アンインストーラを使用する場合は、データが紛失したり相互依存関係が消失したりしないように、事前にインストール状況を調査して、作業手順の計画を立てる必要があります。各種製品コンポーネントをアンインストールしたときに、残るコンポーネントがどのように動作するかを理解しておくことは重要です。
ここで説明する内容は、次のとおりです。
各ホストにすでにインストールされている製品コンポーネントソフトウェアを確認するには、次のいずれかの手順を実行します。
root として、アンインストーラが格納されているディレクトリに移動します。
Solaris OS の場合: /var/sadm/prod/SUNWcomm-entsys5
Linux の場合: /var/sadm/prod/sun-comm-entsys5
ローカルシステムを調査するために、ソフトウェアをアンインストールしない設定でアンインストーラを実行します。
グラフィカルモードの場合:
./uninstall -no |
テキストベースモードの場合:
./uninstall -no -nodisplay |
uninstall コマンドの完全な構文については、「uninstall コマンド」を参照してください。
インストールされている製品のリストが表示されるまでアンインストーラのページを切り替えます。
インストールされている製品コンポーネントのリストを確認したら、アンインストーラを終了します。
ソフトウェアのアンインストールは行われません。
prodreg ユーティリティーを使用して、Communications Suite 製品コンポーネントを含む、システムにインストールされているすべてのパッケージに関する情報を表示することができます。
この情報は、製品コンポーネントの依存関係を調べる場合に便利です。また、prodreg ユーティリティーは、インストールが不完全で、特別な処理が必要なパッケージも示します。Solaris 10 および Solaris 9 オペレーティングシステムでは、次のユーティリティーを実行します。
prodreg
詳細については、prodreg のマニュアルページを参照してください。
以下の中から関係のある表を調べて、アンインストーラが各 Communications Suite 製品コンポーネントに対して行う内容を確認してください。さらに、作業手順の計画を立てて、データが紛失したり相互依存関係が消失したりすることがないようにします。
場合によっては、コンポーネントファイルがアンインストール後も残り、それが原因でそれ以降のインストールが失敗することがあります。この場合は、解決の指針として、「アンインストール時に残されたファイルによるインストールの失敗」を参照してください。
ここで説明する内容は、次のとおりです。
トピック |
詳細 |
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設定データとユーザーデータ |
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このコンポーネントに必要なその他のインストール |
同一システム上に Message Queue が必要です。 |
このインストールを必要とする製品 |
Web コンテナとして Application Server を使用するように設定されたコンポーネント: Access Manager、Communications Express、Delegated Administrator、Instant Messaging。 |
アンインストール前の作業 |
設定データを保存するために、管理ドメインディレクトリのコピーを作成します。 |
アンインストール後の作業 |
システムから Application Server を完全に削除するには、残っているすべての Application Server のログファイルとディレクトリを削除します。Application Server ディレクトリのデフォルトの場所: Solaris OS の場合: /opt/SUNWappserver /opt/SUNWappserver/appserver or ApplicationServer-base Linux の場合: /var/opt/sun/appserver /opt/sun/appserver Message Queue のアンインストール後の作業については、「Message Queue のアンインストール動作」を参照してください。 |
トピック |
詳細 |
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設定データとユーザーデータ |
設定データとユーザーデータはアンインストール時には削除されず、以後のインストール時に上書きされます。 Calendar Server のカスタマイズ情報はアンインストール時に削除されます。 |
このコンポーネントに必要なその他のインストール |
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このインストールを必要とする製品 |
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アンインストール前の作業 |
設定データやユーザーデータの再利用を予定している場合は、『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』に記載されている移行手順に従ってください。 |
アンインストール後の作業 |
不要なログファイルと Calendar Server ディレクトリを削除します。 |
トピック |
詳細 |
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設定データとユーザーデータ |
すべての設定データ、ユーザーデータ、UI カスタマイゼーションは、アンインストール後も維持されます。 Communications Express ファイルは 2 つの場所に保存されます。 デフォルトのパッケージインストール: Solaris OS の場合: /opt/SUNWuwc Linux の場合: /opt/sun/uwc 設定時にデフォルトで作成されるアプリケーション配備: Solaris OS の場合: /var/opt/SUNWuwc Linux の場合: /var/opt/sun/uwc Communications Express をアンインストールすると、アンインストーラはパッケージインストールの場所だけからデータを削除します。アプリケーション配備の場所にあるデータは、そのまま残されます。アプリケーション配備の場所からアプリケーションにアクセスすることができます。 ただし、すべての設定データと UI カスタマイゼーションは再設定時に上書きされます。ユーザーデータは再設定後もそのまま維持されます。 |
このコンポーネントに必要なその他のインストール |
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このインストールを必要とする製品 |
なし |
アンインストール前の作業 |
Communications Express の配備を解除します。『Sun Java System Communications Express 6.3 管理ガイド』の「Communications Express の配備解除」の節を参照してください。 |
アンインストール後の作業 |
不要なログファイルと Communications Express ディレクトリを削除します。 |
トピック |
詳細 |
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設定データ |
設定データとユーザーデータはアンインストール時に削除されません。このデータは以降のインストール時に上書きされます。 Delegated Administrator へのカスタマイズはアンインストール時に削除されます。 |
このコンポーネントに必要なその他のインストール |
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このインストールを必要とする製品 |
なし |
アンインストール前の作業 |
設定データやユーザーデータの再利用を予定している場合は、『Sun Java System Delegated Administrator 6.4 管理ガイド』の「既存の設定の保存」を参照してください。 Web コンテナの配備解除コマンドを使用して、Delegated Administrator Web アプリケーションの配備を解除します |
アンインストール後の作業 |
不要なログファイルと Delegated Administrator ディレクトリを削除します。 |
トピック |
詳細 |
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設定データ |
アンインストールする Directory Proxy Server インスタンスの設定データは、アンインストール時に削除されます。 Directory Proxy Server の複数のインスタンスで共有される設定データは、アンインストール後も残されます。 Directory Proxy Server はユーザーデータを持ちません。 |
このコンポーネントに必要なその他のインストール |
Directory Proxy Server は、ローカルまたはリモートの Directory Server への論理依存関係を持ちます。 |
このインストールを必要とする製品 |
なし |
アンインストール前の作業 |
なし |
アンインストール後の作業 |
なし |
トピック |
詳細 |
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設定データとユーザーデータ |
すべての設定データとカスタマイズ情報はアンインストール後も残されるため、以後のインストールで再利用できます。デフォルトで、これには設定ファイル、ログ、MTA キュー、メッセージストア、およびそのほかの読み取り/書き込み作業ファイルなどが含まれます。 |
このコンポーネントに必要なその他のインストール |
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このインストールを必要とする製品 |
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アンインストール前の作業 |
なし |
アンインストール後の作業 |
状況によっては、「Messaging Server のアンインストール後の作業」に記載されているアンインストール後作業が必要になる場合があります。 |
トピック |
詳細 |
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設定データ |
インスタンスに固有の設定データ、ユーザーリポジトリ、およびアクセス制御ファイルはアンインストール後も残され、以後の再インストール時に再利用できます。 |
このコンポーネントに必要なその他のインストール |
Directory Server (オプション) |
このインストールを必要とする製品 |
Application Server (Message Queue と同じホストに格納する必要がある) Messaging Server |
アンインストール前の作業 |
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アンインストール後の作業 |
Message Queue の再インストールを予定していない場合は、製品コンポーネントのマニュアルで説明されているコマンドを実行してシステムをクリーンアップします。 |
Monitoring Console のアンインストール動作については、『Sun Java Enterprise System 5 インストールガイド (UNIX 版)』を参照してください。
トピック |
詳細 |
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設定データ |
インストールされてはいるが、クラスタノードの設定に一度も使用されていない Sun Cluster ソフトウェアを除き、Sun Cluster ソフトウェアの削除には アンインストーラを使用しません。詳細については、「Sun Cluster ソフトウェアのアンインストール」を参照してください。 |
このコンポーネントに必要なその他のインストール |
Sun Cluster コアと Sun Cluster のエージェントは一緒に削除する必要があります。 Sun Cluster Geographic Edition コンポーネントが含まれるすべてのホストで、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアを削除する必要があります。詳細については、『Sun Cluster Geographic Edition Installation Guide』の第 5 章「Uninstalling the Sun Cluster Geographic Edition Software」を参照してください。 |
このインストールを必要とする製品 |
なし |
アンインストール前の作業 |
Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールには、Sun Cluster のインストール時に提供されるユーティリティーだけを使用します。Sun Cluster ソフトウェアを削除する前に、Sun Cluster Geographic Edition を削除する必要があります。 |
アンインストール後の作業 |
Sun Cluster ソフトウェアのアンインストール後に、productregistry ファイルのアップデートが必要になる場合があります。詳細については、「Sun Cluster ソフトウェアのアンインストール」を参照してください。 |
トピック |
詳細 |
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設定データ |
インストール場所の下にある alias ディレクトリ内の証明書データベースファイルのみが維持されます。その他のファイルはすべて削除されます。 |
依存性 |
Directory Server (省略可能。外部 LDAP アクセス制御が選択された場合) |
アンインストール前の作業 |
Web Proxy Server のすべてのインスタンスを停止します。 |
アンインストール後の作業 |
WebProxyServer-base/alias ディレクトリの下に証明書データベースが保存されています。再インストールを実行する前に、この証明書データベースを移動し、古いインストールディレクトリを削除する必要があります。 |
アンインストール対象として選択した製品コンポーネントによっては、Access Manager および Directory Server への管理者アクセス権をアンインストーラに付与する必要があります。
Application Server 上の Access Manager Web アプリケーションの配備を取り消し、Access Manager スキーマを削除するには、Access Manager の管理者アクセス権が必要です。
アンインストール時に設定ディレクトリを管理する必要がある場合は、Directory Server の管理者アクセス権が必要です。
次の表は、管理者アクセス権を付与するためにアンインストーラが必要とする情報を示しています。各表の左の列は、指定が必要な情報のグラフィカルモードのラベルと状態ファイルのパラメータを示します。右の列は、その説明です。
表 9–15 必要な管理情報
ラベルと状態ファイルのパラメータ |
説明 |
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Access Manager | |
管理者ユーザー ID IS_IAS81_ADMIN |
Application Server 管理者のユーザー ID。 |
管理者パスワード IS_IAS81_ADMINPASSWD |
Application Server 管理者のパスワード。 |
Directory Manager DN IS_DIRMGRDN |
Directory Server に対して無制限のアクセス権を持つユーザーの識別名 (DN)。 デフォルト値は cn=Directory Manager です。 |
ディレクトリマネージャーパスワード IS_DIRMGRPASSWD |
ディレクトリマネージャーのパスワード。 |
Directory Server | |
管理者ユーザー ID CONFIG_DIR_ADM_USER |
設定ディレクトリに対して管理者権限を持つユーザー。このユーザーは、サフィックスの作成や削除など、Directory Server の設定を変更できます。アクセス制御の制約を受けます。 |
管理者パスワード CONFIG_DIR_ADM_PASSWD |
管理者のパスワード。 |