この節では、ppdmgr ユーティリティーのコマンド行オプションについて説明します。また、ppdmgr ユーティリティーを使用して PPD ファイルを管理するためのプロセス、ガイドライン、および制限に関する追加情報についても説明します。
PPD マネージャー (ppdmgr) ユーティリティーは、/usr/sbin/ppdmgr にあります。
システムに PPD ファイルを追加するには、次の構文を使用します。
ppdmgr -a ppd-file-path |
-a オプションは、ppd-file-path で指定された PPD ファイルを PPD リポジトリにコピーしたあと、この変更が反映されるように PPD キャッシュファイルを更新します。-R オプションを使用して PPD ファイルリポジトリを指定しない場合、PPD ファイルは user PPD ファイルリポジトリに格納されます。-L オプションを使用してラベルを指定しない場合、PPD ファイルは user ラベルディレクトリに格納されます。
ppdmgr ユーティリティーで -a オプションを使用した場合は、次の検証が実行されます。
ラベルの検証 – ラベル名を予約されたラベル名にしてはいけません。
次のラベル名は予約されています。
caches
ppdcache
manufaliases
all
PPD ファイルパスの検証 – 指定された ppd-file-path はアクセス可能であり、.pdd または ppd.gz のいずれかの拡張子を含んでいる必要があります。
PPD ファイルの検証 – ppd-file-path で指定された PPD ファイルは、有効な PPD ファイルである必要があります。
さまざまな検証確認に合格しない情報を指定した場合や、ppdmgr ユーティリティーによって実行されるいずれかの動作が失敗した場合は、エラーメッセージが表示され、ユーティリティーは終了します。
実行される追加の動作
必要に応じて、出力先パスの親ディレクトリが作成されます。
PPD ファイルリポジトリ内に拡張子が .gz のバージョンの PPD ファイルがすでに存在し、かつ gzip で圧縮されたバージョンが複製でない場合は、エラーメッセージが表示されます。
ppd-file-path が出力先パスにコピーされます。
次に、ppdcache ファイルの変更が反映されるように更新動作が適用されます。
PPD ファイルリポジトリを指定するには、次の構文を使用します。
ppdmgr -R repository |
repository の前にある -R オプションは、サポートされている PPD ファイルリポジトリの 1 つを識別するために使用されます。-R オプションが指定されていない場合、デフォルトの repository は user です。-R オプションが -a オプションとともに指定されている場合、有効なリポジトリ名は user と admin です。サポートされているすべてのリポジトリ名とその場所の詳細については 「PPD ファイルリポジトリ」を参照してください。
ラベルを指定するには、次の構文を使用します。
ppdmgr -L label-name |
label-name の前にある -L オプションは、PPD ファイルリポジトリ内の PPD ファイルのグループ化を識別するために使用されます。ラベルはまた、PPD ファイルリポジトリ内にあるディレクトリの名前でもあります。ラベルは、移植可能文字セットにある任意の文字で構成できます。ただし、ラベルにセミコロン (;) を含めることはできません。
-L オプションが指定されていない場合、ラベル名を指定するために使用されるデフォルト値は次のようになります。
ppdmgr コマンド行オプション |
デフォルトラベル |
---|---|
-a |
サポートされているリポジトリ内に ppd-file-path が存在する場合は、ppd-file-path 内の label がデフォルトになります。それ以外の場合は、user が label のデフォルトになります。 |
-r |
all ラベルがデフォルトになります。 |
-u |
all ラベルがデフォルトになります。 |
PPD キャッシュファイルの更新を要求するには、次の構文を使用します。
ppdmgr -u |
このオプションによって、PPD ファイルリポジトリ内の変更が反映されるようにキャッシュファイルが更新されます。PPD キャッシュファイルは、変更が検出された場合にのみ更新されます。
-a オプションが指定されている場合、PPD キャッシュファイルの更新は、PPD ファイルがコピーされたリポジトリ内のラベルディレクトリの変更が反映されるように自動的に行われます。
-R または -L オプションが指定されていない場合、PPD キャッシュファイルは、user リポジトリ内の all ラベルディレクトリの変更が反映されるように更新されます。
PPD キャッシュファイルの再作成を要求するには、次の構文を使用します。
ppdmgr -r |
-r オプションによって、指定された PPD ファイルリポジトリ内の指定されたラベルに関連付けられた中間キャッシュファイルをすべて削除し、再生成することによりキャッシュが再作成されます。中間キャッシュファイルがすべて削除された場合は、この動作によって PPD キャッシュファイル /var/lp/ppd/ppdcache が更新されます。指定された PPD ファイルリポジトリ内の指定されたラベルの再生成が必要なため、PPD キャッシュ情報の再生成は非常に時間がかかる場合があります。PPD キャッシュファイルの再作成にかかる時間は、影響を受ける PPD ファイルの数によって異なります。そのため、-r オプションは、PPD キャッシュファイルの破壊が疑われる場合にのみ使用するようにしてください。
-R または -L オプションが指定されていない場合は、user PPD ファイルリポジトリ内のすべてのラベルに関連付けられた中間キャッシュファイルが削除されます。次に、これらの変更が PPD キャッシュファイルに反映されます。
リポジトリ内の PPD ファイルのフルパスを表示するには、次の構文を使用します。
ppdmgr -a ppd-file-path -w |
-a オプションとともに -w オプションを指定する必要があります。PPD ファイルがシステムに正常に追加された場合は、PPD ファイルの出力先のフルパスが stdout に表示されます。それ以外の場合、このオプションは無視されます。