配備に適切な HA モデルを選択したら、Sun Cluster HA または Veritas HA を選択します。この節では、簡単に HA 配備情報を説明します。その後の節では、Sun Cluster および Veritas の高可用性ソリューションについて、固有の情報を説明します。
クラスタエージェントは、クラスタフレームワークのもとで動作する Messaging Server プログラムです。
Sun Cluster Messaging Server エージェント (SUNWscims) は、Java Enterprise System インストーラから Sun Cluster を選択したときにインストールされます。Veritas Cluster Messaging Server エージェント (SUNWmsgvc) は、Java Enterprise System CD の Messaging Server の Product サブディレクトリにあります ( Solaris_sparc/Product/messaging_svr/Packages/SUNWmsgvc)。VCS クラスタエージェントをインストールするには、pkgadd(1M) コマンドを使用する必要があります。
Messaging Server および高可用性 (Veritas Cluster および Sun Cluster の両方に適用される) のインストールに関して次のことに注意してください。
Messaging Server の高可用性は、デフォルトでインストールされません。Sun Cluster 2.2 または Veritas Cluster Server 1.1 以降をインストールする場合は、「カスタムインストール」メニューから「高可用性コンポーネント」を選択してください。
Sun Cluster 3.0 U1 または U2 をインストールする場合は、インストールの種類で「カスタムインストール」を選択するようにしてください。ただし、Messaging Server のインストール時に Sun Cluster 2.2/Veritas HA コンポーネントは選択しないでください。
インストールの実行時に、Messaging Server の HA 論理ホスト名および関連 IP アドレスが機能している (たとえばアクティブである) ことを確認してください。これは、インストールの一部でこれらの情報を使用し、TCP 接続を行うためです。Messaging Server の HA 論理ホスト名が現在指定しているクラスタノードで、インストールを実行してください。
msg_svr_base が共有ファイルシステム上にあることを確認します。共有ファイルシステム上にない場合、高可用性が正常に機能しません。たとえば、別のノードに処理が継続されると、サーバーは障害の発生したノード上に蓄積したデータを参照しなくなります。
初期実行時設定の際に Messaging Server ホストの完全修飾のドメイン名を求められたときは、Messaging Server の完全修飾 HA 論理ホスト名を指定してください。インストール中に、この論理ホスト名を使用した TCP 接続が試行されます。
ha_ip_config の実行時に Messaging Server の IP アドレスを要求されたときは、Messaging Server の論理ホスト名に関連付けられた IP アドレスを指定してください。物理ホストの IP アドレスを使用しないでください。
クラスタリングソフトウェアは、Messaging Server の現在のバージョンのインストールと設定を行う前にインストールする必要があります。その場合は、Messaging Server の HA 論理ホスト名が現在指定しているクラスタノードで、インストールを実行してください。ノード名の入力を要求されたら、クラスタエイリアスを入力してください。
Messaging Server の初期実行時設定 (「1.3 Messaging Server の初期実行時設定を作成する」を参照) を実行する際に、Messaging Server のクラスタの完全修飾 HA 論理ホスト名を指定してください。
Messaging Server を設定するには、クラスタホスト名を使用してください。それ以外の方法で設定した場合、クラスタホスト名を使用して再設定する必要があります。
useconfig ユーティリティーを使用することで、HA 環境の複数のノード間で単一の設定を共有することができます。このユーティリティーは、既存の設定をアップグレードまたは更新するものではありません。
たとえば、一次ノードをアップグレードする場合は、Java Enterprise System インストーラからインストールを行なってから Messaging Server を設定します。そのあと、Java Enterprise System インストーラを使って Messaging Server パッケージをインストールする二次ノードにフェイルオーバーします。ただし、初期実行時設定プログラム (configure) をもう一度実行する必要はありません。代わりに、useconfig ユーティリティーを使用することができます。
このユーティリティーを使用するには、useconfig を実行して、以前の Messaging Server 設定を指定します。
msg-svr-base/sbin/useconfig install/configure_YYYYMMDDHHMMSS |
configure_YYYYMMDDHHMMSS は以前の構成設定ファイルです。
新しいノードでは、共有ディスク上の msg-svr-base/data/setup ディレクトリに configure_YYYYMMDDHHMMSS があります。
次の節、「3.5 Veritas Cluster Server エージェントのインストール」および 「3.4 Sun Cluster のインストール」には、useconfig ユーティリティーをいつ使用できるかが記載されています。