ClamAV オプションファイルは、option=value という形式の行で構成されている、典型的なメッセージングサーバー形式のオプションファイルです。必須のオプションの 1 つが HOST です。clamd が稼働しているシステムの名前を設定する必要があります。clamd がローカルホストで動作していても、このオプションを設定する必要があります。
このオプションファイルで利用可能なその他のオプションの詳細を次に示します。
表 14–8 ClamAV オプション
オプション |
説明 |
デフォルト |
|
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DEBUG |
ClamAV インタフェースモジュールからのデバッグ出力を有効または無効にします。clamd 自体からのデバッグ出力は、 clamd コマンド行のオプションによって制御されます。値を大きくすると、生成されるデバッグ出力が増加します。0 は出力を生成しません。1 は基本的なデバッグを行います。2 は、clamd からの TCP トラフィックをログに記録します。 |
0 |
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FIELD |
ClamAV 結果文字列のプレフィックスを指定します。ClamAV 結果文字列は、一般に次のいずれかのようになります。
FIELD オプションは、結果の Virus-Test 部分の変更方法を提供します。": " も、空の FIELD 値が指定された場合は削除されます。 |
“Virus-Test” |
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MESSAGE_BUFFER_SIZE |
clamdscan/clamd インタフェースの性質上、ClamAV プラグインは ClamAV にメッセージを送信する前に、メッセージをメモリーにバッファーする必要があります。メモリーバッファーのサイズは、このオプションで制御します。デフォルトは 1,048,576 文字です。これよりも長いメッセージは切り詰められるため、メッセージは完全な形で ClamAV に送信されません。各メッセージの全体がスキャンされるようにするため、この値は、MTA で受け入れられる最大メッセージサイズを考慮するようにしてください。この値を小さくすると、ウイルススキャンにかかる時間を短くすることができる場合もありますが、ウイルスを見逃してしまう可能性もあります。 |
1048576 |
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MODE |
ClamAV の結果から判定情報への変換を制御します。4 種類のモードを利用できます。 0 - メッセージにウイルスが含まれていることが検出された場合は、VERDICT オプションで指定された判定文字列を返します。そうでない場合は、デフォルトの判定を返します。VERDICT オプションが空か未指定の場合は、NULL の判定が返されます。 1 - メッセージにウイルスが含まれていることが判明した場合は、ClamAV の結果を判定として返します。そうでない場合は、デフォルトの判定を返します。 2 - ClamAV 結果文字列を無条件に返します。デフォルト判定または NULL 判定が返されることはなく、VERDICT オプションが使用されることはありません。 3 - メッセージにウイルスが含まれていると判明した場合は ClamAV の結果文字列を返します。ウイルスが含まれていない場合は VERDICT オプションで指定された判定文字列を返します。 |
0 |
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PORT |
clamd が稼働しているポートを指定します。 |
3310 |
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SOCKS_HOST |
中間にある SOCKS サーバーの名前を指定します。このオプションが指定されている場合、指定された SOCKS サーバーを介して clamd 接続が確立され、直接には接続されません。 |
3310 |
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SOCKS_PORT |
中間にある SOCKS サーバーが動作しているポートを指定します。 |
1080 |
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SOCKS_PASSWORD |
SOCKS サーバーを介した接続を確立するために使用するパスワードを指定します。ユーザー名およびパスワードが必要かどうかは、SOCKS サーバーの設定によって異なります。 |
"" |
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SOCKS_USERNAME |
SOCKS サーバーを介した接続を確立するために使用するユーザー名を指定します。 |
"" |
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VERDICT |
MODE 0 および 3 で使用される判定文字列を指定します。 |
"" |