Solaris のシステム管理 (印刷)

送信先名 (ネットワークプリンタアクセス名) の選択

印刷サブシステムはプリンタのアクセス情報を必要とします。このサブシステムは、プリンタへのネットワーク接続を行うときに送信先名を使用します。この名前は、システム管理者が lpadmin コマンドで印刷サブシステムに提供します。これは、プリンタ構成データベースの一部になります。プリンタアクセス名はプリンタノード名であり、ポート名で修飾される場合もあります。ポート指定はプリンタベンダー間で異なります。ポート指定については、プリンタのマニュアルを参照してください。

次に、プリンタアクセス名の書式を示します。

printer-node-name[:port-designation]

送信先名は、次の 3 つの形式のいずれかで指定できます。

単独名 (単純名)

(送信先) - 指定された送信先の printer-uri-supported キーと値のペアを printers.conf または printers 構成データベースで検索することによって解決されます。エントリの printer-uri-supported キーが見つからない場合は、エントリの bsdaddr 値がプリンタ URI 形式に変換され、使用されます。

詳細は、printers(4) および printers.conf(4) のマニュアルページを参照してください。

プリンタ URI

(scheme://endpoint) - 完全に解決され、印刷サービスと通信するためのプロトコルと通信エンドポイントを指定します。この送信先名の形式は、ユーザーのシステムの現在の管理ドメインの外部にある印刷サービスにアクセスする場合に役立ちます。名前には印刷サービスとの通信時に使用するプロトコルが含まれるため、RFC-1179 プロトコルよりも機能の豊富なプロトコルを選択できます。

POSIX

(server:queue[:extensions]) - これは完全な形式で、同等のプリンタ URI 形式 lpd://server/printers/queue[#extensions] に解決されます。この形式は下位互換性のためだけに残されています。代わりにプリンタ URI 形式を使用することをお勧めします。


例 5–6 ポート指定 (番号) 付き送信先名 (ネットワークプリンタアクセス名)

TCP の共通ポート指定は 9100 です。プリンタノード名が pn1 で、プリンタベンダーがそのポートを 9100 と定義していた場合、プリンタアクセス名は pn1:9100 になります。この場合にプリンタを構成するには、次のコマンドを使用します。


lpadmin -p printer_name -o dest=pn1:9100


例 5–7 BSD ポート指定 (名前) 付き送信先名 (ネットワークプリンタアクセス名)

BSD プロトコルを使用するとき、ポート指定は番号でなく、プリンタベンダーが定義した名前であることがあります。たとえば xxx _parallel_1 です。プリンタノード名が cardboard の場合、プリンタアクセス名は cardboard:xxx_parallel_1 になります。この場合にプリンタを構成するには、次のコマンドを使用します。


lpadmin -p printer-name -o dest=cardboard:xxx_parallel_1


例 5–8 ポート指定なしの送信先名 (ネットワークプリンタアクセス名)

ポート指定がなく、プリンタノード名が newspaper の場合、プリンタアクセス名はプリンタノード名と同じになります。 newspaper です。この場合にプリンタを構成するには、次のコマンドを使用します。


lpadmin -p printer-name -o dest=newspaper