Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 管理ガイド

カレンダの作成

ここで説明する内容は次のとおりです。

cscal を使用したユーザーカレンダの作成

新しいカレンダを作成するには、cscal ユーティリティーの create コマンドを使用します。ユーザーまたはリソースのエントリは、LDAP ディレクトリ内にすでに存在している必要があります。LDAP ディレクトリへのユーザーやリソースの追加については、第 14 章「ユーザーとリソースの管理」を参照してください。

サイトで LDAP カレンダ検索データベース (CLD) プラグインを使用している場合、ユーザーまたはリソースのエントリの icsDWPHost LDAP 属性で指定されているのと同じバックエンドサーバー上で特定のユーザーまたはリソースのすべてのカレンダを作成する必要があります。別のバックエンドサーバーにカレンダを作成しようとすると、cscal ユーティリティーはエラーを返します。LDAP CLD プラグインについては、第 6 章「複数のマシンへのカレンダデータベースの分散の設定」を参照してください。

たとえば、jsmith というカレンダ ID (calid) を持つカレンダを新規作成するには、次のように実行します。

cscal -o jsmith -n JohnSmithCalendar create jsmith

それぞれの意味は次のとおりです。

John Smith が所有する Hobbies という表示名のカレンダを作成し、グループスケジュール機能のアクセス制御設定を適用するには、次のように実行します。

cscal -n Hobbies -o jsmith create Personal

それぞれの意味は次のとおりです。

次の例は、前の例に似たカレンダを新規作成しますが、カレンダを sports というカテゴリに関連付け、複数のユーザーからの予約を有効にして Ron Jones というもう一人の所有者を指定します。

cscal -n Hobbies -o jsmith -g sports -k yes -y rjones create Personal

それぞれの意味は次のとおりです。

次の例は、前の例と似たカレンダを作成しますが、グループスケジュール機能のアクセス制御設定が適用されます。

cscal -n Hobbies -o jsmith -a "@@o^a^sfr^g" create Personal

ここで、-a "@@o^a^sfr^g" は、このカレンダのコンポーネントとカレンダの両方のプロパティーに対するグループスケジュール機能のスケジュール権限、空き/ 予定ありの設定権限、読み取りアクセス権限を、ほかの所有者に与えます。

リソースカレンダの作成準備

リソースカレンダは、スケジューリングが可能な会議室、ノートパソコン、OHP、その他の機器などに関連付けられます。リソースカレンダにはアクセス制御リストが必要です。

表 15–3 に示すように、ics.conf ファイルの 2 つの設定用パラメータがリソースカレンダに適用されます。

表 15–3 に示すように、これらのパラメータのデフォルト値を変更するには、ics.conf ファイルを編集します。デフォルト値の変更は、新しいリソースカレンダだけに適用されます。 既存のリソースの値は変更されません。

Schema 1 の場合は、Calendar Server ユーティリティー cscal を使用して、既存のリソースカレンダの値を変更します。csresource ユーティリティーには modify コマンドはありません。

Schema 2 の場合は、Delegated Administrator ユーティリティーコマンド commadmin resource modify を使用します。Delegated Administrator コンソールでは、カレンダリソースについてのこれらの値を変更することはできません。


注 –

Calendar Server の通知ソフトウェアは、リソースに通知を送信するようにプログラミングされていません。 通知を受け取るのはユーザーだけです。


表 15–3 ics.conf ファイルに指定できるリソースカレンダの設定パラメータ

パラメータ 

説明とデフォルト値 

resource.default.acl

このパラメータには、リソースカレンダの作成時にデフォルトで適用されるアクセス制御設定を特定します。デフォルトのアクセス許可は、次の ACL (アクセス制御リスト) によって指定されます。 

"@@o^a^r^g;@@o^c^wdeic^g;@^a^rsf^g"

この ACL は、コンポーネントとプロパティーの両方に対する読み取り、スケジュール、空き/予定ありの設定アクセス権をすべてのカレンダユーザーに付与します。 

リソースに対するアクセス権を変更するには、csresource ユーティリティーの create コマンドを使用してカレンダを作成するときに -a オプションを指定します。

resource.allow.doublebook

このパラメータには、リソースカレンダが複数のユーザーからの予約を許可するかどうかを指定します。複数のユーザーからの予約が許可される場合、リソースカレンダでは同時に複数の予定をスケジュールできます。 

デフォルトは "no"— で、複数のユーザーからの予約は許可されません。

リソースカレンダの複数のユーザーからの予約を許可するには、csresource ユーティリティーの create コマンドを使用してカレンダを作成するときに -k オプションを指定します。

新しいリソースカレンダの作成

Calendar Server では、リソースカレンダの自動プロビジョニングはサポートしていません。サイトに必要なリソースごとに、次の方法を使用する必要があります。


注 –

リソースの LDAP エントリがすでに存在する場合、csresource ではカレンダのみが作成されます。LDAP エントリは重複して作成されません。


Delegated Administrator Utility については、『Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 Delegated Administrator Guide』を参照してください。

Delegated Administrator Console については、オンラインヘルプを参照してください。

csresource については、付録 D 「Calendar Server のコマンド行ユーティリティーのリファレンス」 を参照してください。

リソースカレンダでの複数のユーザーからの予約の許可

デフォルトでは、Calendar Server はリソースカレンダでの複数のユーザーからの予約 (resource.allow.doublebook パラメータ) を許可しません。このデフォルト設定は、部屋や装置などのリソースで予定の競合が生じることを防ぎます。ただし、リソースカレンダでの複数のユーザーからの予約を可能にするには、カレンダの作成時に csresource -k オプションを “yes” に設定します。

次のコマンドは、リソースの LDAP エントリとカレンダを作成しますが、-k オプションによってカレンダでの複数のユーザーからの予約が許可され、-o オプションによってカレンダの 所有者が bkamdar に設定されます。また、-y オプションによってもう一人の所有者が jsmith に設定されます。

csresource -m aud100@siroe.com -c aud100 -k yes
    -o bkamdar -y jsmith create Auditorium

リソースカレンダに対するアクセスの制限

特定のリソースの予定を指定できるユーザーを制御するには、リソースカレンダに対して書き込みアクセス権を持つユーザーを制限してください。たとえば、会議室の予定設定や機器の使用予約を特定のユーザーに限定することができます。

リソースカレンダの所有者を指定しない場合、ics.conf ファイルの service.admin.calmaster.userid パラメータの値が適用されます。