この手順では、スタンドアロンの SPARC システムを CD または DVD メディアからインストールする方法について説明します。
DVD-ROM ドライブまたは CD-ROM ドライブが直接接続されていないマシンやドメインに Solaris OS をインストールする場合は、別のマシンに接続されている DVD-ROM ドライブまたは CD-ROM ドライブを使用できます。手順の詳細は、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (ネットワークインストール)』の付録 B「リモートからのインストールまたはアップグレード (作業)」を参照してください。
次のメディアを用意してください。
システムの最小要件を満たしていることを確認します。
システムの必要条件は次のとおりです。
メモリー - 128M バイト以上
ディスク容量 – 6.8G バイト以上
プロセッサ速度 - 200 MHz 以上
システム要件の詳細については、「システム要件と推奨事項」を参照してください。
Solaris OS のインストールに必要な情報を収集します。
ネットワークに接続されていないシステムの場合は、次の情報を収集します。
インストールするシステムのホスト名
システムで使用する予定の言語とロケール
ネットワークに接続されたシステムの場合は、次の情報を収集します。
Solaris 10 11/06 リリース以降では、初期インストール時にネットワークセキュリティーの設定を変更して、Secure Shell 以外のすべてのネットワークサービスを無効にしたり、ローカルの要求だけに応答するように制限したりできます。このセキュリティーオプションは初期インストール時のみ使用でき、アップグレード時には使用できません。アップグレードでは、以前に設定されているサービスが維持されます。必要な場合は、アップグレード後に netservices コマンドを使用してネットワークサービスを制限することができます。詳細は、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「ネットワークセキュリティーの計画」を参照してください。
インストール後に netservices open を使用してネットワークサービスを使用可能にしたり、SMF コマンドを使用して個別のサービスを使用可能にしたりできます。詳細は、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「インストール後のセキュリティー設定の修正」を参照してください。
インストールするシステムのホスト名
キー配列
キーボードが自己識別型の場合は、インストール時にキー配列が自動的に設定されます。キーボードが自己識別型でない場合は、インストール時にサポートされているキー配列の一覧から選択できます。
PS/2 キーボードは自己識別型ではありません。インストール時にキー配列を選択するように求められます。
詳細は、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (ネットワークインストール)』の「keyboard キーワード」を参照してください。
システムで使用する予定の言語とロケール
ホスト IP アドレス
サブネットマスク
ネームサービスの種類 (DNS、NIS、NIS+ など)
ドメイン名
インストール時に、デフォルトの NFSv4 ドメイン名を選択できます。あるいは、カスタムの NFSv4 ドメイン名を指定することもできます。詳細は、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「インストール時に設定可能な NFSv4 ドメイン名」を参照してください。
ネームサーバーのホスト名
ネームサーバーのホスト IP アドレス
root パスワード
システムをインストールするために収集する必要のある情報については、「インストール用のチェックリスト」を参照してください。システムのアップグレードを行う場合は、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「アップグレード用のチェックリスト」を参照してください。
システムに非大域ゾーンが含まれている場合は、アップグレードプログラムまたはパッチを追加するプログラムとして、Solaris Live Upgrade を推奨します。ほかのアップグレードプログラムでは、膨大なアップグレード時間が必要となる場合があります。これは、アップグレードの完了に要する時間が、インストールされている非大域ゾーンの数に比例して増加するからです。
Solaris Live Upgrade を使ったアップグレード方法については、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』のパート I「Solaris Live Upgrade によるアップグレード」を参照してください。
(省略可能) システムのバックアップをとります。
既存のデータやアプリケーションを保持するには、システムのバックアップをとります。システムのバックアップ方法についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の第 23 章「ファイルシステムのバックアップと復元 (概要)」を参照してください。
Solaris Operating System DVD (SPARC 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (SPARC 版) を挿入します。
ok プロンプトが表示されます。
ローカルの DVD または CD からブートし、Solaris インストール GUI をデスクトップセッションで起動するには、次のコマンドを入力します。
ok boot cdrom |
ローカルの DVD または CD からブートし、テキストインストーラをデスクトップセッションで起動するには、次のコマンドを入力します。
ok boot cdrom - text |
テキストインストーラをデスクトップセッションで実行することを指定します。このオプションは、デフォルトの GUI インストーラよりも優先されます。
ローカルの DVD または CD からブートし、テキストインストーラをコンソールセッションで起動するには、次のコマンドを入力します。
ok boot cdrom - nowin |
テキストインストーラをコンソールセッションで実行することを指定します。このオプションは、デフォルトの GUI インストーラよりも優先されます。
Solaris インストールプログラムの GUI およびテキストインストーラの詳細は、「Solaris インストールプログラムの GUI またはテキストインストーラの要件」を参照してください。
オペレーティングシステムが自己識別キーボードを見つけられない場合は、次の画面にキー配列の選択情報が表示されます。
PS/2 キーボードは自己識別型ではありません。インストール時にキー配列を選択するように求められます。
(省略可能) 下に示す画面から必要なキー配列を選択し、F2 キーを押して続行します。
Configure Keyboard Layout +---------------------------------------------------------------------------+ | Please specify the keyboard layout from the list below. | | | | To make a selection, use the arrow keys to highlight the option and | | press Return to mark it [X]. | | | | Keyboard Layout | | ----------------------- | | [ ] Serbia-And Montenegro | | [ ] Slovenian | | [ ] Slovakian | | [ ] Spanish | | [ ] Swedish | | [ ] Swiss-French | | [ ] Swiss-German | | [ ] Taiwanese | | [ ] TurkishQ | | [ ] TurkishF | | [ ] UK-English | | [ X] US-English | | | | F2_Continue F6_Help | +---------------------------------------------------------------------------+ |
システムでデバイスとインタフェースが構成され、構成ファイルが検索されます。前の方の手順で GUI インストールを選択した場合は、次の 2 つの画面で GUI が機能しているかどうかを確認します。
(省略可能) 次の画面で、Enter キーを押します。
Starting Solaris Interactive (graphical user interface) Installation +------------------------------------------------------------+ | You must respond to the first question within 30 seconds | | or the installer proceeds in a non-window environment | | (console mode). | | | | If the screen becomes blank or unreadable the installer | | proceeds in console mode. | | | | If the screen does not properly revert to console mode, | | restart the installation and make the following selection: | | | | Solaris Interactive Text (Console session) | -------------------------------------------------------------+ |
グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を表示するのに必要なメモリーがシステムに不足している場合は、プログラムが終了し、エラーメッセージが表示されます。メモリーをアップグレードして、インストールを再開できます。
インストールに必要なメモリーが不足している場合、別の方法として、インストールを再開し、GUI インストーラオプションではなくテキストインストーラオプションを選択します。
進捗メッセージが完了すると、別の確認画面が表示されます。
(省略可能) 次のテキスト画面内にカーソルを移動して、Enter キーを押します。
言語の選択肢の一覧が表示されます。
次の画面で、インストール時に使用する言語を選択し、Enter キーを押します。
数秒後に Solaris インストールプログラムの開始画面が表示されます。
Solaris GUI インストールプログラムを実行している場合は、図 2–1 のような画面が表示されます。
Solaris テキストインストーラをデスクトップセッションで実行している場合は、図 2–2 のような画面が表示されます。
「次へ」をクリックしてインストールを開始します。システム構成の質問に答えます。
すべてのシステム情報が事前設定されている場合は、構成情報の入力は求められません。詳細は、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (ネットワークインストール)』の第 2 章「システム構成情報の事前設定 (作業)」を参照してください。
すべてのシステム情報が事前設定されている場合以外は、インストールプログラムのいくつかの画面で情報の入力が求められます。「インストール用のチェックリスト」を参照して、構成の質問に答えてください。
インストール時に、デフォルトの NFSv4 ドメイン名を選択できます。あるいは、カスタムの NFSv4 ドメイン名を指定することもできます。ドメイン名を指定する方法についての詳細は、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「インストール時に設定可能な NFSv4 ドメイン名」を参照してください。
構成の質問の 1 つで、リモートクライアントによるネットワークサービスの使用を可能にするかどうかを尋ねられます。デフォルトの回答は「はい」です。
「いいえ」を選択すると、より高いセキュリティーで保護された構成となり、リモートクライアントに提供されるネットワークサービスは Secure Shell だけになります。「はい」を選択すると、以前の Solaris リリースと同様に、より多くのサービスが使用可能になります。インストール後に任意のサービスを使用可能にできるため、「いいえ」を選択しても問題ありません。これらのオプションについての詳細は、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「ネットワークセキュリティーの計画」を参照してください。
インストール後に、netservices open コマンドを使用してネットワークサービス全体を使用可能にしたり、SMF コマンドを使用して個別のサービスを使用可能にしたりできます。詳細は、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「インストール後のセキュリティー設定の修正」を参照してください。
構成の質問に答え終わると、「ようこそ」画面が表示されます。
「インストーラ・オプション (Installer Questions)」画面が表示されます。
システムのリブートとディスクの取り出しを自動的に行うかどうかを決定します。「次へ」をクリックします。
「媒体の指定 (Specify Media)」画面が表示されます。
インストールに使用するメディアを指定します。「次へ」をクリックします。
ライセンスパネルが表示されます。
インストールを続行する場合は、ライセンス条項に同意します。「次へ」をクリックします。
その後、システムがアップグレード可能かどうかが判定されます。システムをアップグレードするには、Solaris ルート (/) ファイルシステムがすでに存在している必要があります。Solaris インストールプログラムは、必要な条件を検出すると、アップグレードを行います。
「「アップグレード」または「初期」インストールの選択」画面が表示されます。
初期インストールまたはアップグレードのいずれかを選択します。「次へ」をクリックします。
次の画面では、デフォルトインストールまたはカスタムインストールを選択できます。
実行するインストールの種類を選択します。「次へ」をクリックします。
全体ディストリビューションをインストールするには、「デフォルトインストール」を選択します。
特定のソフトウェアグループをインストールする
追加のソフトウェアをインストールする
特定のソフトウェアパッケージをインストールする
特定のロケールをインストールする
ディスク配置をカスタマイズする
ソフトウェアグループの詳細については、「ソフトウェアグループごとの推奨ディスク容量」を参照してください。
テキストインストーラでは、「デフォルトインストール」か「カスタムインストール」かの選択は表示されません。デフォルトインストールを実行するには、テキストインストーラに表示されるデフォルト値をそのまま使用します。カスタムインストールを実行するには、テキストインストーラの画面で値を編集します。
構成に関する追加の質問が表示される場合は、それらに答えます。
システムのインストールに必要な情報を指定し終わると、「インストールの準備完了」画面が表示されます。
「インストール開始」をクリックして、Solaris ソフトウェアをインストールします。画面の指示に従って、Solaris ソフトウェアをインストールします。
Solaris ソフトウェアプログラムのインストールが終了すると、システムは自動的にリブートするか、または手動でリブートするように促します。
追加の製品をインストールする場合は、その製品の DVD または CD を挿入するように指示が表示されます。インストール手順については、該当するインストールマニュアルを参照してください。
インストールが終了すると、インストールログがファイルに保存されます。インストールログは、/var/sadm/system/logs ディレクトリと /var/sadm/install/logs ディレクトリに作成されます。
インストール時に自動リブートを選択しなかった場合は、システムをリブートします。
# reboot |
インストールまたはアップグレード時に問題が発生する場合は、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の付録 A「問題発生時の解決方法 (作業)」を参照してください。