこそ (Welcome)」パネルが表示されます。インストールが完了します。
この例で使用しているネットワークインストール手順の詳細な説明については、第 5 章「DVD メディアを使用したネットワークインストール (作業)」を参照してください。
この例では、SPARC CD メディアを使用して SPARC インストールサーバーを作成します。
この例は次の条件に基づいています。
インストールクライアントはインストールサーバーと同じサブネット上にある。
ネットワークインストールでは、デスクトップセッションでグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使用する。
この例の全般的な条件は、第 7 章「ネットワーク経由のインストール (例)」の冒頭に示してあります。
SPARC インストールサーバーを作成して設定します。
次の例では、CD メディアをインストールサーバーの /export/home/cdsparc ディレクトリにコピーしてインストールサーバーを作成する方法を示します。
Solaris SOFTWARE - 1 CD (SPARC 版) をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。
次のコマンドを使って CD イメージのディレクトリを作成します。次に、マウントしたディスクの Tools ディレクトリに移動し、ドライブ内のイメージをインストールサーバーのハードディスクにコピーします。
# mkdir -p /export/home/cdsparc # cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_10/Tools # ./setup_install_server /export/home/cdsparc # cd / |
インストールするシステムをネットワークから追加します。
CD-ROM ドライブに Solaris SOFTWARE - 2 CD (SPARC 版) を挿入します。
次のコマンドを使用します。まず、マウントした CD の Tools ディレクトリに移動します。次に、CD-ROM ドライブ内の CD をインストールサーバーのハードディスクにコピーします。さらに、ルート (/) ディレクトリに移動します。
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_10/Tools # ./add_to_install_server /export/home/cdsparc # cd / |
インストールする Solaris SOFTWARE CD ごとに、前述のコマンドを繰り返します。
CD-ROM ドライブに Solaris LANGUAGES CD (SPARC 版) を挿入します。
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_10/Tools # ./add_to_install_server /export/home/cdsparc |
ネットワークインストールイメージを使用してシステムをインストールします。
ネットワークからシステムをブートします。
Solaris の対話式インストール GUI を使用してインストールを行うには、次のコマンドを入力します。
ok boot net |
システムはネットワークからインストールされます。
システム構成の質問に答えます。
システム構成情報の確認が終わると、「ようこそ (Welcome)」パネルが表示されます。インストールが完了します。
この例で使用しているネットワークインストール手順の詳細な説明については、第 5 章「DVD メディアを使用したネットワークインストール (作業)」を参照してください。
この例では、x86 DVD メディアを使用して x86 インストールサーバーを作成します。
この例は次の条件に基づいています。
インストールクライアントはインストールサーバーと同じサブネット上にある。
ネットワークインストールでは、デスクトップセッションでグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使用する。
この例の全般的な条件は、第 7 章「ネットワーク経由のインストール (例)」の冒頭に示してあります。
x86 インストールサーバーを作成して設定します。
次の例では、 Solaris Operating System DVD (x86 版) をインストールサーバーの /export/home/dvdx86 ディレクトリにコピーして x86 インストールサーバーを作成する方法を示します。
システムのドライブに Solaris DVD を挿入します。
次のコマンドを使用します。まず、ブートイメージを格納するディレクトリを作成します。次に、マウントしたディスクの Tools ディレクトリに移動します。さらに、setup_install_server コマンドを使用して、ドライブ内のディスクをインストールサーバーのハードディスクにコピーします。
# mkdir -p /export/home/dvdx86 # cd /cdrom/cdrom0/Solaris_10/Tools # ./setup_install_server /export/home/dvdx86 |
次のパスを /etc/dfs/dfstab ファイルに追加します。
share -F nfs -o ro,anon=0 -d "install server directory" /export/home/dvdx86 |
nfsd デーモンが稼働しているかどうかを確認します。nfsd デーモンが稼働していない場合、このデーモンを起動して共有します。
# svcs -l svc:/network/nfs/server:default # svcadm enable svc:/network/nfs/server # shareall # cd / |
インストールサーバーで Solaris 9 OS またはその互換バージョンが実行されていた場合は、代わりに次のコマンドを入力します。
# ps -ef | grep nfsd |
この古いリリースで nfsd デーモンが実行されていた場合は、次の手順に進みます。nfsd デーモンが稼働していない場合は、このデーモンを起動します。
# /etc/init.d/nfs.server start |
インストールするシステムをネットワークから追加します。
ファイルシステム /export/home/dvdx86/ には、add_install_client コマンドが含まれています。インストールクライアントは、basil という名前の x86 システムです。
このクライアントをインストールサーバーの /etc/ethers ファイルに追加します。
このクライアント上で ethers アドレスを見つけます。/etc/ethers のマップは、ローカルファイルから取得します。
# ifconfig -a grep ether ether 8:0:20:b3:39:1d |
インストールサーバー上で、エディタを使って /etc/ethers ファイルを開きます。そのアドレスをリストに追加します。
次のコマンドを使用します。まず、Solaris DVD イメージの Tools ディレクトリに移動します。次に、クライアントシステムをネットワークからインストールできるように設定します。
install_server# cd /export/home/dvdx86/Solaris_10/Tools install_server# ./add_install_client basil i86pc |
ネットワークインストールイメージを使用してシステムをインストールします。
x86 システム用の Solaris インストールプログラムでは、GRUB ブートローダーが使用されます。この例では、GRUB ブートローダーを使用して、x86 システムをネットワーク経由でインストールします。
ネットワークからブートするようにシステム BIOS で指定します。
BIOS を終了すると、ネットワークからシステムがインストールされます。GRUB メニューが表示されます。
ネットワーク経由で Solaris OS をインストールするには、メニューから適切な Solaris エントリを選択して Enter キーを押します。
インストールの選択画面が表示されます。
Solaris の対話式インストール GUI を使用してインストールを行うには、1 を入力してから Enter キーを押します。
インストールプログラムが開始します。
システム構成の質問に答えます。
システム構成情報の確認が終わると、「ようこそ (Welcome)」パネルが表示されます。
システムがネットワーク経由でブートし、インストールされたら、次回以降はディスクドライブからブートするようにシステムに指示します。
インストール後にシステムをブートすると、インストール済みのオペレーティングシステムの一覧が GRUB メニューに表示されますが、これには新しくインストールした Solaris OS も含まれます。ブートするオペレーティングシステムを選択します。新たに選択を行わなかった場合は、デフォルトの選択が読み込まれます。
詳細は、次に示す参照先を参照してください。
手順 |
参照先 |
---|---|
この例で使用しているネットワークインストール手順の詳細な説明 | |
Solaris インストール GUI を使用して対話式インストールを完了する方法 |
『Solaris 10 8/07 インストールガイド (基本編)』の「GRUB 付き Solaris インストールプログラムを使用してインストールまたはアップグレードを行う方法」 |
GRUB ブートローダーの概要 |
『Solaris 10 8/07 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の第 6 章「Solaris インストールのための GRUB ベースのブート」 |
この例では、x86 CD メディアを使用して x86 インストールサーバーを作成します。
この例は次の条件に基づいています。
インストールクライアントはインストールサーバーと同じサブネット上にある。
ネットワークインストールでは、デスクトップセッションでグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使用する。
この例の全般的な条件は、第 7 章「ネットワーク経由のインストール (例)」の冒頭に示してあります。
x86 インストールサーバーを作成して設定します。
次の手順では、インストールサーバーの /export/home/cdx86 ディレクトリに次の CD をコピーする方法で、インストールサーバーを作成します。
Solaris SOFTWARE - 1 CD をシステムのドライブに挿入します。
次のコマンドを使用します。まず、CD イメージのディレクトリを作成し、マウントしたディスクの Tools ディレクトリに移動します。次に、そのドライブ内のイメージをインストールサーバーのハードディスクにコピーします。
# mkdir -p /export/home/dvdx86 # cd /cdrom/cdrom0/Solaris_10/Tools # ./setup_install_server /export/home/cdx86 |
Solaris SOFTWARE - 2 CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。
次のコマンドを使用します。まず、マウントした CD の Tools ディレクトリに移動します。次に、CD-ROM ドライブ内の CD をインストールサーバーのハードディスクにコピーし、ルート (/) ディレクトリに移動します。
# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_10/Tools # ./add_to_install_server /export/home/cdx86 # cd / |
インストールする Solaris SOFTWARE CD ごとに、前述のコマンドを繰り返します。
Solaris LANGUAGES CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。
次のコマンドを使用します。まず、マウントした CD の Tools ディレクトリに移動します。次に、CD-ROM ドライブ内の CD をインストールサーバーのハードディスクにコピーします。
# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_10/Tools # ./add_to_install_server /export/home/cdx86 |
インストールするシステムをネットワークから追加します。
この例では、インストールクライアントは basil という名前の x86 システムです。ファイルシステム /export/home/cdx86/Solaris_10/Tools には、add_install_client コマンドが含まれています。
このクライアントをインストールサーバーの /etc/ethers ファイルに追加します。このクライアント上で ethers アドレスを見つけます。/etc/ethers のマップは、ローカルファイルから取得します。
# ifconfig -a grep ether ether 8:0:20:b3:39:1d |
インストールサーバー上で、エディタを使って /etc/ethers ファイルを開きます。そのアドレスをリストに追加します。
次のコマンドを使用します。まず、インストールサーバー上の Solaris 最新リリース CD イメージの Tools ディレクトリに移動します。次に、インストールするクライアントシステムをネットワークから追加します。
install_server# cd /export/home/cdx86/Solaris_10/Tools install_server# ./add_install_client basil i86pc |
ネットワークインストールイメージを使用してシステムをインストールします。
この手順では、GRUB ブートローダーを使用してネットワーク経由で x86 システムをインストールする方法を説明します。
ネットワークからブートするようにシステム BIOS で指定します。
BIOS を終了すると、ネットワークからシステムがインストールされます。GRUB メニューが表示されます。
ネットワーク経由で Solaris OS をインストールするには、メニューから適切な Solaris エントリを選択して Enter キーを押します。
インストールの選択画面が表示されます。
Solaris の対話式インストール GUI を使用してインストールを行うには、1 を入力してから Enter キーを押します。
インストールプログラムが開始します。
システム構成の質問に答えます。
システム構成情報の確認が終わると、「ようこそ (Welcome)」パネルが表示されます。
システムがネットワーク経由でブートし、インストールされたら、次回以降はディスクドライブからブートするようにシステムに指示します。
インストール後にシステムをブートすると、インストール済みのオペレーティングシステムの一覧が GRUB メニューに表示されますが、これには新しくインストールした Solaris OS も含まれます。ブートするオペレーティングシステムを選択します。新たに選択を行わなかった場合は、デフォルトの選択が読み込まれます。
詳細は、次に示す参照先を参照してください。
手順 |
参照先 |
---|---|
この例で使用しているネットワークインストール手順の詳細な説明 | |
Solaris インストール GUI を使用して対話式インストールを完了する方法 |
『Solaris 10 8/07 インストールガイド (基本編)』の「GRUB 付き Solaris インストールプログラムを使用してインストールまたはアップグレードを行う方法」 |
GRUB ブートローダーの概要 |
『Solaris 10 8/07 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の第 6 章「Solaris インストールのための GRUB ベースのブート」 |