この章では、Solaris 10 オペレーティングシステムのインストールに関連した情報と問題について説明します。
修正されて Solaris 10 10/08 ソフトウェアに適用されなくなったバグと問題については、付録 A Solaris 10 オペレーティングシステムで統合された解決済みバグの表を参照してください。
ここでは、Solaris 10 OS での動作の変更点など、一般的な情報について説明します。
Solaris 10 10/08 リリースの最小および推奨メモリー要件を次に示します。
UFS ルートファイルシステム:
最小メモリーは 384M バイト
推奨メモリーは 512M バイト
ZFS ルートファイルシステム:
最小メモリーは 786M バイト
ZFS パフォーマンス全体には 1G バイトのメモリーが推奨される
SPARC システムの場合、Solaris 10 8/07 リリース以降にアップグレードできるのは、次のリリースの Solaris OS だけです。
Solaris 8 OS
Solaris 9 OS
Solaris 10 OS
x86 システムの場合、アップグレードできるのは、次のリリースの Solaris OS だけです。
Solaris 9 OS
Solaris 10 OS
Solaris 8 より前のリリースのソフトウェアを Solaris 10 10/08 ソフトウェアにアップグレードする場合は、最初に上記のいずれかのリリースにアップグレードしてください。そのあとに、Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードしてください。
Solaris 10 10/08 は、Solaris の互換性保証に沿って以前のリリースとの互換性についてテスト済みです。このことは、Solaris の公開されている ABI に準拠するアプリケーション (他社製のアプリケーションを含む) が Solaris 10 10/08 で修正なしに動作することを意味します。詳細は、Solaris アプリケーション保証プログラム (http://www.sun.com/software/solaris/guarantee.jsp) を参照してください。
Solaris ソフトウェアに含まれないほかの製品を Solaris OS とともにシステムで実行する場合があります。このような製品には、Sun よって提供されるものと、他社によって提供されるものがあります。このシステムを Solaris 10 リリースにアップグレードする場合は、このようなほかの製品が Solaris 10 OS でもサポートされることを確認してください。これらの各製品の状態に応じて、次のどちらかの方法を実行できます。
製品の既存のバージョンが Solaris 10 ソフトウェアでサポートされていることを確認します。
Solaris 10 リリースでサポートされている製品の新しいバージョンをインストールします。Solaris ソフトウェアにアップグレードする前に、製品の以前のバージョンを削除する必要がある場合もあります。詳細は、製品のマニュアルを参照してください。
Solaris 10 ソフトウェアにアップグレードする前に、製品を削除します。
ここでは、Solaris 10 OS のインストールまたは Solaris 10 OS へのアップグレードを行う前に知っておく必要がある重要な問題点について説明します。このような問題点による影響で、インストールやアップグレードが正常に完了しない場合があります。ここで説明する問題点が使用しているシステムに該当する場合は、インストールやアップグレードを行う前に、推奨される回避方法を実行する必要があります。
Solaris 10 8/07 リリース以降では、Solaris ゾーンに Solaris Live Upgrade を使用できます。この詳細は、InfoDoc 206844 (http://sunsolve.sun.com/search/document.do?assetkey=1-61-206844-1) を参照してください。
Solaris Live Upgrade が正しく動作するためには、使用する OS バージョンに特定のパッチリビジョンのセットをインストールする必要があります。http://sunsolve.sun.com を参照して、最新のパッチリストを使用しているかどうか確認してください。Solaris 10 10/08 リリースには、Solaris Live Upgrade に関する次の制約事項があります。
Solaris Live Upgrade を使用して、現在の Solaris 8 OS を Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードするには、次の手順を実行してください。
SPARC システムの場合 - Solaris 8 リリースから Solaris 10 10/08 リリースへの Solaris Live Upgrade がサポートされています。Solaris Live Upgrade を使用する手順については、http://www.sun.com/bigadmin/features/articles/live_upgrade_patch.jsp を参照してください。
x86 システムの場合 - Solaris 8 リリースから Solaris 10 10/08 リリースへの Solaris Live Upgrade はサポートされていません。代わりに、標準のアップグレード手順を使用するか、Solaris 8 OS から Solaris 9 OS または Solaris 10 OS への Solaris Live Upgrade を実行してください。その次に、Solaris 9 リリースまたは Solaris 10 リリースから Solaris 10 10/08 リリースへの Solaris Live Upgrade を実行できます。
Solaris Live Upgrade を使用して、現在の Solaris 9 OS を Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードするには、次のパッチを適用します。
SPARC システムの場合 – 137477-01 またはそれ以降
x86 システムの場合 – 137478-01 またはそれ以降
Solaris Live Upgrade を使用して、現在の Solaris 10 OS を Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードするには、次のパッチを適用します。
SPARC システムの場合 – 137321-01 またはそれ以降
x86 システムの場合 – 137322-01 またはそれ以降
これらのパッチには、新しい p7zip 機能が備わっています。Solaris 10 10/08 へのアップグレードをサポートするためには、Solaris Live Upgrade に p7zip 機能が必要です。
Infodoc 72099 に記載されていた Solaris Live Upgrade に最低限必要なパッチ情報は、現在では Infodoc 206844 に記載されています。
Solaris 10 10/08 リリースには、ZFS ルートファイルシステムをインストールし、ZFS 上にゾーンルートを構成する機能が備わっています。通常、ゾーンルートは必要に応じて ZFS 上に作成および構成することができます。ただし、Solaris Live Upgrade では、ZFS 上のゾーンルートに対して次の構成だけが現在サポートされています。
UFS ルートファイルシステムがマウントされていて、すべてのゾーンルートが UFS 上にあり、次のいずれかのリリースを実行している場合:
Solaris 10 6/06、Solaris 10 11/06、Solaris 10 8/07、Solaris 10 5/08
Solaris 10 10/08
ルートファイルシステムが ZFS で、すべてのゾーンルートが ZFS 上にあり、Solaris 10 10/08 リリースを実行する構成に移行できます。この構成には引き続きパッチが適用され、以降の Solaris 10 リリースが稼働するようにアップグレードされる可能性があります。
ZFS ルートファイルシステムが含まれている Solaris 10 10/08 システムをインストールし、そのあとですべてのゾーンルートを ZFS 上に構成できます。ゾーンルートは、グローバルルートファイルシステムと同じプール内にある必要があります。この構成には引き続きパッチが適用され、以降の Solaris 10 リリースが稼働するようにアップグレードされる可能性があります。
これらの構成の設定方法の詳細は、『Solaris ZFS 管理ガイド』の「ZFS をサポートするための Solaris インストールと Solaris Live Upgrade の要件」を参照してください。
ZFS ルートファイルシステムへの移行を開始する場合、または ZFS ルートファイルシステムが含まれているシステムでゾーンを設定する場合は、この章に記載された情報をよく確認してから行なってください。推奨手順に正確に従って ZFS ルートファイルシステムが含まれているシステムにゾーンを設定して、そのシステムで確実に Solaris Live Upgrade を使用できるようにしてください。
Solaris Trusted Extensions が構成された Solaris システムでは、非大域ゾーンが使用されます。これらのシステムのアップグレード方法は、ゾーンを使用する Solaris システムのアップグレード方法と同じであり、注意事項も同じです。
ZFS ゾーン– 現在のところ、ZFS ゾーンが構成されている Solaris システムはアップグレードできません。ZFSゾーンが構成されている Solaris Trusted Extensions システムの場合は、代替手段としてゾーンを再作成します。ゾーンを再作成するには、次の手順を実行してください。
まず、tar -T コマンドを使用してすべてのデータをバックアップします。
次に、ゾーンを削除します。
システムをアップグレードし、すべてのゾーンを再構成します。
すべてのゾーンが構成されたあとで、すべてのデータを復元します。
NFSv4 ドメイン– アップグレード後に、各ラベル付きゾーンを起動すると、NFSv4 ドメインの入力を求めるプロンプトが表示されます。このプロンプトが表示されないようにするには、アップグレードを行う前に、各ラベル付きゾーンの /etc/default/nfs ファイルに正しい NFSMAPID_DOMAIN 値を追加します。詳細は、CR 5110062 を参照してください。
Live Upgrade– ゾーンが構成されている Solaris システムの Live Upgrade に影響を及ぼすバグが 2 つあります。
これらのバグは、Solaris Trusted Extensions が構成されているシステムの Live Upgrade にも影響します。回避方法も同じです。
ネームサービス– インストール時にシステムでネームサービスを使用するように構成した場合、それがアップグレード中に使用されるネームサービスと異なっているときは、ブート後に大域ゾーンで正しいネームサービスを使用することができます。
たとえば、システムのインストール時にネームサービスとして NIS を使用するように指定した場合、あとでシステムを LDAP クライアントに変換したときは、luactivate ブートを使用して、大域ゾーンで使用するネームサービスを NIS に戻すことができます。この原因は CR 6569407 です。
回避方法としては、/var/svc/profile ディレクトリの name_service.xml シンボリックリンクを調整して、現在使用されているネームサービスに対応する正しい xml ファイルを指すようにします。たとえば、インストール時にネームサービスとして NIS を指定した場合、name_service.xml は ns_nis.xml へのシンボリックリンクになります。そのあとでシステムが LDAP クライアントに変換された場合、Live Upgrade 中に使用されたネームサービスが LDAP であれば、次のコマンドを実行します。
# ln -fs ns_ldap.xml name_service.xml |
これは、Live Upgrade を開始する前または lucreate コマンドを実行する前に行うようにしてください。ただし、lucreate の前にこのコマンドを実行しなかった場合は、luactivate コマンドを実行したあとで次の手順を実行します。
新しいブート環境を lumount でマウントします。
# lumount <BE_name> |
ブート環境の /var/svc/profile ディレクトリに移動します。
# cd /.alt.<BE_name>/var/svc/profile |
name_service.xml リンクを適切に設定します。次に例を示します。
# ln -fs ns_ldap.xml name_sevice.xml |
ブート環境を luumount でマウント解除します。
# luumount <BE_name> |
上記の手順を実行せずにシステムをブートした場合は、ネームサービスに関連する適切な SMF クライアントサービスを手動で起動する必要があります。
SPARC および x86 マシン上のミニルートにパッチを適用する場合に、C ターゲット指定子を指定して -patchadd を使用する手順が変更されています。変更後の手順では、ミニルートを展開し、パッチを適用してから、ミニルートを再度パッケージ化する必要があります。
詳細な手順については、次のトピックを参照してください。
『Solaris 10 10/08 インストールガイド (ネットワークインストール)』の第 5 章「DVD メディアを使用したネットワークインストール (作業)」
『Solaris 10 10/08 インストールガイド (ネットワークインストール)』の第 6 章「CD メディアを使用したネットワークインストール (作業)」
『Solaris 10 10/08 インストールガイド (ネットワークインストール)』の第 7 章「ミニルートイメージへのパッチの適用 (作業)」
Solaris 10 8/07 リリース以降、Solaris 10 OS ソフトウェアには Solaris Data Encryption Supplement パッケージがデフォルトで含まれています。これらのパッケージをダウンロードしてインストールする必要はなくなりました。
次のパッチは、CR 6277164 および CR 6214222 で報告されている問題を解決するためのパッチです。
パッチ ID 119366-05 (SPARC ベースのシステム用)
パッチ ID 119367-05 (x86 ベースのシステム用)
次の節では、それら報告済みの問題を完全に解決するために必要な追加手順について説明します。詳細は、これらのパッチのパッチ README の Special Install Instructions セクションをお読みください。
elx または pcelx ネットワークインタフェースカード (NIC) を備えたシステムでは、インストールが失敗します。NIC の構成中に、次のエラーメッセージが表示されることがあります。
WARNING: elx: transmit or jabber underrun: d0<UNDER, INTR, CPLT> |
詳細は、elxl(7D) または pcelx(7D) のマニュアルページを参照してください。
回避方法: elx または pcelx NIC を使用していないシステムにインストールして実行してください。
/var ファイルシステムが別のスライスに置かれている場合は、/var ファイルシステムのデフォルトのサイズが不十分なことがあります。
/var ファイルシステムのスライスサイズを手動で大きくする必要があります。
/var ファイルシステムが別のスライスやパーティションに置かれていない場合、この問題は発生しません。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
Solaris GUI インストールプログラムを使用している場合は、次の手順を実行します。
インストールを開始します。
「インストール形式の選択」から「カスタムインストール」を選択します。
Solaris インストールプログラムでは、いくつかの画面が表示され、インストールするソフトウェアのローカリゼーション、製品、およびディスク配置をカスタマイズできます。
「ファイルシステムの配置」から「変更」を選択します。
ディスク配置画面が表示されます。
特定のスライスの「ファイルシステム」列に /var と入力し、「適用」をクリックします。
インストールプログラムによって /var ファイルシステムのデフォルトのサイズが提示されます。
/var ファイルシステムの「サイズ」列のエントリを編集して、ディスク容量サイズの 2 倍に設定します。
たとえば、インストールプログラムで 40M バイトの容量が割り当てられている場合は、「サイズ」の値を 80 に変更します。
インストールを完了します。
Solaris インストールプログラムのテキストインストーラを使用している場合は、次の手順を実行します。
インストールを開始します。
「インストール形式の選択」から「カスタムインストール」を選択します。
Solaris インストールプログラムでは、いくつかの画面が表示され、インストールするソフトウェアのローカリゼーション、製品、およびディスク配置をカスタマイズできます。
「ファイルシステムの配置」から「自動配置」を選択します。
ディスク配置画面が表示されます。
特定のスライスの「ファイルシステム」列に /var と入力します。
インストールプログラムによって /var ファイルシステムのデフォルトのサイズが提示されます。
/var ファイルシステムのサイズをカスタマイズするには、F4_Customize キーを押します。
/var ファイルシステムの「サイズ」列のエントリを編集して、ディスク容量サイズの 2 倍に設定します。
たとえば、インストールプログラムで 40M バイトの容量が割り当てられている場合は、「サイズ」の値を 80 に変更します。
インストールを完了します。
カスタム JumpStart プログラムを使用している場合は、filesys プロファイルキーワードを使用して /var ファイルシステムのサイズを設定します。次の例では、スライス 5 の /var ファイルシステムのサイズを 256M バイトに設定しています。
filesys c0t0d0s5 256 /var |
Solaris 10 ソフトウェアには、大きなパーティションをインストールできる機能が含まれています。システム BIOS は Logical Block Addressing (LBA) をサポートしている必要がありますが、BIOS バージョン GG.06.13 は LBA アクセスをサポートしていません。このような衝突を Solaris ブートプログラムは処理できません。このことはほかの HP Vectra システムにも影響します。
このシステムをアップグレードすると、HP システムはブートしなくなります。暗い画面上に点滅する下線が表示されるだけです。
回避方法: 最新の BIOS バージョン GG.06.13 の HP Vectra XU シリーズシステムを Solaris 10 リリースにアップグレードしないでください。Solaris 10 リリースでは、これらのシステムはサポートされていません。
ブートフロッピーディスクまたはブート CD を使用すれば、ブートにハードディスクコードを使用しないので、システムをブートすることができます。その後、ブート可能デバイスとして、ネットワークまたは CD-ROM ドライブではなくハードディスクを選択してください。
SPARC ベースのシステムでは、Solaris 10 OS は 64 ビットモードでのみ動作します。一部の Sun4UTM システムでは、OS を 64 ビットモードで実行するために、Flash PROM 内の OpenBootTM ファームウェアを高いレベルに更新する必要があります。次のシステムでは、Flash PROM の更新が必要となる場合があります。
UltraTM 2
Ultra 450 および Sun EnterpriseTM 450
Sun Enterprise 3000、4000、5000、および 6000 の各システム
次の表に、UltraSPARC システムと、64 ビットの Solaris 10 OS を実行するために必要な最小限のファームウェアバージョンを示します。システムタイプは、uname -i コマンドを実行して確認できます。実行中のファームウェアバージョンは、prtconf -V コマンドを実行して確認できます。
表 1–1 UltraSPARC システム上で 64 ビット Solaris ソフトウェアを実行するために必要なファームウェアバージョン
システムタイプ (uname -i で出力される) |
必要最小限のファームウェアバージョン (prtconf -V で出力される) |
---|---|
SUNW,Ultra-2 |
3.11.2 |
SUNW,Ultra-4 |
3.7.107 |
SUNW,Ultra-Enterprise |
3.2.16 |
この表に記載されていないシステムでは、Flash PROM を更新する必要はありません。Flash PROM を更新する方法については、 http://docs.sun.com で『Solaris 8 Sun ハードウェアマニュアル』のいずれかの版を参照してください。
SPARC システムと x86 システムの両方でファームウェアをアップグレードすると、パフォーマンスが著しく向上する可能性があります。BigAdmin Patching Center (http://www.sun.com/bigadmin/patches/overview.jsp) の Firmware の節を参照してください。また、FAQ (http://www.sun.com/bigadmin/patches/firmware/faq.jsp) も参照してください。
Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアは、旧バージョンの Solaris 管理コンソール 1.0、1.0.1、1.0.2 ソフトウェアと互換性がありません。Solaris 管理コンソール 1.0、1.0.1、1.0.2 のいずれかのソフトウェアがインストールされた状態で Solaris 10 リリースおよびその互換バージョンにアップグレードする場合は、Solaris 管理コンソールソフトウェアをアンインストールする必要があります。システムに SEAS 2.0、SEAS 3.0、Solaris 8 Admin Pack のいずれかがインストールされていると、Solaris 管理コンソールソフトウェアが存在している可能性があります。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
アップグレードする前に /usr/bin/prodreg コマンドを実行して、Solaris 管理コンソールソフトウェアのフルアンインストールを行います。
Solaris 10 リリースへのアップグレード前に Solaris 管理コンソールソフトウェア 1.0、1.0.1、1.0.2 をアンインストールしていなかった場合は、Solaris 管理コンソールソフトウェア 1.0、1.0.1、1.0.2 のすべてのパッケージを削除する必要があります。パッケージの削除には prodreg コマンドではなく、pkgrm コマンドを使用します。必ず、手順に記載された順番どおりに削除してください。次の手順を実行します。
スーパーユーザーになります。
次のコマンドを入力します。
# pkginfo | grep “Solaris Management Console“ |
前述の出力結果で、パッケージ名の説明文の先頭に「Solaris Management Console 2.1」という文字列がない場合、そのパッケージは Solaris 管理コンソール 1.0 ソフトウェアのパッケージです。
pkgrm を使用して、Solaris 管理コンソール 1.0 ソフトウェアパッケージのすべてのインスタンスを次の順序で削除します。
説明文に「Solaris Management Console 2.1」という文字列が含まれているパッケージは削除しないでください。たとえば、SUNWmc.2 は Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアのパッケージです。
pkginfo の出力に、複数のバージョンの Solaris 管理コンソール 1.0 ソフトウェアパッケージが含まれている場合は、pkgrm を使用して、すべてのバージョンを削除してください。このとき、パッケージ名の末尾に番号が付いていないものを先に削除します。その後、末尾に番号が付いているものを削除してください。たとえば、pkginfo の出力に SUNWmcman と SUNWmcman.2 が含まれている場合、最初に SUNWmcman を削除して、次に SUNWmcman.2 を削除します。prodreg は使用しないでください。
# pkgrm SUNWmcman # pkgrm SUNWmcapp # pkgrm SUNWmcsvr# pkgrm SUNWmcsvu # pkgrm SUNWmc # pkgrm SUNWmcc # pkgrm SUNWmcsws |
端末ウィンドウで次のコマンドを実行します。
# rm -rf /var/sadm/pkg/SUNWmcapp |
これで Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアが正しく機能するようになります。将来 Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアの保守を行う場合や、Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアが正しく機能しない場合は、Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアをいったん削除します。次の手順で再インストールしてください。
pkgrm を使用して、Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアパッケージのすべてのインスタンスを次の順序で削除します。
SUNWmc と SUNWmc.2 のように、ある Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアパッケージに対して複数のインスタンスがシステム上に存在する場合は、最初に SUNWmc を削除して、次に SUNWmc.2 を削除してください。prodreg は使用しないでください。
# pkgrm SUNWpmgr # pkgrm SUNWrmui # pkgrm SUNWlvmg # pkgrm SUNWlvma # pkgrm SUNWlvmr # pkgrm SUNWdclnt # pkgrm SUNWmga # pkgrm SUNWmgapp # pkgrm SUNWmcdev # pkgrm SUNWmcex # pkgrm SUNWwbmc # pkgrm SUNWmc # pkgrm SUNWmcc # pkgrm SUNWmccom |
Solaris 10 SOFTWARE - 4 CD を CD-ROM ドライブに挿入します。端末ウィンドウで次のように入力します。
# # cd /cdrom/cdrom0/Solaris_10/Product # pkgadd -d . SUNWmccom SUNWmcc SUNWmc SUNWwbmc SUNWmcex SUNWmcdev \ SUNWmgapp SUNWmga SUNWdclnt SUNWlvmr SUNWlvma SUNWlvmg SUNWpmgr \ SUNWrmui |
これによって、すべての旧バージョンの Solaris 管理コンソールソフトウェアが削除され、Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアが正しく機能するようになります。
特定の状況において、BIOS デバイスのユーティリティー (/sbin/biosdev) に障害が発生し、インストールまたはアップグレードが正常に行われないことがあります。このエラーは、次のいずれかの状況で発生する可能性があります。
パッチ ID 117435-02 を適用したが、システムをリブートしなかった。
システムに、同一の fdisk パーティションを持つ複数の同一ディスクがある。
次のエラーメッセージが表示されます。
biosdev: Could not match any!! |
回避方法: パッチ ID 117435-02 を適用したあとは、必ずシステムをリブートしてください。インストールまたはアップグレードに使用される同一のディスクが、異なる fdisk パーティションレイアウトで構成されていることを確認してください。
次の例で使用するシステムには、同じ fdisk パーティションレイアウトで構成される 2 つのディスクが含まれています。これらのレイアウトを変更するには、次の手順を実行します。
スーパーユーザーになります。
ディスク管理ユーティリティーを起動します。
# format |
システム上で使用できるディスクのリストが表示されます。
fdisk パーティションを変更するディスクを選択するために、ディスクの番号を入力します。
「Format」オプションのリストから、「fdisk」を選択します。
ディスクのパーティション情報と fdisk オプションのリストが表示されます。
ディスクのレイアウトを変更するために、次のいずれかの方法を選択します。
別のアクティブパーティションを指定する場合は、2 を押します。
別のディスクパーティションを追加する場合は、1 を押します。
未使用のパーティションを削除する場合は、3 を押します。
変更を保存して fdisk メニューを終了するには、5 を押します。
ディスク管理ユーティリティーを終了するには、「Format」オプションから「Quit」を選択します。
システムを再起動します。
システムをリブートしたあとに、エラーメッセージが表示されなくなったことを確認します。スーパーユーザーとして、次のコマンドを入力します。
# /sbin/biosdev |
それでもエラーメッセージが生成される場合は、前記の手順を繰り返します。ただし、手順 5 では別のオプションを選択してください。
同一の fdisk パーティションレイアウトを持つ同一のディスクがほかにもシステムに含まれている場合は、それらのディスクに対して手順 1 - 9 を繰り返します。そのようなディスクがない場合は、Solaris のインストールまたはアップグレードを続行できます。
最新の Solaris リリースから、非大域ゾーンがインストールされているときに、Solaris Flash アーカイブを適切に作成できなくなっています。Solaris Flash 機能は、最新のリリースでは Solaris コンテナ (ゾーン) 機能との互換性を持っていません。
flar create コマンドを使用して、次の環境に Solaris Flash アーカイブを作成しないでください。
非大域ゾーン内
非大域ゾーンがインストールされている場合の大域ゾーン内
このような環境に Solaris Flash アーカイブを作成すると、配置したアーカイブが適切にインストールされないことがあります。
回避方法: インストールされているゾーンがすべて停止している場合は、それらのゾーンを含むシステムの Solaris Flash アーカイブを作成で る可能性があります。詳細は、http://balrog.east/%7Ejvictor/Solaris/S10/Zones/FlarZone.html を参照してください。
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Sun Java Workstation 2100Z の DVD コンボドライブのファームウェアが原因で、システムパニックが発生することがあります。このパニックは、ワークステーションを Solaris 10 Operating System DVD からブートするときに発生します。カーネル起動画面が表示されたあと、次のメッセージがごく短時間に表示されます。
panic[cpu0]/thread=fec1be20: mod_hold_stub: Couldn't load stub module sched/TS_DTBL fec25cb0 genunix:mod_hold_stub+139 (fec04088, 63, fea11) fec25cc4 unix:stubs_common_code+9 (1, 8, fec026e4) fec25ce4 unix:disp_add+3d (fec026dc) fec25d00 genunix:mod_installsched+a4 (fef01530, fef01518) fec25d20 genunix:mod_install+2f (fef01518, fec25d3c,) fec25d2c TS:_init+d (0, d6d89c88, fec25d) fec25d3c genunix:modinstall+d9 (d6d89c88) fec25d50 genunix:mod_hold_installed_mod+2e (d6d77640, 1, fec25d) fec25d7c genunix:modload+ac (fec026c4, fec26c4) fec25d98 genunix:scheduler_load+3d (fec026c4, fec026dc) fec25db4 genunix:getcid+50 (fec026c4, fec28514) fec25dcc unix:dispinit+df (fec25ddc, fe814ba9) fec25dd4 unix:startup_modules+d5 (fec25dec, fe8cac37) fec25ddc unix:startup+19 (fe800000, 166130, 7) fec25dec genunix:main+16 () |
その後、システムが自動的にリセットされます。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: BIOS の構成設定の一部を変更します。この一時的な回避方法によって、Solaris 10 のインストールを完了できます。ただし、この方法では、DVD の読み取りパフォーマンスが低下することがあります。次の手順を実行します。
システムのブート中に、プロンプトで F2 キーを押してセットアップモードに入ります。
画面には、次のような接続タイプのオプションが表示されます。
Primary Master [ ] Primary Slave [ ] Secondary Master [CD-ROM] Secondary Slave [ ] |
DVD ドライブの接続タイプを選択するために、CD-ROM 用の接続タイプを選択します。
システムに光学式ドライブが複数ある場合など、画面に CD-ROM 用の接続タイプが複数表示されることがあります。そのような場合は、システムのケースを開き、DVD ドライブの接続点を調べる必要があります。必ず DVD ドライブに適した接続タイプを選択してください。
適切な CD-ROM 接続タイプを選択したら、Enter キーを押します。
次に表示される画面では、Type:[Auto] が自動的に選択されています。
スペースバーを 2 回押して選択を Type:[CD-ROM] に変更します。
矢印キーを使用して「Transfer Mode」を選択します。
Enter キーを押して、「Transfer Mode」のほかのオプションを一覧表示します。
矢印キーを使用して「Standard」を選択し、Enter キーを押して確定します。
F10 キーを押して、構成の変更を保存し、BIOS セットアップを終了します。
システムが再起動します。
回避方法 2: DVD コンボドライブのファームウェアを v1.12 に更新します。この回避方法を実行するには、Microsoft Windows が稼働しているシステムに DVD コンボドライブを接続する必要があります。次の手順を実行します。
DVD コンボドライブを Sun Java Workstation 2100z から取り外します。ドライブを正しく取り外す手順については、ワークステーションのユーザーガイドを参照してください。
Microsoft Windows が稼働しているシステムにドライブを接続します。必要な場合は必ず、マスターおよびスレーブのジャンパ設定を変更してください。
AOpen のダウンロードセンター (http://download.aopen.com.tw/default.aspx) を参照します。
次の情報を使用して、使用している DVD ドライブのファームウェアを検索します。
Product: Combo drives
Model: COM5232/AAH
Categories: Firmware
ファームウェアバージョン R1.12 をダウンロードし、インストールします。
ドライブをワークステーションに再び取り付けます。必要に応じて、マスターおよびスレーブのジャンパ設定を元に戻します。
このサイトには、これよりも新しいバージョンのファームウェアが用意されている可能性もあります。Sun のテストでは、パニックの問題は v1.12 リリースで解決されることが確認されています。v1.12 より新しいバージョンのファームウェアでも同様にこの問題が解決されるかどうかは、Sun では確認できません。
次の Sun Fire システムでは、デフォルトではシリアルコンソール (ttya) が動作しません。
Sun Fire V20z
Sun Fire V40z
Sun Fire V60x
Sun Fire V65x
シリアルコンソールを使用するには、システムの BIOS を手動で設定する必要があります。
回避方法: この回避方法を実行するには、システムに Sun キーボードとディスプレイモニターが必要です。次の手順を実行します。
マシンをブートします。
システムのブート中に、プロンプトで F2 キーを押して Phoenix BIOS にアクセスします。
「Peripherals」で、通信ポートを「disabled」から「enabled」に変更します。
設定を保存し、システムをブートします。
eeprom コマンドを使用して、入力デバイスと出力デバイスを ttya に変更します。
これらのシステムでは、システムのブート中に Stop キーと N キーを押しても、低レベルのファームウェアをデフォルトの設定にリセットすることはできません。
x86 ブートパーティションがすでに存在しているシステムでは、Solaris GUI インストールプログラムが失敗する場合があります。既存の x86 ブートパーティションが Solaris GUI インストールプログラムで作成された場合に、この失敗が発生します。次のエラーメッセージが表示されます。
Default layout will not work on this system. Error: Error: ERROR: Could not create explicit fdisk partition on c0t0d0, requested cylinders 14581 - 14597 in use by fdisk partition 1 Error: Error: ERROR: System installation failed Pfinstall failed. Exit stat= java.lang.UNIXProcess@a89ce3 2 artition on c0t0d0, requested cylinders 14581 - 14597 in use by fdisk partition 1 ERROR: System installation failed |
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: インストールプログラムで、インストールの種類を選択するよう求めるプロンプトが表示されたら、「3 Solaris Interactive Text (Desktop Session)」を選択します。
回避方法 2: Solaris GUI インストールプログラムを使用している場合は、次の手順を実行します。
インストールを開始します。
インストールの種類を選択するよう求めるプロンプトで、「カスタムインストール」を選択します。
カスタムインストールのパネルでは、インストールするロケール、ソフトウェア、およびディスクに関する情報を入力するよう求められます。
システムに応じて、これらの画面の質問に適切に回答します。
Fdisk の選択画面で、x86boot パーティションが含まれているディスクにチェックマークを付けます。
プルダウンメニューで x86boot パーティションを「UNUSED」に変更して、このパーティションを削除します。
x86boot パーティションを「UNUSED」から元の「x86boot」に変更して、このパーティションを追加します。
インストールを続行します。
Solaris 10 OS のインストール時またはインストール後に発生するバグ情報について説明します。
ローカライズされた Solaris インストーラは、常に EUC または ISO8859 ロケールで実行されます。このため、インストールログは EUC または ISO8859 エンコーディングで作成されます。
回避方法: 端末を介してローカライズされた CLI (コマンド行インタフェース) インストールを実行している間は、端末のロケールを EUC または ISO8859 ロケールにする必要があります。
Solaris 10 10/08 リリースから WAN ブートイメージをインストールするときに、インストールが失敗します。 次のエラーメッセージが表示されます。
boot_file=/wanboot/wanboot.u-137111-04 root_file=/miniroot/miniroot.s10-1008 |
回避方法: インストールを続行するには、Solaris 10 10/08 ミニルートイメージにパッチを適用する必要があります。ネットワークインストールミニルートイメージにパッチを適用するには、次の手順を実行します。
次の手順では、ネットワーク上に Solaris 最新リリースが実行されているシステムがあり、そのシステムにネットワークを経由してアクセスできると仮定しています。
Solaris 最新リリースが実行されているシステム上で、スーパーユーザーとしてログインするか、同等の役割になります。
作成したインストールイメージの Tools ディレクトリに移動します。
# cd install-server-path/install-dir-path/Solaris_10/Tools |
たとえば /net/installserver-1 のように、ネットワーク上のインストールサーバーシステムへのパスを指定します。
新しいインストールイメージを作成し、そのイメージを Solaris 最新リリースが実行されているシステム上に置きます。
# ./setup_install_server remote_install_dir_path |
新しいインストールイメージを作成する Solaris 最新リリース上のパスを指定します。
このコマンドにより、Solaris 最新リリース上に新しいインストールイメージが作成されます。このイメージにパッチを適用するには、このイメージを Solaris 最新リリースが実行されているシステム上に一時的に置きます。
Solaris 最新リリース上で、ネットワークインストールのブートアーカイブを展開します。
# /boot/solaris/bin/root_archive unpackmedia remote_install_dir_path \ destination_dir |
Solaris 最新リリース上のネットワークインストールイメージへのパスを指定します。
展開されたブートアーカイブを含むディレクトリのパスを指定します。
Solaris 最新リリース上で、展開したブートアーカイブにパッチを適用します。
# patchadd -C destination_dir path-to-patch/patch-id |
たとえば /var/sadm/spool のように、追加するパッチのパスを指定します。
適用するパッチ ID を指定します。
patchadd -M コマンドを使用すると、複数のパッチを指定できます。詳細については、patchadd(1M) のマニュアルページを参照してください。
patchadd -C を使用する前には必ず、パッチの README を読むか、ご購入先におたずねください。
Solaris 最新リリース上で、ブートアーカイブを作成します。
# /boot/solaris/bin/root_archive packmedia remote_install_dir_path \ destination_dir |
パッチを適用したアーカイブをインストールサーバー上のインストールイメージにコピーします。
# cd remote_install_dir_path # find boot Solaris_10/Tools/Boot | cpio -pdum \ install-server-path/install_dir_path |
Solaris 10 10/08 より前のリリースの Solaris Flash アーカイブをインストールしようとすると、アーカイブのインストールに失敗します。Solaris 10 10/08 以降のリリースでは、Solaris 10 10/08 以降のアーカイブであればインストールできます。 次のエラーメッセージが表示されます。
bootadm: biodev command failed for disk: /dev/dsk/<c0t2d0s0>. bootadm: 1s_bootdisk(): cannot determine BIOS disk ID "hd?" for disk: /dev/dsk/<c0t2d0s0> bootamd: get_grubroot(): cannot get (hd?, ?,?) for menu. menu not on bootdisk: /dev/rdsk/<c0t2d0s0> |
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
Solaris 10 10/08 以降のリリースの Solaris Flash アーカイブをインストールします。
以前のリリースの Solaris Flash アーカイブをインストールする必要がある場合は、そのリリースからブートし、アーカイブを展開します。
次のコマンドを使用してシステムをブートしようとすると、インストールに失敗します。
# boot -F wanboot -vV -o prompt |
その結果、システムパニックが発生します。次のエラーメッセージが表示されます。
wanboot: panic - boot: can't alloc ramdisk memory |
この問題は、Sun4u と Sun4v の両プラットフォームタイプで発生します。
回避方法: wanboot プログラムを使用してシステムをブートしないでください。代わりに、インストールメディアから直接システムをブートしてください。
カスタム JumpStart によるインストール中に、th_TH.ISO8859-11、th_TH.TIS620、ko_KR.EUC、ko_KR.UTF-8、zh_TW.EUC、zh_CN.EUC、zh_CN.GBK、zh_CN.UTF-8 などの一部のアジア語ロケールを使用できません。system_locale キーワードを使用してロケールを sysidcfg ファイル内に設定しているときに、次のエラーメッセージが表示されます。
xx_xx.xxxxx is not a valid system locale |
JumpStart によるインストールが停止され、対話式インストールが開始します。
回避方法: 長いロケール名ではなく、短めのロケール名 (th_TH、ko、ko.UTF-8、zh_TW、zh、zh.GBK、zh.UTF-8 など) を使用します。
Solaris Trusted Extensions を Solaris 10 11/06 または Solaris 10 8/07 リリースから最新の Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードする間に、Solaris Trusted Extensions の prodreg エントリが削除されません。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: Solaris Trusted Extensions を最新のリリースにアップグレードしたあとで、次のように手動で prodreg エントリを削除してください。
# prodreg unregister -f -r -u "Solaris Trusted Extensions" -i 1 |
Solaris 10 10/08 リリースに含まれている NVidia SATA コントローラ MCP55 および CK804 チップセット用のドライバで ATAPI CD/DVD デバイスがサポートされません。
SATA CD/DVD デバイスを使用したシステムのインストールまたはアップグレード中に、Solaris インストーラが起動し、機能しているように見えますが、次のエラーメッセージを表示して失敗します。
ERROR: The disc you inserted is not a Solaris OS CD/DVD |
There were problems loading the media from /cdrom |
通常のシステムオペレーション中に、SATA CD/DVD ドライブが設定されず、使用できません。
回避方法: USB CD/DVD を使用します。
Solaris のアップグレード中、削除されるパッチを確認するために「Detailed Analysis」を選択するとパッチがパネルに表示されますが、このパネルはスクロールできません。削除されるパッチの完全なリストは表示できません。
回避方法: analyze_patches スクリプトを手動で実行します。
# cd <cdrom>/Solaris_10/Misc # ./analyze_patches -R rootdir -N netdir -D databasedir |
コマンドのオプションは次のとおりです。
rootdir は、インストールされたシステムのルートです。デフォルトのルートディレクトリは / です。
netdir は、インストールする OS イメージのルートへのパスです。デフォルトのパスは /cdrom/cdrom0 です。netdir は、Solaris_10_606 ディレクトリを含んでいるディレクトリへのパスです。NFS マウントポイントから patch_analyzer を実行する場合は、このオプションを使用する必要があります。
OS イメージ内の /Misc ディレクトリ以外のディレクトリからスクリプトを呼び出す場合、プログラムはパッチ解析に使用するデータベースを見つけることができません。-D オプションを使用して、データベースへのパスを指定してください。このデータベースは OS イメージの Solaris_10_606/Misc/database ディレクトリにありますが、これが見つからないとスクリプトは正しく動作しません。
driver.conf ファイルが parent 属性を使って変更されている場合、NULL ポインタ間接参照によって Solaris OS にパニックが発生することがあります。次のエラーメッセージが表示されます。
System panic: BAD TRAP: type=31 rp=2a101d31200 addr=8 mmu_fsr=0 occurred in module "pcie" due to a NULL pointer dereference |
回避方法: PCI Express (PCIe) ベースの SPARC システムに Solaris 10 10/08 OS をインストールする場合は、まず driver.conf ファイルが変更されているかどうかを次の手順で確認します。
/kernel/drv ディレクトリに移動します。
driver.conf ファイルに parent 属性が設定されているかどうかを確認します。parent 属性が設定されている場合で、親の最後のノードに pci というワードが含まれているときは、その行をコメントにします。必ずプロパティー全体をコメントにしてください。次に例を示します。
# name="ACME,simple" parent="/pci@7c0/pci@0/pci@9" # unit-address="3,1" debug-mode=12; name="ACME,example" parent="pseudo" instance=1; name="ACME,scsi" parent="/pci@7c0/pci@0/pci@9/scsi" unit-address="3,1" debug-mode=12; |
次のディレクトリにある driver.conf ファイルに対して、手順 2 を繰り返します。
/usr/kernel/drv
/platform/`uname -i`/drv
/platform/`uname -m`/drv
Solaris 10 10/08 OS をインストールします。
パッチ 127747-01 をインストールします。
手順 1 および 3 に示されたディレクトリに移動します。手順 2 でコメントにした driver.conf ファイル内の行をすべてコメント解除します。
ディスクに Linux がインストールされている場合、別のパーティションに Solaris OS をインストールすると、Linux パーティションは GRUB メニューに表示されません。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: GRUB メニューの menu.lst ファイルを編集して、Linux を GRUB メニューに追加します。次の手順を実行します。
Solaris OS をブートします。
/boot/grub/menu.lst にある menu.lst ファイルを編集します。詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。
512M バイトのシステム上でのインストールは、次の条件のときにメモリーが不足してハングアップすることがあります。
OS のネットワークインストールイメージを使用してインストールする。
Solaris インストールプログラムが次のウィンドウ環境である。
グラフィカルユーザーインタフェース (GUI)。
-text オプションまたは下記のメニューの「3. Solaris Interactive Text (Desktop session)」。
利用可能なメモリーが使い果たされると、GUI インストール処理は速度が低下し、最終的に失敗します。ウィンドウ環境への表示が正しく行われません。
回避方法:
この問題を回避するには、最初にインストールを開始するときに非ウィンドウ環境を選択してください。インストールメディアから起動しているときに、次のメニューが表示されます。
----------- 1. Solaris Interactive (default) 2. Custom JumpStart 3. Solaris Interactive Text (Desktop session) 4. Solaris Interactive Text (Console session) 5. Apply driver updates 6. Single user shell Enter the number of your choice. ----------- |
このとき、「4. Solaris Interactive Text (Console session)」を選択します。この非ウィンドウ環境ではテキストのみのインストールが開始され、大量のメモリーを消費するプロセスは発生しません。
x86 ベースのシステムに Solaris 10 10/08 OS をインストールすると、次のエラーメッセージが表示されます。
/sbin/dhcpinfo: primary interface requested but no primary interface is set |
このエラーはインストールには影響がなく、インストールは成功します。
回避方法: このエラーメッセージは無視してください。
CD メディアを使用して Solaris インストールプログラムを実行しているときに、問題が発生することがあります。Solaris 10 10/08 SOFTWARE CD - 4 から Solaris ソフトウェアをインストールしたあとに、次のプロンプトが表示されます。
Press Reboot now to continue. |
「Reboot」を押しても、システムが応答しない場合があります。インストールは成功します。ただし、このエラーにより、インストールプログラムが正常に終了しません。つまり、標準のインストール後クリーンアップとシステムリブートを実行することができません。
次の例のようなエラーメッセージが、/tmp/disk0_install.log ファイルに記録されます。
Exception in thread "Thread-70" java.lang.IndexOutOfBoundsException: Index: 6, Size: 5 at java.util.ArrayList.add(ArrayList.java:369) at com.sun.wizards.core.WizardTreeManager. actualExitButtonPressed(WizardTreeManager.java:1499) at com.sun.wizards.core.WizardTreeManager. exitButtonPressed(WizardTreeManager.java:1486) at com.sun.wizards.core.AutonextController. run(AutonextController.java:736) at java.lang.Thread.run(Thread.java:595) |
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: 次の手順を実行します。
システムをシャットダウンしてから、電源を再投入します。
システムが起動したあとに CD を要求されたら、適切な CD を挿入します。CD が挿入されても、追加のソフトウェアはインストールされません。すぐに、通常のリブートが実行されます。
回避方法 2: 次の手順を実行します。
端末ウィンドウを開きます。
スーパーユーザーとしてログインします。
.instsuccess ファイルへのアクセスを作成または変更します。
# touch /tmp/.instsuccess |
Java プロセスを停止します。
# pkill -9 java |
CD メディアが要求されないまま、システムがリブートします。
カスタム JumpStart インストール方式を使用して x86 ベースのシステムへのインストールを行う場合は、スライス 2 をオーバーラップスライスとして明示的に構成すると、エラーが発生します。インストールの完了後に、システムが正常にリブートされません。次のエラーメッセージが表示されます。
Cannot find Solaris partition |
オーバーラップスライス 2 (c0t0d0s2 など) は、シリンダ 0 ではなくシリンダ 1 から始まるように設定されるので、この失敗が発生します。
回避方法: カスタム JumpStart プロファイルで、スライス 2 をオーバーラップスライスとして構成する filesys キーワードエントリを削除します。たとえば、次のようなキーワードエントリを削除します。
filesys c0t0d0s2 all overlap |
エントリを削除したあと、カスタム JumpStart インストールを実行します。
Solaris 10 Operating System DVD から Solaris をインストールする場合、対話式 GUI インストールは失敗することがあります。この失敗は、システムで boot-device 構成変数が設定されていない場合に発生します。
boot-device 構成変数が設定されているかどうかを調べるには、次のコマンドを入力します。
# prtconf -pv | grep boot-device |
このコマンドの出力が boot-device: のみで、関連付けられたデバイスがない場合、対話式 GUI インストールプログラムを使用して Solaris 10 Operating System DVD からインストールを行うことはできません。
回避方法: 対話式テキストインストーラを使用して Solaris 10 ソフトウェアをインストールしてください。インストールプログラムで、インストールの種類を選択するよう求められたら、オプション 3 の「Solaris Interactive Text (Desktop Session)」を選択します。
Solaris 10 Operating System DVD からのインストール方法の詳細については、『Solaris 10 10/08 インストールガイド (基本編)』を参照してください。
一部の Dell Precision ワークステーションでは、インストール中に USB キーボードがフリーズしたり部分的に機能しなくなったりして、インストールを実行できなくなることがあります。
回避方法: 次のいずれかを実行してください。
ファームウェアの USB エミュレーションモードを切り替えます。
PS/2 キーボードに切り替えます。
リブートして再試行します。
あるいは、システムの BIOS を更新して問題を解決してください。
オンボード hme が搭載されたシステムで 180M バイトのミニルートファイルを RAM にダウンロードするのに約 15 分かかります。
回避方法: ok プロンプトで、nvram に次の変更を行ってください。
nvram エディタを開きます。
ok> nvedit |
次のパッチコードをバッファーに入力します。各行に自動的に番号が付けられます。
probe-all install-console banner cd net patch drop ms get-hme-status patch use-frame-mode use-bit-bang-mode set-vectors device-end |
Control-C キーを押します。
バッファーの内容を保存します。
ok> nvstore |
次のパラメータ値を設定します。
ok> setenv use-nvramrc? true ok> setenv fcode-debug? true ok> reset-all |
CR 5106365 も参照してください。
インストール中、ファイルシステムの作成時に、次のどちらかの警告メッセージが出力される可能性があります。
Warning: inode blocks/cyl group (87) >= data blocks (63) in last cylinder group. This implies 1008 sector(s) cannot be allocated. |
または
Warning: 1 sector(s) in last cylinder unallocated |
この警告メッセージは、作成中のファイルシステムのサイズと使用しているディスク上の容量が等しくない場合に表示されます。この場合、ディスク上に、作成中のファイルシステムには取り込まれない未使用の領域ができます。この未使用のディスク領域は、ほかのファイルシステムに割り当てることはできません。
回避方法: この警告メッセージは無視してください。
Solaris 10 10/08 リリース以降のアップグレードに関する最新のサポート情報については、「Solaris リリースのアップグレードサポートの変更」を参照してください。
ここでは、アップグレードに関するバグ情報について説明します。これらのバグには、Solaris 10 OS へのアップグレード中に発生するものもあれば、アップグレードの完了後に発生するものもあります。
Solaris 10 10/08 OS へのシステムのアップグレード中に、SUNWsmbar がインストールされると、/etc/services および /etc/inet/services ファイルが削除されます。リブートすると、システムコンソールに次のエラーメッセージが表示されます。
line1-v215 console login: Oct 6 15:40:57 inetd[457]: Property 'name' of instance svc:/network/stdiscover:default is missing, inconsistent or invalid Oct 6 15:40:57 inetd[457]: Property 'proto' of instance svc:/network/stdiscover:default is missing, inconsistent or invalid Oct 6 15:40:57 inetd[457]: Invalid configuration for instance svc:/network/stdiscover:default, placing in maintenance Oct 6 15:40:57 inetd[457]: Property 'name' of instance svc:/network/stlisten:default is missing, inconsistent or invalid Oct 6 15:40:57 inetd[457]: Property 'proto' of instance svc:/network/stlisten:default is missing, inconsistent or invalid Oct 6 15:40:57 inetd[457]: Invalid configuration for instance svc:/network/stlisten:default, placing in maintenance |
回避方法: OS のアップグレード中に /etc/services と /etc/inet/services が削除されるのを防ぐには、次の手順を実行します。
実行中の Samba サービスをすべて停止します。
#svcadm disable samba:default swat:default wins:default winbind:default |
OS をアップグレードする前に SUNWsmbar パッケージをアンインストールします。
#pkgrm SUNWsmbar |
OS を Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードします。
SUNWsmbar パッケージを再インストールします。
#pkgadd SUNWsmbar |
実行状態にない非大域ゾーンで lucreate および lumake コマンドを使用すると、それらのコマンドが正常に実行されないことがあります。元の非大域ゾーンの内容とコピーの内容が異なっていることがあります。ユーザーが zlogin コマンドを使用してゾーンのコンソールにログインできないことがあります。zlogin コマンドの使用時に、次のエラーメッセージが表示されます。
zlogin: makeutx failed |
lucreate および lumake コマンドの診断出力にはエラーは一切表示されません。
回避方法: lucreate および lumake コマンドを使用する前に、すべての非大域ゾーンが実行状態にあることを確認してください。
Solaris Live Upgrade を使用して以前の Solaris 8 および Solaris 9 リリースから Solaris 10 10/08 リリースへのアップグレードを実行すると、失敗します。インストールイメージの圧縮ファイルは、7za ユーティリティーを使って解凍するようになりました。Solaris 8 および 9 リリースには、SUNWp7zip パッケージが含まれていません。その結果、Solaris Live Upgrade が失敗します。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: Solaris Live Upgrade を使用して、現在の Solaris 8 OS を Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードするには、次の手順を実行してください。
SPARC システムの場合 - Solaris 8 リリースから Solaris 10 10/08 リリースへの Solaris Live Upgrade がサポートされています。Solaris Live Upgrade を使用する手順については、http://www.sun.com/bigadmin/features/articles/live_upgrade_patch.jsp を参照してください。
x86 システムの場合 - Solaris 8 リリースから Solaris 10 10/08 リリースへの Solaris Live Upgrade はサポートされていません。代わりに、標準のアップグレード手順を使用するか、Solaris 8 OS から Solaris 9 OS または Solaris 10 OS への Solaris Live Upgrade を実行してください。その次に、Solaris 9 リリースまたは Solaris 10 リリースから Solaris 10 10/08 リリースへの Solaris Live Upgrade を実行できます。
回避方法 2: Solaris Live Upgrade を使用して、現在の Solaris 9 OS を Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードするには、次のパッチを適用してください。
SPARC システムの場合 – 137477-01 またはそれ以降
x86 システムの場合 – 137478-01 またはそれ以降
回避方法 3: Solaris Live Upgrade を使用して、現在の Solaris 10 OS を Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードするには、次のパッチを適用してください。
SPARC システムの場合 – 137321-01 またはそれ以降
x86 システムの場合 – 137322-01 またはそれ以降
Solaris Live Upgrade を使用した非大域ゾーンのアップグレードが完了したあと、そのゾーンで /tmp を使って実行される各種プロセスがクラッシュすることがあります。アップグレードプロセスによって /tmp ディレクトリのアクセス権が変更され、そのことがアプリケーションエラーの原因となっています。ユーザーに対して、正しいアクセス権の drwxrwxrwx ではなく、drwxr-xr-x が表示されます。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: 新しいブート環境をアクティブにする前に、次の手順を実行してください。
ディスクをマウントします。
# mount /dev/dsk/c1t1d0s6 /mnt |
アクセス権を修正します。
# chmod 1777 /mnt/zone/*/root/tmp |
次に、ディスクをマウント解除します。
# umount /mnt |
この回避方法によって同時にすべてのゾーンが修正されます。
回避方法 2: 新しいブート環境をすでにブートしている場合は、 root ユーザーとしてシステムにログインします。ゾーンを停止し、/tmp ディレクトリの正しいアクセス権を手動で設定します。次のコマンドを入力します。
# chmod 1777 /path/root/tmp |
path にはゾーンのゾーンパスを指定します。
ゾーンを /opt ディレクトリにインストールした場合は、ゾーンを持つディスク容量再割り当て (DSR) のアップグレードが失敗します。DSR アーカイブの復元中にアップグレードが失敗することがあります。場合によっては、アップグレードが成功することもありますが、システムをリブートすることはできません。
回避方法: アップグレードの前に、ルートファイルシステムの使用率が 100% でないことを確認します。アップグレードの前にファイルをいくつか削除して、ルートスライスの使用率が 90% 未満になるようにします。
Solaris Trusted Extensions を Solaris 10 11/06 または Solaris 10 8/07 リリースから最新の Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードすると、ローカライズされた不要な Solaris Trusted Extensions パッケージがシステムにインストールされます。このバグが発生するのは、Solaris 10 11/06 または Solaris 10 8/07 リリースの Solaris Trusted Extensions インストーラがローカライズされたパッケージをデフォルトでインストールするためです。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: Solaris Trusted Extensions を最新のリリースにアップグレードする前に、ローカライズされた次の Solaris Trusted Extensions パッケージを削除してください。
SUNWjdtts |
SUNWkdtts |
SUNWjmgts |
SUNWkmgts |
SUNWjtsman |
SUNWktsu |
SUNWjtsu |
SUNWodtts |
SUNWtgnome-l10n-doc-ja |
SUNWtgnome-l10n-ui-ko |
SUNWtgnome-l10n-ui-it |
SUNWtgnome-l10n-ui-zhHK |
SUNWtgnome-l10n-ui-sv |
SUNWtgnome-l10n-ui-es |
SUNWtgnome-l10n-doc-ko |
SUNWtgnome-l10n-ui-ptBR |
SUNWtgnome-l10n-ui-ja |
SUNWtgnome-l10n-ui-zhTW |
SUNWtgnome-l10n-ui-zhCN |
SUNWtgnome-l10n-ui-fr |
SUNWtgnome-l10n-ui-de |
SUNWtgnome-l10n-ui-ru |
このバグは、Solaris 10 Hardware 2 リリースから最新の Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードする際に発生します。
Solaris 10 Hardware 2 リリースでは、NIS、NIS+、FILES、LDAP などの任意のネームサービスに対して name_service.xml ファイルは次のようになっています。
# ls -l name_service.xml lrwxrwxrwx 1 root root 10 Apr 10 16:26 name_service.xml -> ns_files.xml |
ネームサービスが NIS の場合、name_service.xml ファイルは ns_files.xml にリンクしています。ただし、ns_files.xml の内容は ns_nis.xml の内容と同じです。
# cat /etc/release Solaris 10 3/05 HW2 s10s_hw2wos_05 SPARC Copyright 2005 Sun Microsystems, Inc. All Rights Reserved. Use is subject to license terms. Assembled 26 September 2005 # cd /var/svc/profile # ls -l name_service.xml ns_files.xml ns_nis.xml lrwxrwxrwx 1 root other 12 May 21 04:06 name_service.xml -> ns_files.xml -r--r--r-- 1 root sys 779 May 21 04:25 ns_files.xml -r--r--r-- 1 root sys 779 Jan 21 2005 ns_nis.xml # # diff ns_files.xml ns_nis.xml # diff name_service.xml ns_nis.xml |
上記の出力で、ns_nis.xml ファイルと ns_files.xml ファイルは同じになっています。つまり、name_service.xml ファイルのシンボリックリンクが、間違ったネームサービスファイルを指しています。name_service.xml ファイルは ns_files.xml にリンクしています。代わりに、name_service.xml ファイルは ns_nis.xml にリンクするべきです。
CR 6411084 に対する修正は SUNWcsr インストールまたはインストール後スクリプトで行いますが、修正によって正しいリンクが作成されるのは、name_service.xml がリンクファイルでない場合のみです。Solaris 10 Hardware 2 リリースのように、name_service.xml がすでにシンボリックリンクファイルになっている場合、CR 6411084 に対する修正は機能しません。
Solaris 10 Hardware 2 から最新の Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードした後、次のメッセージがコンソールに表示されるか、メッセージファイルに記録されます。
Oct 23 12:18:45 vt2000a automount[301]: [ID 366266 daemon.error] can't read nis map auto_master: can't communicate with ypbind - retrying |
また、/network/nis/client:default サービスがオフラインになります。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: アップグレードの前に、/var/svc/profile/name_service.xml ファイルを削除します。
回避方法 2: アップグレード後に、ネームサービスに応じた正しい ns_<xxx>.xml ファイルに /var/svc/profile/name_service.xml をリンクします。
インストールされているのに、ブートされていないまたは準備ができていない非大域ゾーンによって、システムは正しくアップグレードされなくなります。エラーメッセージは表示されません。
回避方法:
そういったゾーンが見つかった場合は、アップグレードを開始する前に、ゾーンの準備を整えてから停止する必要があります。次に例を示します。
global# zoneadm -z myzone ready ; zoneadm -z myzone halt |
非大域ゾーンを持つ Solaris 10 3/05 システムまたは Solaris 10 1/06 システムを Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードすると、ローカルファイルシステムをマウントする SMF サービスが非大域ゾーンで失敗する場合があります。その結果、非大域ゾーン内のその他のサービスが起動に失敗することがあります。
非大域ゾーンを持つ Solaris 10 システムを Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードしたあとで、サービスが保守状態になる場合があります。次に例を示します。
# zlogin myzone svcs -x svc:/system/filesystem/local:default (local file system mounts) State: maintenance since Wed May 24 13:18:06 2006 Reason: Start method exited with $SMF_EXIT_ERR_FATAL. See: http://sun.com/msg/SMF-8000-KS See: /var/svc/log/system-filesystem-local:default.log Impact: 18 dependent services are not running. (Use -v for list.) |
回避方法:
大域ゾーンから非大域ゾーンをリブートします。次に例を示します。
global# zoneadm -z myzone reboot |
この Solaris 10 リリースの Solaris ボリュームマネージャーでは、デバイス ID が新しい形式で表示されます。Solaris 9 9/04 OS では、ディスクセットでのデバイス ID サポートが導入されましたが、この新しい形式は認識されません。Solaris 9 9/04 リリースから Solaris 10 OS にアップグレードするとき、既存のディスクセットアップに関連付けられたデバイス ID は、Solaris ボリュームマネージャーの構成で更新されません。Solaris 9 9/04 OS に戻す必要がある場合、アップグレード後にディスクセットに加えた構成の変更は、Solaris 9 9/04 OS で使用できないことがあります。詳細は、『Solaris ボリュームマネージャの管理』の第 25 章「Solaris ボリュームマネージャのトラブルシューティング (作業)」を参照してください。
Solaris Live Upgrade ソフトウェアを次の方法で使用する場合は、アップグレード進捗バーが表示されません。
Solaris 10 10/08 CD メディアを使用して OS をアップグレードする場合。
luupgrade コマンドを使用してブート環境をアップグレードするときに、次のオプションを指定する場合。
-i (CD メディアからインストールするオプション)
-O “-nodisplay -noconsole ” (2 枚目の CD のインストーラをテキストモードかつユーザーとの対話なしで実行するオプション)
Solaris 10 10/08 ソフトウェアを次のリリースからアップグレードする場合。
Solaris 9 リリース
Solaris 10 リリース
たとえば、次のコマンドを実行した場合、次の出力が表示されたあとに進捗バーが表示されるべきです。
Running installer on BE s10u1. |
しかし、進捗バーは表示されません。
# luupgrade -i -n s10u1 -s /net/installsrv/export/s10u1 -O "-nodisplay -noconsole" Validating the contents of the media /net/installsvr/export/s10u1. The media is a standard Solaris media. The media contains a standard Solaris installer. The media contains Solaris 3 version 10. Mounting BE s10u1. Running installer on BE s10u1. |
エラーメッセージは表示されません。
回避方法: prstat コマンドを使用してください。このコマンドでは、インストールが進行してパッケージが追加されるに従って、その進捗を監視することができます。
Solaris Live Upgrade を使用して Solaris 8 または Solaris 9 リリースから Solaris 10 OS にアップグレードするとき、古いアンインストールプログラムは削除されません。このような以前の OS のアンインストールプログラムは、システムの /var/sadm/prod ディレクトリに残ります。
次に示す古いアンインストーラは削除されません。
uninstall_Alternate_Pathing_2_3_1.class uninstall_CDRW_1_1.class o uninstall_CDRW_1_0.class uninstall_Bonus_Localization_-_Catalan_CDE_Desktop.class uninstall_Bonus_Localization_-_Polish_CDE_Desktop.class uninstall_Bonus_Localizations_-_Russian_CDE_Desktop.class uninstall_Capacity_on_Demand_1_0.class uninstall_Java3D_1_3_1.class uninstall_Java3D_1_3.class uninstall_Java3D_1_2_1_04.class uninstall_Java3D_1_2_1_03.class uninstall_Lights_Out_Management_2_0.class uninstall_Man_Page_Supplement.class uninstall_OpenGL_1_3.class uninstall_OpenGL_1_2_3.class uninstall_Netra_ct_Platform_1_0.class uninstall_Netra_t11xx_Alarms_2_0.class uninstall_Netscape_6_2_3.class uninstall_Netscape_6_2_1_Beta.class uninstall_PC_launcher_1_0_2.class uninstall_PC_launcher_1_0_1_PCfileviewer_1_0_1.class uninstall_RSC_2_2_2.class uninstall_RSC_2_2_1.class uninstall_RSC_2_2.class uninstall_ShowMeTV_1_3.class uninstall_Solaris_9_French_Localization.class uninstall_Solaris_9_German_Localization.class uninstall_Solaris_9_Hong_Kong_Traditional_Chinese_Localization.class uninstall_Solaris_9_Italian_Localization.class uninstall_Solaris_9_Japanese_Localization.class uninstall_Solaris_9_Korean_Localization.class uninstall_Solaris_9_Simplified_Chinese_Localization.class uninstall_Solaris_9_Spanish_Localization.class uninstall_Solaris_9_Swedish_Localization.class uninstall_Solaris_9_Traditional_Chinese_Localization.class uninstall_Solaris_On_Sun_Hardware_Documentation.class uninstall_Sun_Hardware_AnswerBook.class uninstall_SunATM_5_0.class uninstall_SunATM_5_1.class uninstall_SunFDDI_PCI_3_0.class uninstall_SunFDDI_SBus_7_0.class uninstall_Sun_Fire_880_FC-AL_Backplane_Firmware_1_0.class uninstall_Sun_Fire_B10n_Load_Balancing_Blade_1_1.class uninstall_SunForum_3_1.class uninstall_SunForum_3_2.class uninstall_SunHSI_PCI_3_0.class uninstall_SunHSI_SBus_3_0.class uninstall_SunScreen_3_2.class uninstall_SunVTS_5_1_PS6.class uninstall_SunVTS_5_1_PS5.class uninstall_SunVTS_5_1_PS4.class uninstall_SunVTS_5_1_PS3.class uninstall_SunVTS_5_1_PS2.class uninstall_SunVTS_5_1_PS1.class uninstall_SunVTS_5_0.class uninstall_System_Management_Services_1_4.class uninstall_System_Management_Services_1_3.class uninstall_System_Management_Services_1_2.class uninstall_System_Service_Processor_3_5.class uninstall_WBEM_DR_1_0.class uninstall_Web_Start_Wizards_SDK_3_0_2.class uninstall_Web_Start_Wizards_SDK_3_0_1.class uninstall_Web_Start_Wizards_SDK.class uninstall_XML_Libraries_2_4_12.class |
回避方法: システムをアップグレードしたあと、/var/sadm/prod ディレクトリにある古いアンインストーラを手動で削除してください。
この Solaris 10 リリースでは、pam_ldap の機能に変更が加えられています。このリリースにアップグレードするとき、既存の pam.conf 構成ファイル内の pam_ldap 構成は更新されず、これらの変更は反映されません。pam_ldap 構成が検出された場合は、アップグレードの終了時に生成される CLEANUP ファイルに、次のような通知が追加されます。
/etc/pam.conf please examine/update the pam_ldap configuration because its functionality has changed, refer to pam_ldap(5) documentation for more information |
回避方法: アップグレード後に /etc/pam.conf を調べます。必要に応じて、このファイルを手動で変更して、pam_ldap の新しい機能と互換性を持たせます。変更内容は、use_first_pass オプションや try_first_pass オプションなどのパスワードプロンプト機能、パスワード更新機能などです。pam.conf の更新方法の詳細は、pam_ldap(5) のマニュアルページを参照してください。
Solaris Live Upgrade で luupgrade(1M) コマンドに -i オプションを指定して、アクティブでないブート環境をアップグレードした場合、言語によってはインストールプログラムが表示するテキストが判読不能になります。これは、現在のブート環境にある古いリリースに存在していないフォントを、インストールプログラムが要求した場合に発生します。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
Solaris 8 ソフトウェアから Solaris 10 リリースへのアップグレードの際、SUNWjxcft パッケージが削除されるときに、次のようなエラーメッセージが upgrade_log ファイルに記録されます。
Removing package SUNWjxcft: Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.upr Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.scale Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.alias Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.upr Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.scale Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.alias Removal of <SUNWjxcft> was successful |
回避方法: このエラーメッセージは無視してください。
/etc/init.d/sshd デーモンから第三者の Secure Shell (OpenSSH など) を実行しているシステムの場合、Solaris 10 リリースにアップグレードすると、既存の Secure Shell デーモンが使用できなくなります。アップグレード時に、Solaris 10 ソフトウェアが自身の sshd で /etc/init.d/sshd の内容を上書きし、既存の sshd が失われます。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
システムに Secure Shell プロトコルサーバープログラムが不要な場合は、アップグレード時に SUNWsshdr パッケージと SUNWsshdu パッケージをインストールしないでください。
システムに Secure Shell プロトコルサーバープログラムもクライアントプログラムもどちらも不要な場合は、アップグレード時に Secure Shell Cluster (SUNWCssh) をインストールしないでください。
/export ディレクトリの空き容量がゼロに近い状態で、システムを Solaris 10 リリースにアップグレードしようとすると、/export ディレクトリ容量の必要条件の計算に誤りが発生し、アップグレードに失敗します。この問題は、ディスクレスクライアントがインストールされている場合によく発生します。または、/export ディレクトリに他社製のソフトウェアがインストールされている場合にも発生します。次のメッセージが表示されます。
WARNING: Insufficient space for the upgrade. |
回避方法: アップグレードの前に、次のいずれかを実行してください。
アップグレードが完了するまで、一時的に /export ディレクトリの名前を変更します。
アップグレードが完了するまで、/etc/vfstab ファイル内の /export の行を一時的にコメントにします。
/export が独立したファイルシステムである場合は、アップグレードを実行する前に /export のマウントを解除します。
現在のシステムが、Solstice AdminSuiteTM 2.3 Diskless Client ツールによってインストールされたディスクレスクライアントをサポートしている場合、2 つの手順を実行する必要があります。
既存のディスクレスクライアントのうち、サーバーと同じ Solaris バージョンで同じアーキテクチャーのものをすべて削除します。
Solaris 10 リリースをインストールするか、または Solaris 10 リリースにアップグレードします。
具体的な手順については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。
ディスクレスクライアントを削除せずに Solaris 10 ソフトウェアをインストールしようとすると、次のようなエラーメッセージが表示されます。
The Solaris Version (Solaris version-number) on slice <xxxxxxxx> cannot be upgraded. There is an unknown problem with the software configuration installed on this disk. |
このエラーメッセージの version-number は、現在、システムで稼働している Solaris のバージョンを表します。<xxxxxxxx> は、このバージョンの Solaris ソフトウェアを実行しているスライスです。
ここでは、Solaris OS のインストールに関連する注意事項について説明します。
smosservice add コマンドは、root (/) または /usr ファイルシステムで ARCH=all が指定されたパッケージをインストールしません。これらのパッケージがスキップされたことを示すエラーメッセージは表示されません。この問題はすべての Solaris OS バージョンに存在し、SPARC® ベースと x86 ベースの両方のクライアントに適用されます。
不足しているパッケージの一覧は、実行中の Solaris リリースによって異なります。
回避方法: 不足している ARCH=all パッケージを検出し、インストールします。
不足しているパッケージの確認およびインストールに関する手順については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「失われた ARCH=all パッケージを検出してインストールする方法」を参照してください。
Solaris 10 OS をインストールすると、選択した言語に応じて StarOffice または StarSuite TM ソフトウェアのいずれかが自動的にインストールされます。言語の一覧とその言語でサポートされているソフトウェアを次に示します。
選択した言語 |
サポートされるソフトウェア |
---|---|
中国語、日本語、韓国語 |
StarSuite |
その他の言語 |
StarOffice |
StarOffice と StarSuite は同じシステムに共存できません。誤ってインストールしたソフトウェアを置き換えるには、次の手順を実行します。
Solaris 10 SOFTWARE - 4 CD または Solaris 10 Operating System DVD をドライブに挿入します。
スーパーユーザーになります。
/cdrom/cdrom0/Solaris_10/Product などの Product ディレクトリに移動します。
ソフトウェアを置き換えます。
StarOffice を StarSuite で置き換えるには、次のコマンドを使用します。
# pkgrm `pkginfo | grep staroffice- | awk '{print $2}'` # pkgadd -d .SUNWstarsuite-* |
StarSuite を StarOffice で置き換えるには、次のコマンドを使用します。
# pkgrm `pkginfo | grep starsuite- | awk '{print $2}'` # pkgadd -d . SUNWstaroffice-* |
Solaris CD を使用する場合は、言語 1 または 2 の CD にローカリゼーションパッケージが含まれています。パッケージ名は次のとおりです。
SUNWstaroffice-lang* (lang には es、fr、de、sv、または it が入ります)
SUNWstarsuite-lang* (lang には ja、ko、zh-CN、または zh-TW が入ります)
Solaris 10 リリースでは、インストールするロケールを選択した場合、関連するほかのロケールもインストールされることがあります。これは、すべての完全ロケール (メッセージが翻訳されている) とアジアおよび日本語の部分ロケールが、言語単位でパッケージ化し直されたためです。ほかの部分ロケールは従来通りに地理上の分類 (中央ヨーロッパなど) に基づいて、パッケージ化されてインストールされます。