Solaris 10 10/08 インストールガイド (ネットワークインストール)

DHCP オプションおよびマクロの値

ネットワークから DHCP クライアントに対してインストールを行うには、ベンダーカテゴリオプションを作成して、Solaris OS をインストールするために必要な情報を伝える必要があります。次の表では、DHCP クライアントのインストールに使用できる一般的な DHCP オプションを説明します。

DHCP オプションの詳細は、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』「DHCP のオプション」を参照してください。

表 3–3 標準的な DHCP オプションの値

オプション名 

コード 

データ型 

データの単位数 (Granularity) 

最大値 

説明 

BootFile

なし 

ASCII 

クライアントのブートファイルへのパス 

BootSrvA

なし 

IP アドレス 

ブートサーバーの IP アドレス 

DNSdmain

15 

ASCII 

DNS ドメイン名 

DNSserv

IP アドレス 

DNS ネームサーバーの一覧 

NISdmain

40 

ASCII 

NIS ドメイン名 

NISservs

41 

IP アドレス 

NIS サーバーの IP アドレス 

NIS+dom

64 

ASCII 

NIS+ ドメイン名 

NIS+serv

65 

IP アドレス 

NIS+ サーバーの IP アドレス 

Router

IP アドレス 

ネットワークルーターの IP アドレス 

表 3–4 Solaris クライアント用にベンダーカテゴリオプションを作成するための値

名前 

コード 

データ型 

データの単位数 (Granularity) 

最大値 

ベンダークライアントクラス 

説明 

次のベンダーカテゴリオプションは、クライアントへの Solaris のインストールを DHCP サーバーでサポートするために必須のものです。これらのオプションは、Solaris クライアントの起動スクリプトで使用されます。


注 –

ここに示されているベンダークライアントクラスは単なる例です。ネットワークからインストールする必要がある実際のクライアントについて、クライアントクラスを指定する必要があります。


SrootIP4

IP アドレス 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

ルートサーバーの IP アドレス 

SrootNM

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

ルートサーバーのホスト名 

SrootPTH

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

ルートサーバーにあるクライアントのルートディレクトリへのパス 

SinstIP4

10 

IP アドレス 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

JumpStart インストールサーバーの IP アドレス 

SinstNM

11 

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

インストールサーバーのホスト名 

SinstPTH

12 

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

インストールサーバーにあるインストールイメージへのパス 

次のオプションは、クライアントの起動スクリプトで使用できますが、必須ではありません。


注 –

ここに示されているベンダークライアントクラスは単なる例です。ネットワークからインストールする必要がある実際のクライアントについて、クライアントクラスを指定する必要があります。


SrootOpt

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

クライアントのルートファイルシステム用の NFS マウントオプション 

SbootFIL

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

クライアントのブートファイルへのパス 

SbootRS

数値 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

カーネルを読み込む際にスタンドアロンのブートプログラムが使用する NFS 読み込みサイズ 

SsysidCF

13 

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

server:/path という形式での、sysidcfg ファイルへのパス

SjumpsCF

14 

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

server:/path という形式での、JumpStart 構成ファイルへのパス

SbootURI

16 

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

スタンドアロンのブートファイルへのパスまたは WAN ブートファイルへのパス。スタンドアロンのブートファイルの場合は、次の形式を使用します。 

tftp://inetboot.sun4u

WAN ブートファイルの場合は、次の形式を使用します。 

http://host.domain/path-to-file

このオプションを使用すると、BootFilesiaddr の設定を無効にし、スタンドアロンのブートファイルを検出させることができます。サポートされているプロトコルは、 tftp (inetboot) および http (wanboot) です。たとえば、次の形式を使用します。tftp://inetboot.sun4u

SHTTPproxy

17 

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

ネットワーク上で使用されているプロキシサーバーの IP アドレスとポート番号。このオプションが必要なのは、クライアントが WAN を介してブートされる場合で、ローカルネットワークでプロキシサーバーが使用されているときのみです。たとえば、次の形式を使用します。 198.162.10.5:8080

次のオプションは、Solaris クライアントの起動スクリプトで現在は使用されていません。起動スクリプトを編集する場合だけ、これらのオプションを使用できます。


注 –

ここに示されているベンダークライアントクラスは単なる例です。ネットワークからインストールする必要がある実際のクライアントについて、クライアントクラスを指定する必要があります。


SswapIP4

IP アドレス 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

スワップサーバーの IP アドレス 

SswapPTH

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

スワップサーバーにあるクライアントのスワップファイルへのパス 

Stz

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

クライアントのタイムゾーン 

Sterm

15 

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

端末タイプ  

オプションがすでに作成されていれば、これらのオプションを含んだマクロを作成することができます。次に、クライアントに対する Solaris のインストールをサポートするために作成できるマクロの例を示します。

表 3–5 ネットワークインストールクライアントをサポートするマクロの例

マクロ名 

含まれるオプションとマクロ 

Solaris

SrootIP4、SrootNM、SinstIP4、SinstNM

sparc

SrootPTH、SinstPTH

sun4u

Solaris マクロと sparc マクロ

sun4v

Solaris マクロと sparc マクロ

i86pc

Solaris マクロ、SrootPTH、SinstPTH、SbootFIL

SUNW.i86pc

i86pc マクロ


注 –

SUNW.i86pc ベンダークライアントクラスは、Solaris 10 3/05 リリースおよびその互換バージョンに対してのみ有効です。


SUNW.Sun-Blade-1000

sun4u マクロ、SbootFIL

SUNW.Sun-Fire-880

sun4u マクロ、SbootFIL

PXEClient:Arch:00000:UNDI:002001

BootSrvABootFile

xxx.xxx.xxx.xxx ネットワークアドレスマクロ

BootSrvA オプションは既存のネットワークアドレスマクロに追加できます。BootSrvA の値は tftboot サーバーを示す必要があります。

01client-MAC-address クライアント固有のマクロ (たとえば、010007E9044ABF)

BootSrvABootFile

上記の表に示されているマクロ名は、ネットワークからインストールする必要のあるクライアントのベンダークライアントクラスと一致します。これらの名前は、ネットワーク上にあるクライアントの例です。クライアントのベンダークライアントクラスを調べる方法については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』「DHCP オプションを使用した作業 (作業マップ)」を参照してください。

これらのオプションとマクロは、次の方法で作成できます。

特定のクライアントに提供されているベンダーオプションは、オプションコードや長さの情報も含めて、合計のサイズが 255 バイトを超えてはいけません。これは、現在の Solaris DHCP プロトコルの実装による制限です。一般に、渡すベンダー情報は、必要最小限に留めるべきです。さらに、パス名を必要とするオプションでは、短いパス名を使用すべきです。長いパス名に対してシンボリックリンクを作成すると、短いリンク名を使用できます。