csrename ユーティリティーを使用すると、1 人以上のカレンダユーザーの名前を変更できます。このユーティリティーを使用してカレンダユーザーの名前を変更するには、次のことを行います。
カレンダデータベースファイル: カレンダデータベースファイル内のユーザー名 (ユーザー ID) を変更し、新しいデータベースファイルを出力先ディレクトリに書き込みます。既存のデータベースファイルは変更されません。
LDAP ディレクトリサーバー: Calendar Server LDAP 属性 (つまり、“ics” 接頭辞付きの属性) のユーザー ID を変換します。LDAP ディレクトリサーバーが同じ場所で更新されます。
csrename ユーティリティーは次のディレクトリに格納されています。
cal_svr_base/SUNWics5/cal/sbin
csrename を実行する前に、次のことを実行する必要があります。
変換するユーザー用の入力マッピングファイル (-m オプション) を作成します。
必要に応じて、LDAP ディレクトリサーバーの新しいユーザーを作成します。
Calendar Server を停止します。
csrename を実行するには、icsuser (または設定中に指定された Calendar Server ランタイムユーザー ID) としてログインします。スーパーユーザー (root) として csrename を実行する場合は、新しいデータベースファイルに対するアクセス権のリセットが必要になることもあります。LDAP ディレクトリサーバー属性を変更するには、そのディレクトリに対する管理権限も必要です。
インストールしている Calendar Server の構成にフロントエンドサーバーとバックエンドサーバーが含まれている場合は、各バックエンドサーバー上で csrename を実行する必要があります。
次の構文を使用して csrename を実行します。
csrename [-t DestinationDB] [-c ConfigFile] [-e ErrorFile] -m MappingFile rename [DB|LDAP] |
次の表に、このユーティリティーのオプションを一覧表示し、各オプションについて説明します。
表 D–27 csrename のオプション
オプション |
説明 |
---|---|
-t DestinationDB |
csrename で、変換後のユーザー名が付いた新しいデータベースが生成される出力先ディレクトリを指定します。デフォルトは MigratedDB です。csrename の終了後、ics.conf ファイル内の caldb.berkeleydb.homedir.path パラメータは出力先データベースをポイントしている必要があります。caldb.berkeleydb.homedir.path をリセットして出力先データベースディレクトリをポイントするか、または出力先データベースファイルをこのパラメータで指定されたディレクトリに移動します。 |
-c ConfigFile |
Calendar Server 設定ファイルを指定する入力パラメータ。デフォルトは ics.conf ファイルです。csrename は設定ファイルの caldb.berkeleydb.homedir.path パラメータを使用して、入力カレンダデータベースの場所を特定します。カレンダデータベースのデフォルトの場所は cal_svr_base/var/opt/SUNWics5/csdb です。 |
-e ErrorFile |
csrename でエラーや解決できないデータベースエントリが書き込まれるファイル。デフォルトは MigrateError です。 |
-m MappingFile |
入力マッピングファイルを指定します。デフォルトは MigrateMapping です。入力マッピングファイルとは、既存のユーザー ID を新しいユーザー ID にマッピングするテキストファイルのことです。csrename を実行する前に、マッピングファイルを作成する必要があります。古い値と新しい値の間にスペースを入力し、1 行に 1 つのエントリを指定します。 次に例を示します。 tchang tc897675 jsmith js963123 bkamdar bk548769 結果を調べたときに 1 つ以上の名前変更に失敗したことがわかった場合は、変更に失敗した名前だけの新しいマッピングファイルを作成し、csrename を再実行すると、エラーを解決できます。 |
DB|LDAP |
更新するデータベースを指定します。 DB: 新しいカレンダデータベースのユーザー ID だけを変換します (デフォルト)。 LDAP: 新しいカレンダデータベースと LDAP ディレクトリサーバー属性の両方のユーザー ID を変換します。 |
DBMapFile という名前のマッピングファイルに基づいてユーザー名を変更し、newcalDB という名前の出力先ディレクトリに新しいカレンダデータベースを作成します。
csrename -t newcalDB -m DBMapFile rename DB
NewNames という名前のマッピングファイル内の値に基づいてユーザー名を変更し、NewDB という名前の出力先ディレクトリに新しいカレンダデータベースを作成し、次のように LDAP ディレクトリサーバーの Calendar Server 属性を変更します。
csrename -t NewDB -m NewNames rename LDAP