クライアントの OBP が WAN ブートに対応していない場合は、Solaris SOFTWARE - 1 CD をクライアントの CD-ROM ドライブに挿入して、インストールを実行できます。ローカル CD を使用する場合、クライアントは、WAN ブートサーバーからではなくローカルメディアから wanboot プログラムを取得します。
この手順では、WAN インストールで HTTPS を使用していると仮定します。セキュリティー保護されないインストールを実行する場合は、クライアントのキーの表示やインストールを行わないでください。
ローカル CD から WAN ブートインストールを実行するには、次の手順に従ってください。
WAN ブートサーバーで、Web サーバーユーザーと同じ役割になります。
クライアントの各キーの値を表示します。
# wanbootutil keygen -d -c -o net=net-ip,cid=client-ID,type=key-type |
インストール対象であるクライアントのネットワーク IP アドレスを指定します。
インストール対象であるクライアントの ID を指定します。クライアント ID は、ユーザーが定義した ID か、DHCP クライアント ID です。
クライアントにインストールするキーのタイプを指定します。指定できるキータイプは、3des、aes、または sha1 です。
キーの値が 16 進数で表示されます。
クライアントにインストールする各キータイプについて、上記の手順を繰り返します。
クライアントシステムの CD-ROM ドライブに Solaris SOFTWARE - 1 CD を挿入します。
クライアントシステムの電源を入れます。
CD からクライアントをブートします。
ok boot cdrom -o prompt -F wanboot - install |
ローカル CD-ROM からブートするよう、OBP に指示します。
クライアント構成情報の入力をユーザーに求めるよう、wanboot プログラムに指示します
CD-ROM から wanboot プログラムを読み込むよう、OBP に指示します
WAN ブートインストールを実行するよう、クライアントに指示します
クライアントの OBP は、Solaris SOFTWARE - 1 CD から wanboot プログラムを読み込みます。wanboot プログラムによってシステムがブートされ、boot> プロンプトが表示されます。
暗号化鍵の値を入力します。
boot> 3des=key-value |
手順 2 で表示された 3DES 暗号化鍵の 16 進数の文字列を指定します。
AES 暗号化鍵を使用する場合は、次のコマンドを使用してください。
boot> aes=key-value |
ハッシュキーの値を入力します。
boot> sha1=key-value |
手順 2 で表示されたハッシュキーの 16 進数の文字列を指定します。
ネットワークインタフェース変数を設定します。
boot> variable=value[,variable=value*] |
boot> プロンプトで、次の変数と値のペアを入力します。
クライアントの IP アドレスを指定します。
ネットワークルーターの IP アドレスを指定します。
サブネットマスクの値を指定します。
クライアントのホスト名を指定します。
ネットワークのプロキシサーバーの IP アドレスとポート番号を指定します。
Web サーバー上の wanboot-cgi プログラムの URL を指定します。
bootserver 変数の URL 値に HTTPS URL を指定することはできません。URL は http:// で開始する必要があります。
これらの変数は、次の方法で入力できます。
boot> プロンプトで、変数と値のペアを 1 組入力し、Return キーを押します。
boot> host-ip=client-IP boot> subnet-mask=mask-value |
boot> プロンプトで、変数と値のすべてのペアを 1 行に入力し、Return キーを押します。変数と値の各ペアを区切るには、コンマを使用します。
boot> host-ip=client-IP,subnet-mask=mask-value, router-ip=router-ip,hostname=client-name, http-proxy=proxy-ip:port,bootserver=wanbootCGI-URL |
次のコマンドを入力して、ブート処理を続行します。
boot> go |
クライアントのインストールが WAN 経由で実行されます。WAN ブートプログラムに必要なインストール情報が見つからない場合、不足している情報の入力を求めるプロンプトが wanboot プログラムから表示されます。プロンプトに追加情報を入力します。
次の例では、インストール時にローカル CD 上の wanboot プログラムから、クライアントのネットワークインタフェース変数を設定するようプロンプトが表示されます。
WAN ブートサーバー上でキーの値を表示します。
# wanbootutil keygen -d -c -o net=192.168.198.0,cid=010003BA152A42,type=sha1 b482aaab82cb8d5631e16d51478c90079cc1d463 # wanbootutil keygen -d -c -o net=192.168.198.0,cid=010003BA152A42,type=3des 9ebc7a57f240e97c9b9401e9d3ae9b292943d3c143d07f04 |
上記の例では、次の情報が使用されています。
クライアントのサブネットの IP アドレスを指定します。
クライアント ID を指定します。
クライアントの HMAC SHA1 ハッシュキーの値です。
クライアントの 3DES 暗号化鍵の値です。
インストールで AES 暗号化鍵を使用する場合、この暗号化鍵の値を表示するには、type=3des を type=aes に変更します。
クライアントのブートとインストールを実行します。
ok boot cdrom -o prompt -F wanboot - install Resetting ... Sun Blade 100 (UltraSPARC-IIe), No Keyboard Copyright 1998-2003 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved. OpenBoot 4.x.build_28, 512 MB memory installed, Serial #50335475. Ethernet address 0:3:ba:e:f3:75, Host ID: 83000ef3. Rebooting with command: boot cdrom -F wanboot - install Boot device: /pci@1f,0/network@c,1 File and args: -o prompt boot> 3des=9ebc7a57f240e97c9b9401e9d3ae9b292943d3c143d07f04 boot> sha1=b482aaab82cb8d5631e16d51478c90079cc1d463 boot> host-ip=192.168.198.124 boot> subnet-mask=255.255.255.128 boot> router-ip=192.168.198.1 boot> hostname=myclient boot> client-id=010003BA152A42 boot> bootserver=http://192.168.198.135/cgi-bin/wanboot-cgi boot> go |
上記のコマンドは、次の処理を実行します。
9ebc7a57f240e97c9b9401e9d3ae9b292943d3c143d07f04 という値を持つ 3DES 暗号化鍵をクライアントに入力します
b482aaab82cb8d5631e16d51478c90079cc1d463 という値を持つ HMAC SHA1 ハッシュキーをクライアントに入力します
クライアントの IP アドレスを 192.168.198.124 に設定します
クライアントのサブネットマスクを 255.255.255.128 に設定します
クライアントのルーターの IP アドレスを 192.168.198.1 に設定します
クライアントのホスト名を myclient に設定します
クライアント ID を 010003BA152A42 に設定します
wanboot-cgi プログラムの場所を http://192.168.198.135/cgi-bin/wanboot-cgi/ に設定します
キーの値を表示する方法については、wanbootutil(1M) のマニュアルページを参照してください。
ネットワークブート引数を設定する方法については、set(1) のマニュアルページを参照してください。
システムをブートする方法については、boot(1M) のマニュアルページを参照してください。