この章では、問題として認識されている実行時の問題について説明します。
すでに修正され Solaris 10 10/09 ソフトウェアには該当しなくなったバグや問題については、付録 A Solaris 10 オペレーティングシステムで統合された解決済みバグの表を参照してください。
Solaris 10 OS の共通デスクトップ環境 (CDE) に関するバグ情報について説明します。
Mozilla を使用してページを印刷すると、ページが印刷されたあとで Mozilla がクラッシュします。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: Mozilla の代わりに、Firefox または Thunderbird を使用してください。
/usr/X11/bin/xrandr -s コマンドを入力して画面解像度を小さくすると、トラステッドストライプが表示されなくなります。これは Trusted CDE デスクトップに影響しますが、Trusted Java DS デスクトップには影響しません。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: 解像度を変更したあと、ワークスペースマネージャーを再起動します。CDE ワークスペースメニューから「ウィンドウ」->「ワークスペース・マネージャの再起動」の順に選択し、「OK」をクリックします。
JumpStart インストール方式を使用する場合は、プロセスによってシステム識別情報の構成 (sysidcfg) ファイルが使用されることがあります。このファイルを使用して、システム用の固有の Xsun 構成ファイルが生成されます。sysidcfg ファイルの Xsun 構成部分は、コマンド kdmconfig -dfilename で作成します。ただし、デフォルトの Xorg サーバーを使用するシステムでは、このコマンドで Xorg 構成情報を含むファイルを作成できません。このため、準備手順を追加しないと、これらのシステムで JumpStart 方式を使用できません。
回避方法: Xorg サーバーを使用するシステムで JumpStart インストール方式を使用する前に、次の手順を実行します。
システムで使用する固有の xorg.conf ファイルを準備します。このファイルを JumpStart サーバーの JumpStart ディレクトリに格納します。
次のどちらかのコマンドを使用して xorg.conf ファイルを作成します。
/usr/X11/bin/Xorg -configure
/usr/X11/bin/xorgconfig
/usr/X11/bin/xorgcfg
xorg.conf ファイルをシステム内のインストール先の /etc/X11 ディレクトリにコピーする finish スクリプトを作成します。たとえば、次の行をこのスクリプトに追加します。
cp ${SI_CONFIG_DIR}/xorg.conf /etc/X11/Xorg.conf |
カスタム JumpStart の rules ファイルで、インストールするタイプのシステム用の rules エントリに finish スクリプトを追加します。
カスタム JumpStart インストールを実行します。
カスタム JumpStart インストールを実行する手順は、『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』を参照してください。第 4 章には JumpStart の rules ファイルに関する情報が記載され、第 5 章には finish スクリプトに関する情報が記載されています。
Solaris 10 リリースのファイルシステムに関するバグ情報について説明します。
ネイティブ (Solaris 10) ゾーンでの接続操作は成功しますが、ブランドゾーンでの接続操作は失敗します。次のエラーメッセージが表示されます。
zone mount operation is invalid for branded zones. Cannot generate the information needed to attach this zone. |
回避方法: ネイティブでないブランドゾーンに対しては、attach -F コマンドを使用します。この手順の詳細は、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』を参照してください。
次のコマンドを使用してシステムを 32 ビットモードでブートすると、正しく書式設定された GRUB メニューエントリを bootadm コマンドで作成できません。
reboot kernel/unix
reboot -- -r
その結果、システムは 64 ビットモードでブートします。不正な menu.lst ファイルが次のように表示されることがあります。
findroot rootfs0 kernel /platform/i86pc/kernel/unix module /platform/i86pc/boot_archive |
前の例では、カーネル行にマルチブート情報が含まれていないため、正しくありません。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: /boot/grub/menu.lst ファイルを手動で編集して、次の情報を追加します。
title Solaris 10 10/08 findroot rootfs0 kernel /platform/i86pc/multiboot kernel/unix module /platform/i86pc/boot_archive |
これらの変更を行なったあとで、システムを 32 ビットモードでブートします。
menu.lst ファイルに加えた変更は、システムをリブートしても持続します。
別の方法として、次の例に示すように、ブート時に GRUB メニューを編集して、kernel/unix ブート引数を追加することもできます。
grub edit> kernel /platform/i86pc/multiboot kernel/unix |
ブート時に GRUB メニューを編集して加えた変更は、システムをリブートすると無効になります。
詳細については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「x86 システムのブート動作を変更する」を参照してください。
zpool attach コマンドを使用してディスクを ZFS ルートプールに追加すると、新たに追加したディスクに bootblock 情報がコピーされません。この問題は、初期インストールで作成される、ミラー化された ZFS ルートプールには影響しません。システムは、ミラー化ルートプール内の代替ディスクからブートしません。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
SPARC システムでは、代替ディスクデバイスを特定し、ブート情報をインストールします。次に例を示します。
# installboot -F zfs /usr/platform/`uname -i`/lib/fs/zfs/bootblk /dev/rdsk/c0t1d0s0 |
x86 システムでは、代替ディスクデバイスを特定し、ブート情報をインストールします。次に例を示します。
# installgrub /boot/grub/stage1 /boot/grub/stage2 /dev/rdsk/c0t1d0s0 |
Intel マルチプロセッサシステムでのシステムのブート中に ata ドライバがタイムアウトになることがあります。これらのタイムアウトは、HBA コントローラが従来の ata ドライバにバインドされたドライブ上に、ルートデバイスが置かれている場合に発生します。これらのタイムアウトにより、システムのブート中に一時ハングアップ、深刻なハングアップ、またはパニック状態が発生して、次のようなコンソールメッセージが表示されます。
scsi: [ID 107833 kern.warning] WARNING: /pci@0,0/pci-ide@1f,2/ide@0 (ata0): timeout: reset bus, target=0 lun=0 scsi: [ID 107833 kern.warning] WARNING: /pci@0,0/pci-ide@1f,2/ide@0 (ata0): timeout: early timeout, target=0 lun=0 gda: [ID 107833 kern.warning] WARNING: /pci@0,0/pci-ide@1f,2/ide@0/cmdk@0,0 (Disk0): Error for command 'read sector' Error Level: Informational gda: [ID 107833 kern.notice] Sense Key: aborted command gda: [ID 107833 kern.notice] Vendor 'Gen-ATA ' error code: 0x3 gda: [ID 107833 kern.warning] WARNING: /pci@0,0/pci-ide@1f,2/ide@0/cmdk@0,0 (Disk0): Error for command 'read sector' Error Level: Informational gda: [ID 107833 kern.notice] Sense Key: aborted command gda: [ID 107833 kern.notice] Vendor 'Gen-ATA ' error code: 0x3 scsi: [ID 107833 kern.warning] WARNING: /pci@0,0/pci-ide@1f,2/ide@0 (ata0): timeout: abort request, target=0 lun=0 scsi: [ID 107833 kern.warning] WARNING: /pci@0,0/pci-ide@1f,2/ide@0 (ata0): timeout: abort device, target=0 lun=0 scsi: [ID 107833 kern.warning] WARNING: /pci@0,0/pci-ide@1f,2/ide@0 (ata0): timeout: reset target, target=0 lun=0 scsi: [ID 107833 kern.warning] WARNING: /pci@0,0/pci-ide@1f,2/ide@0 (ata0): timeout: reset bus, target=0 lun=0 scsi: [ID 107833 kern.warning] WARNING: /pci@0,0/pci-ide@1f,2/ide@0 (ata0): timeout: early timeout, target=0 lun=0 gda: [ID 107833 kern.warning] WARNING: /pci@0,0/pci-ide@1f,2/ide@0/cmdk@0,0 (Disk0): Error for command 'read sector' Error Level: Informational gda: [ID 107833 kern.notice] Sense Key: aborted command gda: [ID 107833 kern.notice] Vendor 'Gen-ATA ' error code: 0x3 gda: [ID 107833 kern.warning] WARNING: /pci@0,0/pci-ide@1f,2/ide@0/cmdk@0,0 (Disk0): |
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
パフォーマンスの低下を防ぐためには、回避方法 5 が使用できるようになるまで、回避方法 3 または回避方法 4を一時的にのみ使用するようにしてください。
回避方法 1: BIOS の AHCI を有効にします (システムで使用できる場合)。この設定を有効にするには、Solaris OS を再インストールする必要があります。
回避方法 2: ata ドライバを使用しないコントローラ上のディスクに Solaris をインストールします。
回避方法 3: シングルプロセッサが有効になるように、BIOS 設定の MP を無効にします。
回避方法 4: シングルプロセッサが有効になるように、Solaris の MP を無効にします。GRUB (Grand Unified Bootloader) メニューから次の手順を実行します。
e と入力して、選択した Solaris エントリを編集します。
カーネルで始まる行に移動します。
e と入力して、GRUB 編集モードに切り替えます。
-kd をその行に追加します。
Enter キーを押して変更を受け入れます。
b と入力して、選択した Solaris エントリをブートします。
kbmd プロンプトで、次のコマンドを入力します。
use_mp/W 0 :c |
システムのブートを実行する場合は、手順 10 に進みます。そうでない場合は、Solaris 10 10/09 ソフトウェアをインストールします。
インストールの終わりに、システムをリブートします。手順 1 - 7 を繰り返します。
この変更を永続的なものにして、以降のブートで上記の手順を繰り返す必要がないようにするには、次の手順を実行します。
システムのブートが完了したら、スーパーユーザーになります。
/etc/system ファイルを開きます。
次の行を追加します。
set use_mp = 0 |
回避方法 5: マイクロコードの更新を無効にします。次のコマンドを入力します。
# mv /platform/i86pc/ucode /platform/i86pc/ucode.disabled |
マイクロコードの更新は、システムが起動したあとに手動で呼び出すことができます。
# ucodeadm -u /platform/i86pc/ucode.disabled/intel-ucode.txt |
`add fs サブコマンドで ZFS ファイルシステムをマウントするように非大域ゾーンを最初に構成して mountpoint=legacy を指定すると、そのあとでゾーンのインストールを行うときに失敗します。次のエラーメッセージが表示されます。
ERROR: No such file or directory: cannot mount </zones/path/root/usr/local> in non-global zone to install: the source block device or directory </path/local> cannot be accessed |
回避方法: 非大域ゾーンをインストールしてから、ZFS ファイルシステムへのアクセスを追加します。
ZFS は POSIX 準拠のファイルシステムとして設計されており、ほとんどの場合、ZFS は POSIX に準拠しています。ただし、次の 2 つの極端な状況では、ZFS は POSIX 準拠テストに適合しません。
ZFS ファイルシステム容量統計の更新。
100 パーセント満杯のファイルシステムによる既存のデータの変更。
関連する CR:
6362314
6362156
6361650
6343113
6343039
6742203
fdisk -E コマンドを使用して ZFS ストレージプールによって使用されているディスクを変更する場合、そのプールは使用不可になり、入出力エラーまたはシステムパニックを引き起こすことがあります。
回避方法:
ZFS ストレージプールによって使用されているディスクの変更に fdisk コマンドを使用しないでください。ZFS ストレージプールによって使用されているディスクにアクセスする必要がある場合は、format ユーティリティーを使用してください。一般に、ファイルシステムが使用中のディスクを変更するべきではありません。
Brightstor ARCserve Backup 製品に関する問題は次のとおりです。
UNIX (Solaris) 版 BrightStor ARCserve Backup (BAB) クライアントエージェントを使用して、ZFS ファイルのバックアップと復元を行うことができます。
ただし、ZFS の NFSv4 スタイル ACL はバックアップ時に維持されません。従来の UNIX ファイルのアクセス権と属性は維持されます。
回避方法: NFSv4 スタイル ACL を使用している ZFS ファイルを維持するには、tar コマンドに -p オプションを指定するか cpio コマンドに -P オプションを指定して、ZFS ファイルを 1 つのファイルに書き込みます。その後、この tar アーカイブまたは cpio アーカイブを BAB でバックアップします。
embedded_su パッチのない Solaris 10 6/06 以前のリリースを実行するシステムに Solaris 10 10/09 リリースの SUNWzfsg パッケージを追加する場合、ZFS 管理アプリケーションウィザードは十分に機能しません。
embedded_su パッチのないシステム上で ZFS 管理アプリケーションを実行しようとすると、ZFS 構成を参照することしかできません。次のエラーメッセージが表示されます。
/usr/lib/embedded_su: not found |
回避方法:
embedded_su パッチ (119574-02) を、Solaris 10 6/06 より前のリリースを実行するシステムに追加します。
ターゲットに対して発生する (Solaris iSCSI ソフトウェアイニシエータを使用して接続される) ファイルシステムの入出力によってホストがパニック状態に陥った場合、入出力はターゲットデバイスのフラッシュまたはターゲットデバイスへの同期を実行できないことがあります。このフラッシュまたは同期の不能によってファイルシステムが破壊される場合があります。エラーメッセージは表示されません。
回避方法:
UFS などのジャーナリングファイルシステムを使用します。Solaris 10 以降では、UFS ロギングはデフォルトで使用可能になっています。UFS の詳細については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「ファイルシステムの新機能」を参照してください。
NFSv4 サーバーを Solaris Express 6/05 から Solaris Express 7/05 以降にアップグレード (すべての Solaris 10 アップデートを含む) したあと、プログラムによってEACCES エラーが検出されることがあります。さらに、ディレクトリが間違って空になっているように見えることもあります。
これらのエラーを回避するには、クライアントのファイルシステムをいったんマウント解除してから再マウントします。マウント解除がうまくいかない場合は、umount -f を使用して強制的にファイルシステムをマウント解除する必要があります。あるいは、クライアントをリブートしてもかまいません。
ネットワーク上のクライアントとサーバーが、異なる以前の Solaris 10 リリースでインストールされている場合、NFSv4 アクセス制御リスト (ACL) の関数が正しく動作しないことがあります。対象となる ACL 関数とその関数を使用するコマンド行ユーティリティーは次のとおりです。
acl()
facl()
getfacl
setfacl
これらの関数とユーティリティーについては、それぞれのマニュアルページを参照してください。
たとえば、次の構成を含むネットワークではエラーが検出される可能性があります。
Solaris 10 ベータ版ソフトウェアが稼働しているクライアント
Solaris 10 ソフトウェアが稼働しているサーバー
次の表に、異なる Solaris 10 リリースがインストールされているクライアントとサーバーの構成における ACL 関数の結果を示します。
操作 |
クライアントの S10 OS |
サーバーの S10 OS |
結果 |
---|---|---|---|
get ACL |
S10 ベータ版 |
S10 OS |
正しくない ACL * が作成されます |
get ACL |
S10 OS |
S10 ベータ版 |
正常に機能します |
set ACL |
S10 ベータ版 |
S10 OS |
正常に機能します |
set ACL |
S10 OS |
S10 ベータ版 |
エラー: EOPNOTSUP |
回避方法: NFSv4 ACL の機能を正しく動作させるには、サーバーとクライアントの両方で Solaris 10 OS の完全なインストールを実行します。
現在の Solaris 10 バージョンでは、NFSv4 アクセス制御リスト (ACL) の Solaris 実装は RFC 3530 仕様に準拠しています。しかし、Solaris 10 ベータ版 (Beta 2 または Beta 1) を使用する NFSv4 クライアントではエラーが発生します。これらのクライアントでは、現在の Solaris 10 リリースを使用している NFSv4 サーバー内にファイルを作成することができません。次のエラーメッセージが表示されます。
NFS getacl failed for server_name: error 9 (RPC: Program/version mismatch) |
回避方法: ありません。
ディスクジオメトリによっては、8G バイトより大きなサイズのディスク上に mkfs コマンドを使用してファイルシステムを作成できないことがあります。生成されるシリンダグループのサイズは、1K バイトのフラグメントを使用するには大きすぎます。シリンダグループのサイズが大きいため、メタデータのサイズが大きくなり、1 ブロックに収めることができません。
次のエラーメッセージが表示されます。
With 15625 sectors per cylinder, minimum cylinders per group is 16. This requires the fragment size to be changed from 1024 to 4096. Please re-run mkfs with corrected parameters. |
回避方法: 代わりに、newfs コマンドを使用してください。または、mkfs コマンドを使用するときに、4096 などのより大きなフラグメントサイズを割り当ててください。
システムでは、1T バイト以上のパーティションにダンプを生成することができません。システム上にこのようなデバイスがある場合は、システムパニックが発生したあとにシステムをブートすると、次のようなエラーが発生することがあります。
システムがダンプを保存しない。
次のメッセージが表示されます。
0% done: 0 pages dumped, compression ratio 0.00, dump failed: error 6 |
回避方法: システムのダンプデバイスのサイズを 1T バイト未満に設定してください。
Solaris 10 リリースのハードウェア関連の注意事項とバグ情報について説明します。
ixgbe ドライバには、デフォルトで 8 個の RX キューがあります。Solaris 10 10/08 や Solaris 10 5/09 リリースの単一 RX キューと比べると、複数の RX キューはプロミスキュアス (promiscuous) モードでのパフォーマンスの低下につながります。RX キューが複数あると、カーネル競合が起こります。カーネル競合は、Solaris 10 10/09 で ixgbe パフォーマンスの低下を引き起こす場合があります。
回避方法: ixgbe の RX および TX キューの値を 1 に設定します。次の手順を実行します。
/kernel/drv/ixgbe.conf 構成ファイルを編集します。
rx_queue_number = 1; tx_queue_number = 1; |
システムを再起動します。
リブートの後で、ZFS ルートプールが縮退モードになります。この問題により影響を受ける可能性があるミラー化ルートプールには、別のデバイスドライバを使用するディスクデバイスが含まれており、2 番目のドライバがブート処理でロードされていません。
この問題の症状は、システムがリブートされたとき、両方のドライバが同時にロードされないため、プールが縮退状態になることです。この問題により影響を受ける可能性があるミラー化ルートプールでは、zpool のステータス出力が次のようになります。
state: DEGRADED status: One or more devices could not be opened. Sufficient replicas exist for the pool to continue functioning in a degraded state. |
回避方法: 次の手順を実行します。
強制的にロードされるデバイスドライバを識別します。たとえば、次のような構文で prtconf コマンドを使用します。
# prtconf -aD /dev/rdsk/c1t0d0 SUNW,Sun-Fire-280R (driver name: rootnex) pci, instance #1 (driver name: pcisch) SUNW,qlc, instance #4 (driver name: qlc) fp, instance #5 (driver name: fp) ssd, instance #5 (driver name: ssd) |
/etc/system ファイルを編集し、手順 1 で識別された各ドライバについて forceload エントリを追加します。次に例を示します。
forceload: drv/qlc forceload: drv/ssd forceload: drv/fp |
特定の x86 システムで、1G バイトの RAM を備えた 4 番目の 5709 インタフェースの plumb に失敗します。システムはパニック状態になることがあります。あるいは、次のエラーメッセージが表示されます。
ifconfig: plumb: bnx<X>: Invalid argument |
このバグは、Dell PowerEdge R610 および R710 の各サーバーに影響を与えます。
回避方法: 次の手順を実行します。
使用する RAM の容量を 1G バイトよりも大きくします。
インタフェースごとに hostname.bnxX を作成します。
システムをリブートします。
最新の BNX ドライバ 4.6.2 をダウンロードしてインストールします。
tx_descriptor_count のデフォルトの設定を使用するように bnx.conf ファイルを変更します。
実行中のシステムで ConnectX ファームウェアをバージョン 2.6.000 以降にアップグレードすると、一部の HCA や x64 プラットフォームで問題が発生することがあります。この問題は、Mellanox ブランドの HCA だけに影響を与えます。Sun ブランドの PCIe HCA、EM、NEM、および SPARC プラットフォームには影響しません。
システムをブートできなかったり、ブート中にシステムがハングアップしたりすることがあります。ibd (IPoverIB) インスタンス番号が変わり、それによってシステムがブートできなくなったり、ibd デバイスを plumb できなくなったりすることがあります。
回避方法 1: cxflash を使ってファームウェアを更新したあと、システムをリブートする前に、/etc/path_to_inst ファイルと /dev ディレクトリから ibd<x> インスタンスを削除します。次の手順を実行します。
root ユーザーとしてログインします。デバイスツリー情報は、次のようになります。
# ls -R /devices | grep 15b3 /devices/pci@0,0/pci10de,5d@e/pci15b3,634a@0 /devices/pci@0,0/pci10de,5d@e/pci15b3,634a@0/ibport@1,ffff,ipib /devices/pci@0,0/pci10de,5d@e/pci15b3,634a@0/ibport@1,ffff,ipib:ibd0 /devices/pci@0,0/pci10de,5d@e/pci15b3,634a@0/ibport@2,ffff,ipib /devices/pci@0,0/pci10de,5d@e/pci15b3,634a@0/ibport@2,ffff,ipib:ibd1 /devices/pci@0,0/pci10de,5d@e/pci15b3,634a@0:devctl |
デバイス仕様は、取り付けられている Mellanox ブランドのカードによって変わります。
path_to_inst ファイルを編集します。次の手順を実行します。
既存の path_to_inst ファイルのバックアップコピーを作成します。
# cp /etc/path_to_inst /etc/path_to_inst.backup |
path_to_inst ファイルを開きます。
# vi /etc/path_to_inst |
ibd と hermon が含まれる行を検索し、それらの行を削除します。
変更内容を保存し、ファイルを閉じます。
/dev ディレクトリで次のようにエントリを削除します。
rm /dev/ibd?* |
システムを再起動します。システムが正常にブートし、対応するデバイスツリーが次のようになります。
# ls -R /devices | grep 15b3 /devices/pci@0,0/pci10de,5d@e/pci15b3,5@0 /devices/pci@0,0/pci10de,5d@e/pci15b3,5@0/ibport@1,ffff,ipib /devices/pci@0,0/pci10de,5d@e/pci15b3,5@0/ibport@1,ffff,ipib:ibd0 /devices/pci@0,0/pci10de,5d@e/pci15b3,5@0/ibport@2,ffff,ipib /devices/pci@0,0/pci10de,5d@e/pci15b3,5@0/ibport@2,ffff,ipib:ibd1 /devices/pci@0,0/pci10de,5d@e/pci15b3,5@0:devctl |
回避方法 2: path_to_inst ファイルと /dev ディレクトリを更新する前にシステムをリブートした場合は、システムがハングアップすることがあります。このような場合は、次の手順を実行します。
システムの電源を切り、HCA をバスから取り外します。
HCA を取り付けないでシステムをリブートします。
システムが再開したら、回避方法 1 に記載された手順 2 から 3 を実行します。
システムの電源を切ります。
HCA を取り付け直します。システムを再起動します。
システムをリブートしても ibd インタフェースが自動的に plumb しない場合は、/etc/hostname.ib<?> ファイルが最新のデバイス構成に適していない可能性があります。正しい構成を表すようにファイル名を手動で変更します。
一部の IBM システムがインストール後にハングアップするか、パニック状態になります。次のパニックメッセージが表示されます。
Unrecoverable Machine-Check Exception |
回避方法 1: システムのハングアップを避けるために、インストール後に次の行を /etc/system ファイルに追加します。
set pcie:pcie_aer_ce_mask=0x11C1 |
回避方法 2: インストール中またはインストール後のブート中にシステムがパニック状態になる場合は、この回避方法を使用します。-kd オプションを使ってシステムをブートし、それを kmdb デバッガ内に設定します。
::bp pcie`pcie_initchild :c pcie_aer_ce_mask/W 11C1 :d all :c |
システムが起動したら、次の行を /etc/system ファイルに追加して、変更内容を永続的なものにします。
set pcie:pcie_aer_ce_mask=0x11C1 |
インテル Xeon プロセッサ MP 7400 番台を搭載したシステムで Solaris 10 10/09 OS を実行している場合、使用率が低いときにパフォーマンスが低下し、消費電力が増加することがあります。この問題は、CPU が休止せず、遊休中の電源管理が妨げられているときに発生することがあります。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: /etc/system ファイルに次の行を追加して、システムをリブートします。
set idle_cpu_prefer_mwait=0 |
標準の fwflash コマンドには、ConnectX HCA フラッシュデバイスのファームウェアの更新をサポートするプラグインが必要です。Solaris 10 10/09 リリースでは、このプラグインがまだ使用できません。
回避方法: Solaris 10 ユーザーは、このユーティリティーのスタンドアロン版を使ってそれらのファームウェアを更新できます。次の手順を実行します。
カスタマダウンロードセンター (http://www.sun.com/download/index.jsp?tab=2) からユーティリティーおよびマニュアルページをダウンロードします。このページで、Solaris InfiniBand (IB) Updates 3 を検索します。手順に従ってパッケージをダウンロードし、ファイルを untar (展開) します。一部のファイルを抽出するだけで十分なため、パッケージはインストールしないでください。
元の .tar ファイルの名前を変更します。
# mv ib_updates_3_s10u6.i386.tar ib_updates_3_s10u6.i386.tar-orig |
圧縮された .tar ファイルを解凍します。
#gunzip ib_updates_3_s10u6.i386.tgz |
.tar ファイルから cxflash ユーティリティーを抽出します。
# tar -xvf ib_updates_3_s10u6.i386.tar usr/sbin/cxflash |
これにより、作業ディレクトリの下に相対パスが抽出されます。
# ls -lR usr usr: total 2 drwxrwxrwx 2 staff staff 512 Mar 9 09:20 sbin usr/sbin: total 88 -rwxr-xr-x 1 staff staff 44976 Jan 26 13:39 cxflash |
cxflash ファイルを /usr/sbin にコピーします。このユーティリティーは、ファームウェアを hermon および ConnectX HCA 上にフラッシュするために使用できます。
# ls -l firmware total 1952 -rw-r--r-- 1 staff staff 487336 Jan 30 18:29 SUN-375-3548_2.5.100.bin -rw-r--r-- 1 staff staff 487436 Jan 30 18:29 SUN-375-3549_2.5.100.bin |
ファイルが抽出されるときに作成されるファームウェアディレクトリには、Sun ブランドの HCA カードと Express モジュール用のファームウェアファイルが格納されます。HCA カードのバージョンが異なる場合は、使用している HCA カードのベンダーから 2.5.000 バージョン以降のファームウェアを取得してください。
HP NC326i デバイスを使用すると、bge が正常に動作できません。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: ありません。
Solaris 10 10/09 リリースがインストールされた Sun SPARC® Enterprise T5220 マシンの NCP (Niagara Crypto Provider) デバイスドライバでパフォーマンスの低下が発生します。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: /platform/sun4v/kernel/drv/ncp.conf 構成ファイルに次の行を追加します。
ncp-threads-per-core=6; |
フロッピーディスクを USB フロッピーディスクドライブに挿入しても自動的にマウントされません。エラーメッセージは表示されません。フロッピーディスク上の pcfs ファイルシステムにアクセスできません。
回避方法: mount コマンドを実行して、フロッピーディスク上のファイルシステムを手動でマウントできます。次に例を示します。
mount -F pcfs /vol/dev/dsk/c3t0d0/noname /rmdisk |
USB ストレージデバイスが切断されるときに、次のエラーメッセージが表示されます。
Disconnected device was busy, please reconnect. |
このメッセージは、デバイスが正常にアンマウントされるときにも表示されます。
回避方法: ありません。このエラーメッセージは無視して構いません。
ZFS では、大規模なメモリー構成を備えたシステムのすべてのシステムボードにわたって、カーネルメモリーを割り当てることができます。メモリーを動的に再構成するには、動的に再構成するボードのメモリーを未使用のボードにコピーできるように、未使用のシステムボードが 1 つ必要です。ZFS が稼働している大規模なメモリー構成のシステムでは、メモリーを動的に再構成することはできません。SunFireTM ハイエンドサーバーでは、この問題を回避するためにカーネルページを再配置できます。これらのサーバーでは、32 を超えるコアを持つドメインに対してカーネルページ再配置 (KPR) が有効になっている必要があります。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: /etc/system ファイルで zfs_arc_max パラメータを設定して、ZFS で割り当て可能なカーネルメモリーの量を減らします。次の例では、最大サイズが 512M バイトに設定されます。
set zfs_arc_max = 0x20000000 |
mpathadm show logical-unit サブコマンドでは、Current Load Balance プロパティーに対するグローバルな負荷分散設定値が表示されます。ただし、特定の製品の負荷分散タイプを変更する csi_vhci.conf 内のエントリは、その設定が有効になっている場合でも、mpathadm の出力に反映されません。
登録ツールのバックグラウンドプロセスが実行されたままになっていると、Elite3D および Creator3D フレームバッファーは電源管理を停止します。この障害が発生すると、システムが電源管理状態のときに節約される電力量が少なくなります。条件によっては、sys-suspend がハングアップすることもあります。エラーメッセージは表示されません。システムの保存停止処理または復元再開処理中に、そのシステムがハングアップすることがあります。
回避方法:
ログインしてから約 60 秒後に、毎回次のコマンドを実行してください。
# pkill -f basicreg.jar # pkill -f swupna.jar |
Solaris 10 OS には、新しい暗号化フレームワークが用意されていますが、バージョン 1.0 および 1.1 の Sun Crypto Accelerator 4000 ボードのソフトウェアとファームウェアはこのフレームワークを利用しません。したがって、これらのバージョンは Solaris 10 OS ではサポートされていません。
2.0 リリースでは新しいフレームワークを使用します。Solaris 10 OS の使用を予定している現在の Sun Crypto Accelerator 4000 ユーザーは、このリリースを無償アップグレードで利用できます。Sun Crypto Accelerator 4000 は輸出が規制されている製品であるため、Sun エンタープライズサービスまたは最寄りの販売ルートを通じて無償アップグレードを受ける必要があります。詳細は、Sun の製品サイト にある Sun Crypto Accelerator 4000 Web ページを参照してください。
一部の USB 2.0 コントローラは EHCI ドライバとの互換性がないため、サポートされていません。次のメッセージが表示されます。
Due to recently discovered incompatibilities with this USB controller, USB2.x transfer support has been disabled. This device will continue to function as a USB1.x controller. If you are interested in enabling USB2.x support please refer to the ehci(7D) man page. Please refer to www.sun.com/io for Solaris Ready products and to www.sun.com/bigadmin/hcl for additional compatible USB products. |
USB デバイスに関する最新情報については、http://www.sun.com/io_technologies/USB-Faq.html を参照してください。
この Solaris リリースでは、USB 1.1 と USB 2.0 の両方のデバイスをサポートします。次の表は、特定の構成で動作する USB デバイスをまとめたものです。接続の種類は、コンピュータに直接接続しても、USB ハブ経由で接続してもかまいません。USB 1.1 のデバイスとハブは低速または全速であることに注意してください。USB 2.0 のデバイスとハブは高速です。ポートと動作速度の詳細については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』を参照してください。
表 2–1 USB デバイスと構成
USB デバイス |
接続の種類 |
---|---|
USB 2.0 ストレージデバイス |
直接、USB 1.1 ハブ、USB 2.0 ハブ |
USB 1.1 デバイス (オーディオデバイスを除く) |
直接、USB 1.1 ハブ、USB 2.0 ハブ |
USB 1.1 オーディオデバイス |
直接、USB 1.1 ハブ |
USB 2.0 オーディオデバイス |
サポートされていません |
次のリストは、このリリースの Solaris 10 (x86 版) における特定のドライバとインタフェースの制限事項を示しています。
この機能は、すべてのデバイスタイプでオフになっています。detach() 関数の DDI_SUSPEND コードでは、DDI_FAILURE を返すようにしてください。
この機能は、USB デバイスでは利用できません。電源管理コンポーネントを作成しないでください。電源管理コンポーネントが作成されるときにだけ pm_raise_power() と pm_lower_power() が呼び出されるようにドライバを作成します。
リムーバブルメディアなどの対話型デバイスの電源管理は、モニターおよびモニターを制御しているグラフィックスカードの電源管理と連動しています。画面が有効になっているときは、CD-ROM ドライブやフロッピーディスクなどのデバイスは全電力モードとなります。モニターのないシステムでは、これらのデバイスは低電力モードに切り替わることがあります。CD またはフロッピーディスクの電力を元に戻すには、volcheck と入力して、各リムーバブルデバイスから最新の状態を取得します。
代替手段として、Dtpower GUI を使用して、使用しているシステムの電源管理を使用不可にすることができます。電源管理を無効にすることにより、これらのデバイスは常に通常の電力モードになります。
デフォルトでは、kdmconfig プログラムはシステムに接続されているキーボードタイプとして、一般的な US 英語 (104 キー) を指定します。システムのキーボードが US 英語キーボードでない場合は、インストール時にそのキーボードタイプを手動で指定する必要があります。指定しない場合、システムの実際のキーボードタイプと矛盾しているデフォルトのキーボード仕様でインストールが続行されます。
回避方法 1: システムのキーボードが US 英語キーボードでない場合は、インストール時に次の手順を実行してください。
「Proposed Window System Configuration For Installation」が表示されたら、Esc キーを押します。
キーボードタイプを含む「Proposed Window System Configuration For Installation」の情報は 30 秒間しか表示されません。構成の設定を変更する場合は、30 秒以内に Esc キーを押す必要があります。そうしないと、表示された設定でインストールが続行されます。
キーボードタイプをシステムのキーボードに対応するタイプに変更します。
Enter キーを押して変更を受け入れ、インストールを続行します。
回避方法 2: すでに Solaris 10 OS が動作しているシステムのキーボードタイプを変更する場合は、kdmconfig プログラムを使用します。システムで実行している X サーバーの種類に応じて、次のいずれかを実行してください。
Xsun サーバーを実行している場合は、次の手順を実行します。
kdmconfig を実行します。
「Change Keyboard」オプションを使用して、キーボードタイプを変更します。
構成を保存します。
デフォルトの Xorg サーバーを実行している場合は、次の手順を実行します。
kdmconfig を実行します。
Xsun サーバーを選択します。
「Change Keyboard」オプションを使用して、キーボードタイプを変更します。
構成を保存します。
kdmconfig をもう一度実行して Xorg サーバーに切り替えます。
次のホストバスアダプタ (HBA) がテープデバイスに接続されるときに、その HBA 用の jfca ドライバによってシステムパニックまたは入出力エラーが発生することがあります。
SG-PCI1FC-JF2
SG-PCI2FC-JF2
特定の操作が実行されているときに、これらの HBA 用の jfca ドライバは競合状態に陥りやすいため、エラーが発生します。特定の操作は、次のとおりです。
リンクのリセット
ループのリセット
スイッチのリセット
繰り返されるリンク障害
次の例のようなエラーメッセージが表示されることがあります。
入出力エラーメッセージ
jfca: [ID 277337 kern.info] jfca4: Sequencer-detected error. Recover immediately. last message repeated 18376 times jfca: [ID 716917 kern.notice] jfca4: ExgWarning: SendVerify(1): SHOULD ABORT THE ORIG I/O PKG=30007520bd8! scsi: [ID 107833 kern.warning] WARNING: /pci@1e,600000/SUNW,jfca@3,1/fp@0,0/st@w2100001086108 628,1 (st3): SCSI transport failed: reason 'timeout': giving up |
システムパニックメッセージ
panic[cpu1]/thread=2a100497cc0: BAD TRAP: type=31 rp=2a1004978d0 addr=a8 mmu_fsr=0 occurred in module "jfca" due to a NULL pointer dereference |
回避方法: テープデバイスを SG-PCI1FC-JF2 または SG-PCI2FC-JF2 の HBA に接続しないでください。
Quad FastEthernet (QFE) カードが次のアダプタのいずれかと同一バスを共有する場合、バスの競合が発生します。
Sun GigaSwift アダプタ
Sun Dual Gigabit Ethernet + Dual SCSI/P アダプタ
Sun Quad GigaSwift Ethernet アダプタ
これらのアダプタによって使用される ce ドライバの infinite-burst パラメータは、デフォルトで有効になっています。このため、同一バスを共有する QFE ポートに利用できるバス時間はほとんどないか、まったくありません。
回避方法: QFE カードをリスト内のネットワークアダプタと同じバス上に配置しないでください。
SunSwiftTM PCI Ethernet/SCSI ホストアダプタ (X1032A) カードの SCSI 部分のデフォルトタイムアウトは、Sun の SCSI DVD-ROM ドライブ (X6168A) のタイムアウト条件を満たしていません。一部のメディアでは、DVD-ROM で頻繁にタイムアウトエラーが発生します。例外は、OpenBoot PROM によって SCSI タイムアウト値を上書きする Sun Fire 6800、4810、4800、および 3800 システムのみです。
回避方法: ほかのプラットフォームでは、システムボード上の SCSI インタフェースまたは DVD-ROM 互換 SCSI アダプタを使用してください。次に例を示します。
X1018A (SBus: F501-2739-xx)
X6540A (PCI: F375-0005-xx)
ここでは、iPlanetTM Directory Server 5.1 のユーザーがシステムを新しいリリースの Solaris 10 にアップグレードする際に重要な情報について説明します。
Solaris 9 オペレーティングシステムに統合されていた iPlanet Directory Server 5.1 は Sun Java System Directory Server 5 2005Q1 に置き換わりました。Solaris 10 OS では、この新しい Directory Server を Sun Java Enterprise System の一部としてインストールできます。
Sun Java System Directory Server 5 2005Q1 については、http://docs.sun.com にある Sun Java System のマニュアルを参照してください。
Solaris 10 OS では、引き続き Directory Server 5.1 のサポートを行います。次の状況では、場合により Directory Server 5.1 をインストールする必要があります。
Directory Server 5.1 のデータを復元する必要がある場合。
データを Directory Server 5 2005Q1 に移行する場合。
Solaris 10 リリースでは、Directory Server 5.1 のインストールは手動で行います。次の手順を実行します。
Solaris 10 SOFTWARE - 5 CD を CD-ROM ドライブに挿入します。
スーパーユーザーになります。
端末ウィンドウで、Directory Server をインストールします。
# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_10/Product/ # pkgadd -d . IPLTnls IPLTnspr IPLTnss IPLTjss IPLTpldap \ IPLTdsr IPLTdsu IPLTadmin IPLTcons IPLTadcon IPLTdscon \ IPLTadman IPLTdsman |
簡体字中国語ローカリゼーションパッケージをインストールするには、さらに次のコマンドを実行します。
# pkgadd -d . IPLTcdsu IPLTcadmin IPLTccons IPLTcadcon \ IPLTcdscon IPLTcadman IPLTcdsman |
日本語ローカリゼーションパッケージをインストールするには、さらに次のコマンドを実行します。
# pkgadd -d . IPLTjdsu IPLTjadmin IPLTjcons IPLTjadcon \ IPLTjdscon IPLTjadman IPLTjdsman |
インストールが完了したら、iPlanet Directory Server 5.1 を設定します。詳細は、『System Administration Guide: Naming and Directory Services (DNS, NIS, and LDAP)』の第 11 章「Sun ONE Directory Server Configuration」を参照してください。
2 つのバージョンの Directory Server のデータベース形式には互換性がありせん。したがって、Directory Server 5.1 ユーザーは使用しているデータベースを Sun Java System Directory Server 5 2005Q1 用にフォーマットされたデータベースに移行することをお勧めします。
移行を行うには、Solaris 10 OS にアップグレードしたシステムに両方のバージョンの Directory Server が含まれている必要があります。圧縮されたアーカイブ (.tar.gz) 配信形式を使用している DS 5.1 ユーザーは、手順 2 の移行処理にすぐに進むことができます。
端末ウィンドウで、 iPlanet Directory Server 5.1 パッケージがシステムに存在しているかどうかを確認します。
$ pkginfo | grep IPLT |
次のパッケージが出力として表示されたら、手順 2 に進んで移行処理を開始できます。この出力は、iPlanet Directory Server 5.1 パッケージがシステムに含まれていることを示します。
system IPLTadcon Administration Server Console system IPLTadman Administration Server Documentation system IPLTadmin Administration Server system IPLTcons Console Client Base system IPLTdscon Directory Server Console system IPLTdsman Directory Server Documentation system IPLTdsr Directory Server (root) system IPLTdsu Directory Server (usr) system IPLTjss Network Security Services for Java system IPLTnls Nationalization Languages and Localization Support system IPLTnspr Portable Runtime Interface system IPLTnss Network Security Services system IPLTpldap PerLDAP $ |
パッケージが存在しない場合は、まず iPlanet Directory Server 5.1 パッケージをインストールします。詳細は、前節 「Directory Server 5.1 のインストール」の手順 1 - 4 を参照してください。インストールが完了したら、手順 2 に進んで移行処理を始めます。
iPlanet Directory Server 5.1 のデータベースを現在のバージョンに移行します。手順については、http://docs.sun.com/coll/DirectoryServer_05q1 にある Sun Java System Directory Server のドキュメントを参照してください。
データの移行後は、引き続き移行前に行ったのと同じ方法でディレクトリデータのバックアップを行うようにしてください。今後の障害回復に、移行したデータベースが必要となることがあります。
ここでは、Solaris 10 OS のローカリゼーションに関する注意事項について説明します。
Solaris 10 8/07 リリース以降、スウェーデン語ソフトウェアの翻訳は、コミュニティーによって翻訳されたものを除き、更新されなくなりました。 このため、更新されたメッセージは英語で表示されます。
回避方法: ありません。
Trusted Java DS に UTF-8 ロケールまたはアジア言語ロケールでログインすると、デフォルトでは入力方式スイッチアプリケーション iiim-panel がラベルごとに表示されます。したがって、複数ラベルの環境では複数の iiim-panel が表示されるため、ユーザーを混乱させる可能性があります。
エラーメッセージは表示されません。
回避方法: iiim-panel の使用をやめます。次の手順を実行します。
iiim-panel を右クリックし、「設定」を選択します。入力方式設定エディタ iiim-properties が表示されます。
「一般」タブの「入力方式のステータスとスイッチの配置」リストから、「表示しない」または「各アプリケーションに添付する」を選択します。
「適用」を押すか、「了解」ボタンをクリックします。
入力言語を切り替えるには、ホットキーを使用することもできます。ホットキーを有効にするには、次の手順を実行します。
iiim-properties の「その他」タブに移動します。
「ホットキーを使用して言語/スクリプト選択ウィンドウを有効にする」オプションを選択します。
「適用」を押すか、「了解」ボタンをクリックします。
「各アプリケーションに添付する」が選択されている場合、GTK アプリケーションには言語切り替えリストは表示されません。ホットキーを使用して入力言語を切り替えることができます。
Wnn8 サーバーが使用可能になっていない場合、Wnn8 日本語入力方式は使用できません。
回避方法: Wnn8 サーバーを使用可能にします。
# svcadm enable wnn8/server |
また、iiim-properties コマンドを実行して、日本語エンジンとして Wnn8 を選択します。
Primary Administrator 権限を持っているユーザーが、特定のロケールの入力方式を使用できず、文字を正常に入力できません。入力方式ステータスがワークスペースに表示されません。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: 次の行を /etc/security/exec_attr ファイルに追加します。
Primary Administrator:solaris:cmd:::/usr/bin/csh:uid=0;gid=0 Primary Administrator:solaris:cmd:::/usr/bin/ksh:uid=0;gid=0 Primary Administrator:solaris:cmd:::/usr/bin/sh:uid=0;gid=0 |
ファイルの書式については、exec_attr(4) のマニュアルページを参照してください。
OS を Solaris 10 6/06 または Solaris 10 11/06 リリースにアップグレードすると、入力方式フレームワークおよび個々の入力方式が rev.10 から rev.12 にアップグレードされます。ただし、サポートされている入力方式のリストには ChuYin (繁体字中国語) が含まれていません。また、ファンクションキー F2 および F3 を使用して入力方式を切り替えることができません。
回避方法: Hanyu PinYin を使用して繁体字中国語の文字を入力するには、PinYin を使用します。入力方式を切り替えるには、Ctrl + Shift を使用します。
ru_RU.KOI8-R ロケールと ru_RU.ANSI1251 ロケールでは、AltGr キーがロシア語 Xsun 配列のモードスイッチとして機能しません。
回避方法 1: ru_RU.UTF-8 ロケールまたは ru_RU.ISO8859-5 ロケールに切り替えます。
回避方法 2: ロシア語キー配列の代わりに IIIMFTM を使用します。
x86 システムで Xorg をデフォルトの Xserver として使用している場合は、ar ロケールでアラビア語のフォント (iso7759-6) が表示されません。Xorg の代わりに Xsun を使用している場合は、このエラーは発生しません。
回避方法: 次の手順を実行します。
スーパーユーザーとして、/usr/dt/config/Xservers を編集します。
次の行をコメント解除するか、追加します。
:0 Local local_uid@console root /usr/openwin/bin/Xsun :0 -nobanner -defdepth 24 |
次の行をコメントにします。
:0 Local local_uid@console root /usr/X11/bin/Xorg :0 |
システムを再起動します。
別の方法として、ar_EG.UTF-8 などの UTF-8 ロケールにログインすることもできます。
GNOME では、特定のアラビア語フォントを選択すると、文字が表示されません。この問題は GNOME のフォントプロパティーメニューを使用して、アプリケーション、デスクトップ、またはウィンドウタイトルのフォントを選択するときに発生します。影響を受けるフォントは次のとおりです。
Akhbar MT (標準、太字)
Shayyal MT (標準、太字)
Naskh MT (標準、太字)
エラーメッセージは表示されません。
回避方法:
新しく提供された Kacst フォントファミリを使用して、アラビア文字を GNOME アプリケーションで表示します。
UTF-8 ロケールでは多言語入力がサポートされていますが、ログイン後にマウスボタン 1 が最初にクリックされた場合、言語の切り替えはセッション保存アプリケーションで機能しません。この問題は Java Desktop System (Java DS) で発生します。エラーメッセージは表示されません。
回避方法:
アプリケーションをクリックする前に、バックグラウンドワークスペースまたは起動メニューでマウスボタン 1 をクリックします。
Mozilla 1.7 のキーボードショートカットは、特にスペイン語ロケールで独特です。たとえば、Ctrl + S は保存だけでなくコピーにも使用されます。エラーメッセージは表示されません。
回避方法:
ユーザー操作に割り当てられているショートカットキーを製品のメニューから確認します。
UTF-8 ロケールに移行すると、それらのファイルはデータをインポートまたはエクスポートするときに使用する方法に影響します。
Microsoft Office ファイルは、Unicode でエンコードされています。StarSuite アプリケーションでは、Unicode でエンコードされたファイルの読み取りと書き込みを行うことができます。
Mozilla Composer などの HTML エディタを使用して作成した HTML ファイルや、Web ブラウザで保存された HTML ファイルには通常、charset エンコーディングタグが含まれています。エクスポートまたはインポートしたあとの HTML ファイルは、HTML ファイル内のエンコーディングタグに基づいて、Mozilla Navigator Web ブラウザで表示したり、Mozilla Composer を使用して編集したりすることができます。
HTML ファイルが文字化けして表示されることがあります。この問題は通常、次の理由で発生します。
charset エンコーディングタグが正しくない。
charset エンコーディングタグがない。
HTML ファイルの charset エンコーディングタグを見つけるには、次の手順を実行します。
Mozilla を使用してファイルを開きます。
Ctrl + I キーを押すか、「表示」をクリックして「表示」メニューを開きます。
「ページ情報」をクリックします。
charset 情報は、「一般」タブの下に、次のように表示されます。
Content-Type text/html; charset=us-ascii |
文字列 charset=us-ascii がファイルの実際のエンコーディングと一致しない場合、そのファイルは壊れているように見えることがあります。HTML ファイルのエンコーディングを編集するには、次の手順を実行します。
Mozilla Composer でファイルを開きます。
「ファイル」メニューを開きます。
「文字エンコードの保存および変更」を選択します。
正しいエンコーディングを選択します。Mozilla Composer は、自動的にエンコーディングと charset タグを適切に変換します。
現在の電子メールには、MIME charset タグが指定されています。電子メールおよびカレンダアプリケーションは、MIME charset タグに対応しています。エンコーディング変換を実行する必要はありません。
プレーンテキストファイルには、charset タグがありません。ファイルが UTF-8 エンコーディング形式でない場合には、エンコーディング変換を行う必要があります。たとえば、繁体字中国語 (BIG5) でエンコードされているプレーンテキストファイルを UTF-8 に変換するには、次のコマンドを実行します。
iconv -f big5 -t UTF-8 inputfilename > outputfilename |
ファイルシステム検査器を使用して、エンコーディングを変換することもできます。
テキストエディタを使用して文字エンコーディングテキストの読み取りおよび書き込みを行うことができますが、自動的にエンコーディングが変換される場合と、ファイルを開くか保存するときに明示的にエンコーディングを指定する場合があります。
テキストエディタを起動するには、「起動」をクリックし、「アプリケーション」->「アクセサリ」->「テキストエディタ」の順に選択します。
複数バイト文字を使用するファイル名やディレクトリ名が UTF-8 エンコーディング形式でない場合は、エンコーディング変換を行う必要があります。ファイルシステム検査器を使用して、レガシー文字エンコーディングによるファイル名、ディレクトリ名、およびプレーンテキストファイルの内容を、UTF-8 エンコーディングに変換することができます。詳細は、ファイルシステム検査器のオンラインヘルプを参照してください。
ファイルシステム検査器を起動するには、「起動」をクリックし、「アプリケーション」->「ユーティリティ」->「ファイルシステム検査器」の順に選択します。
ファイルマネージャーを使用して SMB 経由で Microsoft Windows 上の UTF-8 以外のファイル名やディレクトリ名にアクセスする場合は、エンコーディングを変換しなくても UTF-8 以外のファイル名やディレクトリ名にアクセスできます。
Unicode UTF-8 への移行準備が整っていないアプリケーションの場合、フロントパネルに起動ツールを作成すると、従来のロケールでアプリケーションを開始できます。コマンド行からそれらのアプリケーションを直接起動することもできます。アプリケーションの起動ツールを作成するには、次の手順を実行します。
パネル上で起動ツールを配置する場所を右クリックします。
「パネルに追加」->「ランチャー」と選択します。
「ランチャーの作成」ダイアログの「コマンド」フィールドに、次の書式で必要な項目を入力します。
env LANG=locale LC_ALL= locale application name |
たとえば、/usr/dt/bin から motif-app という名前のアプリケーションを中国語 (BIG5) ロケールで起動する場合は、「ランチャーの作成」の「コマンド」フィールドに、次のテキストを入力します。
env LANG=zh_TW.BIG5 LC_ALL=zh_TW.BIG5 /usr/dt/bin/motif-app |
「了解」をクリックすると、パネルに起動ツールが作成されます。
従来のロケール固有の CLI (コマンド行インタフェース) アプリケーションを実行する必要があるときは、まず従来のロケールで端末ウィンドウを開いてから、その端末ウィンドウで CLI アプリケーションを実行します。端末ウィンドウを従来のロケールで開くには、次のコマンドを入力します。
eng LANG=locale LC_ALL=locale GNOME-TERMINAL –disbable-factory. |
従来のロケールで新規の端末ウィンドウを開く代わりに、現在の端末ウィンドウの「文字エンコーディングの設定」メニューでエンコーディングを変更することで、ロケール設定を UTF-8 から従来のロケールに切り替えることもできます。この場合、現在のシェルに対して LANG および LC_ALL 環境変数を設定し直す必要があります。
Solaris OS 用に、いくつかのキー配列のソフトウェアサポートが追加されました。ユーザーは、必要に応じて標準 U.S. キー配列を変更できます。このため、柔軟性の高いキーボード入力が可能になります。
現時点では、次のキー配列タイプに適合するハードウェアは入手できません。
アルバニア |
ベラルーシ |
ベラルーシ |
フランス語 (カナダ) |
クロアチア |
チェコ語 |
デンマーク |
エストニア |
ハンガリー |
アイスランド |
ラトビア |
リトアニア |
マルタ (英国) |
マルタ (米国) |
ポーランド |
ポルトガル語 (ブラジル) |
ルーマニア |
セルビア・モンテネグロ |
スロバキア |
スロベニア |
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: このキーボードソフトウェアを利用するには、kbd -s コマンド行ユーティリティーを使用してキーボード入力を設定します。UTF-8 ロケール環境を備えたデスクトップセッションの場合は、入力方式設定エディタを使用します。必要なキー配列が kbd -s ユーティリティーに含まれていない場合は、回避方法 2 を使用してください。
回避方法 2: /usr/openwin/share/etc/keytables/keytable.map ファイルを変更します。たとえば、カナダ用タイプ 6 キーボードの場合、次の変更を行います。
/usr/openwin/share/etc/keytables/keytable.map ファイル内の US6.kt エントリを Canada6.kt に変更します。たとえば、次のように変更します。
6 0 Canada6.kt |
システムをリブートすると、変更内容が有効になります。
Solaris 10 リリースのネットワーク接続に関するバグ情報について説明します。
負荷が高い状況で、e1000g ドライバが破損した LSO パケットを生成し、Ethernet チップのストールとリセットを引き起こすことがあります。
回避方法: e1000g.conf ファイルに次の行を追加し、LSO を無効にします。
lso_enable=0,0,0,0,0,0,0,0; |
'0' が e1000g インタフェース番号と一致することを確認してください。
インテル 82571 チップの DMA は、データが不正でありながら CRC が正しいデータをネットワークに送信し、応答を停止することがあります。応答の停止によって、デバイスのハングとリセットが引き起こされます。
回避方法: e1000g.conf ファイルに次の行を追加し、LSO を無効にします。
lso_enable=0,0,0,0,0,0,0,0; |
'0' が e1000g インタフェース番号と一致することを確認してください。
Solaris Trusted Extensions 構成を実行しているシステムでゾーン間通信の制約が厳しくなっていることから、準拠でない他社製アプリケーションが制限され、失敗することがあります。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: セキュリティー設定を一時的に変更します。/lib/svc/method/svc-labeld ファイルの次の行をコメントにします。
/usr/sbin/ndd -set /dev/ip \ ip_restrict_interzone_loopback 1 |
次のコマンドを入力します。
/usr/sbin/ndd -set /dev/ip ip_restrict_interzone_loopback 0 |
この変更を行うと、アプリケーションプログラミングやアプリケーション構成の問題に対処する時間を作ることができますが、永続的な解決方法としては推奨されません。
回避方法2: Trusted Extensions が構成されている Solaris OS のプログラミングおよび構成の指示に準拠するよう、アプリケーションまたは構成を変更します。詳細は、『Solaris Trusted Extensions 開発ガイド』の第 5 章「プロセス間通信」を参照してください。
アプリケーションまたは構成の変更が困難な場合、SUN のサポート窓口にお問い合わせください。
OPL システムで XSCF サービスプロセッサを再起動したあとで、IPsec 通信が失われます。次のエラーメッセージが XSCF サービスプロセッサ上に表示されます。
XSCF> showdevices -d 0 Can't get device information from DomainID 0. |
次のメッセージがドメインの /var/adm/messages ファイルに表示されます。
Apr 7 11:19:20 domain-0 sckmd: [ID 205163 daemon.error] PF_KEY error: type=ADD, errno=17: File exists, diagnostic code=0: No diagnostic |
この問題が発生するのは、ドメイン上の既存の SA (Security Association) が適切に削除されないことが原因であるため、新しい SA の追加に失敗します。
回避方法 1: XSCF サービスプロセッサを 2 回再起動します。最初の再起動で SA の半分が削除され、2 回目の再起動で残りの半分が削除されます。2 番目の追加に成功し、IPsec 通信が再度確立されます。
回避方法 2: サービスプロセッサを再起動する前に、各ドメインで IPsec SA を 2 回削除します。
IPsec をシステム上のほかのことに使用していない場合は、ipseckey flush によってすべての SA が表示されます。IPsec をほかのことに使用している場合は、次の手順を実行してすべての SA を表示します。
IP アドレスを取得します。
# /usr/platform/SUNW,SPARC-Enterprise/sbin/prtdscp Domain Address: 192.168.224.2 SP Address: 192.168.224.1 |
ipseckey および prtdscp ユーティリティーを使用して SPI を 2 回削除します。
# ipseckey delete ah spi 0xff00 dst `/usr/platform/SUNW,SPARC-Enterprise/sbin/prtdscp -s` # ipseckey delete ah spi 0xff00 dst `/usr/platform/SUNW,SPARC-Enterprise/sbin/prtdscp -s` # ipseckey delete ah spi 0xff dst `/usr/platform/SUNW,SPARC-Enterprise/sbin/prtdscp -d` # ipseckey delete ah spi 0xff dst `/usr/platform/SUNW,SPARC-Enterprise/sbin/prtdscp -d` |
サービスプロセッサが再起動すると、キーが正しく追加されます。
Solaris 10 10/09 リリースでは、Broadcom NetXtreme II 5709 (BCM5709) チップセットはサポートされていません。
回避方法: Web サイト http://www.broadcom.com/support/ethernet_nic/downloaddrivers.php から bnx ドライバをダウンロードします。
ダウンロードしたドライバをインストールすると、既存のチップセットのパフォーマンスが低下することがあります。
NFS サーバーと、RDMA (Remote Direct Memory Access) を使用しているクライアントとの間で接続エラーが発生することがあります。このエラーにより、バッファープールの資源が使い果たされ、システムがパニックになります。次のエラーメッセージが表示されます。
rpcib: WARNING: rib_rbuf_alloc: No free buffers! |
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
TCP が有効になるように NFS サーバーを設定します。/etc/default/nfs ファイルで、(NFSD_PROTOCOL=tcp) に変更します。
proto=tcp マウントオプションを使用してクライアント側から NFS ファイルシステムをマウントします。
詳細は、mount_nfs(1M) および nfs(4) のマニュアルページを参照してください。
iSCSI ターゲットまたはアレイから send target 応答の一部として複数の IP アドレスが返された場合、イニシエータはこれまでのリリースのようにリスト内の最初のアドレスだけを考慮するのではなく、最後のアドレスだけを考慮します。その結果、最後の IP アドレスが不正または無効な場合は、このターゲットへの接続が失敗します。
回避方法: send target 応答で、各エントリについて異なるターゲットポータルグループタグ (TPGT) を返します。イニシエータは接続を成功させるために、すべての IP アドレスに対して接続を確立しようとします。
システム DOI (Domain of Interpretation) を設定できません。Solaris 管理コンソールを使用して新しいトラステッドネットワークテンプレートを作成するとき、Solaris 管理コンソールによって DOI が 0 に設定され、Solaris Trusted Extensions が正しく機能しません。さまざまなエラーメッセージが表示されます。
回避方法: Solaris 管理コンソールを使用して DOI を 1 に設定します。
この Solaris リリースでは、IP 転送はデフォルトで無効になっています。この設定は、ほかのシステム構成に関係なくIPv4 と IPv6 の両方に適用されます。以前はデフォルトで IP パケットを転送していた複数の IP インタフェースを持つシステムには、もうこの自動機能はありません。マルチホームシステムでの IP 転送を有効にするには、管理者は手動でいくつかの設定手順を実行する必要があります。
回避方法: コマンド routeadm を実行して IP 転送を有効にできます。routeadm を使用して行われた構成変更は、システムのリブート時にも保持されます。
IPv4 転送を有効にするには、routeadm -e ipv4-forwarding と入力します。
IPv6 転送を有効にするには、routeadm -e ipv6-forwarding と入力します。
有効になった IP 転送の設定を現在実行しているシステムに適用するには、routeadm -u と入力します。
IP 転送の詳細は、routeadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
ゾーンの IP アドレスが IP ネットワークマルチパス (IPMP) グループの一部になるようにゾーンを構成できます。構成方法については、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』の「IP ネットワークマルチパス機能を共有 IP 非大域ゾーンに拡張する方法」を参照してください。
IPMP グループに含まれるすべてのネットワークインタフェースが失敗すると、その IPMP グループに属している IP アドレスを持つゾーンはブートしません。
次の例は、ゾーンをブートしようとした場合の結果を示しています。
# zoneadm -z my-zone boot zoneadm: zone 'my-zone': bge0:1: could not set default interface for multicast: Invalid argument zoneadm: zone 'my-zone': call to zoneadmd failed |
回避方法: グループ内のネットワークインタフェースの少なくとも 1 つを修復してください。
Solaris 10 リリースのセキュリティーに関する注意事項について説明します。
LDAP 用のアカウント管理 PAM モジュール (pam_ldap) を有効にした後、ユーザーはシステムにログインするときにパスワードを指定する必要があります。結果として、パスワードなしのログインは失敗します。これには、次のようなツールを使用したログインが含まれます。
リモートシェル (rsh)
リモートログイン (rlogin)
セキュアシェル (ssh)
回避方法: ありません。
次の節では、Solaris 10 OS における特定のコマンドと標準の動作変更について説明します。
mutex_t および pthread_mutex_t 型のオブジェクトは、8 バイト境界で整列されるアドレスで始まる必要があります。この要件を満たさないアプリケーションは失敗します。次のエラーメッセージが表示されます。
*** _THREAD_ERROR_DETECTION: lock usage error detected *** ... "mutex is misaligned" OR: "condvar is misaligned" |
回避方法: 環境変数を次の値に設定すると、整列エラーが stderr で報告されます。
THREAD_ERROR_DETECTION=1
THREAD_ERROR_DETECTION=2
THREAD_ERROR_DETECTION 環境変数をこのどちらかの値に設定してアプリケーションをテストし、準拠していないアプリケーションを修正するように依頼してください。
このバグは、Active Directory 環境で winbind を指定して Samba サーバーを使用しているときに発生します。Solaris 10 10/09 リリースには、Samba バージョン 3.0.28 が含まれています。Active Directory サーバーからすべてのユーザーまたは 1000 人を超えるユーザーのクエリー検索を行うと、winbind によって最初の 1000 件の結果だけが取得されます。
回避方法: ありません。
PgAdmin III 1.6 は、PostgreSQL バージョン 8.3 の管理には使用できません。PgAdmin 1.6 は、新規バージョンの PostgreSQL に含まれるカタログ構造を認識しません。さまざまなエラーメッセージが表示されます。
回避方法: PgAdmin III バージョン 1.8 にアップグレードします。
このリリースでは、次に示す Solaris Trusted Extensions のマニュアルページが改訂されています。
add_allocatable(1M)
remove_allocatable(1M)
label_to_str(3TSOL)
tsol_getrhtype(3TSOL)
tnzonecfg(4)
改訂されたマニュアルページは、man コマンドでは表示できません。改訂されたマニュアルページを確認するには、『Solaris Trusted Extensions Reference Manual』を参照してください。
Solaris 10 OS には Bash 3.00 が含まれていますが、このシェルでは次の変数が自動的には環境にエクスポートされなくなりました。
HOME
PATH
SHELL
TERM
HOSTNAME
HOSTTYPE
MACHTYPE
OSTYPE
この動作変更は、シェルによってこれらの変数にデフォルト値が割り当てられる場合にも適用されます。
回避方法: これらの変数を手動でエクスポートしてください。
/usr/bin/ln の動作は、SVID3 から XCU6 までのすべての標準に準拠するように変更されました。-f オプションの付かない ln コマンドを使用して既存のターゲットファイルにリンクすると、リンクは確立されません。代わりに、診断メッセージが標準エラーに書き込まれ、残りのリンク元ファイルのリンクが続行されます。最後に、ln コマンドはエラー値を返して終了します。
たとえば、ファイル b がある場合、構文 ln a b を実行すると、次のメッセージが生成されます。
ln: b: File exists |
この動作変更は、-f オプションの付かない ln コマンドを含む既存のシェルスクリプトやプログラムに影響します。このため、以前正常に動作していたスクリプトが Solaris 10 OS では失敗することがあります。
回避方法: ln コマンドには -f オプションを付けて使用してください。link ユーティリティーを実行する既存のスクリプトがある場合は、必ずコマンドの新しい動作に適合するようにこれらのスクリプトを変更してください。
Solaris 10 OS では、tcsh はバージョン 6.12 にアップグレードされました。このバージョンは、名前にハイフンや等号が使われている環境変数を受け入れなくなりました。setenv 行を含み、以前の Solaris バージョンで動作するスクリプトを現在の Solaris 10 リリースで実行すると、エラーが生成されることがあります。次のエラーメッセージが表示されます。
setenv: Syntax error |
詳細は、Solaris 10 OS 用の tcsh のマニュアルページを参照してください。
回避方法: 環境変数名にハイフンや等号を使用しないでください。
厳しい標準 C 準拠モードで作成されたアプリケーションは、一部のライブラリ関数の動作変更による影響を受けます。たとえば、cc -Xc または c89 準拠モードでコンパイルされたアプリケーションがこれに当たります。動作が変更されたライブラリ関数は次のとおりです。
fgetc()
fgets()
fgetwc()
fgetws()
getc()
getchar()
gets()
getwc()
getwchar()
getws()
1990 C 標準の正式な解釈では、ファイル終了条件が設定されたら、それ以降の入力操作ではファイルからデータを返さないようにする必要があります。ただし、ファイルポインタの位置を変更したり、アプリケーションによってエラーとファイル終了フラグが明示的にクリアされている場合は例外です。
ほかのすべての準拠モードの動作は変わりません。特に、このインタフェースでは、ファイル終了インジケータの設定後に、新しく書き込まれた追加データをストリームから読み取ることができます。
回避方法: ストリームのファイル終了条件が報告されたあとで追加データを読み取るには、ストリームに対して fseek() または clearerr() を呼び出します。
UID、プロセッサ ID、および累積実行時間が大きくなったため、ps コマンドの出力列が広くなりました。カスタムスクリプトは、出力列が固定されていると仮定しないようにするべきです。
回避方法: スクリプトでは ps コマンドの -o オプションを使用するようにしてください。
詳細は、ps(1) のマニュアルページを参照してください。
Solaris 10 リリースの Solaris ボリュームマネージャーに関するバグ情報について説明します。
ファイルシステムがシリンダ 0 から始まっていない Solaris ボリュームマネージャーのミラー化が存在するルート (/) ファイルシステムの場合には、接続されるサブミラーにシリンダ 0 から始まるものを含めることはできません。
最初のサブミラーがシリンダ 0 から始まらないミラーに、シリンダ 0 から始まるサブミラーを接続しようとすると、次のエラーメッセージが表示されます。
can't attach labeled submirror to an unlabeled mirror |
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
ルートファイルシステムとほかのサブミラー用のボリュームの両方がシリンダ 0 から始まるようにします。
ルートファイルシステムとほかのサブミラー用のボリュームの両方がシリンダ 0 から始まらないようにします。
JumpStart インストールのデフォルトでは、swap パーティションがシリンダ 0 から始まっていて、ルートファイルシステム / はディスク上のほかの場所から始まっています。システム管理者は通常、スライス 0 をシリンダ 0 から始めようとします。デフォルトの JumpStart インストールにおいて、スライス 0 上にあるがシリンダ 0 から始まっていないルートパーティションを、別のディスクのシリンダ 0 から始まるスライス 0 にミラー化しようとすると、問題が発生する場合があります。その結果、ミラーを追加しようとする際に、エラーメッセージが出力されます。Solaris インストールプログラムのデフォルト動作の詳細については、Solaris 10 インストールガイドを参照してください。
この節では、Solaris 10 OS の Sun Java Desktop System (Java DS) に適用される問題について説明します。
この節では、電子メールとカレンダに関する問題について説明します。
受信メールサーバーの認証タイプを変更したあとに、電子メールとカレンダが正しく動作しないことがあります。
回避方法: 電子メールとカレンダを再起動してください。
この節では、ログインの問題について説明します。
Java Desktop System セッションにログインしたときに、次のエラーメッセージが表示されることがあります。
Could not look up internet address for hostname. This will prevent GNOME from operating correctly. It may be possible to correct the problem by adding hostname to the file /etc/hosts |
回避方法: /etc/hosts ファイルにホスト名が正しく設定されていることを確認してください。次の手順を実行します。
/etc/hosts ファイルにホスト名を次のように設定します。
127.0.0.1 localhost loghost hostname localhost.localdomain |
hostname はシステムの名前です。
ホスト名が /etc/nodename ファイルに指定されていることを確認します。このファイルに次の行も追加する必要があります。
127.0.0.1 localhost loghost hostname localhost.localdomain |
Yelp ブラウザを使用してボリュームコントロールのオンラインヘルプを開くと、代わりに「キーボードアクセシビリティ」パネルアプリケーションのヘルプファイルが開きます。
回避方法: ありません。
BMP (Basic Multilingual Plane) 形式ではない Unicode 文字が含まれているドキュメントは、Mozilla ブラウザから印刷できません。
回避方法: ありません。
旧バージョンの GNOME デスクトップでは、ホームアカウントのユーザー設定と Java Desktop System Release 3 のユーザー設定との間に完全な互換性がない場合があります。
回避方法: ユーザー設定を設定し直してください。次の手順を実行します。
Java Desktop System からログアウトします。
「セッション」をクリックし、「端末の復旧」を選択します。
ログインします。
「端末の復旧」ウィンドウで、次のコマンドを入力します。
% gnome-cleanup exit |
再度ログインします。
GNOME 設定が設定し直されました。
StarSuite ソフトウェアがシステム上に Mozilla を検出できない場合に、StarSuite ソフトウェアのオンライン登録を完了できない場合があります。StarSuite ソフトウェアが電子メールとカレンダアプリケーションを検出できない場合には、ドキュメントを正常に送信することができません。
回避方法: /usr/sfw/bin を PATH に追加します。次の手順を実行します。
端末ウィンドウを開きます。
次のコマンドを入力します。
% export PATH=/usr/sfw/bin:$PATH |
StarSuite ソフトウェアを起動するために、次のコマンドを実行します。
% soffice |
StarSuite 登録手順を完了します。
サウンドレコーダが new.wav ファイルを録音しているときに、スライドバーとサイドカウンタが機能しません。
回避方法: ありません。
「パーミッション」タブの「グループ」アクセス権と「アクセス」タブの「マスク」アクセス権は同じになるはずですが、状況によっては同期されないことがあります。
回避方法: 「閉じる」ボタンをクリックし、「リロード」をクリックします。ファイルのプロパティーを再度表示します。これで、「グループ」アクセス権と「マスク」アクセス権が同期された状態に戻ります。アクセス権としては、前の手順で変更した「マスク」アクセス権が設定されます。
Java DS メニューバーおよび Evolution などの一部のアプリケーションで、中国暦の日付が正しく表示されません。不正な日付は %-m M %-d D の形式で表示されます。この M と D は、それぞれ中国暦の月と日です。
回避方法: 次の手順を実行します。
/usr/share/locale/LC_MESSAGES/gnome-panel*.mo ファイルをバックアップします。
gnome-panel.gnome-2-16.zh_CN.po を http://l10n.gnome.org/POT/gnome-panel.gnome-2-16/gnome-panel.gnome-2-16.zh_CN.po からダウンロードし、/tmp ディレクトリに保存します。
gnome-panel.gnome-2-16.zh_CN.po ファイルを編集して、すべての %-m を %Om で置き換え、%-d を %e で置き換えます。
新しい gnome-panel.gnome-2-16.zh_CN.po ファイルを生成します。
msgfmt -v -o gnome-panel.gnome-2-16.zh_CN.mo /tmp/gnome-panel.gnome-2-16.zh_CN.po |
このファイルを /usr/share/locale/LC_MESSAGES/ ディレクトリにコピーします。
システムからログアウトし、再度ログインします。
ビデオカードを 1 枚しか使用していない Solaris 10 システムでは、全画面の拡大鏡を設定することはできません。このような構成の場合には、ダミードライバの設定を定義した別の構成ファイルを使用する必要があります。最初に、Xserver が動作していないことを確認します。そのあとに、次の手順を実行してください。
コマンド行セッションにログインします。
新しい xorg.conf ファイルを作成します。
# /usr/X11/bin/Xorg -configure |
ルート (/) ディレクトリに xorg.conf.new が作成されます。
新しい構成ファイルを /etc/x11 ディレクトリにコピーし、ファイルの名前を xorg.conf に変更します。
# cp /xorg.conf.new /etc/X11/xorg.conf |
次のサンプル構成を使用して、ファイルの構成を変更します。
新しいモニターセクションを追加します。
Section "Monitor" Identifier "monitor_dummy" ModelName "dummy" HorizSync 10-200 VertRefresh 20-90 EndSection |
新しいデバイスセクションを追加します。
Section "Device" BoardName "dummy" Driver "dummy" Identifier "device_dummy" VendorName "dummy" videoram 10000 EndSection |
グラフィックスカードの画面の幅と高さ、および発色数に応じて、videoram 値の調整が必要になる場合があります。値 (K バイト) は、使用する画面に適した大きさにする必要があります。たとえば、幅 * 高さ * bpp/8 という式を使用して値を計算します。
新しい画面セクションを追加します。
Section "Screen" DefaultDepth 24 SubSection "Display" Depth 24 Modes "1280x1024" EndSubSection Device "device_dummy" Identifier "screen_dummy" Monitor "monitor_dummy" EndSection |
解像度の値は、システムの設定に応じて調整が必要になる場合があります。
ServerLayout セクションで次の行を探します。
Screen 0 "Screen0" 0 0 |
この行の下に、次の行を挿入します。
Screen 1 "screen_dummy" RightOf "Screen0" |
この追加した行により、Screen1 が定義されます。2 番目のダミー画面として、物理的な主画面である Screen0 の論理的に右側に割り当てられます。
変更を保存します。
コマンド行セッションからシステムをリブートします。
Gnopernicus スクリーンリーダーを起動します。
「起動モード」を「拡大鏡」に変更します。
「設定」をクリックしてから、「拡大鏡」を選択します。
「追加/変更」をクリックします。
「拡大鏡」設定に次の値を割り当てます。
「適用」をクリックします。
全画面拡大の画面が上に表示され、Gnopernicus ウィンドウが表示されなくなります。この状態で、全画面拡大を設定することができます。
次の表示オプションを使用すると、ファイルマネージャーでエラーが発生することがあります。
カタログ表示
画像コレクション表示
使用する表示オプションに応じて、次のエラーメッセージが表示されることがあります。
エラー:
The application nautilus has quit unexpectedly |
エラー:
The Catalog view encountered an error while starting up |
エラー:
The Image Collection view encountered an error while starting up |
回避方法: ありません。これらの問題が発生したら、ファイルマネージャーを再起動するか、クラッシュダイアログボックスで「アプリケーションの再起動」ボタンをクリックしてください。
ここでは、Solaris 10 OS のシステム管理に関するバグ情報について説明します。
Solaris ボリュームマネージャ GUI が正常に開始しません。しかし、他のシステムパニックは検出されません。
回避方法: /var/sadm/smc/toolboxes/smc/smc.tbx ファイルから次の行を削除します。
<ToolBoxURL> <URL>file:/var/sadm/smc/toolboxes/tsol_files/tsol_files.tbx</URL> </ToolBoxURL> <ToolBoxURL> <URL>file:/var/sadm/smc/toolboxed/tsol_ldap/tsol_ldap.tbx</URL> </ToolBoxURL> |
update_drv コマンドは /tmp/AdD Em.lck ロックファイルを直ちに削除しないため、以後の add_drv、update_drv、および rem_drv の各コマンドが失敗します。この問題は、カスタムインストールイメージの作成時に最も多く見られます。このロックファイルはミニルートに同梱されているため、パッケージを追加する試みはすべて失敗します。次のエラーメッセージが表示されます。
add_drv/rem_drv currently busy; try later |
回避方法: /tmp/AdDrEm.lck ファイルが存在する場合、pkgadd または *_drv コマンドの実行を試みる前に手作業で削除します。
FKU 137137-xx パッチでは、いくつかの例外を除き、他社製のボリュームマネージャーソフトウェアがサポートされません。このサポートが欠けているのは、prepatch、postpatch、および postbackout の実装によるためです。サポートされていない他社製のボリュームマネージャーソフトウェアを使用する場合は、FKU パッチを適用できません。パッチのインストール中に次のエラーメッセージが表示されます。
unsupported root slice type xxxxx |
ただし、富士通およびベリタス製のボリュームマネージャーソフトウェアはサポートされています。
回避方法: ありません。
非大域ゾーンが含まれているシステムでは、 patchadd -M オプションを使用しないことをお勧めします。patchadd -M の現在の実装では、まず大域ゾーンにすべてのパッチが適用され、その次に非大域ゾーンに適用されます。このオプションをお勧めしないのは、いくつかのパッチが大域ゾーンには適用され、非大域ゾーンにはまだ適用されていないときに問題が発生した場合、大域ゾーンと非大域ゾーンの同期が大幅にずれてしまい、回復が困難な状況に陥る可能性があるからです。
回避方法: patchadd -a - M を使用して、パッチセットの有効なインストールシーケンスを作成し、パッチが問題なく確実にインストールされるようにすることができます。
詳細は、BigAdmin Patching Hub の成功事例の記事 (http://www.sun.com/bigadmin/features/articles/patch_management.jsp) を参照してください。
Solaris 10 10/09 OS では、mdb デバッガの ::findleaks コマンドは失敗します。次のエラーメッセージが表示されます。
mdb: couldn't walk 'modctl': unknown walk name |
回避方法: ::findleaks コマンドを使用する前に、::load krtld コマンドを入力します。
実行時に、Solaris 10 10/09 DVD はデフォルトではマウントされません。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: 次の手順を実行します。
スーパーユーザーになります。
vold を無効にします。
Solaris 10 システム:
# svcadm disable -t volfs |
Solaris 8 および Solaris 9 システム:
/etc/init.d/volmgt stop |
# mount -F hsfs <ブロックデバイスへのパス> <マウントポイントへのパス> コマンドを使用して手動でメディアをマウントします。次に例を示します。
# mount -F hsfs /dev/rdsk/c0t2d0s2 /mnt |
Solaris Trusted Extensions を有効にしたあと、SolarisTM 管理コンソールがハングアップし、Solaris 管理コンソールに root としてログインできません。Solaris 管理コンソールがハングアップする際に、次のエラーメッセージが表示されることがあります。
Configuring the Management Server... |
回避方法: 次の手順を実行します。
Solaris Trusted Extensions を設定してから、Solaris 管理コンソールを起動します。
「コンソール」メニューから「ツールボックスを開く」を選択します。
localhost を選択します (リストに含まれている場合)。
localhost がリストに含まれていない場合は、localhost と入力します。
Policy=TSOL ツールボックスを選択します。
もう一度 Solaris 管理コンソールに root としてログインします。
(省略可能) Solaris 管理コンソールへの 2 回目のログインも失敗した場合は、手順 1 - 5 を繰り返します。その際、手順 3 では localhost ではなく127.0.0.1 と入力してください。
元のホストと新しいホストに同じパッチレベルのパッケージがインストールされていても、中間のパッチ履歴が異なっている場合は、ゾーンの接続に失敗することがあります。さまざまなエラーメッセージが表示されます。表示されるエラーメッセージは、2 つのホストのパッチ履歴によって異なります。
回避方法: 元のホストマシンと新しいホストマシンとで、各パッチが同じバージョン順序で適用されるようにします。
AHCI 準拠の SATA コントローラを備えたシステムの場合、通常は BIOS 設定でコントローラを AHCI、レガシー、または RAID モードに設定できます。Solaris は AHCI モードとレガシーモードをサポートしています。
Solaris の初期インストール後は、BIOS の SATA モードの設定を変更してはいけません。Solaris のアップグレードの前後にも、SATA モードの設定を変更してはいけません。Solaris のインストール後に BIOS の SATA モード設定を変更すると、システムがリセットされ、ブートに失敗しますが、その原因は示されません。
回避方法: BIOS 設定を変更した結果ブートに失敗した場合、Solaris をブートするには、元の設定に戻してください。
パッチ 119254-42 および 119255-42 以降、パッチインストールユーティリティー patchadd および patchrm が変更され、実行中のシステムと互換性のない既存ファイルや新しい機能を提供する一部のパッチの処理方法が変わりました。このユーティリティーの変更は、これらのパッチをどの Solaris 10 リリースにインストールする場合にも影響します。これらの「遅延起動」パッチは、カーネルパッチで提供される広範な変更をより適切に処理します。
遅延起動パッチでは、ループバックファイルシステム lofs を使ってルートファイルシステムのコピーが作成されます。パッチ対象の元のファイルは安全な場所にコピーされ、ルートファイルシステムの lofs コピーにパッチが適用されます。次に、元のファイルは、パッチが適用された状態で、新しいファイルの上に、lofs マウントで戻されます。このことは、パッチを適用している間、実行中のシステムの一貫性が保持され、ユーザーがリブートするまで、新しい機能がアクティブにならず、互換性のない変更がすべて隠されることを意味します。
ユーザーは遅延起動パッチの適用後はできるだけ早くリブートする必要がありますが、即座にリブートする必要はなく、引き続き追加のパッチを適用してからリブートしてもかまいません。
パッチの README には、どのパッチでリブートが必要になるかが説明されています。
パッチの操作は、パッチの README で推奨されている場合は特に、シングルユーザーモードで実行することを強くお勧めします。
非大域ゾーンを実行している場合や lofs が無効になっている場合は、遅延起動パッチをインストールまたは削除する際に、次の点を考慮してください。
このパッチ操作のためには、すべての非大域ゾーンを停止状態にする必要があります。パッチを適用する前に非大域ゾーンを停止してください。
遅延起動パッチの適用を正常に完了するには、ループバックファイルシステム lofs が必要です。Sun Cluster 3.1 か Sun Cluster 3.2 を実行しているシステムは、lofs が有効になったときの HA-NFS 機能の制限によって、lofs が無効になっている可能性が高いです。したがって、遅延起動パッチをインストールする前に、次の手順に従ってループバックファイルシステムを再度有効にする必要があります。
/etc/system ファイルにある次の行を削除するかコメントにします。
exclude:lofs |
システムをリブートします。
パッチをインストールします。
パッチのインストール操作を完了した後、/etc/system ファイルから同じ行を復元するか、コメントを解除します。
リブートして通常の操作を再開します。
エラーメッセージは表示されません。
回避方法: パッチの適用を管理するには Solaris Live Upgrade をお勧めします。Solaris Live Upgrade は、実行中システムへのパッチ適用の問題を防ぎます。Solaris Live Upgrade は、パッチの適用に伴う停止時間を短縮し、問題発生時のフォールバック機能を提供してリスクを低減します。詳細は、『Solaris 10 10/09 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』を参照してください。
ZFS などの大規模なファイルシステムで実行されるアプリケーションでは、statvfs(2) または statfs(2) を使用してファイルシステムの状態に関する情報を取得すると、エラーが発生します。次のエラーメッセージが表示されます。
Value too large for defined data type |
回避方法: アプリケーションでは、代わりに statvfs64() を使用するようにしてください。
ゾーンに対応していない Solaris リリースを実行しているシステムでは、patchadd -R コマンドなどの -R オプションを受け入れるコマンドを使用して、非大域ゾーンがインストールされている大域ゾーンに代替ルートパスを指定しても、正常に機能しません。
luupgrade [-t、-T、-p、-P] コマンドを使用した場合に表示されるエラーメッセージとは異なり、この場合は、コマンドレベルでの妥当な制限の使用に関するエラーメッセージは表示されません。
-R オプションが機能しなかったことを示すものは何もありません。このコマンドが失敗した結果として、インストールされているどの非大域ゾーンにも Solaris 10 のパッケージやパッチはインストールされません。
この問題は、パッケージやパッチをインストールまたはアンインストールするときに発生します。
代替ブート環境に非大域ゾーンが構成されていても、非大域ゾーンがインストール済みでない場合には、-R オプションが機能します。ただし、潜在的な問題を回避するには、あるいは、代替ルートパスとして使用される非大域ゾーンがインストールされているかどうかわからない場合は、常に -R オプションの使用を制限してください。
詳細は、次のマニュアルページを参照してください。
回避方法 1: OS を Solaris 10 1/06 リリース以上にアップグレードします。
Solaris 10 3/05 リリースを実行している場合は、次のパッチをインストールして、代替ルートパスを作成するための -R オプションを受け入れるコマンドを使用可能にします。
SPARC ベースのシステムの場合は、パッチ ID 119254-19。
x86 ベースのシステムの場合は、パッチ ID 119255-19。
回避方法 2: patchadd -R コマンドなど、代替ルートパスを作成するための -R オプションを受け入れるすべてのコマンドの使用を制限します。
代わりに、代替ルート (Solaris 10 リリースなど) をアクティブ OS としてブートします。その後、-R オプションは使用せずに、Solaris 10 のパッケージとパッチのインストールやアンインストールを行います。
Sun Patch Manager Tool 2.0 が動作するシステムでは、Sun Patch Manager Tool 1.0 などのパッチマネージャーツールが動作するリモートシステムを管理できます。
ただし、旧バージョンのパッチマネージャーツールが動作するシステムで、Patch Manager Tool 2.0 が動作するリモートシステムを管理することはできません。旧バージョンは次のとおりです。
Sun Patch Manager Base Software 1.x
Sun Patch Manager Tool 1.0
Solaris 8 OS にはパッチマネージャーツール用の CIM/WBEM (Common Information Model/Web Based Enterprise Management) サポートがありません。したがって、Solaris 8 システムではパッチマネージャーによるリモート管理が行えません。
smdiskless コマンドを使用してディスクレスクライアントを削除すると、コマンドは失敗します。ディスクレスクライアントは、システムデータベースから削除されません。次のエラーメッセージが表示されます。
Failing with error EXM_BMS. |
回避方法: クライアントを追加する前に、/export パーティションの共有を解除してください。
smosservice delete コマンドを使用してディスクレスクライアントサービスを削除した場合、すべてのサービスディレクトリが正常に削除されるとは限りません。
回避方法: 次の手順を実行します。
そのサービスを使用するクライアントが存在しないことを確認します。
# unshare /export/exec/Solaris_10_sparc.all # rm -rf /export/exec/Solaris_10_sparc.all # rm -rf /export/exec/.copyofSolaris_10_sparc.all # rm -rf /export/.copyofSolaris_10 # rm -rf /export/Solaris_10 # rm -rf /export/share # rm -rf /export/root/templates/Solaris_10 # rm -rf /export/root/clone/Solaris_10 # rm -rf /tftpboot/inetboot.sun4u.Solaris_10 |
次のエントリを /etc/bootparams ファイルから削除します。
fs1-24 boottype=:os |
このエントリを削除するのは、このファイルサーバーが関数や資源をほかのサービスに提供していない場合に限られます。
次のエントリを /etc/dfs/dfstab ファイルから削除します。
share -F nfs -o ro /export/exec/Solaris_8_sparc.all/usr |
/var/sadm/system/admin/services/Solaris_10 ファイルを変更します。
ファイルサーバーが Solaris_10 でない場合は、そのファイルを削除します。
ファイルサーバーが Solaris_10 である場合は、冒頭の 3 行を残し、あとのエントリをすべて削除します。削除した行は、/export/root/templates/Solaris_10 に含まれるサービス USR_PATH および SPOOLED ROOT のパッケージとサポートされるプラットフォームを示します。