POP、IMAP、または HTTP サービスが同時に持てるクライアント接続の数が多いほど、クライアントにとって有利になります。空いている接続がないためにクライアントがサービスにアクセスできない場合、別のクライアントが接続を切断するまで待たなければなりません。
その一方で、各オープン接続がそれぞれメモリーリソースを消費し、サーバーマシンの入出力サブシステムに負担をかけるため、実際にサーバーがサポートできる同時セッションの数には限界があります。サーバーのメモリーを増やすか入出力を拡大すれば、制限枠を上げることができます。
IMAP、HTTP、および POP には、それぞれ以下のような違いがあります。
IMAP 接続は、POP や HTTP 接続に比べ、一般的に長く維持できます。メッセージをダウンロードするためにユーザーが IMAP に接続すると、接続は通常ユーザーが終了するか、タイムアウトになるまで維持されます。これに対し、POP 接続や HTTP 接続は、通常 POP または HTTP 要求が満たされるとすぐに閉じられます。
一般に、IMAP と HTTP 接続は、POP 接続に比べて非常に効率的です。POP 接続の場合は、再接続するたびにユーザーの認証を必要とします。これに対し、IMAP 接続の場合は認証が必要なのは 1 回のみで、IMAP セッション (ログインからログアウトまで) が終わるまで接続が維持されます。HTTP 接続は短いですが、1 回の HTTP セッション (ログインからログアウトまで) で複数の接続が許可されているのでユーザーは接続するたびに再び認証を行う必要はありません。そのため POP 接続は、IMAP や HTTP 接続よりも大幅なパフォーマンスオーバーヘッドを生じさせます。Messaging Server は、オープン IMAP 接続 (ただし、アイドル接続) と複数の HTTP 接続によって、オーバーヘッドを減らすように設計されています。
HTTP セッションのセキュリティーの詳細については、「23.2 HTTP のセキュリティーについて」を参照してください。
したがって、所定の時間とユーザーの要求により、Messaging Server はオープン IMAP 接続または HTTP 接続を POP 接続よりも多くサポートできる場合があります。
プロセス当たりの接続数は、IMAP のデフォルトが 4000、HTTP のデフォルトが 6000、POP のデフォルトが 600 です。これらの値は、一般的な設定のサーバーマシンが処理できる要求とほぼ同等です。用途によっては最適とされる設定が異なることがあるため、これらのデフォルト値はあくまでも一般的なガイドラインとして参考にしてください。
通常、アクティブな POP 接続では、サーバーリソースと帯域幅について、アクティブな IMAP 接続よりもはるかに厳しい要件が求められます。これは、POP 接続が継続的にメッセージをダウンロードしている間、IMAP 接続はほとんどずっとアイドル状態だからです。POP のセッション数は、少なくすることをお勧めします。逆に言えば、POP 接続は電子メールのダウンロードに要する時間しか継続しないため、アクティブな POP ユーザーはその時間のほんの数パーセントしか接続できません。これに対し、IMAP 接続は一連のメールチェックの間ずっと接続状態です。