Sun Java Communications Suite 5 インストールガイド

Communications Suite 製品コンポーネントのアンインストール動作の確認

以下の中から関係のある表を調べて、アンインストーラが各 Communications Suite 製品コンポーネントに対して行う内容を確認してください。さらに、作業手順の計画を立てて、データが紛失したり相互依存関係が消失したりすることがないようにします。


注 –

場合によっては、コンポーネントファイルがアンインストール後も残り、それが原因でそれ以降のインストールが失敗することがあります。この場合は、解決の指針として、「アンインストール時に残されたファイルによるインストールの失敗」を参照してください。


ここで説明する内容は、次のとおりです。

Access Manager のアンインストール動作

表 9–2 Access Manager のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データ 

Directory Server のエントリは、Access Manager 固有のデータを含め、何も削除されません。 

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

Directory Server 

Web コンテナ 

このインストールを必要とする製品 

  • Calendar Server (シングルサインオン (SSO) を使用するように設定されている場合)

  • Instant Messaging (Portal Server、SSO を使用するように設定されている場合)

  • Messaging Server (SSO を使用するように設定されている場合)

  • Communications Express (SSO を使用するように設定されている場合、および Schema 2 を使用している場合)

アンインストール前の作業 

/etc/opt/SUNWam/config/ldif/ds_remote_schema_uninstall.ldif を使ってスキーマを削除します。

アンインストール後の作業 

アンインストールによって、Web Server または Application Server 上でのみ、Access Manager のインストール設定すべてが Web コンテナから解除されます。サードパーティー製の Web コンテナから Access Manager の設定が解除されることはありません。また、Web Server、Application Server、BEA WebLogic、IBM WebSphere といった Web コンテナの SDK インストールの設定も解除されません。 

さらに、次のファイルが /var/sadm/install ディレクトリに格納されている場合は、それを削除します。

.lockfile.pkg.lock

Application Server のアンインストールの動作

表 9–3 Application Server のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データとユーザーデータ 

  • インストール時に作成されたデフォルトのドメインは、アンインストール時に削除されます。

  • すべての管理サーバーインスタンスと Application Server インスタンスを含むユーザー作成ドメインはアンインストール時に削除されません。

  • アンインストールが完了するまでに、すべての管理サーバーインスタンスと Application Server インスタンスは停止されます。

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

同一システム上に Message Queue が必要です。 

このインストールを必要とする製品 

Web コンテナとして Application Server を使用するように設定されたコンポーネント: Access Manager、Communications Express、Delegated Administrator、Instant Messaging。 

アンインストール前の作業 

設定データを保存するために、管理ドメインディレクトリのコピーを作成します。 

アンインストール後の作業 

システムから Application Server を完全に削除するには、残っているすべての Application Server のログファイルとディレクトリを削除します。Application Server ディレクトリのデフォルトの場所: 

Solaris OS の場合: 

/opt/SUNWappserver

/opt/SUNWappserver/appserver or ApplicationServer-base

Linux の場合: 

/var/opt/sun/appserver

/opt/sun/appserver

Message Queue のアンインストール後の作業については、「Message Queue のアンインストール動作」を参照してください。

Calendar Server のアンインストール動作

表 9–4 Calendar Server のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データとユーザーデータ 

設定データとユーザーデータはアンインストール時には削除されず、以後のインストール時に上書きされます。 

Calendar Server のカスタマイズ情報はアンインストール時に削除されます。 

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

  • Directory Server

  • Access Manager (シングルサインオン (SSO) 用に設定されている場合、または Schema 2 を使用する場合)

  • Messaging Server (またはそのほかのメールサーバー、Calendar Server の電子メール通知サービスを使用する場合)

このインストールを必要とする製品 

  • Communications Express

アンインストール前の作業 

設定データやユーザーデータの再利用を予定している場合は、『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』に記載されている移行手順に従ってください。

アンインストール後の作業 

不要なログファイルと Calendar Server ディレクトリを削除します。 

Communications Express のアンインストール動作

表 9–5 Communications Express のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データとユーザーデータ 

すべての設定データ、ユーザーデータ、UI カスタマイゼーションは、アンインストール後も維持されます。 

Communications Express ファイルは 2 つの場所に保存されます。 

デフォルトのパッケージインストール: 

Solaris OS の場合: /opt/SUNWuwc

Linux の場合: /opt/sun/uwc

設定時にデフォルトで作成されるアプリケーション配備: 

Solaris OS の場合: /var/opt/SUNWuwc

Linux の場合: /var/opt/sun/uwc

Communications Express をアンインストールすると、アンインストーラはパッケージインストールの場所だけからデータを削除します。アプリケーション配備の場所にあるデータは、そのまま残されます。アプリケーション配備の場所からアプリケーションにアクセスすることができます。 

ただし、すべての設定データと UI カスタマイゼーションは再設定時に上書きされます。ユーザーデータは再設定後もそのまま維持されます。 

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

  • Application Server (Application Server の下で実行するように設定されている場合)

  • Web Server (Web Server の下で実行するように設定されている場合)

  • Access Manager (SSO を使用するように設定されている場合)

  • Directory Server

  • Calendar Server

  • Messaging Server

このインストールを必要とする製品 

なし 

アンインストール前の作業 

Communications Express の配備を解除します。『Sun Java System Communications Express 6.3 管理ガイド』の「Communications Express の配備解除」の節を参照してください。

アンインストール後の作業 

不要なログファイルと Communications Express ディレクトリを削除します。 

Delegated Administrator のアンインストール動作

表 9–6 Delegated Administrator のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データ 

設定データとユーザーデータはアンインストール時に削除されません。このデータは以降のインストール時に上書きされます。 

Delegated Administrator へのカスタマイズはアンインストール時に削除されます。 

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

  • Directory Server

  • Access Manager

  • 次のいずれかの Web コンテナ: Web Server または Application Server

このインストールを必要とする製品 

なし 

アンインストール前の作業 

設定データやユーザーデータの再利用を予定している場合は、『Sun Java System Delegated Administrator 6.4 管理ガイド』「既存の設定の保存」を参照してください。

Web コンテナの配備解除コマンドを使用して、Delegated Administrator Web アプリケーションの配備を解除します 

アンインストール後の作業 

不要なログファイルと Delegated Administrator ディレクトリを削除します。 

Directory Proxy Server のアンインストール動作

表 9–7 Directory Proxy Server のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データ 

アンインストールする Directory Proxy Server インスタンスの設定データは、アンインストール時に削除されます。 

Directory Proxy Server の複数のインスタンスで共有される設定データは、アンインストール後も残されます。 

Directory Proxy Server はユーザーデータを持ちません。 

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

Directory Proxy Server は、ローカルまたはリモートの Directory Server への論理依存関係を持ちます。 

このインストールを必要とする製品 

なし 

アンインストール前の作業 

なし 

アンインストール後の作業 

なし 

Directory Server のアンインストール動作

表 9–8 Directory Server のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データとユーザーデータ 

ユーザーデータをホストする Directory Server をアンインストールする場合、Directory Server の LDAP データベースはアンインストール時に削除されます。 

注意:データの損失を避けるために、アンインストール前に Directory Server 情報をバックアップする必要があります。Directory Server には、Directory Server をバックアップしたり、設定データを移行したりするためのツールやユーティリティーが、いくつか用意されています。詳細については、Directory Server のマニュアルを参照してください。

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

なし 

このインストールを必要とする製品 

  • Calendar Server

  • Access Manager

  • Instant Messaging

  • Messaging Server

  • Communications Express

アンインストール前の作業 

  • 必要に応じて、Directory Server LDAP データベースをバックアップします。

  • Directory Server インスタンスのパスを提供できることを確認します。

アンインストール後の作業 

アンインストール後に同じ場所に Directory Server をインストールする場合は、インストールディレクトリが存在していてはなりません。同じ場所に再インストールする場合は、インストールディレクトリとすべてのカスタム設定ファイルを事前に手動で削除しなければならない場合があります。 

Instant Messaging のアンインストール動作

表 9–9 Instant Messaging のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データとユーザーデータ 

設定データは、アンインストール後もすべて残されるため、以後のインストールで再利用できます。 

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

  • Directory Server

  • Access Manager SDK

  • Web コンテナ

このインストールを必要とする製品 

Portal Server (Instant Messaging チャネルを使用するように設定されている場合) 

アンインストール前の作業 

Web コンテナから Instant Messaging モジュールの配備を解除します。 

アンインストール後の作業 

なし 

Messaging Server のアンインストール動作

表 9–10 Messaging Server のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データとユーザーデータ 

すべての設定データとカスタマイズ情報はアンインストール後も残されるため、以後のインストールで再利用できます。デフォルトで、これには設定ファイル、ログ、MTA キュー、メッセージストア、およびそのほかの読み取り/書き込み作業ファイルなどが含まれます。 

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

  • Directory Server

  • Web Server (フィルタなどのメール機能用)

  • Access Manager (Schema 2 を使用している場合)

  • Message Queue

このインストールを必要とする製品 

  • Calendar Server

  • Portal Server (メッセージングチャネルを使用するように設定されている場合)

  • Communications Express (メッセージングを使用している場合)

アンインストール前の作業 

なし 

アンインストール後の作業 

状況によっては、「Messaging Server のアンインストール後の作業」に記載されているアンインストール後作業が必要になる場合があります。

Message Queue のアンインストール動作

表 9–11 Message Queue のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データ 

インスタンスに固有の設定データ、ユーザーリポジトリ、およびアクセス制御ファイルはアンインストール後も残され、以後の再インストール時に再利用できます。 

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

Directory Server (オプション) 

このインストールを必要とする製品 

Application Server (Message Queue と同じホストに格納する必要がある) 

Messaging Server 

アンインストール前の作業 

  • 実行しているすべてのブローカを停止します。ユーザー名 (管理者) とパスワードの入力が求められます。imqcmd shutdown bkr [ -b hostName:port]

  • Message Queue の再インストールを予定しておらず、各ブローカインスタンスに関連するダイナミックデータ、フラットファイルユーザーリポジトリ、アクセス制御ファイルを削除する場合は、次のコマンドを使用してこのデータを削除します。 imqbrokerd -name instanceName -remove instance

  • Message Queue アップグレードスクリプトを使用して Message Queue をアップグレードする場合には、使用するプロセスを書き留めておいてください。アップグレードスクリプトがインストール情報を Communications Suite レジストリに書き込まないからです。詳細については、『Sun Java Enterprise System 5 アップグレードガイド (UNIX 版)』を参照してください。

アンインストール後の作業 

Message Queue の再インストールを予定していない場合は、製品コンポーネントのマニュアルで説明されているコマンドを実行してシステムをクリーンアップします。 

Monitoring Console のアンインストール動作

Monitoring Console のアンインストール動作については、『Sun Java Enterprise System 5 インストールガイド (UNIX 版)』を参照してください。

Sun Cluster ソフトウェアと Sun Cluster Geographic Edition のアンインストール動作

表 9–12 Sun Cluster と Sun Cluster Geographic Edition のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データ 

インストールされてはいるが、クラスタノードの設定に一度も使用されていない Sun Cluster ソフトウェアを除き、Sun Cluster ソフトウェアの削除には アンインストーラを使用しません。詳細については、「Sun Cluster ソフトウェアのアンインストール」を参照してください。

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

Sun Cluster コアと Sun Cluster のエージェントは一緒に削除する必要があります。 

Sun Cluster Geographic Edition コンポーネントが含まれるすべてのホストで、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアを削除する必要があります。詳細については、『Sun Cluster Geographic Edition Installation Guide』の第 5 章「Uninstalling the Sun Cluster Geographic Edition Software」を参照してください。

このインストールを必要とする製品 

なし 

アンインストール前の作業 

Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールには、Sun Cluster のインストール時に提供されるユーティリティーだけを使用します。Sun Cluster ソフトウェアを削除する前に、Sun Cluster Geographic Edition を削除する必要があります。 

アンインストール後の作業 

Sun Cluster ソフトウェアのアンインストール後に、productregistry ファイルのアップデートが必要になる場合があります。詳細については、「Sun Cluster ソフトウェアのアンインストール」を参照してください。

Web Proxy Server のアンインストール動作

表 9–13 Web Proxy Server のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データ 

インストール場所の下にある alias ディレクトリ内の証明書データベースファイルのみが維持されます。その他のファイルはすべて削除されます。 

依存性 

Directory Server (省略可能。外部 LDAP アクセス制御が選択された場合) 

アンインストール前の作業 

Web Proxy Server のすべてのインスタンスを停止します。 

アンインストール後の作業 

WebProxyServer-base/alias ディレクトリの下に証明書データベースが保存されています。再インストールを実行する前に、この証明書データベースを移動し、古いインストールディレクトリを削除する必要があります。

Web Server のアンインストール動作

表 9–14 Web Server のアンインストールの詳細

トピック 

詳細 

設定データとユーザーデータ 

  • アンインストール時に、ユーザーデータは削除されませんが、設定データは削除されます。

  • Web Server の管理サーバーインスタンスと設定済みの Web Server インスタンスディレクトリは、削除されます。初期設定によるドキュメントルートディレクトリは維持されます。

  • Web Server 管理サーバーインスタンスと Web Server インスタンスは、アンインストールが完了する前に停止されます。

このコンポーネントに必要なその他のインストール 

なし 

このインストールを必要とする製品 

Web コンテナとして Web Server を使用するように設定できるコンポーネント: Access Manager、Communications Express、Delegated Administrator、および Instant Messaging。さらに、Application Server ロードバランスプラグイン (Application Server が Web コンテナとして Web Server を使用する場合)。 

アンインストール前の作業 

Web コンテナの管理者パスワードを入力できることを確認します。 

アンインストール後の作業 

設定データを維持する場合は、インストールディレクトリ内の管理サーバーインスタンスと Web Server インスタンスのディレクトリのバックアップを行います。 

アンインストール後に同じ場所に Web Server をインストールする場合は、インストールディレクトリが存在していてはなりません。同じ場所に再インストールする場合は、インストールディレクトリとすべてのカスタム設定ファイルを事前に手動で削除しなければならない場合があります。