Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド

20.11.2 メールボックスを管理する

この節では、メールボックスの管理および監視を行う次のユーティリティーについて説明します。 mboxutilhashdirreadership

20.11.2.1 mboxutil ユーティリティー

メールボックスの一般的な保守タスクを実行する場合は、mboxutil コマンドを使用します。mboxutil で実行できるタスクは次のとおりです。


注 –

mboxutil プロセスを実行途中で強制終了しないでください。SIGKILL (kill -9) で強制終了すると、各サーバーを再起動し、回復処理を行わなければならないことがあります。


構文の詳細と使用の要件については、『Sun Java System Messaging Server 6.3 Administration Reference』「mboxutil」を参照してください。

全ユーザーの全メールボックスを一覧表示するには、次のように入力します。

mboxutil -l

すべてのメールボックスを、パスと ACL の情報とともに一覧表示するには、次のように入力します。

mboxutil -l -x

ユーザー daphne に対し、INBOX というデフォルトのメールボックスを作成するには、次のように入力します。

mboxutil -c user/daphne/INBOX

ユーザー delilah に対し、projx という名前のメールフォルダを削除するには、次のように入力します。

mboxutil -d user/delilah/projx

ユーザー druscilla について、INBOX というデフォルトのメールボックスとすべてのメールフォルダを削除するには、次のように入力します。

mboxutil -d user/druscilla/INBOX

ユーザー desdemonamemos というメールフォルダの名前を、memos-april という名前に変更するには、次のように入力します。

mboxutil -r user/desdemona/memos user/desdemona/memos-april

ユーザー dimitria のメールアカウントを新しいパーティションに移動するには、次のように入力します。

mboxutil -r user/dimitria/INBOX user/dimitria/INBOX partition

この場合、partition には新しいパーティションの名前を指定します。

ユーザー dimitria のメールフォルダ personal を新しいパーティションに移動するには、次のように入力します。

mboxutil -r user/dimitria/personal user/dimitria/personal partition

20.11.2.2 孤立アカウントを削除する

孤立アカウント (対応するエントリが LDAP にないメールボックス) を検索するには、次のコマンドを使用します。


mboxutil -o

コマンド出力が次のように続きます。

  mboxutil: Start checking for orphaned mailboxes
  user/annie/INBOX
  user/oliver/INBOX
  mboxutil: Found 2 orphaned mailbox(es)
  mboxutil: Done checking for orphaned mailboxes

次のコマンドで作成したファイルは、孤立メールボックスを削除するスクリプトファイルにすることができます。この例では、ファイル名は orphans.cmd です。


mboxutil -o -w orphans.cmd

コマンド出力は次のとおりです。

  mboxutil: Start checking for orphaned mailboxes
  mboxutil: Found 2 orphaned mailbox(es)
  mboxutil: Done checking for orphaned mailboxes

次のコマンドを使用して孤立したファイルを削除します。


mboxutil -d -f orphans.cmd

20.11.2.3 hashdir ユーティリティー

メッセージストア内のメールボックスは、高速で検索できるようにハッシュ構造で保存されています。したがって、特定のユーザーのメールボックスを格納するディレクトリを検索するには、hashdir ユーティリティーを使用します。

このユーティリティーは、特定のアカウントのメッセージストアを含むディレクトリを識別します。また、メッセージストアへの相対パス (d1/a7/ など) をレポートします。このパスは、ユーザー ID に基づくディレクトリの 1 つ上のディレクトリレベルを基準にしたものです。このユーティリティーによってパス情報が標準出力に送られます。

たとえば、ユーザー crowe のメールボックスへの相対パスを検索する場合は次のようになります。

hashdir crowe

20.11.2.4 readership ユーティリティー

readership ユーティリティーは、メールボックスの所有者以外に、何人のユーザーが共有 IMAP フォルダ内のメッセージを読んだかを報告するユーティリティーです。

IMAP フォルダの所有者は、フォルダ内のメールを読む権限をほかのユーザーに与えることができます。ほかのユーザーにアクセス権が与えられたフォルダは、「共有フォルダ」と呼ばれます。管理者は readership ユーティリティーを使用して、所有者以外に何人のユーザーが共有フォルダにアクセスしたかを表示することができます。

このユーティリティーは、すべてのメールボックスをスキャンして、各共有フォルダにつき 1 行ずつ、アクセスしたユーザー数とメールボックスの名前を表示させます。ユーザー数とメールボックスの名前の間にはスペースが挿入されます。

アクセスしたユーザーとは、過去の指定した日数内に共有フォルダを選択した、個別の認証を受けたユーザーのことです。自分の個人用メールボックスを読んだユーザーは、数には含められません。個人用メールボックスは、フォルダの所有者以外に購読者がいない場合は報告されません。

たとえば次のコマンドでは、最近の 15 日以内に共有の IMAP フォルダを選択したユーザーをすべてカウントします。

readership -d 15