Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド

5.1 全般的な設定

Messaging Server の POP、IMAP、および HTTP サービスの全般的な機能の設定には、サービスの有効無効の指定、ポート番号の割り当て、および接続するクライアントへ送信されるサービスバナーの修正 (省略可) が含まれます。この節では、そのための基礎的な情報を提供します。これらの設定を行う手順については、「5.5 POP サービスを設定する」「5.6 IMAP サービスを設定する」、および 「5.7 HTTP サービスを設定する」を参照してください。

5.1.1 サービスの有効化と無効化

Messaging Server の特定のインスタンスがその POP、IMAP、または HTTP サービスを使用できるようにするかどうかを制御することができます。これは、サービスの開始や停止と同じではありません (「4.4 サービスを起動および停止する」を参照)。POP、IMAP、または HTTP が機能するには、有効化されていることと開始されていることの両方が必要です。

サービスの有効化は、サービスの開始や停止よりも「グローバルな」処理です。たとえば、有効にする設定はシステムを再起動しても持続されますが、前に「停止」したサービスは再起動後に再び開始する必要があります。

使用する予定がないサービスは有効にする必要はありません。たとえば、Messaging Server インスタンスをメッセージ転送エージェント (MTA) としてのみ使用する場合、POP、IMAP、および HTTP は無効にする必要があります。POP サービス用にのみ使用する場合、IMAP と HTTP を無効にする必要があります。Web ベースの電子メール用にのみ使用する場合、POP と IMAP を無効にする必要があります。

サービスの有効化と無効化は、サーバーレベルで行うことができます。この処理はこの章で説明されています。また、「4.4.2.1 起動できるサービスを指定する」でも説明されています。特定の LDAP 属性 mailAllowedServiceAccess を設定することにより、ユーザーレベルでサービスの有効化と無効化を行うことができます。

5.1.2 ポート番号を指定する

各サービスに対して、サーバーがサービスの接続に使用するポート番号を指定することができます。

たとえば 1 つのホストマシンに複数の IMAP サーバーインスタンスがある場合や、同じホストマシンを IMAP サーバーおよび Messaging Multiplexor サーバーとして使用している場合は、デフォルト以外のポート番号を指定する必要があります。Multiplexor については、第 7 章「マルチプレクササービスの設定および管理」を参照してください。

ポート番号を指定する際には、次の点に注意してください。

5.1.3 暗号化通信用のポート

Messaging Server は、SSL (Secure Socket Layer) プロトコルを使用することにより、IMAP、POP、および HTTP クライアントの暗号化通信をサポートします。Messaging Server の SSL サポートの一般情報については、「23.5 暗号化と証明書に基づく認証を構成する」を参照してください。

5.1.3.1 SSL を使用した IMAP

「SSL を使用した IMAP」のデフォルト (推奨) ポート番号 (993) を使用するか、または「SSL を使用した IMAP」に別のポートを指定することができます。

現在の IMAP クライアントの多くが個別の IMAP ポートおよび SSL を使用した IMAP ポートを必要としているため、Messaging Server ではオプションとしてそれぞれに個別のポートを使用できます。最近では、同じポートによる IMAP および「SSL を使用した IMAP」の通信が新たな標準となってきています。お使いの Messaging Server に SSL の証明書 (「23.5.1 証明書の入手」を参照) がインストールされていれば、同じポートを使って IMAP および「SSL を使用した IMAP」の通信を行うことができます。

5.1.3.2 SSL を使用した POP

POP 用の個別 SSL ポートは、デフォルトでは 995 です。STLS コマンドを使用して、通常の POP ポートで SSL を開始することもできます (「5.5 POP サービスを設定する」を参照)。

5.1.3.3 SSL を使用した HTTP

「SSL を使用した HTTP」のデフォルトポート番号 (443) を使用するか、または HTTPS に別のポートを指定することができます。

5.1.4 サービスバナー

クライアントがはじめて Messaging Server の POP または IMAP のポートに接続すると、サーバーがクライアントに確認用のテキスト文字列を送信します。このサービスバナー (通常、クライアントのユーザーには表示されない) は、サーバーが Sun Java System Messaging Server であることを証明するもので、そこにはサーバーのバージョン番号が表示されます。一般に、このバナーはクライアントのデバッグまたは問題をつきとめるために使用されます。

接続中のクライアントにほかのメッセージを送信する場合、POP または IMAP サービスのデフォルトのバナーを変更できます。

サービスバナーを設定するには、configutil ユーティリティー (service.imap.bannerservice.pop.banner) を使用します。configutil の構文の詳細については、『Sun Java System Messaging Server 6.3 Administration Reference 』を参照してください。