Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド

A.3.1 Net-SNMP の設定

Messaging Server の Net-SNMP ベースの SNMP サブエージェントは、AgentX プロトコルを使用してプラットフォームの SNMP マスターエージェントと通信します (RFC 2741)。Net-SNMP のマスターエージェントである snmpd は、AgentX プロトコルを使用できるように設定する必要があります。そのためには、プラットフォームの snmpd.conf ファイルに次の行が含まれていることを確認します。


master agentx

この行が含まれていない場合は、この行を追加し、snmpd デーモンを再起動します。このデーモンに SIGHUP シグナルを送信するだけでは十分ではありません。snmpd デーモンの再起動後、snmpd が AgentX 通信のために作成した UNIX ドメインソケットを探します。Solaris および Linux システムでは、このソケットはデフォルトで特殊ファイル /var/agentx/master として表示されますが、その場所と名前は snmpd.conf によって変更されている場合があります。

Solaris 10 OS の snmpd 設定を次に示します。


%cp /etc/sma/snmp/snmpd.conf /etc/sma/snmp/snmpd.conf.save
% cat >> /etc/sma/snmp/snmpd.conf
# Messaging Server's subagent requires the AgentX protocol
master agentx
^D
% cat >> /etc/sma/snmp/snmpd.conf
% ls -al /var/agentx/
srwxrwxrwx 1 root root 0 Aug 9 13:58 /var/agentx/master

また、Red Hat Enterprise Linux AS 3 システムのデフォルトの snmpd.conf ファイルは、「パブリック」の SNMP コミュニティーによって参照される可能性がある情報を制限しています。このため、その制限を削除するか、制限を緩和して Messaging Server のサブエージェントから提供される MIB を含める必要があります。初期のテストでは、後者をお勧めします。この作業は、次に示すように、「systemview」という名前のビューに OID サブツリーの mib-2.27 と mib-2.28 を追加することによって行います。実際の配備では、サイトごとに全体的なセキュリティーポリシーを考慮する必要があります。SNMP サブエージェントによって提供される情報は「読み取り専用」です。


% cp /etc/snmp/snmpd.conf /etc/snmp/snmpd.conf.save
% cat >>/etc/snmp/snmpd.conf
# Messaging Server's subagent requires the AgentX protocol
master agentx
# Messaging Server's subagent exports mib-2.27 and .28
# Add the mib-2.27 and .28 OID subtrees to the systemview
view systemview included .1.3.6.1.2.1.27
view systemview included .1.3.6.1.2.1.28
^D
% /sbin/service snmpd restart
% ls -al /var/agentx/master
srwxr-xr-x 1 root root 0 Aug 8 21:20 /var/agentx/master

また、SNMP v3 コンテキスト名を使用して、同じホストコンピュータ上で同時に実行されている複数の Messaging Server インスタンスの MIB を識別する場合は、SNMP v3 クエリーで使用する SNMP v3 ユーザー名およびパスワードを少なくとも 1 つ設定する必要があります。