「ルールキーワードと値の説明」と 「プローブキーワードと値」で説明されているルールキーワードとプローブキーワードでは、ニーズに合わない場合もあります。custom_probes ファイルを作成して、独自のカスタムルールまたはプローブキーワードを定義できます。
custom_probes ファイルは、2 種類のタイプの関数を含む Bourne シェルスクリプトです。custom_probes ファイルは、rules ファイルを保存したのと同じ JumpStart ディレクトリに保存する必要があります。次に、custom_probes ファイルに定義できる 2 種類の関数を示します。
プローブ – 必要な情報を収集するかあるいは実際の作業を実行し、定義された対応する SI_ 環境変数を設定します。プローブ関数はプローブキーワードになります。
比較 – 対応するプローブ関数を呼び出してプローブ関数の出力を比較し、キーワードが一致する場合は 0 、キーワードが一致しない場合は 1 を返します。比較関数はルールキーワードになります。
custom_probes ファイルには、任意の有効な Bourne シェルコマンド、変数、またはアルゴリズムを含めることができます。
custom_probes ファイルで単一の引数を必要とするプローブおよび比較関数を定義できます。rules ファイル内で対応するカスタムプローブキーワードを使用する場合、このキーワードの後に続く引数が ($1 として) 解釈されます。
rules ファイル内で対応するカスタムルールキーワードを使用する場合、引数は順番に解釈されます。この順番は、キーワードの直後から開始し、次に && または開始スクリプトが現れる直前で終了します。
custom_probes ファイルは、次の要件を満たしている必要があります。
より明確で効果的な構成にするために、最初にすべてのプローブ関数をファイルの一番上に定義してから、比較関数を続けて定義してください。
プローブ関数名は、probe_ で始める必要があります。比較関数名は、cmp_ で始める必要があります。
probe_ で始まる関数は、新しいプローブキーワードを定義します。たとえば、関数 probe_tcx は、新しいプローブキーワード tcx を定義します。cmp_ で始まる関数は、新しいルールキーワードを定義します。たとえば、cmp_tcx は、新しいルールキーワード tcx を定義します。
テキストエディタを使用して Bourne シェルスクリプトのテキストファイルを作成します。このファイルに custom_probes という名前を付けます。
custom_probes テキストファイルで、プローブ関数と比較関数を定義します。
custom_probes ファイルには、引数を必要とするプローブおよび比較関数を定義できます。rules ファイル内で対応するカスタムプローブキーワードを使用する場合、このキーワードの後に続く引数は順番に ($1、$2 などとして) 解釈されます。
rules ファイル内で対応するカスタムルールキーワードを使用する場合、引数は順番に解釈されます。この順番は、キーワードの直後から開始し、次に && または開始スクリプトが現れる直前で終了します。
custom_probes ファイルを JumpStart ディレクトリに保存します (rules ファイルと同じ)。
root が rules ファイルを所有していて、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認します。
プローブ関数と比較関数の例は次のディレクトリにも入っています。
Solaris ソフトウェアがインストールされたシステムの /usr/sbin/install.d/chkprobe
Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD 上の /Solaris_10/Tools/Boot/usr/sbin/install.d/chkprobe
次の custom_probes ファイルには、TCX グラフィックスカードがあるかどうかをテストするプローブおよび比較関数が含まれます。
#!/bin/sh # # custom_probe script to test for the presence of a TCX graphics card. # # # PROBE FUNCTIONS # probe_tcx() { SI_TCX=`modinfo | grep tcx | nawk '{print $6}'` export SI_TCX } # # COMPARISON FUNCTIONS # cmp_tcx() { probe_tcx if [ "X${SI_TCX}" = "X${1}" ]; then return 0 else return 1 if } |
次のサンプル rules ファイルは、前の例で定義されているプローブキーワード (tcx) の使用方法を示しています。TCX グラフィックスカードがシステムにインストールされていて検出されると、profile_tcx が実行されます。そうでない場合は、profile が実行されます。
プローブキーワードは、rules ファイルの最初、またはその近くに指定してください。これは、そのプローブキーワードに依存する可能性のあるほかのルールキーワードよりも先に読み取られて実行されるようにするためです。
probe tcx tcx tcx - profile_tcx - any any - profile - |