ここでは、Oracle Solaris 10 OS のシステム管理に関するバグ情報について説明します。
このリリースでは、ブート中に sdbc モジュールのロードに失敗し、次のエラーメッセージが表示されます。
[ID 819705 kern.notice]/usr/kernel/drv/sparcv9/sdbc: undefined symbol WARNING: mod_load: cannot load module 'sdbc' |
回避方法: パッチ 123246–07 (SPARC システム) およびパッチ 123247–07 (x86 システム) をインストールします。
Oracle Solaris 10 9/10 ゲストを実行している仮想マシン (VM) で、次の問題が発生することがあります。
時計の時刻が停止する。
スリープがハングアップする
ゲスト VM 全体がハングアップする。
回避方法: Oracle Solaris ゲストを物理 CPU でのみ動作させます。次のようにして、ドメインの仮想 CPU をホストの物理 CPU にマッピングします。
# xm vcpu-pin domain vcpu cpus |
詳細は、xm(1) のマニュアルページを参照してください。
FKU 137137-xx パッチでは、いくつかの例外を除き、他社製のボリュームマネージャーソフトウェアがサポートされません。このサポートが欠けているのは、prepatch、postpatch、および postbackout の実装によるためです。サポートされていない他社製のボリュームマネージャーソフトウェアを使用する場合は、FKU パッチを適用できません。パッチのインストール中に次のエラーメッセージが表示されます。
unsupported root slice type xxxxx |
ただし、富士通およびベリタス製のボリュームマネージャーソフトウェアはサポートされています。
回避方法: ありません。
このバグが該当するのは、Solaris 10 10/09 以降のリリースの DVD メディアを、以前の Oracle Solaris リリースの稼働するシステムにマウントする場合です。次の vold パッチを使用して、以前の Oracle Solaris リリースの稼働するシステムに DVD メディアをマウントします。
138130–01 (SPARC システムの Oracle Solaris 10 用)
138131–01 (x86 システムの Oracle Solaris 10 用)
112966–07 (SPARC システムの Solaris 9 用)
115021–05 (x86 システムの Solaris 9 用)
108968–12 (SPARC システムの Solaris 8 用)
108969–12 (x86 システムの Solaris 8 用)
実行時に、Solaris 10 10/09 DVD はデフォルトではマウントされません。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: 次の手順を実行します。
スーパーユーザーになります。
vold を無効にします。
Oracle Solaris 10 システム:
# svcadm disable -t volfs |
Solaris 8 および Solaris 9 システム:
/etc/init.d/volmgt stop |
# mount -F hsfs <ブロックデバイスへのパス> <マウントポイントへのパス> コマンドを使用して手動でメディアをマウントします。次に例を示します。
# mount -F hsfs /dev/rdsk/c0t2d0s2 /mnt |
AHCI 準拠の SATA コントローラを備えたシステムの場合、通常は BIOS 設定でコントローラを AHCI、レガシー、または RAID モードに設定できます。Oracle Solaris OS は、AHCI およびレガシーモードをサポートしています。
Oracle Solaris の初期インストール後は、BIOS の SATA モードの設定を変更してはいけません。Oracle Solaris のアップグレードの前後にも、SATA モードの設定を変更してはいけません。Oracle Solaris 10·のインストール後に·BIOS·の·SATA·モード設定を変更すると、システムがリセットされ、ブートに失敗しますが、その原因は示されません。
回避方法: BIOS 設定を変更した結果ブートに失敗した場合、Oracle Solaris OS·をブートするには、元の設定に戻してください。
ZFS などの大規模なファイルシステムで実行されるアプリケーションでは、statvfs(2) または statfs(2) を使用してファイルシステムの状態に関する情報を取得すると、エラーが発生します。次のエラーメッセージが表示されます。
Value too large for defined data type |
回避方法: アプリケーションでは、代わりに statvfs64() を使用するようにしてください。
ゾーンに対応していない Oracle Solaris リリースを実行しているシステムでは、patchadd -R コマンドなどの -R オプションを受け入れるコマンドを使用して、非大域ゾーンがインストールされている大域ゾーンに代替ルートパスを指定しても、正常に機能しません。
luupgrade [-t、-T、-p、-P] コマンドを使用した場合に表示されるエラーメッセージとは異なり、この場合は、コマンドレベルでの妥当な制限の使用に関するエラーメッセージは表示されません。
-R オプションが機能しなかったことを示すものは何もありません。このコマンドが失敗した結果として、インストールされているどの非大域ゾーンにも Oracle Solaris 10 のパッケージやパッチはインストールされません。
この問題は、パッケージやパッチをインストールまたはアンインストールするときに発生します。
代替ブート環境に非大域ゾーンが構成されていても、非大域ゾーンがインストール済みでない場合には、-R オプションが機能します。ただし、潜在的な問題を回避するには、あるいは、代替ルートパスとして使用される非大域ゾーンがインストールされているかどうかわからない場合は、常に -R オプションの使用を制限してください。
詳細は、次のマニュアルページを参照してください。
回避方法 1: OS を Solaris 10 1/06 リリース以上にアップグレードします。
Solaris 10 3/05 リリースを実行している場合は、次のパッチをインストールして、代替ルートパスを作成するための -R オプションを受け入れるコマンドを使用可能にします。
SPARC ベースのシステムの場合は、パッチ ID 119254-19。
x86 ベースのシステムの場合は、パッチ ID 119255-19。
回避方法 2: patchadd -R コマンドなど、代替ルートパスを作成するための -R オプションを受け入れるすべてのコマンドの使用を制限します。
代わりに、代替ルート (Oracle Solaris 10 リリースなど) をアクティブ OS としてブートします。その後、-R オプションは使用せずに、Oracle Solaris 10 のパッケージとパッチのインストールやアンインストールを行います。
Sun Patch Manager Tool 2.0 が動作するシステムでは、Sun Patch Manager Tool 1.0 などのパッチマネージャーツールが動作するリモートシステムを管理できます。
ただし、旧バージョンのパッチマネージャーツールが動作するシステムで、Patch Manager Tool 2.0 が動作するリモートシステムを管理することはできません。旧バージョンは次のとおりです。
Sun Patch Manager Base Software 1.x
Sun Patch Manager Tool 1.0
Solaris 8 OS にはパッチマネージャーツール用の CIM/WBEM (Common Information Model/Web Based Enterprise Management) サポートがありません。したがって、Solaris 8 システムではパッチマネージャーによるリモート管理が行えません。
smdiskless コマンドを使用してディスクレスクライアントを削除すると、コマンドは失敗します。ディスクレスクライアントは、システムデータベースから削除されません。次のエラーメッセージが表示されます。
Failing with error EXM_BMS. |
回避方法: クライアントを追加する前に、/export パーティションの共有を解除してください。
smosservice delete コマンドを使用してディスクレスクライアントサービスを削除した場合、すべてのサービスディレクトリが正常に削除されるとは限りません。
回避方法: 次の手順を実行します。
そのサービスを使用するクライアントが存在しないことを確認します。
# unshare /export/exec/Solaris_10_sparc.all # rm -rf /export/exec/Solaris_10_sparc.all # rm -rf /export/exec/.copyofSolaris_10_sparc.all # rm -rf /export/.copyofSolaris_10 # rm -rf /export/Solaris_10 # rm -rf /export/share # rm -rf /export/root/templates/Solaris_10 # rm -rf /export/root/clone/Solaris_10 # rm -rf /tftpboot/inetboot.sun4u.Solaris_10 |
次のエントリを /etc/bootparams ファイルから削除します。
fs1-24 boottype=:os |
このエントリを削除するのは、このファイルサーバーが関数や資源をほかのサービスに提供していない場合に限られます。
次のエントリを /etc/dfs/dfstab ファイルから削除します。
share -F nfs -o ro /export/exec/Solaris_8_sparc.all/usr |
/var/sadm/system/admin/services/Solaris_10 ファイルを変更します。
ファイルサーバーが Oracle Solaris 10 でない場合は、そのファイルを削除します。
ファイルサーバーが Oracle Solaris 10 である場合は、冒頭の 3 行を残し、あとのエントリをすべて削除します。削除した行は、/export/root/templates/Solaris_10 に含まれるサービス USR_PATH および SPOOLED ROOT のパッケージとサポートされるプラットフォームを示します。