ここでは、ホストされたドメインエントリを LDAP に新しく作成する前に実行しなければならない基本作業について説明します。
データベース移行ユーティリティーを実行します。
Calendar Server バージョン 5 から移行する場合、ホストされたドメインを設定する前に、cs5migrate、csmig、および csvdmig を実行済みであることを確認してください。Sun のテクニカルサポートから最新バージョンの cs5migrate を入手できます。これらの移行ユーティリティーについては、第 4 章「データベース移行ユーティリティー」を参照してください。
実行していない場合は、comm_dsseetup.pl を実行します。
これにより、ホストされたドメインのサポートに必要なパラメータで、ics.conf ファイルが更新されます。
ics.conf ファイルを編集して、ホストされたドメインを有効にします。
次の表に、ホストされたドメインのサポートに使用される ics.conf ファイルの設定パラメータの一覧とその説明を示します。この表に示すパラメータのいずれかが ics.conf ファイルに含まれていない場合は、パラメータとそのパラメータに関連する値をファイルに追加し、変更を適用するために Calendar Server を再起動します。
パラメータ |
説明 |
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ホストされた (仮想) ドメインモードのサポートを有効化 ("yes") または無効化 ("no") します。デフォルトは "no" です。 |
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LDAP スキーマのバージョンを指定します。
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service.dcroot |
local.schemaversion = 1 の場合に、LDAP ディレクトリの DC ツリーのルートサフィックスを指定します。 例: "o=internet" ホストされた (仮想) ドメインモードでは、Calendar Server は service.dcroot パラメータを使用し、local.ugldapbasedn および local.authldapbasedn パラメータは使用されません。 反対に、ホストされていない (仮想) ドメインモードでは、Calendar Server は local.ugldapbasedn および local.authldapbasedn パラメータを使用し、service.dcroot パラメータは使用されません。 |
local.schemaversion = 2 の場合に、下にすべてのドメインが属するルートサフィックスを指定します。 例: "o=sesta.com" |
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Calendar Server のこのインスタンスのデフォルトドメインを指定します。ログイン時にドメイン名が指定されない場合は、このドメイン名が適用されます。 例: "red.sesta.com" |
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Calendar Server が "userid[login-separator ]domain" をパースするときに login-separator で使用される区切り文字を指定します。Calendar Server は各区切り文字を順に使用します。 デフォルトは "@+" です。 |
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ドメイン管理者のユーザー ID を指定します。 例: DomainAdmin@sesta.com |
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ドメイン間検索を制御します。
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ドメインの言語を指定します。デフォルトは "en" (英語) です。 |
デフォルトドメインエントリを作成します。
Schema 2 では、デフォルトドメインは Delegated Administrator 設定プログラム (config-commda) によって作成されます。
Schema 1 では、DC ツリーの構造に応じて、デフォルトドメイン (ホストされたドメインのいずれか 1 つ) を DC ツリーのルートサフィックスより 1 つ以上下のレベルに作成します。たとえば、ルートサフィックスが o=internet である場合、「Sun LDAP Schema 1」に示すように、1 つ下のレベルのノードは com になります。ただし、デフォルトドメインは sesta.com など、さらに 1 ノード下になります。DC ツリーノードを作成する場合は、次の例に示すように、csdomain を実行します。
csdomain -n o=com,dc=com,o=internet create comcsdomain -n o=sesta.com,dc=sesta,dc=com,o=internet create sesta.com
デフォルトドメインエントリに対するカレンダサービスを有効にします。
Schema 1 の場合: csattribute を使用して、LDAP の o=sesta.com ドメインエントリに、icsCalendarDomain オブジェクトクラスを追加します。
Schema 2 の場合: Delegated Administrator の設定後、カレンダサービス (およびメールサービス) を追加するように、Delegated Administrator 設定プログラムで作成されたデフォルトドメインを変更します。次の例では、カレンダサービスとメールサービスがホストされたドメインに追加されます。
commadmin domain modify -D admin -w passwd -d defaultdomain -S cal,mail
ホストされたドメインをシステムに必要なだけ作成します。
Schema 2 モードでホストされたドメインを追加する方法については、「新規のホストされたドメインの作成」を参照してください。
Schema 1 のホストされたドメインを作成するには、次の例に示すように、csdomain create を使用します。
csdomain -n o=red.sesta.com,dc=red,dc=sesta,dc=com create red.sesta.com
「ホストされたドメイン環境の設定」の説明に従って、ホストされた新規ドメインに対するカレンダサービスを有効にします。
calmaster サイト管理者ユーザーが存在しない場合、作成します。
Schema 2 では、次の例に示すように commadmin user create コマンドを使用して calmaster ユーザーを作成します。
commadmin user create -D admin -w passwd -F Calendar -L Administrator -l calmaster -W calmasterpasswd -d sesta.com -S cal
Delegated Administrator コンソールの「新規ユーザー」ウィザードを使用して calmaster を作成する方法については、Delegated Administrator オンラインヘルプを参照してください。
Schema 1 では、次の例に示すように、csuser を使用して calmaster ユーザーを組織ツリー上に作成します。
csuser o=sesta.com,o=rootsuffix -d sesta.com -g Calendar -s Administrator -ycalmasterpasswordcreate calmaster
以前のホストされていないドメイン環境 (Schema 1) に calmaster サイト管理者ユーザーがすでにある場合は、次の手順を実行して、その管理者ユーザーをデフォルトドメインに移動します。
既存の calmaster LDAP エントリの LDAP ダンプを実行して、/tmp/calmaster.ldif などの一時ファイルに保存します。
次のように、ldapdelete を使用して、組織ツリーのルートサフィックス上の既存の calmaster LDAP エントリを削除します。
#ldapdelete -D "cn=Directory Manager" -w password uid=calmaster,ou=People,o=rootsuffix
次の LDIF の例に示すように、カレンダ管理者のグループエントリを変更 (uniqueMember 属性を更新) して変更内容を反映させます。
dn:cn=Calendar Administrators,ou=Groups,o=rootsuffix changetype:modifyreplace:uniqueMember uniqueMember:uid=calmaster,ou=People,o=sesta.com,o=rootsuffix |
グループエントリをホストされたドメインに移動する必要はありません。
WCAP コマンドの calid が完全修飾名で指定されるように、管理スクリプトを更新します。つまり、各 calid にドメイン名を含める必要があります。例: jsmith@sesta.com