次の環境変数のグループは、すべてのインストールスクリプトで使用できます。一部の環境変数は、request スクリプトまたは checkinstall スクリプトで変更できます。
request スクリプトまたは checkinstall スクリプトでは、pkginfo ファイルに含まれる標準パラメータのうち、必須パラメータ以外のいずれかのパラメータを設定または変更できます。標準インストールパラメータの詳細については、pkginfo(4) のマニュアルページを参照してください。
BASEDIR パラメータは、Solaris 2.5 リリースおよびその互換リリース以降でのみ変更できます。
pkginfo ファイルで値を割り当てることにより、独自のインストール環境変数を定義できます。このような環境変数の名前は、先頭が大文字の英数字でなければなりません。これらの環境変数はすべて、request スクリプトまたは checkinstall スクリプトで変更できます。
request スクリプトと checkinstall スクリプトのどちらでも、環境変数に値を割り当ててインストール環境に設定することで、新しい環境変数を定義できます。
次の表は、環境を通じてすべてのインストールスクリプトで使用できる環境変数の一覧です。これらの環境変数はいずれも、スクリプトでは変更できません。
環境変数 |
説明 |
---|---|
CLIENT_BASEDIR |
ターゲットシステムに関するベースディレクトリ。BASEDIR はインストールシステム (通常はサーバー) から特定のパッケージオブジェクトを参照する場合に使用する変数ですが、CLIENT_BASEDIR はクライアントシステムに配置されるファイルに格納するパスです。CLIENT_BASEDIR は、BASEDIR が存在する場合に存在し、PKG_INSTALL_ROOT がない場合は BASEDIR と同じです。 |
INST_DATADIR |
現在読み取られているパッケージが配置されるディレクトリ。パッケージがテープから読み取られている場合、この変数は、パッケージがディレクトリ形式に転送された一時ディレクトリの場所を表します。つまり、パッケージ名に拡張子がないとすると (SUNWstuff.d など)、現在のパッケージの request スクリプトは $INST_DATADIR/$PKG/install にあります。 |
PATH |
スクリプトの呼び出しでコマンドを見つけるために sh が使用する検索リスト。通常、PATH は /sbin:/usr/sbin:/usr/bin:/usr/sadm/install/bin に設定されています。 |
PKGINST |
インストールされているパッケージのインスタンス識別子。パッケージの別のインスタンスがまだインストールされていない場合、値はパッケージの省略名 (SUNWcadap など) です。すでにインストールされている場合は、パッケージの省略名のあとに接尾辞が付加された値 (SUNWcadap.4 など) になります。 |
PKGSAV |
削除スクリプトで使用するためにファイルを保存できるディレクトリ、または以前に保存されたファイルを見つけることのできるディレクトリ。Solaris 2.5 リリースおよびその互換リリースでのみ使用できます。 |
PKG_CLIENT_OS |
パッケージがインストールされているクライアントのオペレーティング システム。この変数の値は Solaris です。 |
PKG_CLIENT_VERSION |
x.y 形式の Solaris のバージョン。 |
PKG_CLIENT_REVISION |
Solaris 構築リビジョン。 |
PKG_INSTALL_ROOT |
パッケージがインストールされているターゲットシステムのルートファイルシステム。この変数は、pkgadd コマンドと pkgrm コマンドが -R オプションを指定して呼び出された場合にのみ存在します。このように条件付きで存在するため、手続きスクリプトでは、${PKG_INSTALL_ROOT}/somepath の形式で容易に使用できます。 |
PKG_NO_UNIFIED |
pkgadd コマンドと pkgrm コマンドが -M および -R オプションを指定して呼び出された場合に設定される環境変数。この環境変数は、パッケージ環境の一部であるいずれかのパッケージインストールスクリプトまたはパッケージコマンドに渡されます。 |
UPDATE |
この環境変数は、ほとんどのインストール環境には存在しません。この変数が存在する場合は値が yes に設定され、次の 2 つのどちらかを意味します。同じ名前、バージョン、およびアーキテクチャーのパッケージが、システムにすでに存在します。または、このパッケージは、管理者の指示により、同じ名前のインストール済みパッケージを上書きしています。これらの場合は、元のベースディレクトリが常に使用されます。 |