Calendar Server の特別なアカウントには次のものがあります。
「1.3.1 Calendar Server バージョン 6.3 の Calendar Server 管理者 (calmaster) アカウント」
「1.3.2 Calendar Server バージョン 6.3 の Calendar Server ユーザーおよびグループアカウント」
「1.3.4 Calendar Server バージョン 6.3 のルート以外のユーザー (icsuser、icsgroup)」
Calendar Server 管理者とは、関連付けられた特定のユーザー名とパスワードの組み合わせのうち、Calendar Server の管理権限を付与されているもののことです。たとえば、Calendar Server 管理者は Calendar Server サービスの起動と停止、ユーザーの追加と削除、カレンダの作成と削除などを実行できます。このユーザーは Calendar Server の管理権限を持ちますが、ディレクトリサーバーの管理権限を持つとは限りません。
Calendar Server 管理者のデフォルトのユーザー ID は calmaster ですが、Calendar Server の設定時に別のユーザーを指定することもできます。インストール後に別のユーザーを指定する場合は、ics.conf ファイルの service.siteadmin.userid パラメータの設定を変更します。
Calendar Server 管理者として指定するユーザー ID は、ディレクトリサーバー内の有効なユーザーアカウントである必要があります。Calendar Server の設定時に Calendar Server 管理者のユーザーアカウントがディレクトリサーバーに存在していない場合には、設定プログラムがアカウントを自動的に作成します。
次の表は、ics.conf ファイルで設定できる Calendar Server 管理者の構成パラメータを示しています。
表 1–1 Calendar Server (calmaster) 管理者の構成パラメータ
これらの特別なアカウントは Calendar Server の実行に使用されるユーザー ID とグループ ID を示しています。特別なアカウントが存在しないときは、特別な理由がないかぎり、設定プログラムによって自動的に作成されるデフォルト値 icsuser および icsgroup を使用することをお勧めします。
ただし、Calendar Server 設定プログラムの実行時に icsuser および icsgroup 以外の値を指定することもできます。これらの値は、それぞれ ics.conf ファイルの local.serveruid および local.servergid パラメータに格納されます。
Calendar Server をインストールするには、スーパーユーザー (root) としてログインするか、スーパーユーザーになる必要があります。スーパーユーザーとしてコマンド行ユーティリティーを実行し、Calendar Server を管理することもできます。ただし、一部の作業については Calendar Server ファイルへのアクセスの問題を回避するために、superuser としてではなく、icsuser および icsgroup (または選択した値) として実行する必要があります。
Calendar Server をインストールするには root 権限が必要ですが、ルート以外のユーザーとしてサービスを実行することは可能です。
ただし、root としてサービスを起動すると、root 権限が必要となる作業が実行されたあと、各プロセスでは有効 UID をランタイム (ルート以外) ユーザーおよびグループに変更します。こうすると、1024 よりも小さい番号のポートの使用が可能になります。代わりに、ルート以外のランタイムユーザーおよびグループとしてサービスを起動する場合、サービスを正常に起動するには Web サーバーのポートを 1024 よりも大きい値に設定する必要があります。
ルート以外のユーザーまたはグループは、設定時に自動的に作成されます。デフォルトは icsuser および icsgroup です。