以前のバージョンのパッケージが存在し、新しいパッケージと互換性があることを指定する必要がある場合は、任意のテキストエディタを使用して compver という名前のファイルを作成します。
作成するパッケージと互換性があるバージョンを一覧表示します。次の形式を使用します。
string string . . . |
string の値は、各互換パッケージの pkginfo ファイルの VERSION パラメータに割り当てられている値と同じです。
ファイルを保存してエディタを終了します。
作成するパッケージがほかのパッケージの存在に依存する場合、ほかのパッケージが作成するパッケージの存在に依存する場合、または作成するパッケージが別のパッケージと互換性がない場合は、任意のテキストエディタを使用して depend という名前のファイルを作成します。
依存関係ごとにエントリを追加します。次の形式を使用します。
type pkg-abbrev pkg-name (arch) version (arch) version . . . |
依存タイプを定義します。次のいずれかの文字を指定する必要があります。 P (必須パッケージ)、I (非互換パッケージ)、または R (逆依存)。
パッケージの省略名を指定します (SUNWcadap など)。
完全なパッケージ名を指定します。たとえば、「Chip designers need CAD application software to design abc chips. Runs only on xyz hardware and is installed in the usr partition.」などです。
省略可能。パッケージが稼働するハードウェアの種類を指定します。たとえば、sparc や x86 などです。アーキテクチャーを指定する場合は、区切り文字として丸括弧を使用する必要があります。
省略可能。pkginfo ファイルで VERSION パラメータに割り当てられている値を指定します。
詳細については、depend(4) を参照してください。
ファイルを保存してエディタを終了します。
次のいずれかの作業を完了します。
追加情報ファイルおよびインストールスクリプトを作成する場合は、次の作業、「著作権に関するメッセージを書く方法」に進んでください。
prototype ファイルを作成していない場合は、「pkgproto コマンドを使用して prototype ファイルを作成する方法」の手順を完了して、手順 7 に進んでください。
prototype ファイルをすでに作成している場合は、それを編集し、前の手順で作成した各ファイルのエントリを追加します。
パッケージを構築します。
必要な場合は、「パッケージの構築方法」を参照してください。
この例では、パッケージには 4 つのバージョンがあります。 1.0、1.1、2.0、および新しいパッケージの 3.0 です。新しいパッケージは、以前の 3 つのバージョンすべてと互換性があります。最新バージョンの compver ファイルは次のような内容です。
release 3.0 release 2.0 version 1.1 1.0 |
エントリは、順番になっていなくてもかまいません。ただし、各パッケージの pkginfo ファイルでの VERSION パラメータの定義と正確に一致するようにしてください。この例では、パッケージ設計者は最初の 3 つのバージョンで異なる形式を使用しています。
この例では、サンプルパッケージ SUNWcadap は、SUNWcsr パッケージと SUNWcsu パッケージがターゲットシステムにすでにインストールされている必要があるものとします。 SUNWcadap の depend ファイルは、次のような内容です。
P SUNWcsr Core Solaris, (Root) P SUNWcsu Core Solaris, (Usr) |
パッケージを構築したあと、実際にインストールして、正しくインストールされることを確認し、整合性を検証します。第 4 章パッケージの確認と転送では、これらの作業について説明し、検証済みのパッケージを配布媒体に転送する方法の手順を示します。