非大域ゾーンで Solaris Live Upgrade を使用するためのガイドライン (計画)
非大域ゾーンで使用するための計画には、以下で説明する制限事項があります。
表 8–1 非大域ゾーンを含むアップグレードでの制約
問題
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説明
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ゾーンがインストールされているシステムで Solaris Live Upgrade を使用する場合は、次の問題を考慮してください。lucreate および lumount 操作の実行中にゾーン状態が遷移しないようにすることが非常に重要です。
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ある特定の非大域ゾーンが実行されていないときに、lucreate コマンドを使用して非アクティブブート環境を作成した場合、そのゾーンは lucreate 操作が完了するまでブートできません。
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ある特定の非大域ゾーンが実行されているときに、lucreate コマンドを使用して非アクティブブート環境を作成した場合は、lucreate 操作が完了するまで、そのゾーンを停止またはリブートしないでください。
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lumount コマンドを使用して非アクティブブート環境をマウントした場合、その lumount 操作より前に実行されていたゾーンは実行を継続できますが、非大域ゾーンをブートしたり、リブートしたりすることはできません。
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非大域ゾーンは、非大域ゾーン管理者だけでなく大域ゾーン管理者にも制御できるため、相互に干渉することを避けるため、lucreate または lumount 操作の実行中には、すべてのゾーンを停止してください。
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大域ゾーン管理者が、Solaris Live Upgrade を使用したアップグレードについて非大域ゾーン管理者に通知しないと、問題が発生する可能性があります。
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Solaris Live Upgrade 操作の進行中に非大域ゾーン管理者が介入することは非常に危険です。アップグレードは、アップグレードによって発生する変更に対処する予定の管理者の作業に影響を及ぼします。ゾーン管理者は、すべてのローカルパッケージが一連の操作を通じて確実に安定しているようにし、構成ファイルの調整といったアップグレード後の作業をすべて行い、通常はシステムの機能停止を避けたスケジュールを立てる必要があります。
たとえば、大域ゾーン管理者が lucreate コマンドを使用してファイルシステムをコピーしているときに、非大域ゾーン管理者がパッケージを追加すると、その新しいパッケージはファイルシステムとともにコピーされず、非大域ゾーン管理者は問題の発生に気づきません。
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非大域ゾーンが独立したファイルシステム上にある場合にブート環境を作成する
現在稼動しているブート環境から新しいブート環境を作成する方法は、1 つの例外を除いて、以前のリリースの場合と同じです。非大域ゾーン内の共有ファイルシステムに対して宛先ディスクスライスを指定できます。この例外は、次の条件のもとで発生します。
この独立したファイルシステムが新しいブート環境で共有されないようにするため、lucreate コマンドでは、非大域ゾーンの独立したファイルシステムに対して宛先スライスを指定できます。-m オプションの引数には、新しい省略可能フィールド zonename が追加されました。この新しいフィールドは、非大域ゾーンの個別のファイルシステムを新しいブート環境の個々のスライス上に配置します。非大域ゾーンに独立したファイルシステムを設定する方法の詳細は、zonecfg(1M) のマニュアルページを参照してください。
注 – デフォルトでは、クリティカルファイルシステム (ルート(/)、/usr、/opt ファイルシステム) 以外のすべてのファイルシステムが、現在のブート環境と新しいブート環境との間で共有されます。このため、アクティブブート環境内の共有ファイルを更新すると、非アクティブブート環境のデータも更新されます。たとえば、/export ファイルシステムは共有ファイルシステムです。-m オプションと zonename オプションを使用すると、非大域ゾーンのファイルシステムが別のスライスにコピーされ、データは共有されません。このオプションを使用すると、zonecfg add fs コマンドを使って作成した非大域ゾーンのファイルシステムがブート環境間で共有されなくなります。