Messaging Server は、Legato Networker のようなサードパーティー製のバックアップツールへのインタフェースを提供する、バックアップ API を装備しています。物理的なメッセージストア構造とデータ形式は、バックアップ API の中にカプセル化されています。バックアップ API はメッセージストアと直接対話します。さらに、バックアップサービスに対してメッセージストアの論理ビューを提示します。バックアップサービスは、メッセージストアの概念表現を使用して、バックアップオブジェクトの保存や検索を行います。
Messaging Server は Application Specific Module (ASM) を提供しています。これは、Legato Networker の save および recover コマンドによって呼び出され、メッセージストアのデータのバックアップと復元を行います。さらに ASM は、Messaging Server の imsbackup および imsrestore ユーティリティーを呼び出します。
この節では、Messaging Server のメッセージストアで Legato Networker を使用する方法についての情報を提供します。Legato Networker インタフェースについて理解するには、Legato のマニュアルを参照してください。
/usr/lib/nsr/imsasm から msg-srv-base/lib/msg/imsasm へのシンボリックリンクを作成します。
Sun または Legato から nsrfile バイナリのコピーを取得して、それを次のディレクトリにコピーします。
/usr/bin/nsr
これは、古いバージョンの Networker (5.x) を使用している場合にのみ必須です。Networker 6.0 以上では、nsrfile は自動的に /usr/bin/nsr の下にインストールされます。
ユーザーをグループ別にバックアップする必要がある場合は、次の手順を実行します。
「20.12.2 バックアップグループを作成する」の説明に従って、バックアップグループファイルを作成します。
設定を確認するために、mkbackupdir.sh. を実行します。
mkbackupdir.sh によって作成されたディレクトリ構造を確認してください。その構造は、表 20–4 に示されているようになっている必要があります。
backup-groups.conf ファイルを指定していないと、バックアッププロセスはすべてのユーザーに対して、デフォルトのバックアップグループ ALL を使用します。
ディレクトリ /nsr/res/ で、保存グループ用に res ファイルを作成して、バックアップの前に mkbackupdir.sh スクリプトを呼び出します。表 20–4 に示した例を参照してください。
Legato Networker の旧バージョンでは、保存設定の名前には最高 64 文字まで使用できます。このディレクトリ名とメールボックスの論理名を合わせたもの (たとえば /primary/groupA/fred) が 64 文字を超えた場合、mkbackupdir.sh -p を実行する必要があります。このため、mkbackupdir.sh の -p オプションの短いパス名を使用してください。たとえば、次のコマンドでは /backup ディレクトリの下にバックアップイメージが作成されます。
mkbackupdir.sh -p /backup
重要: バックアップディレクトリは、メッセージストアの所有者による書き込みが可能でなければなりません (例: mailsrv)。
表 20–6 には、バックアップグループのディレクトリ構造の例が示されています。
/backup/primary/groupA/amy /bob /carly /groupB/mary /nancy /zelda /groupC/123go /1bill /354hut |
次の例に、res ファイルのサンプルとして、/nsr/res ディレクトリにある IMS.res という名前のファイルを示します。
type: savepnpc; precmd: "echo mkbackupdir started", "/usr/siroe/server5/msg-siroe/bin/mkbackupdir.sh -p /backup"; pstcmd: "echo imsbackup Completed"; timeout: "12:00 pm"; |
ここまでの準備が完了したら、次の手順に従って Legato Networker インタフェースを実行します。
必要に応じて Messaging Server 保存グループを作成します。
バックアップコマンドとして savepnpc を使用して、バックアップクライアントを作成します。
mkbackupdir によって作成されるディレクトリに対して保存設定を行います。
単一セッションのバックアップには、/backup を使用します。
同時バックアップには、/backup/server/group を使用します。
「20.12.2 バックアップグループを作成する」の定義に従って group があらかじめ作成されていることを確認します。
また、同時実行するバックアップセッションの数も設定する必要があります。
詳細については、「Legato Networker を使用してデータをバックアップする」を参照してください。
Group Control | Start の順に選択して、バックアップ設定のテストを行います。
例: Networker でバックアップクライアントを作成する
Networker でバックアップクライアントを作成するには、nwadmin から、Client | Client Setup | Create の順に選択します。
Name: siroe Group: IMS Savesets:/backup/primary/groupA /backup/secondary/groupB /backup/tertiary/groupC . . Backup Command:savepnpc Parallelism: 4 |
データの回復は、Legato Networker の nwrecover インタフェースまたは recover コマンド行ユーティリティーを使用して実行できます。次の例では、ユーザー a1 の INBOX を回復しています。
recover -a -f -s siroe /backup/siroe/groupA/a1/INBOX
次の例では、メッセージストア全体を回復しています。
recover -a -f -s siroe /backup/siroe