csrestore ユーティリティーは、 csbackup または csexport ユーティリティーを使用して作成したカレンダデータベース、指定のカレンダ、またはユーザーのデフォルトカレンダを復元します。次のコマンドがあります。
database: カレンダデータベースを復元する。
calendar: 指定したカレンダを復元する。
defcal: ユーザーのデフォルトカレンダをバックアップする。
version: 現在インストールされているユーティリティーのバージョン番号を表示する。
バックアップしたカレンダデータベースのバージョン番号は、指定したバックアップディレクトリ内のバージョンファイル caldb.conf に記録されます。
Calendar Server 6 の csrestore ユーティリティーは、Calendar Server 2 の csrestore との互換性を持ちません。データを喪失する可能性があるので、Calendar Server 2 の csrestore ユーティリティーでバックアップしたデータを復元しないでください。
このユーティリティーは、Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行する必要があります。
カレンダデータベースを復元する場合は、Calendar Server を停止する必要があります。
インストール時に指定した Calendar Server の実行ユーザーまたはグループ (icsuser、icsgroup など)、または root としてログインする必要があります。
csrestore [-v|-q] [-f] database inputdir csrestore [-v|-q] -c calid calendar inputfile csrestore [-v|-q] -a userid [-b basedn] defcal inputfile |
次の表は、csrestore ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。
表 D–30 csrestore ユーティリティーのコマンド
次の表は、csrestore ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。
表 D–31 csrestore ユーティリティーのコマンドオプション
オプション |
説明 |
---|---|
-v |
冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 |
-q |
非出力モードで実行します。
|
-a userid |
復元対象となるユーザーのユーザー ID。デフォルトオプションでは、このオプションの指定は必須です。デフォルト値はありません。 |
-b basedn |
指定したユーザー ID に適用される LDAP ベース DN (識別名)。デフォルトは、ics.conf ファイルの local.ugldapbasedn の設定から取得されます。 |
-f |
既存のデータベースファイルの削除を強制します。 |
-c calid |
復元対象となるカレンダのカレンダ ID。calendar コマンドを使用する場合は、このオプションの指定は必須です。デフォルト値はありません。 詳細は、「 カレンダ固有の識別子 (calid) の作成」を参照してください。 |
csbackup を使用して作成された backupdir というディレクトリに格納されているカレンダデータベースを復元します。
csrestore database backupdir
backupdir というディレクトリに格納されている、 csbackup または csexport を使用して作成された iCalendar 形式 (text/calendar) の tchang.ics ファイルから、tchang というカレンダ ID でカレンダを復元します。
csrestore -c tchang calendar backupdir/tchang.ics
csbackup を使用して作成した backupdir 内のカレンダデータベースから tchang を復元します。
csrestore -c tchang calendar backupdir
backupdir というディレクトリに格納されている、csbackup または csexport を使用して作成された iCalendar 形式 (text/calendar) の tchang.ics ファイルから、tchang により所有されているデフォルトのカレンダを復元します。
csrestore -a tchang defcal backupdir/tchang.ics