Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド

6.7.2 Calendar Server の 1 番目のインスタンスのインストールと設定

この節の手順に従って、Calendar Server の 1 番目のインスタンスを インストールし設定します。ここでは、次の内容について説明します。

ProcedureCalendar Server をインストールするには

  1. ファイルがマウントされていることを確認します。

    プライマリノード (Node1) で次のコマンドを入力します。

    df -k

    次に、出力の例を示します。

    /dev/md/penguin/dsk/d500     35020572   
         34738 34635629   1%   /install-rootCS1
    /dev/md/penguin/dsk/d400     35020572   
         34738 34635629   1%   /share-disk-dirCS1
    /dev/md/polarbear/dsk/d300   35020572   
         34738 34635629   1%   /share-disk-dirCS2
    /dev/md/polarbear/dsk/d200   35020572   
         34738 34635629   1%   /install-rootCS2
    /dev/md/polarbear/dsk/d600   35020572   
         34738 34635629   1%   /var-cal-dirCS1
    /dev/md/polarbear/dsk/d700   35020572   
         34738 34635629   1%   /var-cal-dirCS2
  2. Sun Java Systems Communications Suite インストーラを使用して、プライマリノードに Calendar Server をインストールします。

    1. 「インストールディレクトリの指定」パネルで、インストールルート (install-rootCS1) を指定します。

      たとえば、プライマリノードが red と名付けられており、ルートディレクトリが dawn である場合、インストールルートは /dawn/red になります。これが、1 番目のノードで Calendar Server をインストールするディレクトリです。

    2. 「後で設定」を選択します。

  3. ディレクトリサーバーのあるマシン上でディレクトリ準備ツールスクリプトを実行します。

Procedure1 番目のノードで Sun Cluster を設定するには

Sun Cluster コマンド行インタフェースを使用し、次の手順に従って 1 番目のノードで Sun Cluster を設定します。

  1. 次のリソースタイプを登録します。

    ./scrgadm -a -t SUNW.HAStoragePlus
    ./scrgadm -a -t SUNW.scics
  2. フェイルオーバーリソースグループを作成します。

    次の例では、リソースグループは CAL-CS1-RG であり、2 つのノードのうちプライマリノードには Node1 という名前が、フェイルオーバーノードには Node2 という名前が付けられています。

    ./scrgadm -a -g CAL-CS1-RG -h Node1,Node2
  3. このノードの論理ホスト名リソースを作成します。

    カレンダクライアントはこの論理ホスト名で待機します。次の例では LOG-HOST-CS1-RS を使用していますが、この箇所は実際のホスト名に変更します。

    ./scrgadm -a -L -g CAL-RG -l LOG-HOST-CS1-RS
    ./scrgadm -c -j LOG-HOST-CS1-RS -y R_description=
         "LogicalHostname resource for LOG-HOST-CS1-RS"
  4. リソースグループをオンラインにします。

    scswitch -Z -g CAL-CS1-RG
  5. HAStoragePlus リソースを作成し、フェイルオーバーリソースグループに追加します。

    次の例では、リソースは CAL-HASP-CS1-RS という名前になっています。ここは各自のリソース名に置き換えます。このマニュアルの例では、見やすくするために、行が 2 行に分かれて表示されています。

    ./scrgadm -a -j CAL-HASP-CS1-RS -g CAL-CS1-RG -t 
         SUNW.HAStoragePlus:4 -x FilesystemMountPoints=/install-rootCS1,
         /share-disk-dirCS1,/cal-svr-baseCS1
    ./scrgadm -c -j CAL-HASP-CS1-RS -y R_description="Failover data 
         service resource for SUNW.HAStoragePlus:4"
  6. HAStoragePlus リソースを有効にします。

    ./scswitch -e -j CAL-HASP-CS1-RS

ProcedureCalendar Server の 1 番目のインスタンスを設定するには

  1. プライマリノードで設定プログラムを実行します。

    # cd /cal-svr-baseCS1/sbin/
    
    # ./csconfigurator.sh

    設定スクリプトの実行手順については、『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』を参照してください。

  2. 「ランタイム設定」パネルで、両方の Calendar Server 起動オプションを選択解除します。

  3. 「設定およびデータファイルの格納先ディレクトリ」パネルで、次のリストに示すように共有ディスクのディレクトリを指定します。

    設定ディレクトリ

    /share-disk-dirCS1/config

    データベースディレクトリ

    /share-disk-dirCS1/csdb

    添付ファイルの保存用ディレクトリ

    /share-disk-dirCS1/store

    ログディレクトリ

    /share-disk-dirCS1/logs

    一時ファイルディレクトリ

    /share-disk-dirCS1/tmp

    ディレクトリを指定し終えたら、「ディレクトリの作成」を選択します。

  4. 「アーカイブおよびホットバックアップの設定」パネルで、次のリストに示すように共有ディスクのディレクトリ名を指定します。

    アーカイブディレクトリ

    /share-disk-dirCS1/csdb/archive

    ホットバックアップディレクトリ

    /share-disk-dirCS1/csdb/hotbackup

    これらのディレクトリを指定したあとで、「ディレクトリの作成」を選択します。

  5. 設定が成功したことを確認します。

    設定プログラムにより一連のメッセージが表示されます。すべてのメッセージが PASSED で始まっている場合、成功したことを意味します。表示される出力例については、「6.11 カレンダ設定プログラムの出力例 (簡略)」の例を参照してください。

Procedure1 番目のインスタンスに対して最後の設定手順を実行するには

  1. Sun Cluster コマンド行インタフェースを使用して、2 番目のノードへのフェイルオーバーを実行します。

    次に例を示します。

    # /usr/cluster/bin/scswitch -z -g CAL-CS1-RG -h Node2
  2. 設定ファイル ics.conf を編集して、次の例に示すパラメータを追加します。


    注 –

    この手順を開始する前に、ics.conf ファイルをバックアップしておいてください。


    ! The following changes were made to configure Calendar Server
    ! Highly Available
    !
    local.server.ha.enabled="yes"
    local.server.ha.agent="SUNWscics"
    service.http.listenaddr="IPAddressCS1"
    local.hostname="LOG-HOST-CS1-RS"
    local.servername="LOG-HOST-CS1-RS"
    service.ens.host="LOG-HOST-CS1-RS"
    service.http.calendarhostname="LOG-HOST-CS1-RS-Domain.com"
    local.autorestart="yes"
    service.listenaddr = "IPAddressCS1"

    注 –

    service.http.calendarhostname に指定する値は完全修飾ホスト名です。


  3. Sun Cluster コマンド行インタフェースを使用して、Calendar Server リソースグループを作成します。

    カレンダリソースグループを作成し、有効にします。

    次に例を示します。

    ./scrgadm -a -j CAL-SVR-CS1-RS -g CAL-CS1-RG
          -t SUNW.scics  -x ICS_serverroot=/cal-svr-baseCS1
          -y Resource_dependencies=CAL-HASP-CS1-RS,LOG-HOST-CS1-RS
    
    ./scrgadm -e -j CAL-SVR-CS1-RS
  4. Sun Cluster コマンド行インターフェイスを使用して、Calendar Server リソースグループの作成が成功したかどうかをテストし、1 番目のノードへのフェイルオーバーを実行します。このノードがプライマリノードになります。

    次に例を示します。

    ./scswitch -z -g CAL-CS1-RG -h Node1