Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド

21.1 アーカイブの概要

メッセージアーカイブシステムは、すべてまたは指定されたシステム上の受信メッセージおよび送信メッセージを、Messaging Server から分離した形で保存します。送信、受信、削除、および移動されたメッセージはすべて、アーカイブシステム内で保存および取得することができます。アーカイブされたメッセージは電子メールユーザーによって変更または削除できないため、受信メッセージおよび送信メッセージの整合性が維持されます。メッセージアーカイブは、コンプライアンスによるレコード保持に便利ですが、メッセージストアの管理にも役立ちます。たとえば、メッセージのバックアップを実行したり、古いメッセージを高価なメッセージストアから安価なアーカイブストレージに移動したりするために、アーカイブを使用できます。

アーカイブされたメッセージは、独立したアーカイブソフトウェアの GUI を使用して、または Messaging Server を使用して、アクセスすることができます。メッセージが Messaging Server から削除された場合、アーカイブされたメッセージは削除されないため、アーカイブクライアントを使用して、削除されたメッセージを検索および取得することができます。ただし、アーカイブされたメッセージはメールボックスフォルダに格納されず、Messaging Server に存在することに注意してください。

アーカイブされたメッセージを Messaging Server からアクセスできるようにシステムを設定することもできます。たとえば、2 年以上前のメッセージをアーカイブするようにシステムを設定できます。メッセージの本文をメッセージストアに置く代わりに、アーカイブシステムに置きます。ユーザーからは、メッセージが通常の電子メールメッセージと変わらないように見えます。同じヘッダーと件名の情報が表示されますが (これらはメッセージストアのストレージに格納されたまま)、メッセージの本文は、必要に応じてメッセージストアによってアーカイブサーバーからダウンロードされます。そのため、アーカイブサーバーからメッセージがダウンロードされるときに若干の遅延が発生することがあります。また、アーカイブされたメッセージは、電子メールクライアントから検索できません。検索は、アーカイブ GUI から行う必要があります。

21.1.1 メッセージアーカイブシステム: コンプライアンスと運用

アーカイブには、コンプライアンスと運用の 2 種類があります。コンプライアンスによるアーカイブは、法律上の義務として、完全に回復可能な電子メールレコードの保持を維持する場合に使用されます。MTA に送られてくる選択された電子メール (ユーザー、ドメイン、チャネル、受信、送信などによる選択) は、メッセージストアまたはインターネットに配信される前に、アーカイブシステムにコピーされます。アーカイブは、スパムやウイルスのフィルタリングの前後いずれかに設定できます。

運用によるアーカイブは、メールを管理するために使用されます。次に例を示します。

コンプライアンスと運用によるアーカイブは、排他的ではありません。つまり、コンプライアンスと運用によるアーカイブの両方を行うようにシステムを設定できます。