csuser ユーティリティーは、LDAP ディレクトリサーバーと Calendar Server のカレンダデータベースに格納されているカレンダユーザー情報を管理します。次のコマンドがあります。
check: ユーザーのカレンダ機能が有効であるかどうかを確認する。
create: カレンダ機能を利用するユーザーを作成し、有効にする。
このユーティリティーは Communications Express で必要な Address Book のユーザーを有効にしません。ldapmodify を使用して手動で行う必要があります。
delete: ユーザーとユーザーのデフォルトのカレンダを削除する。
ホストされていないドメインモードの場合にユーザーを削除するには、このコマンドを使用する必要があります。ただし、ユーザーが所有しているほかのカレンダは削除されません。cscal を使用して削除されたユーザーのその他のカレンダを消去します。
disable: ユーザーによる Calendar Server へのログインを無効にする。
enable: ユーザーによる Calendar Server へのログインを有効にする。
list: ユーザーのカレンダ属性を表示する。
reset: ユーザーのカレンダ属性をデフォルトの設定にリセットする。
Directory Server を使用している場合は、ldapsearch ユーティリティーと ldapmodify ユーティリティーも使用できます。これらのユーティリティーについては、次の Web サイトで入手できる Directory Server のマニュアルを参照してください。
http://docs.sun.com/coll/1316.1
Calendar Server は稼動中でも停止していてもかまいません。
このユーティリティーは、Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行する必要があります。
カレンダユーザーの情報を格納している LDAP サーバーが稼動している必要があります。
インストール時に指定した Calendar Server の実行ユーザーまたはグループ (icsuser、icsgroup など)、または root としてログインする必要があります。
csuser [-q|-v] [-a aces] [-b basedn] -m email address [-d domain] -f filename -g givenname [-k yes|no] [-l langcode] -s surname -y userpassword create userid csuser [-q|-v] [-b basedn] [-d domain] [-h host] list [userid] csuser [-q|-v] [-b basedn] [-d domain] [check|delete|disable|enable|reset] userid |
次の表は、csuser ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。
表 D–38 csuser ユーティリティーのコマンド
コマンド |
説明 |
---|---|
check userid |
指定したユーザー ID のユーザーがカレンダ機能を利用できるかどうかを調べます。 |
create userid |
指定したユーザー ID のユーザーを作成し、このユーザーによる Calendar Server へのログインを有効にします。 |
delete userid |
指定したユーザー ID のユーザーを削除します。 |
disable userid |
指定したユーザー ID のユーザーによるカレンダ機能の使用を無効にします。このユーティリティーは、icsAllowedServiceAccess 属性の値として http を定義します。 |
enable userid |
指定したユーザー ID のユーザーによるカレンダ機能の使用を有効にします。 |
list [userid] |
指定したユーザー ID のユーザーのカレンダ属性を表示します。ユーザー ID を指定しない場合は、有効なすべてのユーザーの属性 がリスト表示されます。 -hserver-name オプションが指定されている場合、そのバックエンドサーバー上の指定のユーザー ID (または有効なすべてのユーザー) のカレンダ属性が表示されます。 |
reset userid |
指定したユーザー ID のユーザーのすべてのカレンダ属性をデフォルトの設定にリセットします。 注: ユーザー ID のカレンダ属性がリセットされると、ユーザーの LDAP エントリからすべてのカレンダ属性 (icsCalendarUser (オブジェクトクラス)、icsSubscribed、icsCalendarOwned、icsCalendar、および icsDWPHost (ユーザーが LDAP CLD 設定に含まれる場合)) が削除されます。Calendar Server 管理者がユーザーに代わってカレンダを作成することはできません。 Calendar Server 管理者がそのユーザーに対して csuser enable コマンドを実行すると、これらの属性はユーザーの LDAP エントリ内に復元されます。 |
version |
ユーティリティーのバージョンを表示します。 |
次の表は、csuser ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。
表 D–39 csuser ユーティリティーのコマンドオプション
オプション |
説明 |
---|---|
-v |
冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 |
-q |
非出力モードで実行します。
|
-b basedn |
すべての LDAP ユーザーに使用されるベース DN。デフォルト値は、ics.conf ファイルの local.ugldapbasedn の設定から取得されます。 |
-b basedn |
ユーザーの ベース DN を指定します。 |
-d domain |
ホストされた (仮想) ドメインの名前を指定します。デフォルトはics.conf ファイルの service.defaultdomain パラメータの設定から取得されます。 |
-a [aces] |
指定したカレンダの ACE (アクセス制御エントリ) です。ACE は、グループスケジュールのためにカレンダにアクセスできるユーザー、およびこれらのユーザーが持つアクセス権の種類 (作成、削除、読み取り、書き込みなど) を決定します。ACE 文字列または ACL (アクセス制御リスト) は、引用符 ("") で囲む必要があります。 デフォルトは次のとおりです。 "@@o^a^r^g;@@o^c^wdeic^g; @^a^sf^g;@^c^^g;@^p^r^g" ACE の形式については、「サービスの設定」を参照してください。 |
-f filename |
パスワード (-y パラメータ) を必要とするオプション用にパスワードを記録したファイルの名前です。スクリプトから csuser を実行する場合、セキュリティーのためにパスワードをこのファイルに指定します。 |
-g givenname |
ユーザーの LDAP givenName 属性 (姓名の名) です。このオプションは必須です。デフォルト値はありません。 |
-h host |
ユーザーカレンダが存在するバックエンドサーバーの名前を指定します。このオプションは list コマンドだけに適用されます。 |
-p port |
LDAP サーバーが待機しているポートの番号です。デフォルト値は、ics.conf ファイルの local.ugldapport の設定から取得されます。 |
-k yes|no |
ユーザーカレンダで複数のユーザーからの予約を許可するかどうかを指定します。yes を指定した場合は、ユーザーカレンダの同じ時間帯に複数の予定をスケジューリングできます。 |
-l [langcode] |
言語コードです。デフォルトは ics.conf ファイルの local.sitelanguage の設定です。 |
-m email address |
ユーザーの LDAP mail 属性 (一次電子メールアドレス) を指定します。 |
-s surname |
ユーザーの LDAP surName 属性 (姓名の姓) です。このオプションは必須です。デフォルト値はありません。 |
-u adminDN |
ユーザー認証情報を格納している LDAP サーバーに対して管理権限を持つユーザーの LDAP 識別名 (DN) です。デフォルト値は、ics.conf ファイルの local.enduseradmindn の設定から取得されます。 |
-w password |
-u オプションで指定されている LDAP 管理者 DN のパスワードです。デフォルト値は、ics.conf ファイルの local.enduseradmincred の設定から取得されます。-u オプションを使用する場合、このオプションは必須です。 |
-y userpassword |
カレンダユーザーのパスワードで、このパラメータの指定は必須です。デフォルト値はありません。 |
jsmith@sesta.com というカレンダユーザーがカレンダ機能を利用できるかどうか (既存のカレンダユーザーが、この Calendar Server のカレンダデータに対するアクセス権を持っているかどうか) を調べます。
csuser check jsmith@sesta.com
ユーザー ID が jsmith@sesta.com、名が John、姓が Smith、電子メールアドレスが jsmith@sesta.com、ドメインが sesta.com という設定の LDAP ユーザーを作成します。
csuser -g John -s Smith -y password -m jsmith@sesta.com create jsmith@sesta.com -d sesta.com
jsmith@sesta.com というカレンダユーザーを削除します。
csuser delete jsmith@sesta.com
jsmith@sesta.com カレンダユーザーによる Calendar Server へのログインを無効にします。
csuser disable jsmith@sesta.com
このコマンドを実行することで、jsmith@sesta.com は Calendar Server にログインしてカレンダデータにアクセスすることができなくなりますが、jsmith のデータはカレンダデータベースから削除されません。ただし、jsmith が現在 Calendar Server にログインしている場合は、ログオフするまでカレンダデータへのアクセスを維持できます。
jsmith@sesta.com のカレンダの作成を有効にします (既存のカレンダユーザーが Calendar Server へログインできるようにする)。
csuser enable jsmith@sesta.com
jsmith@sesta.com というユーザーのすべてのカレンダ属性を表示します。
csuser -v list jsmith@sesta.com
ユーザー ID が user という文字列から始まるすべてのカレンダユーザー ID を表示します。
csuser -v list "user*"
jsmith@sesta.com のすべてのカレンダ属性をデフォルトの設定にリセットします。
csuser reset jsmith@sesta.com
sesta というバックエンドサーバーに存在する tchang というユーザーのすべてのカレンダ属性を表示します。
csuser -v -h sesta list tchang