Solaris 10 5/09 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)

Solaris インストール方法の選択

Solaris OS には、インストールまたはアップグレード用のプログラムがいくつか用意されています。それぞれのインストール方法には、特定のインストール要件やインストール環境を意図したさまざまな機能があります。使用するインストール方法を選択するには、次の表を利用してください。

表 3–2 インストール方法の選択

作業 

インストール方法 

各プログラムの特長 

説明 

対話式プログラムを使用して、CD-ROM または DVD-ROM から 1 つのシステムをインストールします。 

Solaris インストールプログラム 

  • このプログラムでは、作業をパネル単位に分割し、情報の入力を求めるプロンプトを表示して、デフォルト値を提供します。

  • このプログラムは、複数のシステムをインストールまたはアップグレードする必要がある場合には効率のよい方法ではありません。複数のシステムをバッチインストールする場合は、カスタム JumpStart または Solaris フラッシュインストール機能を使用してください。

『Solaris 10 5/09 インストールガイド (基本編)』

ローカルエリアネットワークを介して 1 つのシステムをインストールします。 

ネットワーク経由の Solaris インストールプログラム 

このプログラムを使用すると、インストールするソフトウェアのイメージをサーバーに設定し、このイメージをリモートシステムにインストールできます。複数のシステムをインストールする必要がある場合は、カスタム JumpStart および Solaris フラッシュインストール方式でネットワークインストールイメージを使用すると、ネットワーク上でシステムを効率的にインストールおよびアップグレードできます。 

『Solaris 10 5/09 インストールガイド (ネットワークインストール)』のパート II「ローカルエリアネットワーク経由のインストール」

複数のシステムのインストールやアップグレードを、作成したプロファイルに基づいて自動化します。 

カスタム JumpStart 

このプログラムを使用すると、複数のシステムを効率的にインストールできます。ただし、システムの数が少ない場合は、カスタム JumpStart 環境の作成は時間の浪費になる可能性があります。システムの数が少ない場合は、Solaris 対話式インストールプログラムを使用してください。 

『Solaris 10 5/09 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の第 3 章「カスタム JumpStart インストールの準備 (作業)」

同じソフトウェアおよび構成を複数のシステムに複製します。 

Solaris フラッシュアーカイブ

  • このプログラムを使用すると、Solaris パッケージすべてを一度にシステムにインストールすることで時間を節約できます。ほかのプログラムでは、各 Solaris パッケージを個別にインストールし、パッケージごとにパッケージマップをアップグレードします。

  • Solaris フラッシュアーカイブはサイズの大きいファイルであるため、大量のディスク容量が必要です。別のインストール構成を管理したり、使用しているインストール構成を変更したりするには、カスタム JumpStart インストール方式の使用を検討することをお勧めします。代わりに、JumpStart 終了スクリプトまたは、組み込まれている Solaris フラッシュ配備後スクリプトを使用して、システム固有のカスタマイズを実行できます。

『Solaris 10 5/09 インストールガイド (Solaris フラッシュアーカイブの作成とインストール)』の第 1 章「Solaris フラッシュ (概要)」

広域ネットワーク (WAN) またはインターネットを介してシステムをインストールします。 

WAN ブート 

ネットワーク経由で Solaris フラッシュアーカイブをインストールする場合は、このプログラムを使用するとセキュリティー保護されたインストールが可能です。 

『Solaris 10 5/09 インストールガイド (ネットワークインストール)』の第 10 章「WAN ブート (概要)」

システムを稼働させたままアップグレードを行います。 

Solaris Live Upgrade 

  • このプログラムを使用すると、アップグレードするかパッチを追加して、標準アップグレードに関連したシステム停止時間が発生するのを避けることができます

  • このプログラムを使用すると、現行の OS に影響を与えずにアップグレードまたは新しいパッチのテストをすることができます

『Solaris 10 5/09 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』の第 2 章「Solaris Live Upgrade (概要)」

Solaris OS のインストール後に、隔離されたアプリケーション環境を作成します。 

Solaris ゾーン区分技術 

このプログラムを使用すると、隔離された非大域ゾーンが作成され、セキュリティー保護されたアプリケーション環境が提供されます。このように隔離されているので、あるゾーンで実行中のプロセスが、ほかのゾーンで実行中のプロセスから監視または操作されることがありません。  

『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』の第 16 章「Solaris ゾーンの紹介」