ゾーンに対応していない Solaris リリースを実行しているシステムでは、patchadd -R コマンドなどの -R オプションを受け入れるコマンドを使用して、非大域ゾーンがインストールされている大域ゾーンに代替ルートパスを指定しても、正常に機能しません。
luupgrade [-t、-T、-p、-P] コマンドを使用した場合に表示されるエラーメッセージとは異なり、この場合は、コマンドレベルでの妥当な制限の使用に関するエラーメッセージは表示されません。
-R オプションが機能しなかったことを示すものは何もありません。このコマンドが失敗した結果として、インストールされているどの非大域ゾーンにも Solaris 10 のパッケージやパッチはインストールされません。
この問題は、パッケージやパッチをインストールまたはアンインストールするときに発生します。
代替ブート環境に非大域ゾーンが構成されていても、非大域ゾーンがインストール済みでない場合には、-R オプションが機能します。ただし、潜在的な問題を回避するには、あるいは、代替ルートパスとして使用される非大域ゾーンがインストールされているかどうかわからない場合は、常に -R オプションの使用を制限してください。
詳細は、次のマニュアルページを参照してください。
回避方法 1: OS を Solaris 10 1/06 リリース以上にアップグレードします。
Solaris 10 3/05 リリースを実行している場合は、次のパッチをインストールして、代替ルートパスを作成するための -R オプションを受け入れるコマンドを使用可能にします。
SPARC ベースのシステムの場合は、パッチ ID 119254-19。
x86 ベースのシステムの場合は、パッチ ID 119255-19。
回避方法 2: patchadd -R コマンドなど、代替ルートパスを作成するための -R オプションを受け入れるすべてのコマンドの使用を制限します。
代わりに、代替ルート (Solaris 10 リリースなど) をアクティブ OS としてブートします。その後、-R オプションは使用せずに、Solaris 10 のパッケージとパッチのインストールやアンインストールを行います。