Solaris 10 5/08 インストールガイド (ネットワークインストール)

/etc/netboot ディレクトリへの構成情報とセキュリティー情報の保存

/etc/netboot ディレクトリには、WAN ブートインストールに必要な、構成情報、非公開鍵、デジタル証明書、および認証局が保存されます。ここでは、WAN ブートインストールをカスタマイズするために /etc/netboot ディレクトリ内に作成できるファイルとディレクトリについて説明します。

WAN ブートインストールの適用範囲のカスタマイズ

インストール時に wanboot-cgi プログラムは、WAN ブートサーバーの /etc/netboot ディレクトリ内でクライアント情報を検索します。wanboot-cgi プログラムは、この情報を WAN ブートファイルシステムに変換してから、WAN ブートファイルシステムをクライアントに転送します。/etc/netboot ディレクトリ内にサブディレクトリを作成することで、WAN ブートインストールの適用範囲をカスタマイズできます。次のディレクトリ構造を使って、インストール対象のクライアント間で構成情報をどのように共有するかを定義します。

/etc/netboot ディレクトリにおけるセキュリティー情報と構成情報の指定

次のファイルを作成して /etc/netboot ディレクトリに保存することで、セキュリティー情報と構成情報を指定します。

これらのファイルの作成方法と保存方法については、次の手順を参照してください。

/etc/netboot ディレクトリにおけるセキュリティー情報と構成情報の共有

ネットワーク上のクライアントに対してインストールを行うとき、いくつかのクライアントで、あるいはすべてのサブネットで、セキュリティーファイルと構成ファイルを共有することもできます。これらのファイルを共有するには、/etc/netboot/net-ip/client-ID/etc/netboot/net-ip、および /etc/netboot の各ディレクトリに構成情報を置きます。インストール時に、wanboot-cgi プログラムはこれらのディレクトリから構成情報を検索し、クライアントに最もよく適合する構成情報を使用します。

wanboot-cgi プログラムは、次の順序でクライアント情報を検索します。

  1. /etc/netboot/net-ip/client-IDwanboot-cgi プログラムはまず、クライアントマシンに固有の構成情報を検索します。/etc/netboot/net-ip/client-ID ディレクトリにすべてのクライアント構成情報が揃っている場合、wanboot-cgi プログラムが /etc/netboot ディレクトリのほかの場所の構成情報を検索することはありません。

  2. /etc/netboot/net-ip – 必要な情報が /etc/netboot/net-ip/client-ID ディレクトリに揃っていない場合、wanboot-cgi プログラムは /etc/netboot/net-ip ディレクトリでサブネット構成情報を検索します。

  3. /etc/netboot - 必要な情報が /etc/netboot/net-ip ディレクトリにも見つからない場合、wanboot-cgi プログラムは /etc/netboot ディレクトリで大域的な構成情報を検索します。

図 10–2 は、/etc/netboot ディレクトリを設定して WAN ブートインストールをカスタマイズする方法を示しています。

図 10–2 /etc/netboot ディレクトリの例

この図については本文中で説明しています。

図 10–2/etc/netboot ディレクトリレイアウトでは、次のような WAN ブートインストールを実行できます。