この節では、Solaris 10 1/06 リリースの次のような新しいインストール機能について説明します。
Solaris ゾーン区分技術には、1 つの Solaris インスタンス、つまり大域ゾーンに、複数の非大域ゾーンを設定する機能があります。非大域ゾーンは、アプリケーションプロセスがほかのゾーンから隔離して実行される環境です。Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、非大域ゾーンがインストールされたシステムが稼働している場合は、標準の Solaris アップグレードプログラムを使用してアップグレードできます。Solaris の対話式インストールプログラムまたはカスタム JumpStart を使用して、アップグレードすることができます。非大域ゾーンがインストールされている場合のアップグレードには、若干の制限があります。
サポートされるカスタム JumpStart キーワードの数には制限があります。サポートされるカスタム JumpStart キーワードのリストは、『Solaris 10 5/09 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』を参照してください。
Solaris Operating System DVD または DVD から作成されたネットワークインストールイメージを使用する必要があります。Solaris SOFTWARE CD を使用してシステムをアップグレードすることはできません。このプログラムを使用したインストールの詳細は、『Solaris 10 5/09 インストールガイド (基本編)』の第 2 章「Solaris インストールプログラムによる UFS ファイルシステムのインストール (作業)」を参照してください。
非大域ゾーンのインストールされたシステムでは、Solaris Live Upgrade を使用してシステムをアップグレードすることはできません。lucreate コマンドを使用してブート環境を作成することはできますが、非大域ゾーンがインストールされたブート環境を luupgrade コマンドを使用してアップグレードすることはできません。この場合、アップグレードは失敗し、エラーメッセージが表示されます。
Solaris 対話式インストールプログラムの使用方法の詳細は、『Solaris 10 5/09 インストールガイド (基本編)』を参照してください。
Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、オープンソースの GNU GRand Unified Boot Loader (GRUB) が x86 ベースのシステムの Solaris OS に採用されています。GRUB は、ブートアーカイブをシステムのメモリーに読み込むソフトウェアです。ブートアーカイブは、システムの起動中にルート (/) ファイルシステムがマウントされる前に必要な、重要なファイルの集まりです。ブートアーカイブは、Solaris OS のブートに使用されます。
もっとも注目すべき変更点は、Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) が GRUB メニューに置き換えられたことです。GRUB メニューにより、システムにインストールされているさまざまなオペレーティングシステムのブートが容易になります。GRUB メニューは、x86 システムをブートするときに表示されます。GRUB メニューから、矢印キーを使用してブートする OS インスタンスを選択できます。選択しない場合は、デフォルトの OS インスタンスがブートされます。
GRUB ベースのブート機能では、次の点が改善されています。
ブート時間の高速化
USB CD または DVD ドライブからのインストール
USB ストレージデバイスからのブート
PXE ブート用の簡易 DHCP 設定 (ベンダー固有のオプションは設定できない)
すべてのリアルモードドライバを除去
Solaris Live Upgrade と GRUB メニューを使用して、ブート環境をすばやくアクティブにし、フォールバックする機能
GRUB の詳細については、以降の節を参照してください。
作業 |
GRUB の作業 |
参照先 |
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インストール |
GRUB ベースのブートの概要 | |
GRUB ベースのブートのインストール計画 | ||
GRUB メニューを使用してネットワーク経由でブートおよびインストールを行う方法 |
『Solaris 10 5/09 インストールガイド (ネットワークインストール)』の「DVD イメージを使用したネットワークからのシステムのインストール」 |
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GRUB メニューとカスタム JumpStart インストール方式を使用してブートおよびインストールを行う方法 |
『Solaris 10 5/09 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「カスタム JumpStart インストールの実行」 |
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GRUB メニューと Solaris Live Upgrade を使用してブート環境のアクティブにし、フォールバックする方法 | ||
GRUB メニューの menu.lst ファイルの検出 | ||
システム管理 |
GRUB メニューを使用してシステム管理作業を行う方法 |
GNU は、「GNU's Not UNIX」の再帰的頭字語です。詳細については、http://www.gnu.org を参照してください。
Solaris 10 1/06 以降のリリースは、Solaris 8、9、または 10 リリースからアップグレード可能です。Solaris 7 リリースからのアップグレードはサポートされません。