同一のパッケージに、異なるバージョンを含めたり、異なるアーキテクチャーとの互換性を持たせたり、あるいはその両方を組み合わせることができます。パッケージの各バリエーションは、パッケージインスタンスと呼ばれています。パッケージインスタンスは、pkginfo ファイル内で PKG、ARCH、および VERSION の各パラメータ定義を組み合わせて決定します。
pkgadd コマンドは、インストール時にパッケージ識別子を各パッケージインスタンスに割り当てます。パッケージ識別子は、たとえば SUNWadm.2 のように、数値の接尾辞を含むパッケージの省略名です。この識別子は、同じパッケージのインスタンスを含め、その他のパッケージとパッケージインスタンスを区別します。
パッケージの省略名は、パッケージの名前を短くしたものであり、pkginfo ファイル内で PKG パラメータによって定義されています。パッケージの省略名には、次の特性を持たせてください。
省略名は 32 文字の長さを超えることはできません。
省略名には、 予約された省略名である install、new、および all は使用できません。
最初の 4 文字は、会社に特有のものでなければなりません。たとえば、Sun MicrosystemsTM によって構築されたパッケージはすべて、パッケージの省略名の最初の 4 文字に“SUNW” の文字を含みます。
pkginfo ファイル内のパッケージ省略名エントリの一例は PKG=SUNWcadap です。
pkginfo ファイル内の ARCH パラメータは、パッケージに関連付けるアーキテクチャーを特定します。アーキテクチャー名の最大長は、英数字で 16 文字です。パッケージが複数のアーキテクチャーに関連付けられている場合、アーキテクチャーをコンマ区切りのリストで指定します。
pkginfo ファイル内でパッケージアーキテクチャーを指定する例を次に示します。
ARCH=sparc |
pkginfo ファイル内の SUNW_ISA パラメータは、Sun Microsystems パッケージに関連付けられている命令セットアーキテクチャーを特定します。パラメータの値は次のとおりです。
64–ビットオブジェクトを含むパッケージの場合: sparcv9
32–ビットオブジェクトを含むパッケージの場合: sparc
たとえば、64–ビットオブジェクトを含むパッケージの場合、pkginfo ファイル内の SUNW_ISA 値は次のようになります。
SUNW_ISA=sparcv9 |
SUNW_ISA が設定されていない場合、パッケージの命令セットアーキテクチャーはデフォルトで ARCH パラメータの値に設定されます。
pkginfo ファイル内の VERSION パラメータは、パッケージのバージョンを特定します。バージョンの最大長は、ASCII 文字で 256 文字です。また、バージョンは、左括弧で始めることはできません。
pkginfo ファイル内でバージョンを指定する例を次に示します。
VERSION=release 1.0 |