Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド

14.8.3 Milter の要件と使用法の考慮

Milter サーバーの実行は、専用の独立したシステム上であっても Messaging Server と同一システム上であってもよく、また単一システム配備、2 層配備、または MTA と同一システム上でもかまいません。MTA とメッセージストアの間で LMTP が使用される場合は、MTA からフィルタリングを呼び出す必要があります。メッセージストアから呼び出すことはできません。MTA とメッセージストア間で SMTP が使われている場合は、いずれか一方から呼び出すことができ、いずれかのシステムか 3 つ目の別のシステムで実行できます。

Messaging Server では、複数の Milter サーバーへの接続をサポートしています。複数の IP アドレスに変換されるドメイン名を指定する場合、いずれかの IP アドレスが動作するまで、DNS からの受信順にすべての IP アドレスが試行されます。一部の DNS サーバーでは、アドレスを返す順序をランダムにする機能をサポートしているため、基本的な負荷分散/フェイルオーバーの機能が提供されます。

14.8.3.1 サポートされる Milter メッセージ変更アクション

現在 Milter インタフェースでサポートされている機能は、ヘッダーの追加 (SMFIF_ADDHDRS)、ヘッダーの変更または削除 (SMFIF_CHGHDRS)、メッセージの検疫 (SMFIF_QUARANTINE) です。メッセージ本文の変更 (SMFIF_CHGBODY)、受信者の追加 (SMFIF_ADDRCPT)、受信者の削除 (SMFIF_DELRCPT) は、現在サポートされていません。

14.8.3.2 Milter インタフェースで提供されるマクロ

現在、次のマクロが Milter インタフェースで定義されています。

$j Received: ヘッダーフィールドの by 節で置換されるテキスト。Messaging Server では、RECEIVED_DOMAIN MTA オプションで制御されます。このオプションが設定されていない場合は、local チャネルの正規ホストが使用されます。

${client_addr} SMTP クライアントの IP アドレス。ドットで区切られた 4 つ組の値で表記されます。TCP 上の SMTP が使用されている場合のみ設定します。

$i 現在のメッセージのキュー ID。Messaging Server は、各セッションに対して固有の ID を生成します。この ID は、$i マクロで表示されます。

${mail_addr} 現在のトランザクションの MAIL FROM アドレス。

${mail_host} 現在のトランザクションの MAIL FROM アドレスのホスト部分。

${rcpt_addr} 現在のトランザクションの RCPT TO アドレス。

${rcpt_host} 現在の RCPT TO アドレスのホスト部分。