アプリケーションパッケージ開発者ガイド

Procedureパッケージの依存関係を定義する方法

  1. 情報ファイルが格納されているディレクトリを、現在の作業用ディレクトリにします。

  2. 以前のバージョンのパッケージが存在し、新しいパッケージと互換性があることを指定する必要がある場合は、任意のテキストエディタを使用して compver という名前のファイルを作成します。

    作成するパッケージと互換性があるバージョンを一覧表示します。次の形式を使用します。


    string string . . .
    

    string の値は、各互換パッケージの pkginfo ファイルの VERSION パラメータに割り当てられている値と同じです。

  3. ファイルを保存してエディタを終了します。

  4. 作成するパッケージがほかのパッケージの存在に依存する場合、ほかのパッケージが作成するパッケージの存在に依存する場合、または作成するパッケージが別のパッケージと互換性がない場合は、任意のテキストエディタを使用して depend という名前のファイルを作成します。

    依存関係ごとにエントリを追加します。次の形式を使用します。


    type pkg-abbrev pkg-name
        (arch) version
        (arch) version . . .
    
    type

    依存タイプを定義します。次のいずれかの文字を指定する必要があります。 P (必須パッケージ)、I (非互換パッケージ)、または R (逆依存)。

    pkg-abbrev

    パッケージの省略名を指定します (SUNWcadap など)。

    pkg-name

    完全なパッケージ名を指定します。たとえば、「Chip designers need CAD application software to design abc chips. Runs only on xyz hardware and is installed in the usr partition.」などです。

    (arch)

    省略可能。パッケージが稼働するハードウェアの種類を指定します。たとえば、sparcx86 などです。アーキテクチャーを指定する場合は、区切り文字として丸括弧を使用する必要があります。

    version

    省略可能。pkginfo ファイルで VERSION パラメータに割り当てられている値を指定します。

    詳細については、depend(4) を参照してください。

  5. ファイルを保存してエディタを終了します。

  6. 次のいずれかの作業を完了します。

  7. パッケージを構築します。

    必要な場合は、「パッケージの構築方法」を参照してください。


例 3–1 compver ファイル

この例では、パッケージには 4 つのバージョンがあります。 1.0、1.1、2.0、および新しいパッケージの 3.0 です。新しいパッケージは、以前の 3 つのバージョンすべてと互換性があります。最新バージョンの compver ファイルは次のような内容です。


release 3.0
release 2.0
version 1.1
1.0

エントリは、順番になっていなくてもかまいません。ただし、各パッケージの pkginfo ファイルでの VERSION パラメータの定義と正確に一致するようにしてください。この例では、パッケージ設計者は最初の 3 つのバージョンで異なる形式を使用しています。



例 3–2 depend ファイル

この例では、サンプルパッケージ SUNWcadap は、SUNWcsr パッケージと SUNWcsu パッケージがターゲットシステムにすでにインストールされている必要があるものとします。 SUNWcadapdepend ファイルは、次のような内容です。


P SUNWcsr Core Solaris, (Root)
P SUNWcsu Core Solaris, (Usr)

参照

パッケージを構築したあと、実際にインストールして、正しくインストールされることを確認し、整合性を検証します。第 4 章パッケージの確認と転送では、これらの作業について説明し、検証済みのパッケージを配布媒体に転送する方法の手順を示します。