Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド

9.5 Calendar Server 6.3 データベースのホットバックアップの有効化

この節では、設定プログラムの実行時にホットバックアップを設定していなかった場合の、Calendar Server 6.3 データベースのホットバックアップの有効化の概要と方法について説明します。

この節の内容は、次のとおりです。

9.5.1 Calendar Server バージョン 6.3 のホットバックアップとは

ホットバックアップは、現在書き込み中のトランザクションログを除くすべてのトランザクションログが適用されている最新のスナップショットで構成されていることが理想的です。しかし、システムのビジー状態によっては、トランザクションログの適用が遅れることがあります。このため、データベースにもホットバックアップにも適用されていないログファイルがいくつか存在する可能性があります。

このようにライブデータベースと「ほぼ同じ内容」にするのは、なんらかの大惨事が発生した場合やデータベースの破損が見つかった場合に停止時間とデータの損失を最小限に抑えるためです。

新しいホットバックアップは、24 時間ごとに新しいスナップショットが取得されるときに開始されます。古いホットバックアップは検証され、破棄されるまで保存されます。詳細は、「9.2.3 Calendar Server 6.3 システムでの循環バックアップの機能」を参照してください。

ProcedureCalendar Server 6.3 システムのホットバックアップを有効にするには

  1. 設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。

  2. stop-cal コマンドを発行して Calendar Server サービスを停止します。

  3. コマンド行で、ics.conf が格納されているディレクトリに移動します。

    cd /etc/opt/SUNWics5/config

  4. 次の ics.conf パラメータを "yes" に設定して、ホットバックアップを有効にします。

    caldb.berkeleydb.hotbackup.enable="yes"

  5. ホットバックアップディレクトリのディレクトリパスを指定します。

    caldb.berkeleydb.hotbackup.path=
       /var/opt/SUNWics5/hotbackup_directory
    

    Calendar Server のデフォルトのホットバックアップディレクトリは、Solaris の場合は /var/opt/SUNWics5/csdb、Linux の場合は /var/opt/sun/calendar/csdb です。csdb ディレクトリは Communications Suite インストーラが認識できる便利なサブディレクトリであるため、このインストーラはデフォルトでアーカイブやホットバックアップディレクトリをこのディレクトリに置きます。


    注 –

    サイズの問題により、Calendar Server 管理者はアーカイブやホットバックアップを csdb ディレクトリ以外のディスク、ボリューム、またはパーティションに置くことを強くお勧めします。


    アーカイブおよびホットバックアップのディレクトリの数は設定可能です。このため、アーカイブとホットバックアップにそれぞれ 6 つのディレクトリを選択した場合、csdb ディレクトリには、ライブデータベースのコピーが 6 + 6 + 1 個できます。csstored ユーティリティーは、csdb のある物理ディスクと csdb ディレクトリのコンテンツのサイズに基づいて、必要なアーカイブとホットバックアップのサイズを計算します。

    アーカイブとホットバックアップのディレクトリは、使いやすいようにデフォルトで csdb ディレクトリ内にインストールされます。しかし、実際の配備では、csdb の外のディレクトリに配置してください。

    一次ディスクドライブにハードウェア障害が発生した場合に備えて、ホットバックアップを別のディスクまたはディスクサブシステムで行うこともできます。こうすることにより、一次ドライブまたはサブシステム上で発生する I/O の競合も減少する場合があります。

    高可用性 (HA) の設定を行なっている場合は、このパスを共有ストレージ (/global/cal/) のサブディレクトリとして指定します。第 6 章「Calendar Server 6.3 ソフトウェアでの高可用性 (フェイルオーバーサービス) の設定」も参照してください。

  6. ics.conf ファイルの編集が終わったら、Calendar Server を再起動します。

    cal-svr-base/SUNWics5/cal/sbin/start-cal