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Sun Java™ System Identity Manager 7.0 リソースリファレンス 


JMS リスナー

JMS リスナーアダプタは、JMS 準拠のメッセージングシステムキューまたはトピックからのメッセージに対して Active Sync 処理を実行できるようにする JMS (Java Message Service) クライアントです。

このアダプタはソース専用アダプタで、メッセージをキューやトピックに書き戻しすることはできません。

JMS リスナーリソースアダプタは、com.waveset.adapter.JmsListenerResourceAdapter クラスで定義されます。

リソースを設定する際の注意事項

JMS リスナーアダプタは、JMS (Java Message Service) オープン標準のバージョン 1.1 以降をサポートするメッセージングシステムに対してのみ相互作用します。

このアダプタは、指定した接続ファクトリおよび宛先の標準の JNDI 検索によって、ソース JMS メッセージングシステムトピックまたはキューと相互作用します。したがって、メッセージングシステムの管理者は、接続ファクトリと宛先があらかじめ作成済みで、標準の JNDI 検索によって使用可能であることを確認する必要があります。

Identity Manager 上で設定する際の注意事項

JMS リスナーリソースアダプタは、次のものをサポートするアプリケーションサーバー環境でのみ使用されます。

アプリケーションサーバーの管理者は、Identity Manager の Web アプリケーションが、ソース JMS メッセージングシステムに適した JMS 接続ファクトリと宛先オブジェクトに対して、JNDI 経由で正常にバインドできることを確認する必要があります。

使用上の注意

接続

Active Sync 処理が開始されると、まず、「接続ファクトリの JNDI 名」 リソースパラメータフィールドで指定された接続ファクトリを使用して、ソースメッセージングシステムへの接続が作成されます。「ユーザー」および「パスワード」フィールドが指定されている場合は、接続を確立するときに、これらが認証に使用されます。これらのフィールドが指定されていない場合は、デフォルトの認証を使用して接続が確立されます。

JMS リスナーアダプタは、同期モードで操作します。「宛先の JNDI 名」フィールドによって指定されたキューまたはトピックの宛先で、同期メッセージコンシューマが確立されます。各ポーリング間隔で、アダプタは提供されるすべてのメッセージを受信および処理します。「メッセージセレクタ」フィールドの有効な JMS メッセージセレクタ文字列を定義することで、メッセージを必要に応じて追加修飾することもできます。

接続ファクトリと宛先の属性によって、指定した宛先タイプに対応するオブジェクトを指定します。宛先タイプに「永続性トピック」を指定した場合、「永続性トピック ClientID」および「永続性トピック登録ラベル」という追加フィールドを使用して、永続性登録を設定します。

メッセージマッピング

修飾されたメッセージをアダプタが処理する場合、まず、「メッセージマッピング」フィールドによって指定されたメカニズムを使用して、受信した JMS メッセージを名前付きの値のマップに変換します。出来上がったマップは、メッセージ値マップと呼ばれます。

次に、メッセージ値マップは、アカウント属性のスキーママップを使用して、Active Sync マップに変換されます。アダプタにアカウント属性が指定されている場合、アダプタは、スキーママップにリソースユーザー属性としても表示されているキー名で、メッセージ値マップを検索します。値が存在すれば Active Sync マップにコピーされますが、Active Sync マップ内のエントリ名は、スキーママップ内のアイデンティティーシステムのユーザー属性の列で指定された名前に変換されます。

メッセージ値マップにアカウント属性のスキーママップを使用して変換できないエントリが存在する場合は、メッセージ値マップのエントリは、変更されずに Active Sync マップにコピーされます。

保証される配信/信頼される処理

配信の保証は、メッセージの送信者側に責任があります。持続的に送信されるメッセージのみが、メッセージングシステムによって配信されるまで格納されます。これにより、メッセージングシステムのクラッシュやダウンによってメッセージが失われる心配がなくなります。この仕組みは once-and-only-once 配信と呼ばれます。

「Reliable Messaging サポート」フィールドは、アダプタが実行する信頼性の高いメッセージ処理の書式を示しています。

ライフサイクルリスナー

「メッセージライフサイクルリスナー」フィールドでは、任意のライフサイクルリスナークラスをアダプタに登録できます。ライフサイクルリスナーを使用すると、次のものを実行できます。

再接続

メッセージングシステムに対する接続を失った場合 (メッセージングシステムサーバーがシャットダウンされた場合など)、リスナーを再度確立するために、メッセージングシステムに対して定期的に再接続を試みるように、アダプタを設定できます。

「例外発生時に再初期化」チェックボックスをオンにすると、再接続動作が使用可能になります。「接続再試行間隔 (秒)」フィールドを使用して、再接続の試行間隔が設定できます。

セキュリティーに関する注意事項

ここでは、サポートされる接続と特権の要件について説明します。

サポートされる接続

多くのメッセージングシステムが、クライアントとブローカ間のメッセージの暗号化機能をサポートしています。設定方法は、メッセージングシステムによって異なります。ただし、通常、暗号は抽象化されるので、JMS リスナーアダプタとメッセージングシステムのブローカ間の暗号を有効にするには、特別に設定された接続ファクトリを選択するだけで十分です。

必要な管理特権

JMS リスナーアダプタに対して設定するユーザーおよびパスワードは、JMS メッセージングシステムで認証されたユーザーでなくてはなりません。また、そのユーザーには、JMS 宛先からのメッセージを読み取るために十分な特権を許可してください。

メッセージングシステム管理者は、デフォルト認証を無効にすることで、JMS 接続を保護するようにしてください。それ以上の保護については、メッセージングシステム管理者が、承認 (アクセス制御) を設定してセキュリティーを最適化します。

プロビジョニングに関する注意事項

次の表に、JMS リスナーアダプタのプロビジョニング機能の概要を示します。

機能

サポート状況

アカウントの作成

使用不可

アカウントの更新

使用不可

アカウントの削除

使用不可

アカウントの有効化/無効化

使用不可

アカウントの名前変更

使用不可

パススルー認証

使用不可

前アクションと後アクション

使用不可

データ読み込みメソッド

なし

アカウント属性

アカウント属性はトピックまたはキューから読み取られるメッセージによってかなり異なるため、JMS リスナーアダプタにはデフォルトのアカウント属性が用意されていません。

アイデンティティーシステムユーザー属性の名前が accountId であるアカウント属性を定義してください。

リソースオブジェクトの管理

サポート対象外。

アイデンティティーテンプレート

なし。有効な値を持つアイデンティティーテンプレートを提供してください。

サンプルフォーム

JmsListenerActiveSync.xml

トラブルシューティング

Identity Manager のデバッグページを使用して、次のクラスにトレースオプションを設定します。

com.waveset.adapter.JmsListenerResourceAdapter

リソースインスタンスに対して、次の Active Sync ログパラメータを設定することもできます。

タイプ JMS リスナーのリソースを作成時または編集時に、リソースウィザードの「設定のテスト」ボタンを使用すると、広範囲に及ぶチェックが実行されます。これは、設定上の問題のトラブルシューティングに非常に役立ちます。

また、Send JMS Message という名前のレポートでは、キューやトピックにメッセージを送信または発行するための単純なツールも使用できます。このレポートを使用するには、最初に交換ファイル $WSHOME/sample/SendJMSMessageReport.xml をインポートします。すると、Send JMS Message レポートのインスタンスを作成できます。このレポートのインスタンスが実行されているときには、指定したキューまたはトピックに、指定したメッセージが書き込まれます。



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