エラーログの優先順位 (レベル) によって、ログの詳細レベル (冗長度) が決まります。優先レベルが高ければ、詳細レベルは低くなります。なぜなら、優先レベル (重要度) の高いイベントのみがログファイルに記録されるからです。逆に、優先レベルが低ければ、詳細レベルは高くなります。なぜなら、より多くのイベントがログファイルに記録されるからです。
log4j ロギングまたはパラメータに基づくロギングのどちらを使用しているかに関係なく、コンポーネントごとに個別にロギングレベルを設定できます。
表 13–1 は、コンポーネントのロギングレベルの説明です。これらのロギングレベルは、UNIX の syslog 機構で定義されているレベルのサブセットになっています。
表 13–1 Instant Messaging コンポーネントのロギングレベル
レベル |
説明 |
---|---|
FATAL |
この優先レベルでは、最小限のロギング詳細がログファイルに記録されます。重大な問題や緊急事態が発生するたびに、対応するログレコードがログファイルに追加されます。FATAL に該当する問題が発生すると、アプリケーションの実行が停止されることもあります。 |
ERROR |
復旧可能なソフトウェアエラーが発生するか、ネットワーク障害が検出されるたびに、対応するログレコードがログファイルに追加されます。たとえば、サーバーがクライアントや別のサーバーへの接続に失敗した場合などです。 |
WARNING |
ユーザーエラーが検出されるたびに、対応するログレコードがログファイルに追加されます。たとえば、クライアントから送信されてきた通信内容をサーバーが理解できない場合などです。 |
INFO |
主要なアクションが発生するたびに、対応するログレコードがログファイルに追加されます。たとえば、エンドユーザーがログインやログアウトに成功した場合などです。 |
DEBUG |
タスク情報がログファイルに記録されます。この情報はデバッグ時にのみ役立ちます。個々のプロセスまたはタスク内の各イベントとその関連ステップが、ログファイルに書き込まれます。これらの情報は、エンドユーザーがアプリケーションのデバッグ時に問題を特定する際に役立ちます。 |
特定のロギングレベルを選択すると、そのレベルのイベントと、それより高いレベルのイベント (つまり、冗長レベルの低いイベント) がすべてログに記録されます。
デフォルトでは、サーバーのロギングレベルは INFO です。マルチプレクサ、カレンダエージェント、およびウォッチドッグのログファイルに関しては、ERROR がデフォルトレベルです。
log4j を使用していない場合にロギングレベルとして DEBUG を指定すると、ログファイルが占有するディスク領域が増えます。ディスク占有量の増加を防ぐために、ログファイルを監視し、必要に応じてその内容を削除してください。