ここでは、ics.conf ファイルを編集してサーバー側の設定をカスタマイズする手順について説明します。 ここで説明する内容は次のとおりです。
カレンダは、次の表に示すデフォルトによって設定されます。カレンダを再設定する場合は、次の手順を実行します。
設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。
/etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。
古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。
次の表のパラメータを 1 つ以上編集します。
パラメータ |
説明とデフォルト値 |
---|---|
calstore.calendar.create.lowercase |
カレンダの新規作成時、または LDAP CLD プラグインを使用してカレンダを検索する場合に、Calendar Server がカレンダ ID (calid) を小文字に変換するかどうかを指定します。デフォルトは “no” です。 |
calstore.default.timezoneID |
ファイルのインポート時に使用されるタイムゾーン ID であり、それ以外に予定、カレンダ、ユーザーのタイムゾーン ID は存在しません。 デフォルトは "America/New_York" です。 無効な値を指定すると、サーバーは GMT (グリニッジ標準時) タイムゾーンを適用します。 |
calstore.filterprivateevents |
Calendar Server が、非公開かつ極秘の (時刻と日付のみが公開される) 予定と仕事をフィルタリング (認識) できるかどうかを指定します。"no" に設定すると、Calendar Server はそれらを公開の予定および作業と同様に扱います。デフォルトは “yes” です。 |
calstore.group.attendee.maxsize |
予定を拡張するときに、LDAP グループで許可される最大出席者数。値 "0" (デフォルト値) は、グループ全体を拡張することを意味します。 |
calstore.recurrence.bound |
定期拡張で作成できる予定の最大数。デフォルトは “60” です。 |
calstore.userlookup.maxsize |
ユーザー検索の LDAP ルックアップで返される結果の最大数。値 "0" は制限のないことを意味します。デフォルトは “200” です。 |
calstore.unqualifiedattendee.fmt1.type |
予定の出席者についてディレクトリルックアップを行うときに、jdoe や jdoe:tv などの文字列を Calendar Server がどのように扱うかを指定します。設定できる値は、次のとおりです。uid、cn、gid、res、mailto、capデフォルトは “uid” です。 |
calstore.unqualifiedattendee.fmt2.type |
Calendar Server が予定の出席者についてディレクトリルックアップを行うときに、jdoe@sesta.com などのアットマーク (@) を含む文字列をどのように扱うかを指定します。設定できる値は、次のとおりです。uid、cn、gid、res、mailto、cap。デフォルトは “mailto” です。 |
calstore.unqualifiedattendee.fmt3.type |
予定の出席者についてディレクトリルックアップを行うときに、john doe などの空白文字を含む文字列を Calendar Server がどのように扱うかを指定します。設定できる値は、次のとおりです。uid、cn、gid、res、cap。デフォルトは “cn” です。 |
"yes" に設定すると、サーバーはディレクトリ内に存在するカレンダの各所有者を検証する必要があります (LDAP、または CSAPI 互換のユーザーディレクトリメカニズムを使用)。デフォルトは “no” です。 |
|
service.wcap.freebusy.redirecturl |
要求されたカレンダがローカルカレンダデータベースに存在しない場合は、代わりに、このパラメータで指定された URL を使用して検索を別のデータベースにリダイレクトできます。これは、特に 2 つのデータベース間で移行を行っていて、どちらのデータベースもまだ使用されているときに作成されたスクリプトに使用されます。他方のデータベースを参照するかどうかを指定するには、get_freebusy.wcap コマンドを使用します。『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Developer’s Guide』の get_freebusy コマンドの説明を参照してください。 |
store.partition.primary.path |
カレンダ情報が格納される一次ディスクパーティションの場所。デフォルトは “/var/opt/SUNWics5/csdb” です。 |
ファイルを ics.conf として保存します。
Calendar Server を再起動します。
cal_svr_base /SUNWics5/cal/sbin/start-cal
設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。
/etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。
古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。
次の表に示すパラメータを 1 つ以上編集します。
パラメータ |
説明とデフォルト値 |
---|---|
logfile.admin.logname |
このログファイルには、実行された管理ツールコマンドの履歴が格納されます。デフォルトは "admin.log" です。 |
logfile.buffersize |
ログバッファーのサイズ (バイト単位)。デフォルトは "0" です。ログファイルの各エントリのサイズを指定します。バッファーがあまりにも早くいっぱいになる場合は、サイズを大きくすることを検討してください。 |
logfile.dwp.logname |
DWP (データベースワイヤプロトコル) に関連の管理ツールを記録するログファイルの名前。デフォルトは "dwp.log" です。フロントエンドサーバーごとに 1 つ指定します。 |
logfile.expirytime |
ログファイルの有効期限 (秒単位)。デフォルトは "604800" です。この時間を過ぎると、クリーンアップルーチンによってログが破棄されます。ログをアーカイブする場合は、独自のルーチンを作成する必要があります。 |
logfile.flushinterval |
バッファーの内容をログファイルにフラッシュする間隔 (秒単位)。デフォルトは "60" です。 システムのログ情報の量がかなり多く、バッファーが 60 秒以内にいっぱいになる場合は、情報が失われます。その場合は、この間隔を短くすることを検討してください。この間隔を短くすると、システムのオーバーヘッドが増えるので注意してください。 |
logfile.http.logname |
cshttpd サービスの現在のログファイルの名前。デフォルトは "http.log" です。 |
logfile.http.access.logname |
現在の HTTP アクセスログファイルの名前。 |
logfile.logdir |
ログファイルが格納されるディレクトリ。デフォルトは "/var/opt/SUNWics5/logs" です。 |
logfile.loglevel |
サーバーがログに記録する情報の詳細度を指定します。各ログレベルには、次のいずれかのレベルが割り当てられます。CRITICAL、ALERT、ERROR、WARNING、NOTICE、INFORMATION、DEBUG (重要度順)。デフォルトは “NOTICE” です。 CRITICAL に設定すると、Calendar Server がログに記録する情報の詳細度がもっとも低くなります。もっとも高い詳細度でログを記録するには、DEBUG を指定します。 また、より詳細度の高いログレベルに設定すると、そのレベルより低い各重要度のログもすべて記録されます。たとえば、WARNING に設定すると、CRITICAL、ERROR、および WARNING レベルのログエントリのみが記録されます。DEBUG に設定すると、すべてのログが記録されます。 |
logfile.maxlogfiles |
ログディレクトリ内のログファイルの最大数。デフォルトは "10" です。システムが 11 番目のログを作成しようとする前に、クリーンアップルーチンが実行されて古いログファイルが破棄されます。 |
logfile.maxlogfilesize |
すべてのログファイルの最大合計ディスク容量 (バイト単位)。デフォルトは "2097152" です。次のログファイルを作成するとこの制限を超えてしまう場合、システムはもっとも古いログを削除してディスクの空き容量を増やそうとします。 |
logfile.minfreediskspace |
ログ記録用に必要な最小ディスク空き容量 (バイト単位)。この値に達すると、Calendar Server は古いログファイルの有効期限を終了してディスクの空き容量を増やそうとします。最小空き容量を回復できない場合、ログの記録は一時的に停止されます。デフォルト "5242880" です。 |
logfile.notify.logname |
csnotifyd サービスのログファイルの名前。デフォルトは "notify.log" です。 |
logfile.rollovertime |
ログファイルのローテーション間隔 (秒単位)。つまり、新しいログファイルの作成が開始される間隔を指定します。デフォルトは "86400" です。 |
logfile.store.logname |
カレンダストアのログファイルの名前。デフォルトは "store.log" です。 |
ファイルを ics.conf として保存します。
Calendar Server を再起動します。
cal_svr_base /SUNWics5/cal/sbin/start-cal
カレンダデータベースのトランザクションのログを設定する場合は、第 10 章「自動バックアップ (csstored) の設定」を参照してください。
削除された予定や作業を格納するための削除ログを設定する必要はありません。第 18 章「削除ログデータベースの管理」を参照してください。
設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。
/etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。
古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。
次の表に示す 1 つ以上の ics.conf パラメータを編集します。
パラメータ |
説明とデフォルト値 |
---|---|
service.wcap.format |
コマンドのデフォルトの出力形式を指定します。デフォルトは “text/calendar” です。text/js は下位互換性のためにサポートされています。 Connector for Microsoft Outlook を使用する場合は、text/calendar に設定する必要があります。 |
service.wcap.version |
WCAP のバージョン。 |
ファイルを ics.conf として保存します。
Calendar Server を再起動します。
cal_svr_base /SUNWics5/cal/sbin/start-cal