この文書では、 SunTM Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアに関する次の情報を説明しています。
この節では、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされるソフトウェアについて説明します。
表 1 サポートされる製品
このドキュメントの発表時点では、次に示す機能または製品は、Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアではサポートされていません。
Zettabyte File System (ZFS)
Oracle 9i RAC
後日 Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアで認定された機能または製品があるかどうかについては、ご購入先にお問い合わせください。
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは、現在、次に示す SRDF 構成をサポートしています。
静的 SRDF デバイスグループ
動的 SRDF デバイスグループ
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは、現在、次に示すモードで SRDF 構成をサポートしています。
同期
半同期
適応型コピー/書き込み保留
適応型ディスクコピー
次に示す既知の問題とバグは、Sun Cluster Geographic Edition 3.2 リリースの処理に影響を与えます。
問題の概要:Sun Cluster Manager が RBAC の役割をサポートしません。
対処方法:ローカルクラスタ上でスーパーユーザーとして Sun Cluster Manager を起動します。
問題の概要:Sun Cluster Manager のグラフィカルユーザーインタフェース (graphical user interface、GUI) を使用するには、Sun Cluster Geographic Edition 配備内の両方のクラスタのすべてのノードで root パスワードを同じにする必要があります。
対処方法:Sun Cluster Manager を使用してクラスタを構成する場合は、両方のクラスタのすべてのノードで root パスワードが同じであることを確認します。すべてのノードで同一の root パスワードを設定しない場合は、コマンド行インタフェースを使用してクラスタを構成してください。
問題の概要:カスタムハートビートを使用してリモートクラスタ上にパートナーシップを作成する場合、そのハートビートをパートナーシップに参加させるには同じ名前のハートビートがローカルクラスタ上に存在していなければなりません。ハートビートは GUI を使用して作成することはできないため、「Join Partnership」ページの選択肢として適切なハートビートが表示されることはありません。
対処方法:コマンド行インタフェース (command-line interface、CLI) を使用してカスタムハートビートを作成し、CLI または Sun Cluster Manager のいずれかを使用してパートナーシップに参加させます。
問題の概要:Sun Cluster Manager に表示されるページ上の構成要素の構成と状態に変化があった場合は、本来自動的にそのページの再描画が行われるべきです。時折、この再描画がなされないことがあります。
対処方法:ナビゲーションツリーを使用していったん別のページに移動し、元のページに戻ります。再読み込みがなされてページが更新されます。
問題の概要:クラスタの再起動時、ハートビートは Degraded 状態、プラグイン tcp_udp_plugin は No_Response 状態です。またパートナークラスタ上にプロセス tcp_udp_resp がありません。
対処方法:パートナークラスタ上で pkill -9 tcp_udp_resp を実行して、パートナークラスタ上で tcp_udp_resp プロセスを再起動します。
問題の概要:ある例外的な構成エラーにより、クラスタが、Sun Cluster Geographic Edition フレームワークの起動 (geoadm start) や正常な停止 (geoadm stop) ができない状態になっている可能性があります。
対処方法:おそらく、Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーリソースが STOP_FAILED 状態にあります。STOP_FAILED 状態を解除するには、次の手順に従います。
scstat -g コマンドを使用して、影響を受けているリソースとリソースグループを判定します。
STOP_FAILED 状態にあるすべてのリソースとリソースグループの STOP_FAILED フラグを解除するため、それぞれに対して次のコマンドを使用します。
# scswitch -c -j resource -h nodename -f STOP_FAILED |
停止できなかったアプリケーションを手動で停止します。
たとえば、ora lsnr を停止できなかった場合は、これを完全に停止します。影響を受けたリソースが Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーだけの場合は、この手順を無視してください。
必要であれば、リソースグループを停止します。
リソースグループの停止中にリソースを停止できなかった場合は、リソースグループが STOP_FAILED 状態のままになるため、次のコマンドを使用して停止してください。
# scswitch -F -g resourcegroup |
リソースの再起動中またはリソースを無効にしている最中にリソースを停止できなかった場合は、この手順を無視してください。
geoadm stop コマンドを再試行します。
問題の概要:EMC SRDF では、ドミノ効果がオンの場合、役割を変更できません。適応型コピー/書き込み保留モードとドミノモードが設定されている場合は、次の例のような障害メッセージが表示されます。
# geopg switchover -f -m no-1 srdfpg Processing operation... The timeout period for this operation on each cluster is 3600 seconds (3600000 milliseconds)... Resource groups "fo-rg,scal-rg" is unmanaged. Failed to perform the protection group role change for device group testdg. # Aug 2 11:05:14 pbrew2 symrdf[29990]: 'Suspend' for device group testdg - Cannot proceed in the current RDF state except if the Symmetrix force flag is used. Note that the Symmetrix force flag is not allowed to be used by default in RDF control operations Aug 2 11:05:17 pbrew2 symrdf[11]: 'Swap Personality' for device group testdg - The device is not in a valid RDF state for this operation |
対処方法:スイッチオーバーの代わりにフェイルオーバーを使用します。
問題の概要:pkgrm を使用して Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアを削除すると、gchb_resd プロセスが実行状態のままになる場合があります。この場合、再インストールすると、プロセスで障害が発生します。
対処方法:不要です。gchb_resd プロセスは自動的に再起動されます。
問題の概要:Sun Cluster 3.2 ソフトウェアにアップグレードしたクラスタ上には、インストーラは Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアをインストールできません。Sun Cluster ソフトウェアは installer プログラムではアップグレードされないので、installer プログラムは、必要な Sun Cluster 3.2 ソフトウェアがクラスタ上で動作していることを認識できません。
対処方法:各ノードで次の手順を実行します。
製品レジストリファイルの名前を変更します。
# mv /var/sadm/install/productregistry /var/sadm/install/productregistry_$date |
JavaTM Enterprise System のインストールパッケージとアンインストールパッケージを削除します。
# pkgrm SUNWentsys5 SUNWentsys5i SUNWentsys4 SUNWentsys4i |
installer プログラムを再実行して、Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアをインストールします。
問題の概要:Sun Cluster Geographic Edition をアンインストールして再インストールした場合に、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアを有効にできません。次のようなメッセージが表示されます。
# geoadm start ... checking for management agent ... ... management agent check done .... ... starting product infrastructure ... please wait ... Nov 1 14:35:16 phys-obsidian-1 Cluster.GCHB_resd: GCHB system error: pmfadm failed - could not start agent /usr/cluster/lib/geo/lib/tcp_udp_resp Nov 1 14:36:54 phys-obsidian-1 SC[SUNW.scmasa,geo-infrastructure,geo-failovercontrol,scmasa_svc_start]: Failed to start /usr/cluster/lib/rgm/rt/hamasa/cmas_service_ctrl_start geo-infrastructure. Nov 1 14:36:54 phys-obsidian-1 Cluster.RGM.rgmd: Method <scmasa_svc_start> failed on resource <geo-failovercontrol> in resource group <geo-infrastructure> [exit code <50>, time used: 21% of timeout <600 seconds>] Nov 1 14:37:22 phys-obsidian-1 Cluster.PMF.pmfd: chdir: No such file or directory |
対処方法:Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアを再インストールしたあとで、共通エージェントコンテナを再起動します。
# /usr/sbin/cacaoadm restart |
Sun Cluster Geographic Edition 構成のパッチに関する情報を以下に示します。
Sun Cluster Geographic Edition 製品に必要なパッチを確認してダウンロードするためには、SunSolveTM ユーザーとして登録済みでなければなりません。SunSolve アカウントをまだ入手していない場合は、ご購入先に問い合わせるか、あるいは http://sunsolve.sun.com でオンライン登録を行なってください。
次のパッチをインストールする必要があります。
Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 CORE: 最低限 116466-09
Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 II: 最低限 116467-09
Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 SNDR: 最低限 116468-13
SPARC:Sun StorageTek Availability Suite 4 SNDR: 最低限 123246–01
x86: Sun StorageTek Availability Suite 4 SNDR: 最低限 123247–01
これらのパッチの入手については、ご購入先に問い合わせてください。
リリース 3.2 では、Sun Cluster ソフトウェアに、新しいオブジェクト指向コマンドが含まれています。Sun Cluster Geographic Edition のユーザーマニュアルは、これらのコマンドについて説明するために改訂されています。元の Sun Cluster コマンドセットに慣れている方のために元のコマンドも引き続きサポートされますのでご安心ください。
多くの Sun Cluster コマンドには、長い記述的な書式に加え、入力量が大幅に少なくなる短い書式、つまりエイリアスもあります。コマンドとその短い書式であるエイリアスを次の表に一覧表示します。
表 2 オブジェクト指向コマンドとエイリアス (短い名前)|
フルコマンド |
エイリアス |
目的 |
|---|---|---|
|
claccess |
なし |
Sun Cluster Geographic Edition のアクセスポリシーの管理 |
|
cldevice |
cldev |
Sun Cluster Geographic Edition のデバイスの管理 |
|
cldevicegroup |
cldg |
Sun Cluster Geographic Edition のデバイスグループの管理 |
|
clinterconnect |
clintr |
Sun Cluster Geographic Edition のインターコネクトの管理 |
|
clnasdevice |
clnas |
Sun Cluster Geographic Edition 用の NAS デバイスへのアクセスの管理 |
|
clnode |
なし |
Sun Cluster Geographic Edition のノードの管理 |
|
clquorum |
clq |
Sun Cluster Geographic Edition の定足数の管理 |
|
clquorumserver |
clqs |
定足数サーバーホストでの定足数サーバープロセスの構成と管理 |
|
clreslogicalhostname |
clrslh |
論理ホスト名のための Sun Cluster Geographic Edition リソースの管理 |
|
clresource |
clrs |
Sun Cluster Geographic Edition のデータサービス用のリソースの管理 |
|
clresourcegroup |
clrg |
Sun Cluster Geographic Edition のデータサービス用のリソースグループの管理 |
|
clresourcetype |
clrt |
Sun Cluster Geographic Edition のデータサービス用のリソースタイプの管理 |
|
clrssharedaddress |
clrssa |
共有アドレスのための Sun Cluster Geographic Edition リソースの管理 |
|
clsetup |
なし |
対話形式での Sun Cluster Geographic Edition の構成。このコマンドはサブコマンドを持っていません |
|
clsnmphost |
なし |
Sun Cluster Geographic Edition の SNMP ホストの管理 |
|
clsnmpmib |
なし |
Sun Cluster Geographic Edition の SNMP MIB の管理 |
|
clsnmpuser |
なし |
Sun Cluster Geographic Edition の SNMP ユーザーの管理 |
|
cltelemetryattribute |
clta |
システムリソース監視の構成 |
|
cluster |
なし |
Sun Cluster Geographic Edition のグローバルな構成とステータスの管理 |
|
clvxvm |
なし |
VERITAS Volume Manager の Sun Cluster Geographic Edition 向けの構成 |
オブジェクト指向の Sun Cluster コマンドについては、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の付録 A「Sun Cluster オブジェクト指向コマンド」を参照してください。
日本語のマニュアルは docs.sun.com を参照してください。Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ユーザーマニュアルセットには次のマニュアルコレクションが含まれています。
|
Sun Cluster Geographic Edition Release Notes Collection - ja |
|
Sun Cluster Geographic Edition Software Collection - ja |
|
Sun Cluster Geographic Edition Reference Collection - ja |
最新のマニュアルは、docs.sun.comSM Web サイトで参照してください。docs.sun.com Web サイトでは、Sun Cluster Geographic Edition マニュアルにアクセスできます。次の Web サイトを利用すれば、docs.sun.com アーカイブをブラウズしたり、マニュアルのタイトルやテーマを検索できます。
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パート番号 |
マニュアル名 |
|---|---|
|
820–0644 | |
|
820–0647 | |
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820–0650 | |
|
820–0653 |
『Sun Cluster Geographic Edition Sun StorageTek Availability Suite 向けデータ複製ガイド』 |
|
820–0656 |
『Sun Cluster Geographic Edition Hitachi TrueCopy 向けデータ複製ガイド』 |
|
820–0659 |
『Sun Cluster Geographic Edition EMC Symmetrix Remote Data Facility 向けデータ複製ガイド』 |
このコレクションには、『Sun Cluster Geographic Edition リファレンスマニュアル』、パーツ番号 820–0662 が含まれています。
このセクションには、前述したマニュアルを補足する情報を記載します。
デバイスグループを追加するとき、geopg は大文字と小文字を区別しません。
この節では、現地語版マニュアルについて判明している記述の誤りまたは記載漏れと、それらの問題を修正する手順を示します。
問題の概要:Sun Cluster Manager からヘルプページにアクセスした場合に、真ん中のタブ「索引」に内容がありません。
対処方法:Sun Cluster Manager のヘルプには、C ロケールまたはローカライズされていない環境上で起動した Web ブラウザからアクセスします。
現時点では、判明しているマニュアルの問題はありません。