Solaris のシステム管理 (印刷)

ホスト常駐フォントのダウンロード

PostScript の文書に、プリンタにロードされていないフォントに対する要求が含まれている場合は、ダウンロードフィルタがこの要求を管理します。ダウンロードフィルタは PostScript の文書作成規則を使用して、ダウンロードするフォントを決定します。

LP 印刷フィルタには、高速フィルタと低速フィルタがあります。「高速フィルタ」は、ファイルの印刷をすばやく準備します。高速フィルタはまた、フィルタ処理中にプリンタへのアクセスが必要です。「低速フィルタ」はファイルの変換に時間がかかります。ただし、低速フィルタの場合は、フィルタ処理中にプリンタにアクセスする必要はありません。低速フィルタの例には、ASCII 文書から PostScript 文書へのフィルタがあります。

「ダウンロードフィルタ」は高速フィルタです。このフィルタは、フォントが印刷サーバー上にある場合は、フォントを自動的にダウンロードします。また、ダウンロードフィルタを使用して、印刷サーバーにフォントを転送することもできます。そのためには、lp -y コマンドを使用して、ダウンロードフィルタを低速フィルタとして呼び出すための新しいフィルタテーブルのエントリを作成できます。あるいは、入力タイプを変更して、このフィルタの選択を強制することもできます。

ダウンロードフィルタは、次の 5 つの作業を実行します。

  1. PostScript の文書を検索して、要求されているフォントを判別します。これらの要求は、ヘッダコメントの PostScript 構造化コメント %%DocumentFonts: font1 font2 …で指定されます。

  2. プリンタ常駐フォントのリストを検索して、要求されたフォントをダウンロードしなければならないかどうかを判別します。

  3. フォントがプリンタ上になければ、ダウンロードフィルタはホスト常駐フォントのディレクトリテーブルを検索し、要求されたフォントが利用可能かどうかを判別します。この検索は、フィルタがマップから適切なファイル名を読み取って行ないます。

  4. そのフォントが利用可能であれば、ダウンロードフィルタはそのフォントのファイルを取り出し、印刷するファイルに追加します。

  5. ダウンロードフィルタは、フォント定義ファイルとソースファイルを PostScript プリンタに送ります。「ソースファイル」とは、印刷するファイルです。