Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド

4.4 サービスを起動および停止する

サービスを起動および停止する方法は、そのサービスが HA 環境にインストールされているかどうかによって異なります。

4.4.1 HA 環境でサービスを起動および停止する

Messaging Server を HA 制御下で実行している場合は、個々の Messaging Server サービスを制御するための通常の Messaging Server コマンド (起動、再起動、停止) を使用することはできません。HA 配備で stop-msg を試みると、HA 設定が検出されたという警告と適切なシステムの停止方法が示されます。

次の表に、適切な起動、停止、再起動のコマンドを示します。ほかの Messaging Server サービス (たとえば SMTP) を個別に起動、再起動、停止するための特定の HA コマンドはないことに注意してください。ただし、stop-msg service コマンドを実行して、imappopsched などの個々のサーバーを停止または再起動することはできます。

Sun Cluster の最小単位は、個々のリソースです。Messaging Server は Sun Cluster でリソースとして認識されるため、scswitch コマンドがすべての Messaging Server サービスに影響を及ぼします。

表 4–2 Sun Cluster 3.0/3.1 環境での起動、停止、再起動

動作 

個々のリソース 

リソースグループ全体 

起動 

scswitch -e -j resource

sscswitch -Z -g resource_group

再起動 


scswitch -n -j resource
scswitch -e -j resource

scswitch -R -g resource_group

停止 

scswitch -n -j resource

scswitch -F -g resource_group

表 4–3 Veritas 1.3、2.0、2.1、および 3.5 環境での起動、停止、再起動

動作 

個々のリソース 

リソースグループ全体 

起動 

hares -online resource -sys system

hagrp -online group -sys system

再起動 


hares -offline resource -sys system
hares -online resource -sys system

hagrp -offline group -sys system
hagrp -online group -sys system

停止 

hares -offline resource -sys system

hagrp -offline group -sys system

4.4.2 HA 環境以外でサービスを起動および停止する

コマンド行からサービスを起動または停止するには、コマンド msg-svr-base/sbin/start-msg および msg-svr-base/sbin/stop-msg を使用します。コマンド テンプレート msg-svr-base /sbin/stop-msg service (サービスは smtpimappopstorehttpens または sched) を使用して個別にサービスを起動および停止することは可能ですが、このマニュアルで説明している特定のタスクを除いては推奨されません。特定のサービスは別のサービスに依存しているため、所定の順序で起動する必要があります。サービスを単独で起動しようとすると、面倒な問題が生じる可能性があります。そのため、start-msg コマンドおよび stop-msg コマンドを使用して、すべてのサービスを同時に起動および停止するようにしてください。


注 –

POP、IMAP、HTTP などの各サービスを起動または停止するには、まずそれらを使用可能な状態にする必要があります。詳細は、「5.1.1 サービスの有効化と無効化」を参照してください。


重要: サーバープロセスがクラッシュすると、ほかのプロセスがハングアップする可能性があります。これは、それらのプロセスが、クラッシュしたサーバープロセスによって保持されていたロックを待機しているためです。自動再起動 (「4.5 障害が発生したサービスや応答がないサービスの自動再起動」を参照) を使用していない場合で、サーバープロセスがクラッシュした場合は、すべてのプロセスを停止し、再起動するようにしてください。これには、POP、IMAP、HTTP、MTA の各プロセス、stored (メッセージストア) プロセス、およびメッセージストアを変更するすべてのユーティリティーが含まれます。このユーティリティーには、mboxutildeliverreconstructreadershipupgrade などがあります。

Procedureメッセージングサービスの起動、シャットダウン、またはステータスの表示を行う

繰り返しますが、このマニュアルの各所で説明されている特定のタスクを除き、個々のサービスをシャットダウンすることは推奨されません。特定のサービスは別のサービスに依存しているため、所定の順序で起動する必要があります。サービスを単独で起動しようとすると、面倒な問題が生じる可能性があります。そのため、start-msg コマンドおよび stop-msg コマンドを使用して、すべてのサービスを同時に起動および停止するようにしてください。

  1. 任意のメッセージングサービスを起動または停止するには、start-msg コマンドおよび stop-msg コマンドを使用します。例:

    msg-svr-base/sbin/start-msg imap

    msg-svr-base/sbin/stop-msg pop

    msg-svr-base/sbin/stop-msg sched

    msg-svr-base/sbin/stop-msg smtp

    サービスを停止または起動するには、サービスが有効になっている必要があります。「4.4.2.1 起動できるサービスを指定する」を参照してください。


    注 –

    start-msg smtp および stop-msg コマンドを実行すると、SMTP サーバーだけでなく、すべての MTA サービスが起動または停止します。特定の MTA サービスだけを起動または停止する場合は、ディスパッチャーおよびジョブコントローラに対して start/stop msg コマンドを使用します。詳細は、『Sun Java System Messaging Server 6.3 Administration Reference』「start-msg」および 『Sun Java System Messaging Server 6.3 Administration Reference』「stop-msg」を参照してください。


4.4.2.1 起動できるサービスを指定する

デフォルトでは、start-msg を使って次のサービスが起動されます。


#./start-msg
Connecting to watcher ...
Launching watcher ...
Starting ens server .... 21132
Starting store server .... 21133
checking store server status ... ready
Starting imap server .... 21135
Starting pop server .... 21138
Starting http server .... 21141
Starting sched server .... 21143
Starting dispatcher server .... 21144
Starting job_controller server .... 21146

これらのサービスは、次の configutil パラメータを有効化または無効化することによって制御できます。service.imap.enableservice.pop.enableservice.http.enablelocal.smsgateway.enablelocal.snmp.enablelocal.imta.enablelocal.mmp.enablelocal.ens.enable、および local.sched.enable。IMAP を無効にするには、service.imap.enableservice.imap.enablesslport の両方を 0 に設定する必要があります。POP および HTTP の場合も同様です。これらのパラメータの機能の詳細については、『Sun Java System Messaging Server 6.3 Administration Reference』「configutil Parameters」を参照してください。